青天を衝けのあらすじと感想第8話「栄一の祝言」。慶喜と直弼の運命の対比が鮮やかでしたね。期待をされ望まれる者と無視され軽んじられる者其々の覚悟と悲哀。井伊直弼は家定を自身に重ねたのではないだろうか。あ、そうそう栄一と喜作、結婚おめでとう!美男美女ばかりの血洗島村羨ましい。青天を衝けのあらすじと感想第8話

青天を衝けのあらすじ第8話「栄一の祝言」

血洗島村


「お千代!俺は、お前が、お前が欲しい!」



栄一の言葉に目を潤ますお千代の様子に栄一はやや動揺する。



「いや、違うんです・・・」

「嬉しくて・・・」



大河姫

この日からお千代の苦労が始まったのです。。。

千代は栄一に嫌われた、避けられていると感じていたのだ。それが誤解と分かり、さらに婚姻の申し入れである。




嬉しいのだ。




栄一は先日の行商の途中、妙義山山頂で見た青天の「青さ」が自分を変えたこと、そして、自身も世の為に人の為に、世の中を変えていきたいのだと熱く語る。




千代は真剣な眼差しで栄一の話を聞いていた。




しかし。




栄一の長話を苛立ち気に聞いている者がもう一人いた。



「なっから喋る男だのう、お前は」



「喜作!」

「喜作さん!?」



栄一は喜作にも話があるのだと言いかけるが、喜作はその必要はないと言う。




喜作に届いた長七郎の手紙には、



「お千代が欲しくば栄一と勝負しろ」



と書かれていたのだ。



大河姫

お前ら。。なんもかんも。。長七郎におんぶに抱っこやないかーい!

二人は道場へ戻り早速お千代を賭けた試合に臨む。

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青天を衝けのあらすじ第8話上巻「勝負」

血洗島村
尾高道場


尾高道場は栄一と喜作が試合をするとの事で大いに盛り上がる。




二人のただならぬ空気から「凄い試合」がはじまると皆が期待している。




勿論、試合の行司を務める惇忠をはじめ、道場の者は当の二人以外、



「お千代を賭けた勝負」



であるなととは夢にも思わない。




惇忠の合図で試合が始まる!




いやー!




まずは喜作が気合とともに踏み込む!




バシ!




栄一はそれを受け止め押し返すと喜八の眉間に竹刀を振るうがかわされる!




その後も激しい打合いが続く。



「あ、やっぱり喜作さんだ!頑張って!」



そこに見たことのない女子が騒ぎを聞いてやってくると喜作を応援する。負けじとお千代も栄一に声援を送る。




その後も両者一進一退の攻防が続くが・・・。




はー!




いやー!




「それまで!」



惇忠の言葉で試合が終わる。




勝負は相打ちのように見える。




勝者は・・・。



「喜八が僅かながら勝っていた」

「実戦ならば相打ちであったであろう!いや!二人共も腕を上げたな!」



惇忠の言葉に栄一は茫然とする。




喜八は竹刀を置くと庭で勝負の成行きを見守っていたお千代の元へ。



「こいつ(栄一)は俺の弟分だが・・・」

「栄一にはお千代、お前のようなしっかりした嫁がいた方がよい!!」



大河姫

訂正。栄一は長七郎と喜作におんぶに抱っこや。。まあ、幸せになれや!

喜八はこれまでのことなどなかったかのように、栄一をお千代に託すのであった。




その様子を見ていた栄一は惇忠の前に進み出ると、



「兄ぃ!お千代を嫁にくれ!」



お千代も道場に上がり兄惇忠に頭を下げる。



「お、お前達は想い合っていたのか・・・?」

「栄一は可愛い弟分!これほど嬉しいことはない!」



惇忠はあっさりと栄一と千代の結婚を認める。




道場はの門弟たちはざわつく。



「なんかしらんけど!栄一とお千代さんが結婚だ!」



一方、栄一とお千代の結婚の後押しを終えた喜八は喧噪の残る道場を後に農道を一人とぼとぼと歩いていた。



「喜八さん!」



先程、道場でみかけた女子のようだ。




女は「よし」と名乗る。



「おう!」



大河姫

前世は滋子(平清盛)。来世は亜湖ちゃん(1リットルの涙)。

喜八を見染めたという女子だったのだが会うのは始めてだった。




喜八は笑顔を取り戻していた。

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青天を衝けのあらすじ第8話中巻「違勅」




「井伊の赤鬼・・・懐かしいですねぇ」



今宵は15分ほど経てのご登場の家康公。




彦根藩主井伊直弼と先祖である井伊直政のご紹介を頂く。




安政5年(1858年)。








「井伊掃部頭を大老職に」



井伊家は譜代の名門であり過去にも度々大老を輩出しているが、直弼は諸外国の脅威が迫るこの時期の大老職としては「時勢に明るい」とは言えないという評もある。




この人事は当の井伊直弼にも衝撃である。




直弼はやや戸惑いながらも大老職を拝命し、江戸城の廊下を歩いていると松平慶永の声が聞こえてくる。



「井伊殿は家柄だけの方!」

「諸外国の事情にも疎くこの御時勢に大老職は荷が重すぎる」



直弼はアタマが痛い。



「うん・・・確かにその通りじゃ・・・」



松平慶永の言い方には多少思う処がないではないが、直弼自身にも思い当たる節は多々ある。




大老となった以上、諸外国との交渉や懸案の将軍継嗣問題などに直弼が中心となって対応しなければならない。




まずは、家定の意向である。




直弼は家定と謁見すると「自分より適任者がいるのではないか」といった趣旨の事を尋ねる。あまりに突然の人事であったこともあり、直弼自身が幕閣を掌握出来ていない。いや、もっと言えば明確に「反対する者」もいるのだ。



「水戸の御老公や松平慶永殿など・・・」



「あやつらは儂を蔑ろにしておる!好かん!」

「阿部は儂には何も話さなかった・・・」

「父上(家慶)もどうであったかの(遠い目)」



家定は将軍継嗣となってからの辛い日々について語る。阿部正弘も松平慶永も水戸の斉昭も、そして恐らくは自身の実の父でもある家慶でさえも、家定の存在を無視していた。




家定の脳裏には慶喜が家慶と仲良く語らう姿が浮かぶ。




将軍継嗣問題に関しては血筋からは紀州慶福(家定の従弟)が順当ではあるが、まだ13歳と若年である。昨今の諸外国との情勢も鑑み英邁の評判が高い一橋慶喜を推す声も大きいのだが。



「何故、将軍継嗣を家臣が決めるのだ?(涙目)」



「上様の御意向こそ大事」

「将軍継嗣は紀州様にて!」



家定は始めて自身の意向を尊重する家臣を得て満足気に頷くのであった。




直弼は早速老中を集め将軍継嗣問題に関して家定の意向を伝える。



「将軍継嗣は紀州慶福様とする」



皆の顔色がやや曇る。




紀州慶福は若干13歳である。



「慶福様はまだ十三歳と・・・」




備中!!!!




「家臣が口を挟む問題ではない」



将軍家定の意向が最優先。




堀田正睦は頭を下げそれ以上何も言わなかった。




また、諸外国、特に露西亜との交渉で類まれなる手腕を発揮してきた川路聖謨も閑職へと追いやられ事実上更迭される。



大河姫

川路ー!!!!!!(涙)。ああああああああああ!逸材が。。。

老中との評議で「将軍継嗣問題」を強気で押し通した直弼ではあるが、内心は決して穏やかなものではなかった。



「家柄だけの男・・・」

「茶でも立てていれば良いのだ・・・w」

「茶歌ポンwwww」



度々、悪夢にうなされるのであった。



ポータハン号
艦上


将軍継嗣問題に続いてアタマの痛い問題は米国との間で交渉が続いている日米修好通商条約の勅許問題である。




直弼は勅許を得た後の条約締結を考えていたが、交渉現場にはその時間的余裕はなく、勅許を得ないまま日米修好通商条約は締結される。






一橋邸


慶喜は円四郎から幕府が勅許を得ないままの条約締結に至ったと知らされ難しい表情である。



「朝廷への報告は?」



「奉書(文書)にて」



「・・・円四郎、もし其方が何か誤りをしたとしても儂は其方を許すであろう」



「・・・?」



「じゃが、その報告が紙切れ一枚で為されたならば許さぬ」

「円四郎!井伊を呼び出すのじゃ!」

「父上よりも先に井伊に会いたい」



「はは!」



円四郎は慶喜の「やる気」を喜びすぐに井伊大老と慶喜の会談に動く。



江戸城


井伊直弼は慶喜の呼出しに緊張し脂汗を浮かべている。



「帝の勅許を得ずに条約に調印したことを其方も存じておったのか?」

「恐れ入り奉りましてございます」

「朝廷への報告は如何するのじゃ?」

「恐れ入り奉りましてございます」

「先程から何をそんなに恐れ入っておる?」



直弼の頭の中には条約勅許問題と将軍継嗣問題があった。将軍継嗣が紀州慶福となったことはまだ表沙汰にされていない。




慶喜は井伊直弼を責めているわけではないのだと諭す。



「奉書ではなく直接朝廷へ申し開きをするべきである」

「これは徳川の為に申しておる」



「我らの中から然るべき者を遣わします」



「うむ、それがよい」

「して、将軍継嗣」



井伊直弼の表情が変わる。



「・・・既に決っしたか?」



慶喜の問いかけに頷く。慶喜は直弼に会う直前たまたま江戸城廊下で慶福とすれ違っていた。



「紀州慶福様であれば問題なかろう!」

「年齢の割には背も大きい」



「では?一橋様は賛成なので?」



「何を反対する理由があろうか」



井伊直弼は慶喜の言葉に安堵する。




平岡円四郎は既に将軍継嗣が紀州慶福に決まったことを嘆く。




そして、あっさりとそれを受入た慶喜にまだ可能性はあるのではと話すが、



「決まった事を蒸し返せば公儀を弱らせることになる」



大河姫

慶喜は正しい。
正しい。
決まったコトを揉めても公儀を弱らせるだけ。
しかしな。
人は論理では動かないのだよ。
動かないのだよ。。




慶喜は何やらほっとしたような、拍子抜けをしたような気持ちであった。




翌日。




今度は条約勅許の問題で水戸の斉昭が江戸城に怒鳴りこんできた。




条約勅許に関してはいずれ然るべき者が朝廷へ直接説明すること、また、将軍継嗣は紀州慶福と決したことを伝える。




斉昭は激昂するが、直弼は、



「既に昨日一橋殿様からは内諾を得ていると」



斉昭の抗議を取り合わない。

青天を衝けのあらすじ第8話下巻「大獄の始まり」

一橋邸


夜、寝所で慶喜と身重の美賀君が話をしていた。



「儂は将軍にはならぬ」



慶喜は過日、美賀君に心情は見抜かれていたことを思い出していた。



「お前様は今どのようなお気持ちなのですか?」


「ほっとしたようや・・・拍子抜けしたような」

「ただ、父上の、父上の唯一の望みを断ってしまった」



慶喜は自身のことよりも、大いに気落ちをしているであろう父斉昭の心情を思った。



江戸城


その頃、江戸城では将軍家定が体調を崩し寝込んでいた。



「井伊・・・」

「う、上様!?」



近くに控えていた直弼は家定の枕元へと駆け寄る。




家定は何事かを伝えようとしている。



「越前、斉昭、そして一橋を罰するのじゃ・・・」



大河姫

今こそ挙国一致が必要なのに。。

程なく、家定は意識を失う。




翌日。




家定の遺言に従い斉昭には謹慎、越前松平慶永と尾張徳川慶恕の両名は隠居謹慎。




水戸慶篤には登城禁止。




さらに。




慶喜にも登城禁止の処分が言い渡される。



「一橋殿にはなんら落度はないではないか!」



慶喜は此度不時登城はしていない。松平慶永は抗議するが直弼は無視した。




慶喜もこの処分には驚く。




井伊大老の一橋派への圧力。




処分をされた水戸や越前の者は井伊大老への怒りを膨らませる。




松平慶永の側近橋本左内もその一人である。



「我が殿を隠居させられこのままではおられませぬ!」



円四郎の家で巻き返しに動くことを伝え闇夜に消えて行く。




直弼の沙汰は尊王攘夷派の浪士たちを大いに刺激することにもなる。



血洗島村
渋沢家


「いやー!目出度い!」



渋沢家では栄一とお千代の祝言が賑やかに執り行われていた。




喜八は「新妻」のよしを伴い祝いにやってきていた。




血洗島村には大獄の嵐は届いていないが・・・。




江戸の長七郎は・・・?




青天を衝けのあらすじ第8話「栄一の祝言」でございます。

青天を衝けの感想第8話「栄一の祝言」

青天を衝けの感想第8話「栄一の祝言」。今回も中々に深いお話でしたね。家定がこれまで存在感を消していたのはこの日の為だったんですね。




私も反省しなければなりません。




阿部正弘や一橋慶喜の関係にばかりに注目して、家定公の存在を忘れておりました




誰からも軽んじられ存在を無視されてきた家定が最期に大きな仕事をする。






・・・イノケンティス七世を思い出しました。




分かる人おるかな?




慶喜と直弼。




これまでの人生は対照的でしたね。






直弼は家定の「辛さ」を他人事だとは思えなかったのでしょうね。

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青天を衝けの感想第8話「埋木が花咲く」

井伊直弼は彦根藩主ではありますが、その生涯を紐解けば家督を継げたコトが軌跡に近い父井伊直中十四男として誕生。




紀行でも触れられていましたが、自らを花の咲くことのない埋もれ木に例え、




埋木舎




と名付けた屋敷で17歳から32歳まで過ごしております。




詳細は下記を確認頂ければと思いますがこの時生涯の師とも言える長野主膳とも出会っております。



※関連記事:→井伊直弼の師長野主膳

※関連記事:→阿部正弘と井伊直弼の対照的な運命


人生の多感な時期に誰からも顧みられることのない生活を送った直弼。




勿論、それは決して「珍しいこと」ではなかったかもしれません。




直弼自身もそれをただ嘆くではなく「茶歌ポン」と揶揄されるほどに茶の湯道を極め、国学者としても一流の見識を深めております。




そして、なんの因果から紆余曲折を経て今や譜代筆頭の彦根藩主。




咲くはずのない埋木に軌跡的に花が開いた。




もう、望むものはない。




あとはもう隠居するだけ。




これ以上咲き誇っては徒花




十分よい人生だったのに・・・。

青天を衝けの感想第8話「無視される者の辛さ」

直弼は家定の鶴の一声で大老就任。




井伊直弼自身も分かっている。




自分には荷が重い。




松平慶永が、



「井伊では役不足!!」



怒鳴るのを聞いた時も「さもありなん」と寧ろ自分が慶永の発言を聞いているのが知られると気まずいとばかりに隠れてました。




大老と言われても誰も自分のことなど頼りにも重んじてもいないという辛い現実。




埋木として誰にも顧みられなかった時を思い出したのではないでしょうか。




出来ればご辞退したい。




それが偽らざる直弼のホンネでしょう。




しかし。




家定の言葉で直弼は変わります。



「父上(家慶)もどうであったかの(遠い目)」



実の父である家慶さえ家定を頼りには思わず事実上その存在を無視した。日本の武士の最高位である征夷大将軍でありながら軽んじられ無視されているというのであればその辛さは一塩。




誰にも顧みられない者の辛さは「埋木」であった直弼はよく知っている。




共感してしまった




誰も味方にならないなら自分が家定を盛り立てる。




無視された蔑ろにされ続けた者の怨念が二人を固い絆で結び付けてしまった。




そして、二人にとって最も忌むべき存在こそ常に光の当たる場所を歩んできた一橋慶喜なのですよね。

青天を衝けの感想第8話「慶喜の名は希望」

父斉昭と阿部正弘の二人を筆頭に松平慶永や島津斉彬などなど。




皆、英邁の評判の高い一橋慶喜を次期将軍にと望みます。




では、慶喜は幸せか?




期待される者、希望を託される者にも苦悩や辛さはあるのです。




慶喜自らが将軍職を望んだワケではない。




昨今の日の本を取り巻く国際情勢を考えれば誰が将軍となってもその舵取りは非常に困難なものであることは明白。




舵取りを一つ誤れば日の本を滅ぼしかねない。




慶喜は躊躇する。




そして、その躊躇する理由が酷く個人的である事が余計に慶喜を苦しめる。




前回触れた通り慶喜が将軍職を固辞するのは、




面倒くさい




という酷く個人的な理由だから。




しかし、そんなことを言っていられる時期は終わった。




ようやく慶喜が覚悟を決めた時、皮肉にも将軍職はその手か零れ落ちてしまうのです。



「何故もっと早く決断出来なかった?」



皆の希望であった慶喜がやる気を出した時にはその希望の灯が消えていた




誰にも顧みられなかった家定が最期に放った憎悪が絶望の灯を灯す




痺れる展開でございました。

青天を衝けの感想第8話「必要とされること」

家定は自身の存在を誰かに認めて欲しかったんですよね。



必要とされたかった。



これって結構人間の根源的な問題なのだと思うのです。




現在でも「禄高(給与)」が高いだけであまりお仕事をしない方を「働かないオジサン」と揶揄することがあります。




誰にも顧みられることもなく誰からも期待されていないオジサン。




一方で働く中堅社員は日々忙しく経営陣と部下やメンバーと顧客、市場の間に挟まって日々モンドリ打っているワケです。


「あいつらホント何もしない」

「いや、余計なことしないだけマシかwww」



つい、そういった働かない高所得者には皮肉を言ってしまいますが・・・。




それはそれでお辛い部分もあるかもしれませんね。




そして、その辛さが長く続くと心はより頑なになってしまうのかも。




色々と考えさせられるお話でございました。




以上・・・あ、一言、言い忘れておりました。




栄一、取り敢えず
結婚オメ!!




以上、青天を衝けのあらすじと感想第8話「栄一の祝言」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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