鎌倉殿の13人あらすじと感想第42話「夢のゆくえ」。実朝は自身の後ろ盾に後鳥羽院を選んだ。これは確かに頼朝の意向とは異なる。異なるが・・・。今の鎌倉の惨状を見たらいったいなんと言うかな?あ、来週は雪が降りそうですね。鎌倉殿の13人第42話

鎌倉殿の13人あらすじ第42話「夢のゆくえ」

和田一族は義時によって
滅ぼされる。しかし、
そのことが実朝を覚醒させた。
強大な義時に対抗するため、
実朝が頼ったのが後鳥羽上皇。


鎌倉御所


「私だよん。上皇様だよん!」





「共に日ノ本を治めようぞ」

「義時は食わせ物よ・・・ポイッ!」


「ああ!」


実朝は脂汗を浮かべて目覚めた。


「鎌倉殿・・・?」


大河姫

いつの間にか寝室は一緒なんだね!

妻の千世が実朝を心配そうにみつめている。



翌朝。



実朝は太郎を呼び出す。


「父上が築いた鎌倉を源氏の手に取り戻す」

「取り戻す・・・北条からですか?]


太郎は戸惑う。父、義時のやり方に反発は覚えるものの、自身も北条家の者なのだ。しかし、実朝は強大な義時に対抗するには義時に臆する事無く意見の言える太郎の力が必要だと言う。


「鎌倉殿の為に尽くす」


太郎は実朝の期待に応える覚悟を決める。


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鎌倉殿の13人あらすじ第42話上巻「従弟の立場」

鎌倉政所


「将軍家領の年貢を三分の一にしたい」


今年は日照りが続き、不作が見込まれていた。実朝の言葉に義時を筆頭に宿老達は渋い表情だ。


「年貢が減れば政に差し障りが出る」


義時は反対である。


「御家人からも不満が出る」


義村もそれに続く。



しかし。


「一律に年貢を減らすワケではございません」


発言したのは太郎である。この日、実朝の隣には太郎の姿があった。太郎は自身の案を披露する。将軍家領を分割し、年貢を減らす場所も順番に回す。そうすれば、収入が一気に減る事はない。



既に、三善信康と事前に打合せ、鎌倉殿の文書案も作成済みであったのだ。


「お前はどの立場でそこにいる!?」


義時は太郎を怒鳴りつけるが、太郎は無表情で反論する。


「父上は義理の弟というだけで頼朝様の御側におりました」

「私は鎌倉殿の従弟という立場でここにおりますが?」





義時は苛立つが、返す言葉がない。


北条館


その日の夜。


「執権になってしまいましょう!」


義時の妻のえは未だに執権を名乗らない夫にそう発破をかける。


「そうじゃ!執権になってしまえ!」

「いらしていたのですか?」

「隠居してから暇でな」


のえの父二階堂行政である。義時が執権にならなければのえを嫁がせた甲斐もないとクダを巻く。


「執権は鎌倉殿に歯向かい伊豆に追放された北条時政が名乗っていた」

「気にし過ぎです!」


結局。



義時は執権を名乗ることにする。義時が執権を名乗り始めると、早速義村がからかう。


「よう!執権!」

「・・・名乗るつもりはなかったが」

「いや、遅すぎるた位だ!のう執権(笑)」


そして、その影響は「政」にも現れる。


鎌倉政所


「将軍家領の年貢が三分の一なのは不公平」


伊豆の御家人から年貢の件で早速不満が出ていた。実朝は太郎に伊豆へ行って不作の状況を調べるように命じようとするが・・・。


「既に五郎を向かわせております」


義時は先手を打っていた。


「流石は執権殿、打ち手が早い」


義村が合いの手を入れる。



そして。


「将軍家領のみ年貢を下げるからこういう事になる!」

「鎌倉殿を責めている訳ではない」

「周りの者にもっとしっかりせよと申しておる!」


太郎は自らの見通しの甘さを認めざるえなかった。しかし、実朝は太郎を責めない。


「上皇様から頂いた聖徳太子様だ」


聖徳太子のように慈悲深くならねばならない。実朝は聖徳太子を手本にしたいと考えているようである。そんなある日、都から源仲章が宋人陳和卿を伴い下向してくる。陳和卿は東大寺再建に尽力した当代きっての工人である。


「私は貴方様にお会いした事があります(涙)」


陳和卿は実朝に謁見すると思いもよらない発言をして、涙ぐむ。実朝は前世で育王山の長老でり、自分は弟子であったというのだ。



実朝にも心当たりがある様子である。


「懐かしいぞ!」

「私は夢日記を付けている」

「其方が次に何を言うのか・・・舟にまつわること?」


陳和卿は破顔して喜ぶ。


「大きな舟を建造し宋へ渡りましょう!」


かつて、聖徳太子も隋の国へ使者を送っている。実朝は陳和卿に舟の建造を命じるのであった。このやり取りを太郎は少し複雑な表情で聞いていた。

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鎌倉殿の13人あらすじ第42話中巻「舟」

尼御所


政子の元に珍しい来客がある。





丹後局である。


「暇を持て余しておりましてね」


丹後局は今は亡き後白河院に仕えていた。頼朝の妻である政子とは大姫の入内を巡り、武家側の女、朝廷側の女として相対したことがある。過去のいきさつはどうであれ、お互い時の権力者の側近くに仕えた者同士ということもあり、丹後局は政子にも親近感を抱いている。


「困った事があるなら遠慮なく仰い」


丹後局の言葉に政子は悩みを吐露する。


「悩みが尽きない・・・慎ましやかで良かったのです」


くどくどと話す政子を丹後局が遮る。


「話の途中済まぬが」

「頼朝殿と一緒になったのは何年前ですか?」


「四十年前」


「それで、まだ甘えた事を言っているのですか?」

「いい加減覚悟を決めなさい」


丹後局は源頼朝と結ばれたということは「普通の人生」などは望むべくもない。覚悟を決める事で自身が何のために産まれてきたのか見えてくるのではと諭すのであった。


北条館


「鎌倉殿は聖徳太子様に倣って宋へ使者を送ろうとしています」


太郎は先だっての実朝と陳和卿の話を伝える。


「余計なことを」


義時の言葉に同席していた義村が皮肉な笑いを浮かべる。


「大舟が出来れば鎌倉殿の権威が高まる」

「北条にとっては余計だな(笑)」


「つまらぬ事を申すな」


義時は不愉快そうに義村の言葉を否定し、「御家人の負担が大きいから」だと続ける。



五郎が太郎をさらに促す。


「気掛かりな事があります」


夢日記。



実朝が夢日記を付けていることは太郎も含めて良く知られている事であった。そして、あの部屋に出入りする者であればその夢日記を盗み見る事も出来る。


「それが出来る者が一人」

「源仲章殿」


この件には西のお方、つまり後鳥羽院が裏で糸を引いていると。


「太郎、良く知らせてくれた」

「舟を完成させる訳にはいかぬな」


後鳥羽院
御所


「実朝が舟をつくるそうだ(笑)」


後鳥羽院は実朝からの文を読み嬉しそうである。宋へも渡れる巨大な舟が建造されれば否が応でも鎌倉殿実朝の威信が高まる。鳥羽院はそれを狙っていたのだ。



後鳥羽院は「伊豆の豪族風情」が将軍を思いのままにしているのが気に食わない。しかし、乳母の兼子には腑に落ちない事もある。


「上皇様から見ればゴミ屑のような北条を目の仇にする」


「それが何故か放っておけぬのだ」

「何故だ?慈円僧正」


「人が最も恐れるのは最も自分に似ている者」


北条義時は後鳥羽院に似ている。



後鳥羽院は太刀を慈円の鼻先に向ける。


「親譲りの大事な鼻にございます(汗)」


尼御所


実朝の舟建造が始まっていた。



鎌倉で普請と言えば八田知家。



太郎は実朝と父義時の間で揺れていたが、舟は完成させてやりたいと考え、知家の協力を取り付けていた。一方、義時は今後を見据えて政子にある願いを申し入れる。


「鎌倉殿には退いて頂く」


今後は全て政は宿老が執り行う。義時は実朝が頼朝の意思を忘れ、西を向いて政をしていると批判する。



御家人の御家人による政。その後ろ盾には政子を担ぎ出そうとしていた。勿論、舟の建造も中止。


「頼家様のようになって欲しくはないでしょう」


義時は半ば脅すかのように、政子に迫るのであった。


鎌倉御所


「私はいずれに宋に渡る」


実朝は舟が完成したら宋へ渡り育王山を詣でてお釈迦様の骨を持ち帰りたいと夢を語る。



そして、その旅には太郎、そして千世にも一緒に来てほしいと語る。


「海が怖いか?」





「千世は鎌倉殿の御側にいたいです!」


寧ろ、千世は誘われたことを喜ぶ。



しかし、舟建造計画について、義時が意義を申し立てにやってくる。政子も一緒である。


「舟の建造を即刻中止にして頂きたい」


実朝は自身の得を積むためにも続けさせて欲しいと願い、また、後方支援をしている三善信康も継続を主張する。


「鎌倉殿の想いが詰まっております!」


既に、八田知家を筆頭に御家人達も材木や人賦の拠出しているのだ。


「尼御台はどう御考えで?」


義時に促される政子。


「得を積むのは大事ですが・・・」


消極的にではあるが、舟の建造中止を促す。


「兄上と同じではないか」

「もう良い、舟は中止だ」


実朝は苛立たし気に席を立つが、太郎が思わぬ発言をする。


「こうしては如何でしょうか?」


これまで舟建造に協力してきた御家人の名を舟に印すことで、舟を実朝個人のものではなく鎌倉殿と御家人の絆の証とする。


「悪くない・・・」


思わず五郎が呟く。



結局。



舟の建造は継続されることになる。


尼御所


政子は実朝と義時の間で苦悩していた。





大江広元は政子の苦悩を察する。



頼朝は都とは距離を取った頼朝の考えとは異なり、後ろ盾に後鳥羽院を選んだ。しかし、もし、今、頼朝が生きていれば息子の実朝に何を語ったかは分からないとも。


「勿論、小四郎殿にも一理はあります」

「あとは尼御台のお気持ち一つ」


「私はそんな大事を決められる女子ではない」


「逃げてはなりません」


「この鎌倉を引っ張って行くのは貴方」


「とうに腹を括ったはずなのに・・・ダメですね」

鎌倉殿の13人あらすじ第42話下巻「夢の終わり」




舟の建造は順調に進んでいた。



八田知家はこの建造が終われば隠居するつもりでいると、三善信康に語る。


「まだお若いのに・・・」

「若く見えるがそう貴方と変わらない」


舟は4月には海に浮かべる事が出来そうであった。



そんなある夜。



五郎が夜半過ぎに舟を訪れる。見張りが寝ている好きに望楼へ入り、図面に何かを書き加え人知れず去って行った。



建保5年(1217年)4月17日。





実朝も隣席の元、舟を丸太に乗せて海まで運ぶ日。



御家人達総出で舟を引っ張るが・・・。



動かない。



陳和卿が動揺している。
どうやら、計算が合わないようだ。



午の刻から申の刻まで舟を引いたが・・・。
ついに丸太が折れ万事休す。



実朝はただ、無表情で舟を眺めていた。



その後、舟は浜辺で朽ち果てた姿をさらし続けたと言う。


鎌倉御所


「こんな事で挫けてどうするのです?」


傷心気味の実朝を政子は勇気づける。


「でも、どうすれば・・・」


「母は考えました」

「貴方が鎌倉の揺ぎ無き主となる方法を」


ほどなく、実朝の元に北条一門が集められる。


「儂は家督を譲ることにした」


実朝は自身は大御所となり、新たな鎌倉殿を支える、そしてその「新たな鎌倉殿」は朝廷から迎えるというのだ。


「上皇様に相談してみようと思う」

「すぐに進めよ」


「お待ち下さい!」


義時が猛反論する。


「鎌倉殿は源氏血を引く者が努めてきた」

「亡き頼朝様のお言葉」


「文書は残ってなかろう?」


「確かに」


五郎は頷く。


「鎌倉殿とは武士の頂きに立つお方」

「その鎌倉殿を今後は大御所として私が支える」


実朝の決意は微塵も揺るがない。


「源氏と北条の血を引く者が勤めてきた」

「これからもそうあるべき」


義時も引かない。


「鎌倉殿の好きなようにさせてあげましょう」


政子が割って入る。


「北条がなんですか?」

「北条あっての鎌倉ではなく、鎌倉あっての北条」

「貴方が言ったんですよ」


太郎は勿論、実朝に賛成である。


「執権殿は全て自分の思うがままにしたいのです」

「黙れ!」

「鎌倉は!父上一人のモノではない!」


源仲章は実朝の命で早速動いていた。


「このままでは済まさぬ・・・」


義時は怒りに震える。



そして、6年ぶりにこの男が京から戻ってくる。


「あれは?」

「公暁様だ」


伊豆、時政の館


伊豆に追われた時政の元を太郎が訪ねる。



既に、りくは都へ帰っていた。


「これは驚いた!」


時政は太郎の来訪を喜ぶ。


「爺様はお顔が穏やかになりました」

「政を離れて暫く経つが、今が一番幸せかもしれん(笑)」





「力を持つもんはしんどいなぁ」


しかし、時政には世話をしてくれる女子がいた。


「ちょっとしいさん!何もやってないじゃない!」


穏やかな時政の姿に太郎も嬉しそうである。



北条時政。



鎌倉を追放され10年。



78年の生涯を伊豆で終えた。

鎌倉殿の13人感想第42話「夢のゆくえ」

鎌倉殿の13人感想第42話「夢のゆくえ」。舟の建造。正直、舟の建造で鎌倉殿の威信が高まる・・・というのは今一つピンとは来なかったんですよね。寧ろ御家人を疲弊させる為の罠のように感じていたのですが、結構御家人も盛り上がっていた。やっぱり、何か作るのは楽しいのかな?



ピラミッド建築も奴隷を酷使してというよりも、意外と「やりがいのある仕事」で喜んで働いていた説が主流になっているみたいですしね。



舟は海に浮かぶことなく結局朽ち果てる事になりましたが、義時は煮え湯を飲まされました。



過去は未来に復讐する。


「従弟という立場でここにおります」

「かつて、父上が義理の弟という立場で頼朝様に仕えていたように」


「北条あっての鎌倉ではない」

「鎌倉あっての北条」


うーん。腹立たしいでしょうねぇ・・・。

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鎌倉殿の13人の感想第42話「舟を巡る攻防」

完成させてやりたかったですね。


「最後に夢のある仕事が出来た」


八田殿のお言葉が虚しく響きます。



この舟建築では太郎の立ち位置の複雑さが垣間見えましたね。



太郎は仲章の策略の件を抜きにしても舟の建造にはそもそも消極的であったと思います。その辺りは義時と同じで「坂東の為にはならない」と考えていたのではないかな。一方で満面の笑みで夢を語る実朝を見ていると言い出せない。



西の方の件を報告したのは坂東武者としての仕事。八田殿に舟の建造の協力を頼んだのは実朝への気遣い。





孝ならんと欲すれば
忠ならず

忠ならんと欲すれば
孝ならず


かの、灯籠大臣こと平重盛様を思い出しますな。



あと、面白いのが五郎の立場。



五朗は太郎とは真逆でありたいと誓いを立てて、義時に尽くしております。自分の考えはあっても、義時が決めたコトに荒事も裏仕事も徹底的にやる。


「鎌倉殿と御家人の絆の証」


太郎の発案にも「悪くない」と感想を漏らしていました。そして、その舌の根の乾かぬ内に表情一つ変えずに舟に細工を施すのが五郎。



五郎あっての義時だな。

鎌倉殿の13人の感想第42話「覚悟」

「慎ましやかで良かった」


甘いね。甘い。
丹後局が呆れるのも分かる。



でも、たまには弱音を吐かせてあげて・・・いや、政子は弱音は結構吐くか・・・。弱音は吐くけど追い詰められた時に力を発揮するのが政子ですね。



丹後局と大江広元からの有難い助言。


「頼朝の妻であるという事実からは逃れられない」

「鎌倉を引っ張るのは尼御台」


政子と義時の関係は協力関係という訳ではないんですよね。



義時はほぼ誰にも相談せずに物事を決めるのですけど、政子もそれは同じ。この二人はお互いが必要でありながら、お互いを信用していない部分があります。



政子は覚悟を決めましたが、この覚悟は果たして吉と出るか凶と出るか・・・。



凶なのは知っているんですけどね。

鎌倉殿の13人の感想第42話「似た者同士」

後鳥羽院が忌み嫌う北条義時。


「それが何故か放っておけぬのだ」

「何故だ?慈円僧正」


気付いていなかったのですね。



流石は慈円僧正。二人は似ていると喝破した。



まあ、正確には後鳥羽院のコンプレックスを刺激するのだと思います。



有名なお話ではありますが、後鳥羽帝は三種の神器が揃わない中で即位の儀式が行われ、その後、壇ノ浦に天叢雲剣は水没し、三種の神器が揃う事は永遠に来なかった。



神器が揃っていない中での即位、つまり権威を欠いている。



しかし、それでも後鳥羽院は優秀な帝であった。後白河院が得意としていた幽体離脱だて器用にこなしますからね。



でも、だからこそ権威も何もない伊豆の豪族である北条義時がその「実力」でのし上がったいるのが許せないのでしょう。似た者同士なんだから、本来は仲良くできる可能性もありそうですけど。



以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第42話「夢のゆくえ」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第43話「資格と死角」