青天を衝けのあらすじと感想第12話「栄一の旅立ち」。コロリよりも恐ろしいはやり病「攘夷熱」からようやく回復した栄一。特効薬となった長七郎の姿が良かった。死に場所を求めていた長七郎が気付いた「命の使い道」。でも此処でライフを使い切ってしまったかな・・・。青天を衝けのあらすじと感想第12話

青天を衝けのあらすじ第12話「栄一の旅立ち」

血洗島村
渋沢家


「おっとう、俺を勘当してくれ」

「止めても聞かねぇな(苦笑)」



栄一は渋沢家を出て行くことになる。




栄一の姉のなかはそれを認めた父市郎右衛門の心情を測りかねる。しかし、母のゑいは夫である市郎右衛門の気持ちが分る気がする。



「あの人も昔は武士になりたかったんだ」



市郎右衛門は三男で家を継ぐ見込みもなかった。今の栄一と同じように学問と剣術に打ち込みいずれは武士の端くれにと願っていたのだ。



「だから、根っこの処で栄一の気持ちが分っちまう」



大河姫

根っこの所でか。共感、、、しちまったんやな。分かる。分かるけど。。

しかし、市郎右衛門はその後跡取りに恵まれなかった「中の家」に婿養子に入ってからはひたすら商売に精を出した。



「武士になっても大成するかは分らなねぇ」

「じゃが、商売はやればやるほど成果に繋がる」

「こんなに面白いものはない」



大河姫

まあ、市郎右衛門さんなら武士になっても大成した可能性高いよね。ただし。商人から武士になった薩摩の森山父子悲劇もあるからな。

以後、かつて武士になりたかったことは忘れひたすら商売と農業に打ち込んだ。



「おっとうは百姓の鏡だね」



ゑいの言葉になかは改めて父の大きさを知った様子である。




その晩。




お千代は栄一に別れの前の最後の願いを伝える。



「うたを抱いてやって欲しい」

「一度でもお前様の温もりを・・・」



大河姫

「一度でもお前様の温もりを」


おいおい、今生の別れみたいやないか。。

栄一はお千代の最後の頼みにも難しい表情のまま応えることなく旅立って行く。

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青天を衝けのあらすじ第12話上巻「円四郎と栄一」

栄一と喜作は再び江戸へ入り幕府の様子を探る。




しかし、時節柄江戸は殺伐とした空気である。




栄一と喜作はさっそく奉行所の役人に怪しまれ江戸の町を逃げ回ることになる。




見知らぬ長屋を走っていると突然腕を掴まれ長屋の一つに連れ込まれる。




そこには一人の武士が座っていた。




平岡円四郎である。






少し遅れて喜作も連れてこられていた。




円四郎は自身の目と耳で攘夷攘夷と言う者たちが何を考えているのかを聞きたいと考えており、威勢が良さそうな二人を連れてきたのだ。




栄一は自身は百姓出身であるが志はあると啖呵を切る。



「百姓の志がお武家様のそれより劣るとは思っていない」




円四郎は二人の「勢い」に魅力を感じているようである。栄一の言葉「志」にいちいち頷き意外な提案をする。



「どうだい?武士になっちまうってのは?」



栄一の言う事は「道理」ではあるが「現実」は武士が支配する世の中である以上武士の方が触れる知見や情報は遥かに多い。




栄一と喜作はあまりに突飛な提案に驚くが、自分たちには郷里に「仲間」もおりやらねばならぬ志もあると言う。



「お武家様はいったいどちらの」

「てい!人に名前を聞くにはまずは自分から名乗るもんでい!」

「渋沢栄一にございます」

「渋沢喜作にございます」

「兄弟かい?」

「いいえ、従弟にございます」

「俺は平岡円四郎、一橋様にお仕えしている」



二人は衝撃を受ける。




あの水戸の斉昭の子息であり将軍後見職の一橋慶喜。



「志ってのが幕府転覆でも中にいた方がやりやすいだろ?」



大河姫

器が違うね。テロリストを勧誘しちまったw

円四郎の言葉に二人は息を飲む。




しかし。



「郷里に志を同じくする者を待たせております」

「そうかい。気が変わったら声をかけてくれ」



円四郎はそう言い残し慶喜の元へ出掛けるのであった。

青天を衝けのあらすじ第12話中巻「熱病」

「しかし、先程の百姓見所あったんだがな・・・」



円四郎はついさっき出会った「百姓」つまり栄一と喜作の事を妻のやすに聞かせる。




人手不足の一橋家の家臣に加えたかったのだがと。




ただ。



「あの様子じゃ早死にするだろうな」



大河姫

流石、慧眼・・・

円四郎も二人が「何か」ことを起こそうとしているのは感じていた。そして、その上で「命を繋ぐ」ことは難しいであろうことも。



「よ!邪魔するよ」

「川路様!」



そこに、旧知の川路聖謨が円四郎を訪ねてきた。




川路聖謨もまた慶喜の将軍後見職復帰などの時局の動きもあり外国奉行に復帰していた。




川路は昨今の「攘夷」を日本に蔓延る「熱病」のようで手が付けられなくなっていると話す。円四郎も同感である。



「それと円四郎、気になる噂を耳にした」






攘夷派の中では「攘夷派と目さている一橋慶喜」が攘夷を決行しないのは近臣、つまり平岡円四郎の影響だと言われているのだと。




円四郎は「買い被り過ぎ」だと笑うのであった。



血洗島村
尾高家


栄一と喜作は血洗島村へ戻っていた。




いよいよ「横濱焼き討ち計画」を実行に移すのだ。




その第一段は高崎城乗っ取りである。




栄一、惇忠、喜作、そして江戸から真田範之助も来ている。




丁度そこに京から長七郎が戻って来た。




皆、長七郎の帰国を喜び、嬉々として計画のあらましを説明する。



「同志六十八人が・・・高崎城へ・・・云々」



当然「横濱焼き討ち計画」に加わってくれると考えていたが・・・。



「止めておけ、こんなものは百姓一揆にもならねぇ」



長七郎はこの計画は「無謀」だと言うのだ。




皆、特に真田範之助は激昂する。




栄一は長七郎の言葉を受け、人数がもっと集まれば良いのかと尋ねるが、そういう問題ではないようだ。



「八月には千人以上の手練れ同志が挙兵したが」

「あっという間に敗れた」

「しかも、その命を出したのは天子様だという」

「攘夷の志士より幕府を選んだ・・・」



真田範之助は「命が惜しくなった」のだと長七郎を罵倒するが、長七郎はゆらりと立ち上がると範之助の前に座る。



「お前たちがこの暴挙を思いとどまるなら命は惜しくない」



長七郎の静かな迫力に皆息を飲む。
そして、



「栄一、無駄死にはやめろとお前は言ったではないか」

「行くなら俺を斬ってから行け」

「俺はどうあってもお前たちに無駄死にをして欲しくない!」



大河姫

一歩進んでるから。。早く熱が覚めた。。

結局。




横濱焼き討ち計画は中止される。

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青天を衝けのあらすじ第12話下巻「京へ」

血洗島村
渋沢家


栄一が戻ってきた。




栄一はお千代に昨晩のこと、そして「計画」のことを話す。



「長七郎に止められた。俺は長七郎の言葉が正しいとすぐ分った」



そして。




産まれたばかりの「うた」をその手に抱かなかったのはまた「失う」のが怖かったからだと。




自身の行動が間違っていたと涙ながらに謝罪する。



「抱いてやって下さい」

「ああ、うた。こんなに可愛いじゃねぇか・・・(涙)」



千代の次は父、市郎右衛門である。



「おっとう、話がある」



栄一は「高崎城乗っ取り」「異人街焼き討ち」の件を正直に伝える。



大河姫

高崎城乗っ取り

異人街焼き討ち

親父もドン引きやな・・・w

さらに、その計画の為に百五十両ほど銭をごまかしていたことも告白する。




市郎右衛門は茫然である。




さらに、さらに。



「計画は止めたが八州回りに目を付けられている」



大河姫

暴れ八州御用旅。

市郎右衛門は呆れ顔だが・・・。



「ホレ、これを」



銭の入った袋を渡す。




市郎右衛門はこれから栄一が大成しようと野垂死にしようともう「いないもの」として考えると言う。



「人の道理は踏み外すな」

「それにしても・・・親孝行とは子が親にするものだと思っていたが」

「親が子にするものだったのはな(苦笑)」






栄一と喜作は家族に別れを告げ京へと向かう。



江戸、平岡の家


「貧乏御家人の頃の方が一緒にいれた」

「そう皮肉を言いなさんな(苦笑)」






政治の中心が都へ移っていることもあり、慶喜は海路京へと向かうことになる。




円四郎もまた帯同する。




やすは「蒸気船」とやらが沈まないか不安な様子であるが、円四郎は大丈夫だと笑う。



順動丸


慶喜、そして栄一達は其々激動の京へ旅立つ。






以上、青天を衝けのあらすじ第12話「栄一の旅立ち」でございます。

青天を衝けの感想第12話「栄一の旅立ち」

青天を衝けの感想第12話「栄一の旅立ち」。第12話で「血洗島村編」が終わり来週から激動の京都編となるんですね。



「血洗島村編の仕上げ」



に相応しいお話でしたね。




栄一と円四郎の出会い(再会?)や長七郎の命懸けの説得と「横浜焼き討ち計画中止」など大河的、政局的なお話も良かったですし、栄一と千代、そして父市郎右衛門との「家族の話」もよくできていた。




良い意味で「朝ドラ風」の演出が活きていますよね。同じ朝ドラでも・・・(以下自粛)

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青天を衝けの感想第12話「熱病」

血洗島村でも猛威を振るっていたはやり病「攘夷熱」が一気に冷めましたね。都から「現実」という特効薬を自身の身体に宿し持ち帰ってくる長七郎。




この「現実」という特効薬は症状によっては「より悪化」する副作用もありますが流石は長七郎。しっかり「血洗島村の皆」に効果的に力を発揮するように処方しておりました。




長七郎の様子はもはや別人でしたね。




そう。




激しい副作用の影響だと思うのです。




長七郎は都へ立つ前に「坂下門外の変」に参加しなかったことを悔いておりました。その時は「死にたがって」いたのです。




所謂「自分だけが生き残り生き恥を晒している罪の意識」ってやつですね。




その後、都へ立ってからもおそらく「死に場所を求めて」いたのではないかと思います。




しかし、ここで長七郎に劇的な変化があったんでしょうね。



「人が死ぬ、前途有望な若者の才能が消える」



ということの意味を知ったのではないでしょうか。




長七郎は江戸でも都で多くの「志士」と交流を持ったと思います。




その志士たちが「あっさり死んでいく」異常。




私は維新志士は概ね嫌い、長州藩に至っては緋村抜刀斎以外嫌いw、ですがその「維新志士」達が全て「阿保」だったとまでは言いません。




才能に溢れあり魅力的な連中も沢山いたと思うのですよ。




その若い才能が目の前で次々と消えて行く。




結果何か残ったか?




何も残らない。




なんの為に死んだのか今は分からない



皮肉な話ですが「死に場所を求めていた」長七郎が「死んでる場合じゃない」と自身の「命の使い道」に気付いたんだと思います。



「あいつらを死なせてはダメだ」



栄一も惇忠も喜八も血洗島村の連中の「攘夷」は言うならば金持ちぼんぼんの「道楽」の延長に過ぎないし、命を使うと言う事の本当の意味を分っていないんですよね。




だから「道楽」で命を使わせるようなことは決してさせない。




既に自身の命など「捨てている」長七郎だからこそ、現実という特効薬を栄一達に処方出来たのではないでしょうか。




ち、な、み、に



この「現実」という特効薬の処方に失敗するとですね。



形が足利尊氏でも心が楠木正成ならオケ!



大河姫

尊氏公にも失礼千万だけどな。

という、症状になってしまうそうです。

青天を衝けの感想第12話「家族、夫と妻」

朝ドラパートと揶揄されることも多かった!?血洗島村の栄一。




今回それも集大成を迎えましたね。




まずはお千代。






ま、千代も栄一が「攘夷に関わる」何かを企んでいることは薄々気付いていたとは思いますが、まさか大がかりな「テロ」まで計画していたとは想像を超えていたはず。




そして、もう一つ長女の「うた」をその手に抱かなかった理由。



「失うことが怖かった」



ああ、そうだったか。




てっきり「幕府相手に斬り死にする」という決意が鈍るからかと思っていたんですが、また、市太郎のように病で亡くなってしまうコトを恐れていたんですね。




それは弱さではあると思うのですけど、優しさ故の弱さだから許してあげようと思います。




栄一には「明日、会えなくなるかもしれない」からこそ、会える時に精一杯の愛情を注ぐことを提案致します。

青天を衝けの感想第12話「家族、父と子」

そして、おっとう。






流石の市郎右衛門も「ドン引き」いや「さもありなん」って感じだったかな?ここまでとは多分思っていなかったと思いますが。




しかも「店の売上をちょろまかして」いたとは。




てっきりこの放蕩息子には親父のゲンコツ鉄拳制裁かと思いきや、




盗人に追い銭ならぬ
放蕩息子にお小遣い




親孝行とは~の下りはもはや泣けました。。。




でも、これで良かったと思います。




市郎右衛門は息子の才覚が「ちょっと凄い」事には気付いていたと思います。ただ、その才覚が「百姓」という器には納まりきらないかもという危惧もあった。




前回、旅立ちを認めたのも栄一の才覚を認めている部分もあったから。




ただ、栄一が高崎城乗っ取り計画で斬り死にしていたら市郎右衛門は後悔したと思う。




血洗島村を去ることは認めても栄一がこの世を去ることまでは多分想定、覚悟出来ていなかったから。




しかし、今回は違う。



「道理に合わない事はするな」



伝えたいことは伝えた。




そして、この時節に飲まれて栄一が死ぬこともあるであろうことも覚悟した。




あのお小遣いは餞別でもあったんでしょうね。




・・・栄一、実家太くて良かったなw

青天を衝けの感想第12話「川路さん」

ちょいちょい、平岡円四郎と川路聖謨が仲良くしているじゃないですか?






で、川路さんもガッツりと描かれそうな気がしているんですよね。




そしたら・・・泣いちゃうな。




勿論、平岡夫妻もなぁ。




これが今生の別れ・・・?




家康さん、余裕カマシテいる場合じゃないですよ!!




以上、青天を衝けのあらすじと感想第12話「栄一の旅立ち」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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