太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第3話「風雲児」。憧れの京の都へ到着。高氏もお守役の右馬介も大はしゃぎである。しかし、この京の都から戦乱の世の幕が今まさに開けようとしていることを高氏も右馬介も知らなかった。太平記のあらすじと感想第3話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第3話「風雲児」

京では母清子の兄上杉憲房の屋敷の世話になる。高氏は上杉家の役目やその出自について高氏に講義をしてくれているが・・・。高氏にも、右馬介にも退屈なようである。憲房もそれに薄々気付いているようだ。

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太平記あらすじ第3話上巻「京都観光」

二人は叔父の憲房から「観光名所」を記してもらい早速京都観光へと繰り出す。



「いやー!若殿!京にございますな!」



右馬介もご機嫌である。上杉邸で食した和菓子の甘いこと、鎌倉では絶対食べられないと高氏にまくしたてていた。



「右馬介!次は何処に案内してくれるのだ?」

「さっき清水寺でしたので次は・・・」

「右馬介・・・寺社巡りなら一人でもいけるぞ?」



高氏の言わんとしているこは分る。二人とも健康な男である。であるが・・・。




右馬介には高氏を引率する責任がある。悪所に連れて行くワケには・・・。




二人の横を女物の牛車が通る。お香の良い香りに二人とも、いや右馬介の方が舞い上がる。



「京の女は良い匂いですな!」



右馬介は牛車の後をついてきている小僧が気になる。何やら大事そうに箱を抱えている。良い匂いがする。



「童(わっぱ)その良い匂いのする箱はなんじゃ?」

「何?小水??あのお方の??」



童は頷くと黙って前方の牛来車についていく。



「若殿!京女も小水はするようですな!!」



大河姫

アイドルはトイレ行かないみたいなヤツか・・・w

結局、寺社巡りはやめて、せめて京風の扇や帯を売っている店に行くことにするが、雑踏で高氏は右馬介と離れてしまう。



「右馬介!」



高氏は大声で呼ぶが返事がない。仕方なくあたりを見わましていると、鎌倉で出会った山伏風の男と目が合う。すぐに後を追いかけるが、こちらも見失ってしまう。




山伏風の男(日野俊基)の言葉を思い出していた。




高氏は山伏風の男が示した名前を頼りに醍醐寺へとやってきた。中に通されると紹介された「源海」は外出中でしばらくここで待つようにと一室をあてがわれた。

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太平記あらすじ第3話中巻「日野俊基」

高氏は部屋を出て醍醐寺の庭を散策する。




奥の小さな庵の前に身分の高そうな、いや、美しい貴人(後醍醐天皇)が扇に歌をしたためいた。



急ぐなる


秋の砧の音にこそ


夜寒の民の


心をも知れ


「文観をこれへ」



後醍醐天皇は扇を文観と呼ばれた僧にふわり投げる。扇は流れるように文観と二人の公卿の元へと向かうが途中ゆっくりと方向が変わり、高氏の手に落ちる。



「な、何者!?」

「あ、いや・・・」



文観に問われ高氏はしどろもどろとなる。



「そのお方は御心易い方です」



公家風の男が声をかける。その男は鎌倉で高氏が会った山伏風の男で、初めて自身は日野俊基であると名乗る。そして、扇を投げたのお方こそ現在の帝その人であると。




日野俊基は高氏を部屋で二人になると京へやってきてくれたことを謝す。そして、自分達の夢の話をする。




実は度々帝もこの醍醐寺には行幸されておりその「夢」について語ることもあるのだと。



「我らは北条殿を打ち倒す算段をしているのです」



高氏は事の重大さと日野俊基のあまりに穏やかで気負いのない雰囲気に一瞬混乱する。俊基は構わず続ける。



「私は諸国を旅して同心してくれる武士を募っております」

「鎌倉では新田殿にお会いしました」



俊基たちは先程扇を受け取った文観や四条隆資、花山院師賢などを中心に倒幕の画策しているが、いかんせん公家には力、武力がない。




そして、その武力を得るために諸国を行脚していたのだ。



「新田殿はこう申された」

「源氏が動けば、天下が動く」

「しかし、新田は力なく天下を動かせない」

「天下を動かすには足利が動かなければならないと」



「新田殿が・・・」



高氏は新田義貞の言葉に少し意外な気がした。いや、それよりも新田をはじめとする諸国の源氏、武士が北条支配に離反しているとは。




また、それをまだ二度しか会っていない自分に洗いざらい話す日野俊基の大胆さにも驚く。



「足利殿のお立場はよく理解しおります」

「ただ、都にいる間はこの日野俊基の夢に付き合いを頂ければと」

「楠木正成殿にお会いになってみませんか?」



楠木正成は無位無官でありながらも帝が最も頼りとする河内の土豪であるという。高氏は俊基の誘いに応じることにする。日野俊基をして「天下第一の武将」であり帝からの特別の信認を得ているという男に興味がわいたのだ。

太平記あらすじ第3話下巻「佐々木」

高氏は俊基に案内された「淀の津」の賑わいに圧倒される。




西国から集められた年貢、米、魚、特産品などは瀬戸内海を通り淀川を登り、ここ淀の津で京、山城など各地へと運ばれていく。




俊基によれば、此処「淀の津」を仕切っているのも楠木党であるという。




そこに商人風の男たちが俊基に楠木正成への口添えを頼みにたいとやってくる。



「如何したのだ?」

「一条殿の御領地土佐から運ばれてくる品々をお預かりしたいのです」



商人たちによれば、一条家これからは船で淀の津に運ばれてくる「木材」を興福寺に寄進するというのだが、借金のカタにそれを差し押さえたい。




楠木正成に船の積荷を預かる許可が欲しいのだと言う。




俊基は少々困り顔である。商人たちの言い分も分るがそのようなことすれば「興福寺」も黙っていない。なんとか穏便に済ます方法はないかと考えていると、商人の一人が苛立ち気に食ってかかる。



「興福寺など何するものぞ!我らは北条殿の下人でもある!」



そこに船が着いたようだ。その商人を先頭に船へを向かって行った。




俊基はやれやれという表情でその後ろ姿を眺めてながら高氏に事情を説明する。



「あの男は悪名高い金貸しです」



北条との繋がりを誇示して強気の取り立てをしているのだ。何人か武装した兵士らしき者もつれている。



「この積荷は預からせもらうぞ!」



しかし、そこに馬に乗った大柄の武士に率いられた一団が現れる。



「こら!勝手に積荷に触れるな!!」

「此処を何処だと思っている!」

「船!蔵!全て我ら楠木党の物じゃ!ここで勝手は許さん!」



馬上の男は日野俊基を見つけると、ニヤリと笑う。俊基も微笑むと高氏に、



「あのお方は楠木正成様のご舎弟正季様です」



と説明する。正季は高氏を胡散臭そうに眺めつつ、俊基に馬を寄せ再会を喜ぶ。



「俊基殿、お気をつけなされ・・・」

「先程から六波羅の素波共がうようよしております・・・」



俊基は港から離れようとするが、付いていこうとする高氏を、いったいいつからいたのか?右馬介が高氏を呼び止める。



「若殿、あの男は捕らえられます」

「日野俊基などと何処でお知り合いに・・・?」




日野俊基は人目を忍び「淀の津」を離れようとするが、六波羅の兵に行く手を阻まれる。気付けば周囲を囲まれていた。




そこに、高氏が単騎で颯爽と現れると日野俊基を乗せて逃げ出す。



「あ、こら!追え!!!」



六波羅の兵も追いかけるが馬の扱いには高氏に分があったようだ。また、楠木正季がわざと六波羅の兵の前に現れて追跡の妨害をしてくれたこともあり、日野俊基は窮地を脱する。




二人は夜になると京に入り佐々木道誉邸へと向かう。



「佐々木殿の館までは、六波羅の兵も入れませぬ」



佐々木氏は高氏と同じ源氏である。また、名前も「高氏」である。




屋敷内に案内された二人は広間に通される。




一人の青年が花を花瓶に差す立花を造っていた。着物は赤色を基調とした派手な出で立ちである。



「立花というものは四方いずれから見ても美しくなければならぬ」

「実に難しい・・・じゃが!それが面白い!」



俊基によれば佐々木道誉もまた「共に同じ夢を見る同志」だという。高氏を道誉に紹介すると、自身は四条邸へ向かうと告げる。何事か六波羅に露見した可能性がありそうなのだ。



「佐々木殿、足利殿をお頼み申しす」

「足利殿!足利殿はやはりみどもが思った通りのお方じゃ!」



「ささ、高氏殿はコチラへ・・・!」



高氏は道誉に促され歓待を受けることになる。



「高氏殿もまた、共に同じ夢を見る身・・・如何思し召しか?」



「そ、某はまだ部屋住みの身で何事も父・・・」



「ははは!此処に至りてそのような・・・(笑)」

「本心を語ってもらわねば某の身が危ないw」



俊基にしても、道誉にしても鎌倉幕府への反逆を企図しているのだ。事が露見し連座すればただでは済まない。道誉の言い分、心配はもっともだが、全く心配そうな雰囲気はない。むしろ、この事態を楽しんでいるようにも思える。




佐々木邸の舞台で見事な芸を披露するのは花夜叉一座であった。花夜叉一座は道誉の庇護のもと諸国を行脚しているのだという。




高氏は内心の焦りからか、あまり舞台に集中できていないようだ。




気付くと若い白拍子が舞台の中央に立ち舞を披露していた。藤夜叉である。




高氏はその美しさに心を奪われる。



「東(あずまより)来たれ~♪」



舞を終えると高氏の前でかしずくが、高氏は緊張なのか黙っている。道誉がからかうように高氏を促す。



「何か声をかけてやらねば・・・(笑)」



高氏は舞の最中は何を考えているのかを尋ねた。



「早く、終わることを・・・終われば休めます・・・」

「そうですか・・・見事な舞でした」

「ありがとうございます」



藤夜叉に盃を取らせると、自らも酒を飲む。




そして。




高氏はが目を覚ますと目の前には藤夜叉が一人寄り添っていた。



「今宵若殿のお相手をするようにと・・・」

「そ、そうか・・・儂は酒が・・・あまり強く・・・」

「コチラへ・・・」



藤夜叉は高氏の手を自らの胸に誘う。高氏は気が付くと藤夜叉を押し倒していた。




翌朝。




藤夜叉の姿はなく、いや佐々木邸には誰の姿も見えなかった。




高氏は表のただならぬ気配を感じそっと外を眺める。




六波羅軍兵が都往路を何処かへ向かって進軍していた。




元亨4年(1324年)9月。




所謂、「正中の変」の始まりである。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第3話「風雲児」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第3話「風雲児」

いよいよ「正中の変」がはじまります。後醍醐天皇をはじめとする「倒幕運動」の首謀者たちも(一部)ここでお披露目。後醍醐天皇の「剛毅さ」は当時から有名で、女がらみの「武勇伝」にもコトかかないやんちゃな帝なのですが、今回高氏の前に現れた後醍醐天皇は「上品」な感じでしたね。




そして、高氏は・・・完全に田舎武士の「お上りさん」ですね。頼りない・・・。あ、藤夜叉抱いちゃいましたね。

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太平記感想第3話「義貞の言葉」

日野俊基に招かれて「倒幕運動」について聞かされる高氏。高氏には「源氏の棟梁」であるという自己認識や「源平合戦」の世界観は希薄ですが世間はそうは見ない。




そして、新田義貞からは、



「足利が動けば天下動く」



とまで、見込まれていることに驚く。これは私もちょっと意外でした。




前にもちょっと触れましたが共に八幡太郎義家以来ではあるものの、新田氏は源義国の長男義重を租としており、足利氏は義国の次男義康を租としております。



勿論、当時から「新田は貧乏」「足利は金持ち」という評判はあったのですけど気位の高い新田義貞にしては潔い。




高氏としては自分の知らない所でまさに、



「夢物語」



のような陰謀が渦巻いていることに戸惑い夢か現か測りかねている感じですね。

太平記感想第3話「佐々木道誉」

第3話の「風雲児」とは佐々木道誉のことですね。この時の高氏は道誉に完全に「位負け」している感じです。勿論、この時既に佐々木家当主である道誉と「部屋住み」の高氏を比べるのはやや酷かもしれませんが。




秘密を共有することで、裏切りを防ぐというのは陰謀仲間を増やしたり恫喝をかける際の常套手段。



「本心を語ってもらわねば我が身が危のうございます(笑)」



と言いつつ、全くそんな雰囲気を見せない。




佐々木道誉は後に高氏の盟友となるはずですが、この関係性はどう変わっていくのか楽しみですね。




しかし、、、陣内孝則の佐々木道誉はめっちゃ似合う。



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以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第3話「風雲児」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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