中川清秀!我らの村重兄貴を困らせる清秀。うん。彼には悪気はないのは分かる。しかし、荒木村重の「梯子を外す」重大な役回りを演じる。中川清秀と荒木村重の関係を見ると中間管理職の悲哀をまざまざと見せつけてくれます・・・!中川清秀について。

中川清秀は摂津出身

個人的に大河ドラマ軍師官兵衛の荒木村重は「当たり!」だと思っているので、応援したくなります。彼の人生は過酷ですからね。そしてその、



「過酷な運命」



に、実質的に導いてしまったのがこの男。




中川清秀さん




元々は摂津の国人。
都に近く、応仁の乱以降は混乱の絶えなかった畿内ではありますが、信長の前の「事実上の天下人」三好長慶が最盛期を迎える頃には摂津、泉、河内といった現在の大阪周辺の支配は安定していました。




しかし、長慶がなくなる前後、三好の支柱となるべき有力な一族、(十河一存、三好義賢、安宅冬安、三好義興)を次々と失い内紛に次ぐ内紛にあけくれ急速に力を失う中で、摂津の有力者、和田氏や茨木氏、伊丹氏、池田氏が没落。余談ですが、三好長慶は大河ドラマの主役を演じても良い位「味のある」人物だと思います。(原作は私が書く!)




結果、荒木村重や高山右近ら国人衆が独立勢力となります。ただ、当初は村重と主従の関係でありませんがでした。信長が村重を摂津の国主に据えると高山右近と共にそれに従います。




ちなみにキリシタン大名で有名な高山右近とは従弟どうし。中川清秀の父は高山右近の父と兄弟なんですね。この関係が後に村重を悲劇的、いやもはや「喜劇的」な運命へと誘います。

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上司村重の梯子を外す・・・!

一向宗門徒との戦闘も「軍師官兵衛13話」で描かれているように頑張りますが・・・。件の本願寺への兵糧横流しは中川清秀の部隊からと言われます。




自分の部隊から「兵糧横流し」の犯人がいるかも・・・と、
衝撃的な告白。



村重さん、ほんと殴りたかったはず・・・



その後、それを理由に信長を恐れた村重は、やむなく信長に反旗を翻します。
そう、




部下の不始末ために反旗を翻すのです。(泣!)




しかし、高山右近は信長の、



「村重から寝返らないとキリシタン殺すぞ!」



という、遠藤周作の名著「沈黙」を彷彿させるの恫喝をかけます。真面目なキリシタンはチョロい・・・。









そして、中川清秀。ドラマ等では自分から寝返ったように描かれていましたが、実際は右近の寝返りと木津川での毛利水軍敗北後に織田信長は茶人の古田織部を使者に送ったと言われます。古田織部の妻が清秀の妹なんですね。
そこで・・・



  • 寝返れば摂津半分
  • 鶴姫(信長娘)を息子秀政へ嫁がせる


そして・・・



「清秀程の人物を亡くしてしまうのはあまりに惜しい・・・」



と伝えたと言われます。直情型で短気なな清秀は、


「信長様はそこまで俺を買ってくれている・・・」
↑オイ!(by荒木村重)


と裏切ります。
清秀のような人物はある意味信長からすると操りやすい武将だったかもしれませんね。
結果。




従兄弟同士揃って離反!!




えーと。




村重さんの「裏切る理由」ってなんでしたっけ?!




現代的に言えば、部下の不始末の責任を自らの命で償い、部下二人は助ける。




・・・理想の上司に荒木村重さんを推薦します!(涙)




因みに、その辺りは遠藤周作さんのコチラが詳しいです。






賤ヶ岳での振舞い

最後に中川清秀のその後について。清秀は賤ヶ岳の戦いで戦死してしまいますが、実はこの時荒木村重の嫡男村次(お倫の元夫)も参加しています。村重は自らを「道糞」と名乗り遁世してしまいますが息子村次は遁世するには早すぎます。ここで再度荒木の旗を立てたいと清秀を頼ります。




清秀は良くも悪くも「直情型で情に脆い」ので、村次の気持ちをおもんぱかり旗下へ組み込みますが佐久間盛政の猛攻の前に危機を迎えます。




この時清秀は村次を敢えて「右近への使者」に命じて命を救ったと言われます。




家が大事の戦国時代、村次が死んでしまっては荒木家が断絶。これは流石に忍びないと考えたのかもしれませんね。




中川清秀はその後賤ヶ岳で戦死してしまいますが中川家は幕末まで生き残る事ができました。




以上、荒木村重と中川清秀の皮肉な運命について。

大河姫

今宵は此処までに致します。