鎌倉殿の13人あらすじと感想第10話「根拠なき自信」。源氏の、北条家の今後の運命を暗示するような微妙な変化が描かれたお話。日の本では他人が他人を殺すのではなく、身内が身内を殺すのです。そうそう、亀は・・・匂わせたかったんだろうなぁ・・・。鎌倉殿の13人第10話!

鎌倉殿の13人あらすじ第10話「根拠なき自信」

頼朝は平家軍を撃退した。
次なる策は、急がば回れ。
上洛を目前に、
頼朝は新政権の
強化に乗り出すが・・・。


鎌倉


兎にも角にも、平家の追討軍を追い払ったのである。これは頼朝の勝利に他ならない。追撃に出たと目された武田信義も途中で引き返し、都まで攻め上ってはおらず、源氏内部での主導権争いでも遅れは取っていない。



また、頼朝は新たに九朗義経が参陣したことを殊の外喜んでいた。



この日、頼朝は義経を政子に紹介した。義経は政子を「義姉上」と早速慕っている。



頼朝は義経が過ごしてきた平泉はどのような所であったかを尋ねる。


「それはもう立派な都でございます!」


我が事のように誇らし気である。


「儂はいずれこの鎌倉も平泉にも勝る都に・・・」

「いやあ!無理でしょう!」


「!?」





頼朝は義経の言葉を受け流すが、義時は物怖じせず思った事をハッキリ口にする義経の様子に少々不安を覚えるのであった。



一方その頃平泉では。


奥州平泉


「平相国から鎌倉を討てとの書状がきておる(笑)」


奥州藤原氏の御館藤原秀衡と息子の国衡、泰衡兄弟。



既に、義経からも兵三千の援軍要請が来ていた。秀衡は平家方にも源氏方にも「時間をかけて」双方に承知した旨伝えるように命じる。


「義経の力量なら平家など一人で充分」


秀衡は義経の力を買っていた。


京、後白河御所


平家大敗の報せは都にも届いていた。



後白河院は上機嫌である。



そこに、清盛が「敗北」の報告に現れる。


「この清盛自ら出陣するつもり」


清盛はそう伝えるが、その表情には以前のような精彩を欠いているように見えた。


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→鎌倉殿の13人キャスト表

鎌倉殿の13人あらすじ第10話上巻「勝者と敗者」

鎌倉


石橋山から始まった坂東における合戦は頼朝の勝利に終わる。



平家方として最後まで戦った坂東における平家の代弁者大庭景親、そしてそれに従って来た山内首藤経俊も捕らえられた。



景親は「見知った顔」が現れると昔語りをはじめる。


「伊東と北条の争いを調停し、頼朝を救ったのが誤りの元」


もっとも、既に覚悟は決まっている様子である。気まずそうにしている時政や義時に、今からでも頼朝を殺し平家に下れと諭すように促す。



山内首藤経俊はこのような結果になったのが信じられない様で、全て景親が悪いと言わんばかりである。


「お前は放免だ」


経俊は母親が頼朝の乳母をしていたこともあり、母の助命嘆願が功を奏し死一等は免れたのだ。縄目を解かれると景親を振り返りもせず走り去った。


「いずれ、(広常も)頼朝を殺しておけばと後悔するであろうな」


景親は広常にそう言い残して首を落とされるのであった。



伊東祐親、祐清父子は三浦家の預かりとなっていた。八重は父と兄が命を繋ぎ、再会出来たことを喜ぶ。



また、祐親も八重が無事であったことを素直に喜ぶのだが・・・。


「八重は北条家に侍女として仕えているのです」


祐清が八重は未だに頼朝を忘れられず、北条家に侍女として仕えていることを話し出す。引き合わせた義村はこの無神経ぶりに呆れるのであった。



八重は北条家の侍女として懸命に働いていたが、勿論、頼朝とは会っていない。頼朝も八重が働いていることは知らないであろう。



義時は度々八重を気にかけ差し入れなどを持ってくる。



八重は少々困った表情ではあるが、それを一応受け取るのであった。



その日の夜。



義村が八重の元を訪ね、何か困っている事はないかと問う。丁度良い機会と考えた八重は、


「こういうことをされては困る」


と、それとなく義時に伝えてくれないかと頼むのだが、義村もまた、八重へ下心があった。八重は義村にも、


「そういうつもりはない」





とキッパリ明確に拒否の意思表示を示すのであった。

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鎌倉殿の13人あらすじ第10話中巻「得体の知れない人々」

鎌倉


「御簾に触れない!(ピシ!)」





義母のりくは政子が源氏の棟梁の正妻として相応しい振舞いが出来るようにと自ら教育係を買っていた。



今後、頼朝が上洛ということになれば、都の公家公卿とのやり取りもあるはずである。いつまでも坂東の田舎娘風では困るのだ。



また、いつの間に現れたのかりくの兄牧宗親もその辺りの助力は惜しまないと言う。ただ、どうも態度が偉そうである。



さらに。



頼朝の縁者や新たに加わった配下が次々と政子に挨拶に来る。



その様子を見ていた妹の実衣は、


「得体の知れない人々が増えた」


と、独り語つのであった。



鎌倉には現在、義経、範頼、僧籍に入っている全成の三人の弟がそろっている。



この日は頼朝と三人、そして義時が顔を揃えていた。


「本当に頼りになるのは血を分けた弟達」


頼朝は先日の平家追討軍との戦で坂東武者たちとの壁を感じていた。弟達が自分を慕って参陣してくれた事が心から嬉しいのだ。



頼朝は義時の若干困った表情に気付くと笑う。


「義時は別じゃ(笑)」


義時の事は「本当の弟と思っている」と三人にも改めて紹介する。


「義経は利発な子であったな」


「・・・兄上、それは私です」

「義経はその頃はまだ赤子でございます」


「そうであったか」


源氏の四兄弟はしばし、思い出話に花を咲かせるが、皆、以前に会ったのは平治の乱の頃ということもあり、ややちぐはぐなやり取りとなる。



ただ、「清盛憎し」の想いは同じである。



四兄弟は改めて「打倒平氏」「打倒清盛入道」を誓う。



元は漁師の妻であった亀は頼朝に見染められ、その関係は未だに続いている。そのことを知るのは安達盛長や「察しの良い」義村など極々少数である。



政子は勿論、知らない。



亀は今では北条家の奥を取り仕切る立場にある。政子や実衣は突然現れた亀に戸惑うものの、「頼朝が決めた」とあれば致し方ない。特段の不都合も無かったためそのまま黙認していた。



その亀は一人の侍女が気になっていた。



八重がただの「侍女」ではないことはなんとなく気付いていたが、ひょんな事から八重が頼朝の前妻であることを知る。



ある日、亀は八重に頼朝の部屋まで膳を運ぶように命じる。八重は戸惑うが、奥を取り仕切る亀の命に従わないワケにはいかない。また、部屋へ膳を運ぶと言っても直接頼朝に会う訳ではないと言い聞かせる。



命じられたままに頼朝の部屋の前で膳を運んできたことを告げると中から亀の声がする。


「部屋の中まで運んで」


八重は部屋に入るが・・・。


「そこに置いておいて」


そのこには褥姿で頼朝にもたれかかる亀の姿があった。



頼朝は八重の姿に驚いている様子であった。八重は膳を置くとそそくさとその場を立ち去る。

鎌倉殿の13人あらすじ第10話下巻「常陸の戦い」

治承4年(1180年)11月。



頼朝は常陸へと出陣した。



常陸の有力豪族である佐竹義政が平家方で立ったのだ。



佐竹氏は頼朝と同じ源氏ではるが、上方に出仕している父が未だに平家方であることもあり、富士川の戦いを経てなお平家方として金砂砦に籠もっていた。



頼朝としては此処でいたずらに兵力を棄損すれば、来るべき上洛戦に差し障る。同じ源氏の好みもありなんとか降伏を促したいところなのだが・・・。


「徹底抗戦の構えのようです」


頼朝の本陣は重苦しい雰囲気である。独り、義経を除いて。


「兄上!私に兵五百ばかりお貸し下さい!」

「必ず落としてご覧に入れます!」


義経の自信満々の申し出に上総介広常が尋ねる。


「おい、小僧、戦の経験は?」

「無い!(ニッコリ)」


本陣には時政義時父子、和田義盛、畠山重忠、三浦義澄など頼朝系坂東武者の顔役がそろっている。義経の言葉に皆やや苦笑いだが至って本人は真剣である。


「経験も無いのに自信も無ければ何も出来ぬ!」

「違うか?」


なるほど。



時政や義澄はこの年若い源氏の御曹司の言葉に少し関心する。



しかし。


「戦にはする必要がある戦としなくて良い戦がある」


結局、まずは旧知の広常が交渉に赴くことになる。


金砂砦


「俺に何かあれば斬り込め」


交渉には広常が独りで向う。



相手側も佐竹義政が独りで出てきた。



二人は門の前の階段で挨拶を交わす。



各々の後ろには殺気だった兵が矢をつがえ槍を構えて二人の様子を見守っている。


「久しぶりだな」

「ああ、お前老けたなぁ」


義政のこの言葉が寿命を縮めた。





「こいつがつまんねえ事言うもんだから(苦笑)」


広常は義政を斬ってしまったのだ。



交渉は決裂。



両軍は再び戦に入る。


頼朝本陣


「何をしてくれたんだ!」


交渉に向った広常が交渉相手を斬ってしまっては話にならない。



金砂砦は堅牢で早々落ちそうになかった。



畠山重忠が小さな土山を金砂砦に模して状況を説明する。前方は二重の策があり、そこから矢を放たれており力攻めで落ちそうもない。



義時は先程から何か言いたげな義経の様子が気になる。


「小僧は黙っていろと言われた」


義経は苛立ち気に答える。



頼朝は義経に案があるなら話してほしいと促す。機嫌をやや直した義経が献策する。


「畠山!お前正しい!」


まずは、先程の畠山重忠の状況説明を認める。その上で、金砂砦の後方から奇襲をかければ落とせるという。後方は崖ではあるが登れないほどの崖ではない。また、後方の奇襲に気付かないように前方からも総攻めをする。


「それではいたずらに犠牲が増える」


しかし。


「金砂砦の柵から矢が届くのはここまで!」


義経は前方から総攻めはするものの、矢が届かない範囲までとし、敵の目が前方にある間に後方から奇襲をかけると言うのだ。


「おお!」


皆、義経の案に賛意を示す。早速取り掛かろうとするが・・・。


「申し上げます!金砂砦落ちました!」


広常達の奮戦でついに金砂砦が落ちたのだ。



義経は負け戦のような落ち込みぶりであった。


鎌倉


「これは常陸でとれたキノコです」





常陸での戦が終わり、頼朝達は鎌倉へ凱旋する。



義時は早速八重の元へ手土産を持参する。



八重は戸惑うばかりだが・・・。


「何者!?」


義時は庭先に怪しい人影をみつけ誰何する。


「佐殿!?」


頼朝が八重の様子を見に来ていたのだ。


「いやー!其方が八重に気があったとはな」

「よし、儂は八重を忘れよう!」


「忘れていなかったのですか・・・!」


頼朝は義時が八重に想いを寄せていると知ると、二人を応援、というか一緒になるように勧める。


「八重はキノコは好かん」

「女子は皆キノコが好きだと・・・」


頼朝は常陸の戦いで捕らえたひよりどりを眺めている。


「それはツグミです」


突然、二人の前に一人の僧が現れ、頼朝が連れてきた野鳥はひよりどりではなくツグミであると言う。



僧は頼朝の、そして義経の同母弟である義円であった。

鎌倉殿の13人感想第10話「根拠なき自信」

鎌倉殿の13人感想第10話「根拠なき自信」。天涯孤独と思われた頼朝の前に現れる弟達。坂東武者との間に壁を感じていた頼朝としては心強かったでしょう。



しかし、この時頼朝はまだ知らない、いや、知らない内に亡くなるけど、日本の刃傷沙汰は家族の間で起こるのです。
骨肉の争いが一番惨いの。



弟達と酒を酌み交わす場面で既にこの兄弟達には先がないような暗示がありましたね。



骨肉争いは何も源氏の専売特許ではない。一緒に伊豆山権現へ脱して寺の下女に扮して励まし合っていた政子達。女達の間にも若干隙間風が吹いている。



さらに、政子達のまったく預かり知らない所でも「女の争い」の予感。亀は中々やりますね。



色々あった11話ですが、まずはこの男の話からはじめましょう。

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鎌倉殿の13人感想第10話「大庭景親の最期」

最期まで坂東における平相国の名代としての役目を全うした大庭景親。



捕らえられ縄を打たれても尚、


「今からでも遅くはない」


と、時政や広常を諭すように頼朝の首を取れと話す様子は流石でしたね。その最期も立派なものでした。





・・・私もかくありたいと思いました。でも、現実は山内首藤経俊みたいに無様な行動しちゃいそうです。



景親は「平家方」ではありましたが、それでもその想いは
「坂東武者の為に」であったと思うのですよね。



かつて、頼朝を巡って北条と伊東が揉めた時も決して
平相国の名代風を吹かして上から押し付けるのではなく、両者にとって受入可能でメンツも保てる案で調停をしておりました。



堤や山木のような「西の連中」とは明らかに異なる。


「頼朝の首を取れ」


この言葉は決して負け惜しみではなかったと思う。頼朝も所詮は「西の連中」であり、真に頼りになるのは平相国清盛。



頼朝を殺さなかったことを後悔する日が来る。



これは坂東武者達へ最期の忠告であったかな。



因みに、景親は敗れはしましたが、その兄景義は一貫して頼朝に従っております。



鎌倉殿では描かれおりませんが、もしかすると源平に分かれる事で一族の命脈を保ったのかもしれませんね。

鎌倉殿の13人感想第10話「血族という幻」

手に入らないモノは美しく見えるのです。



ましてや、それがもはや自身の手には一生入らないと考えていたものであれば尚更。


「一族、血族、家族」


頼朝はずっと孤独でした。義時や政子、北条一門や坂東武者達を見て憧憬の気持ちを抱いていたことでしょう。



自分には縁のないモノと諦めていた家族が突然現れた。



コレが身内という感覚か!



四兄弟で酒を酌み交わす頼朝のなんと嬉しそうなこと。



想い出話に花を咲かせる四兄弟・・・のはずが、既にちぐはぐな雰囲気が。そう、兄弟と言ってもお互い同じ時間を過ごしてきた訳ではないですよね。語るべき想い出は存在しない。



四兄弟は本来これが「始まり」だったのです。



しかし、頼朝は、いや四兄弟は誰もそれに気付いていない。



この先、すれ違う。



その時「同じ一族なのに!」いや、同じ一族、同じ源氏だからこそ憎さ百倍



同じ源氏でありなが、武田信義を警戒したのは何故か?



どうして、義経が範頼が頼朝を出し抜こうとしないと言い切れる?



源氏四兄弟の昏い未来を暗示しているようでしたね。

鎌倉殿の13人感想第10話「女のいくさ」

伊豆の流人から坂東武者を束ねる源氏の大将となった頼朝。



頼朝の立場が強化されるに従い政子達北条の女達の関係にも若干の変化を感じます。



これから頼朝が平氏にとって代わるのであれば、「西のしきたり」にも従う必要がある。頼朝はやっぱり「西の人」なのです。西に、朝廷に通じたりくが張り切っておりました。



ま、それでもこの三人の関係性はさざ波程度。



先に開戦したのは亀と八重。



亀の先制攻撃で八重は瀕死ですが。



何故、亀があのような行動に出たのか?亀は独占欲が凄まじいんだと思うのですよね。



しかし、亀は愚かではない。



頼朝には政子という正妻(しかも、その存在は北条の後ろ盾を得るためにも死活的に重要)があり、自身は漁師の妻でそもそも身分も違う。



だから、人目を盗んで頼朝に愛される自分で満足・・・
できるようなタマではない



本当は頼朝に一番愛されているのは自分だと見せつけたいタイプ。



気付いて欲しい
匂わせたい



でも、それは出来ない。
悶々とした日々を送っていた亀に朗報。



頼朝前妻の八重。



いじましくも頼朝に気付かれないように侍女として下働きをしている馬鹿な女



頼朝と自分の関係を見せつけてやればどんな反応をするかしら?



政子に向ける事の出来ない、政子には気付かれる事も許されない黒い嫉妬の炎を吐き出すには丁度良い相手と言うことなんでしょうね。



しかし、亀よ。



一度匂わせをしてしまと人は歯止めが効かなくなるの。



以上、鎌倉殿の13人あらすじ感想第10話「根拠なき自信」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第11話「許されざる噓」