鎌倉殿の13人あらすじと感想第3話「挙兵は慎重に」。印象的だったのは三善康信の早とちりから挙兵が決まるくだり。三谷幸喜が言いたい、表現したいのは「誤配」「偶然」「運命の悪戯」が歴史を変える。別の言い方をすると運かな?頼朝は一歩間違えれば表舞台出ることは無かった。そして、挙兵の一押しをするのが義時というのに運命感じます。鎌倉殿の13人第3話

鎌倉殿の13人あらすじ第3話「挙兵は慎重に」

治承4年。
この年に起こったのは、
歴史的な異常気象。
日照りが幾月も続き、
人々は
飢饉の不安に
おびえている。

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鎌倉殿の13人のあらすじ第3話上巻「以仁王の令旨」

治承3年(1179年)11月、平清盛は後白河院政を停止し、院を福原へと幽閉する。翌、治承4年、高倉帝は清盛の娘である徳子との間の子に攘夷、安徳天皇が即位する。





天皇の外戚となった平氏一門の隆盛は益々かと思われた矢先。



安徳天皇の即位で皇位継承の望みを絶たれた以仁王が平氏打倒の令旨を発し挙兵。清盛は討伐に動くがあろうことか、討伐に向かった源三位中将頼政が以仁王側に立ったのだ。



都の情勢はきな臭くなってきた。



事態の推移は三善康信を通して頼朝まで伝えられるが、如何せん京と坂東は遠い。しかし、どうやら以仁王の令旨に源頼政が応えて挙兵したのは事実のようである。



時をほぼ同じくして源行家(頼朝の叔父)が共に立つように促しに北条館を訪ねてきたのだ。



佐殿こと源頼朝はその対応策に悩む。


「時政殿、頼政殿とはどのようなお方じゃ?」


頼朝の坂東での根拠地となった北条館ではその対応策が話し合われている。



頼朝は頼政のことを良く知らないのだ。都勤めが長かった時政にその人となりを尋ねる。


「私はあまり好きではございませんな」


時政が土産を贈呈したときの対応がイマイチだったらしく頼政への印象は良くないようだ。



結局。



頼朝は挙兵を見送る。



結果的にこの選択は正しかったことが後に分かる。





頼政は平等院で敢え無く討死、そして以仁王も奈良へ逃れる途中に横死したという。



その報せを聞いた頼朝は敗れはしたものの、源氏の為に立った頼政の無念はいつか自分が晴らすと沈鬱な表情を見せようとするが、内心は「ホッとした」という感情が溢れ漏れていた。


「清盛の首は儂が取る」


唯一。



義時には本心を告げている。



頼政に続いての挙兵では頼朝は「頼政の下」に付くことになる。源氏内部でも主導権争いはあるのだ。



義時からすれば、本音をポロポロとこぼされるのはあまり嬉しくはなかった。



しかし、頼朝はそのような事を気にも留めている様子はない。


「人に話すと考えがまとまるのじゃ」


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鎌倉殿の13人のあらすじ第3話中巻「白河院の生霊」

都勤めに出ていた大庭景親が戻ってくる。



景親はまずは伊東を訪ね都の情勢、平家の勢い益々盛んであると話す。


「しかし、早めに厄介払いが出来て(伊東は)良かった」


伊東祐親は大庭景親の話を受けて北条時政を訪ねる。


「悪いことは言わん、頼朝と縁を切れ」


宗時も義時も伊東祐親から見れば孫である。時政はのらりくらりと祐親の説得をかわすものの、祐親の言葉にも理があるとは思っている様子だ。



伊豆は源頼政の知行国であったが、清盛義弟の時忠が新たに知行主となり、目代に山木兼隆が派遣される。時政はまだ去就を決めかねており、少なくとも「事を敢えて荒立てる」つもりは無かった。


「まずは、新しい目代に挨拶に出向く」


時政と義時は収穫したばかりの野菜を手土産に伊豆の国衙へ出向き権守である堤信遠に挨拶をする。しかし、野菜は受け取っては貰えず、屈辱を受けた挙句追い返されてしまう。



時政は堤信遠に踏みつけられた野菜を持って帰るようにと義時に命じる。



義時は北条館へ戻る途中八重の元を訪ねる。



八重は伊東の家人である江間次郎の元に再嫁していたが彼を夫としては扱っていなかった。


「夫と思ったことはございませぬ」





また、八重の館は北条館からも近い。八重は度々、頼朝と政子、そして二人の間の子大姫の様子を冷ややかな目で眺めていた。





あくる日、頼朝は後白河院の夢を見る。


「儂を助けるのじゃ・・・!」





頼朝は全身から脂汗を吹き出しながら政子に起こされるのであった。



その日、都の三善康信から新たな報せが届く。



清盛が全国の源氏を討つように命じたという内容であった。頼朝、そして北条の者は戸惑う。



頼朝は頼政の謀反には加担してはいないのだ。



しかし、三善康信からの書状には以仁王の令旨が届いた先は全て討つといった事が記されていた。



後に、これは三善康信の早とちりであった事が分かるが今の頼朝には知る由もない。

鎌倉殿の13人のあらすじ第3話下巻「しゃれこうべに誓う」

頼朝は一向に挙兵する動きを見せない。



頼朝自身は義時の前以外では、


「挙兵するつもりなどない」


と、けむに巻くが、政子は、


「挙兵する機会を探している、踏ん切りがつかないだけ」


と喝破する。



一方、義時は国衙の捨てられた木簡から挙兵時最初の標的となる国衙の兵力をある程度割り出していた。頼朝にそのことを伝えようとしたその時。



兄、宗時が怪しげな僧をつれて広間にやってきた。



僧の名は文覚という。



文覚は日本各地で源氏再興を説いて周っており、その手には亡き義朝のしゃれこうべがあった。



宗時は意気揚々と文覚を紹介するが、頼朝はその男を良く知っていた。その、「義朝のしゃれこうべ」を頼朝に高値で売りつけようと付きまとっていたのだ。



文覚は結局追い返される。



宗時はやや気まずい。


「しゃれこうべは偽物かもしれませんが・・・」

「あの男が申しているのは民の声なのです!」


宗時は今こそ頼朝は立つべきであると熱弁を振るう。


「失敗は許されぬのじゃ!」


頼朝は絶対勝てるという確証がなければ立たないというのだ。



その時。



「勝てます」



「!?」


一同が思いがけない義時の言葉に驚く。


「この戦勝てます」


義時は相模伊豆の絵図面を広げ説明する。



木簡から割り出した国衙の兵力であれば北条の力で倒せる。さらに、初戦に勝つことで勢いがつけば源氏に好意的な三浦などの兵力も味方に見込める。



義時はその兵力を三千と見積もっていた。



一方、最も大きな敵は伊東と大庭であるが最大見積もっても二千ほどである。



兵力は分かった。



しかし、頼朝が挙兵するにはもう一つ、


「大義名分」


が必要である。



以仁王の令旨はあるが、既に以仁王は亡くなっている。死人の令旨で人は動かない。


「法皇様が夢枕に立たれたのだが・・・」





頼朝の言葉に盛長が後白河院のものと言われた「宣旨」を差し出す。まさか、後白河院が夢枕に立ったとは知らず頼朝へは知らせていなかったのだ。


「勝った」


頼朝は見ず知らずのしゃれこうべに平氏打倒を誓う。

鎌倉殿の13人の感想第3話「挙兵は慎重に」

鎌倉殿の13人の感想第3話「挙兵は慎重に」。月日が流れるのは早い。第2話は安元元年(1175年)でしたが、第3話は既に治承4年(1180年)。この5年は田舎の相模伊豆は何もなく平和だったかもしれませんが都は大変だったのですよ。



何が大変か・・・?



父清盛と後白河院の間に立って調停役を勤めていた重盛公が亡くなったのです。





嗚呼!



重盛公はやはり出番ありませんでしたね。



そして、今回も出てきました。


「早とちりから世界が動く」


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鎌倉殿の13人の感想第3話「権謀家、頼朝」

未だに義時以外にはその本心を明かさないスケコマシ殿。



本音を明かされまくっている義時はそれを喜ぶどころか不快に感じているのが良いですね。
もう、5年かぁ・・・。



頼朝の源氏色の覇気の効果もすっかり色褪せてきたようです。



また、現実問題として当時の頼朝が「平家打倒」に真剣だったかも疑問がありますが。
娘もうまれた事ですしね。



しかし、その頼朝を再び「権謀家」に戻す事態が。



以仁王の令旨と源頼政の挙兵。



頼朝は風下に立てないタイプの男なんですね。



我が子晴信と同じで腰を低くして甘い汁を吸うことは出来ない。



結局、頼政の挙兵は黙殺するのですが、その頼政が討たれたという話を聞いて笑いを噛み殺しておりました。



義時の心中は如何ばかりかw


権謀家。


まあ、器の大きな人ではありませんね。もっとも、それはそれで魅力なのかもしれませんが。



この辺りの残酷さと身勝手さが後の源氏内での争いへのフリになっているのかな。

鎌倉殿の13人の感想第3話「義時の才能」

勢いと想い先行の宗時と比較すると、地に足のついた感があり、性格も穏やかな義時。



頼朝はそんな義時を気に入っており、ずっと本音を明かし続けている。どうやら未だに義時は「頼朝の本音」を時政や宗時には黙っているようです。



律儀な男だ。



また、宗時やそのお友達とは異なり戦にもあまり興味はない。一方で、領内の作柄を調べたり数値には強いようですね。



今回義時がその才能を発揮して国衙の木簡に記載された税の内容からその兵力を割り出しておりました。



そして。



「勝てます」



この時の義時の表情。



義時は斬った張ったの戦にはあまり興味はないものの、戦略、いや、まあ、このレベルだと戦術というか作戦計画かな?



緻密な作戦計画を立てて実行することには興奮するタイプではあるようですね。



良い刀を手に入れたら斬ってみたくなる戦好きではなく、
勝てる作戦計画を立てたら実行したくなる戦好き。



源氏の勝利の為に、平家打倒の為にではなく、
本音は「自分の作戦計画は成立しているのか?」を確かめたい。



義時の新たな一面が見えてお話であったかな。

鎌倉殿の13人の感想第3話「時政の器」

さて、時政です。



これまでもウカツであったり、ノリと勢いで良く分からない決断をしたり、女好きだったりとまあ、面白担当を担っている感があります。



ただ、この男こそ一番器がデカいのではないでしょうか。



時政は頼朝を匿い政子を嫁がせ大姫まで産まれている。伊東祐親からは頼朝と縁を切れと迫られた際は言を左右にのらくらでかわしております。



しかし。



頼朝と心中する覚悟(宗時はその覚悟)かというと必ずしもそうではない。



心中するのは己の



どちらを選択するのが良いのか?



思えば頼朝を匿った理由に関しては「なんでか分からない」と宣っておりましたが、つまるところはそれはです。



勘はバカには出来ない。



確実性は考えない宗時。



確実性を求める頼朝。



確実性を見出す義時。



そして、
不確実性と心中出来る時政!
(ちょっと大袈裟かな?)

北条父子三人は三者三様で人材豊富。



これまでの鎌倉殿の13人の裏テーマは「確信犯によってのみ歴史が紡がれるのではない」というこだと感じるのですけど、
その象徴は時政のような気がします。



以上、鎌倉殿の13人のあらすじ感想第3話「挙兵は慎重に」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじと感想第4話「矢のゆくえ」