軍師官兵衛のあらすじと感想第35話「秀吉のたくらみ」です。官兵衛と秀吉の間は「隙間風」では済まぬ感じに・・・!ただ、秀吉の伴天連追放令は少々性急かもしれませんけど、あながち的外れではないとも感じます。軍師官兵衛のあらすじと感想第35話

軍師官兵衛のあらすじ第35話「秀吉のたくらみ」

三河徳川家康が上洛。これで東の脅威は無くなった。勿論、関東の北条や奥州伊達といった有力大名は存在するがいずれも遠方であり、また秀吉に対抗する程の勢力とは言えない。秀吉はいよいよ自ら九州へと出陣する。

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軍師官兵衛のあらすじ第35話上巻「茶々」

秀吉出陣の日。



「おね!留守を頼むぞ!」

「お前様!ご武運をお祈りしております」



秀吉は出陣前におねに後の事を頼むと言うが・・・。正殿をウロウロしていっこうに出陣する様子がない。



「殿下・・・そろそろ・・・」

「・・・ああ・・・分かっておる」



三成が溜まりかねて秀吉に出立を促す。
秀吉は待っているのだ。




しかし。



「殿下・・・!(諦めて・・・涙)」

「分かった!」



秀吉が大坂城の廊下を歩いていると‥・!



「茶々・・・!!」



茶々は出陣する秀吉の帰りを待っていると告げる。
そして、自分は



「強い殿方好きである」



と。



「おね!茶々が儂を受け入れてくれた・・・!許してくれるな?」



おねは大きく頷く。秀吉は破顔し意気揚々と大坂城を後にした。




茶々は秀吉が出陣した後一本の桜をみつめていた。



「この桜は大坂城築城の折、ここに移されたのですよ」



おねは茶々にそれとなく、今後は豊臣家に根を下ろして欲しいと話す。茶々は荒木村重の話をする。



「私の母、市は弱い者ばかりを夫にした」



浅井長政、そして柴田勝家。母とは違う人生を歩む。茶々なりの覚悟なのだろう。おねは一抹の不安を覚えながらも茶々を見守ろうと考えていた。

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軍師官兵衛のあらすじ第35話中巻「圧倒」

官兵衛の元に長政と又兵衛がやってくる。家康上洛により東の脅威がなくなり秀吉自ら出陣となり二人も九州へ先んじて上陸したのだ。




秀吉からは、九州の調略を進めておくようにと言付けがあった。




官兵衛は長政に家康上洛の様子や大坂の動向を訪ねる。



「徳川様はそれはもう大きな方でございました!」



長政は大坂城で秀吉に謁見する際の家康の振舞いを説明する。



「殿下の陣羽織を頂戴致したく・・・これより陣羽織は不要でございます」

「殿下に弓引く者はこの家康が成敗する」



すっかり家康に心酔している長政だが、それは秀吉が家康に頼みこみ人芝居打ったのだと話すと長政は驚く。



「長政、大坂の様子はどうじゃ?」



長政は気になる噂として、秀吉が官兵衛を遠ざけているという噂、そしてその原因は三成が何やら吹き込んでいるとのではという話をするが、



「殿下はそのような愚かな方ではない!」



ただ、これには善助も思い当たる節がある。



「殿下は少々お変わりになられたようにも感じます」



官兵衛はそれでも長政や善助の不安を杞憂であると一蹴する。




官兵衛は九州諸大名の調略を開始。




秀吉が桁違いの大軍で九州へやって来るということもあり調略は順調に進む。調略に応じた1人に豊前城井谷城に四百年以上守る宇都宮鎮房がいた。



「・・・殿下はかつて草履取りであったとか・・・?乱世も此処に極まれり・・・!」



宇都宮氏は鎌倉以来の名門である。乱世の成り上がりの軍門に下るのは忸怩たる想いがあるようだ。しかし。



「我らの望は本領安堵!これは確かじゃな?」

「殿下がお約束された・・・間違いない!」

「そうか・・・」



程なく、秀吉が二十万という大軍で九州へ上陸。宇都宮鎮房も秀吉への忠義を誓う。



「この度は本領安堵の儀誠に有難く存じ上げます!」

「うむ!鎮房!其の方には先鋒を命じる」

「はは!有難き幸せ!」



秀吉は自ら率いる本軍と秀長率いる別働隊で薩摩へ迫る。島津義久も進退窮まる。



「兄じゃ!どうるす!?敵は二十万じゃ・・・」

「・・・二十万・・・これでは戦にならぬ・・・」



島津はついに降伏を願い出る。




島津の始末について軍議が開かれる。



「島津には薩摩大隅の本領安堵を・・・!」



官兵衛は九州、特に薩摩人の気性は荒く、統治するのは至難であり、ここは薩摩人にも関白豊臣秀吉の威光と度量を示すべきと説く。




しかし、三成はあくまで島津を攻め滅ぼす事を主張。官兵衛は三成に詰め寄る。



「二十万の大軍・・・兵糧は突きかけておろう?」



図星である。
兵站の才に優れた三成ではあるが既に兵糧は残り少ない。




島津義久は出家し恭順の意を示し秀吉に謁見する。関白秀吉の意向に逆らった事を田舎者故の不調法であると謝罪し許しを請う。



「安心致せ・・・薩摩大隅を取り上げたりはせぬ・・・」



こうして秀吉の九州征伐は終わる。秀吉の寛大な措置に官兵衛は喜ぶ。



「どうだ?殿下は変わってなどおらぬ!」



秀吉はまた、勝利を祝い利休を招いて博多で茶会を催す。



「戦で荒れ果てた博多を再興せねばな!」



前途は明るいかに思われたが。

軍師官兵衛のあらすじ第35話下巻「暗雲」

秀吉は暫く博多に滞在する。九州は伴天連の多い土地柄でもあり南蛮寺も多い。




九州平定を終えた秀吉は伴天連の日本支部の準管区長コエリョの謁見を受ける。
此処で、事件が起こる。



「コエリョ殿・・・あの船の大砲はいったいなんじゃ?」

「あれはキリシタンを守る船でございます」

「それにしても立派な船じゃ・・・」

「はい、あれ程の船はこの国では作れますまい」

「おお!そうかそれ程の船か!!」

「はい!!」



秀吉は南蛮寺に集まりまるで大名のように振舞う伴天連の司祭を警戒していた。そこに、コエリョはまるで武威を誇るような話を秀吉の前で披露してしまう。




同席していた右近や官兵衛は焦りを覚える。




後日、官兵衛は秀吉の疑念を解くためにも船を秀吉に献上すべきと話す。右近もそう考えてコエリョにそう申し入れていたいが、応じる気配はなかった。




さらに、事態は悪い方向へ進む。



「殿下が信仰を捨てるようにと・・・」



右近は苦悩する。
利休はまずは、秀吉に忠誠を尽くし、信仰は心のお国留め置くように提案するが、一度信長の前で自らを偽っている右近にその選択肢はなかった。



大河姫

右近はホンモノの「キリシタン」なんだろうね。官兵衛は「日本教徒キリスト派」であって、「キリスト教徒」ではないんだよな。




自らもキリシタンである官兵衛は秀吉の説得に向かう。官兵衛は右近のこれまでの貢献を強調し、またキリシタンは決して危険ではないと話すが・・・。




秀吉は傍らの三成に新しい御触書を見せるように促す。



「伴天連追放令」

「この国のキリシタンが殿下の敵になります!また戦を始めるおつもりか!?」

「官兵衛・・・それ以上申すな・・・お前を罰したくはない」

「殿下・・・」

「それと官兵衛・・・お前には豊前六郡を与える」



そこには先祖伝来の土地である城井谷の本領安堵で秀吉に従った宇都宮鎮房の領土も含まれていた。



「安心致せ・・・宇都宮には新しい所領を用意する・・・」



官兵衛は秀吉の差配に啞然とする。宇都宮鎮房がそれに応じるとは思えなかった。

軍師官兵衛の感想第35話「秀吉のたくらみ」

軍師官兵衛の感想第35話「秀吉のたくらみ」。この「たくらみ」は二つあると思います。一つは「伴天連追放令」。もう一つは官兵衛に豊前六郡を与えて宇都宮鎮房との「本領安堵の約束を反故」にすること。
この二つはまったく別の側面を持っていると思います。




余談ですが・・・。




宇都宮鎮房には少し想い出があります。私、信長の野望を嗜むのですが、この宇都宮鎮房の父長房は長命(かつ古い)武将の一人なんですよねぇ。

軍師官兵衛の感想第35話「日本教徒キリスト派」

官兵衛がキリシタンに帰依したのは何故か?光にキリシタンとは何かを問われて、



「まだ、人に教える程詳しくはない・・・」



官兵衛が帰依した理由は有岡城の岩牢で視線を彷徨った時、だしに命を救われ薄れゆく記憶の中で讃美歌の唄声にも救われた事が大きいと思います。ベンダサン「日本人とユダヤ人」の言葉を借りれば官兵衛はキリシタンに改宗したのではなく、



「日本教徒キリスト派」



に改宗したワケですね。因みに、「日本教」とは神が不在で「人間中心」の宗教(宗教と言えるか!?w)と言う事ですけど。




なので、官兵衛が出会ってきたキリシタンはだしにせよ右近にせよ中々魅力的な人物でしたが、このまま伴天連追放令がなくとも、遠からず官兵衛も、



「キリシタンの不可解さ」



には気づいてしまったろうなぁと思います。




官兵衛は頭の良い男です。
キリシタンの教えを学び伴天連との関係を続けていれば遠からず遠藤周作の「沈黙」に登場する、



「井上筑後守」



のようにキリシタンには最も恐ろしい男になった気がします。




個人的にはこの時期に秀吉が「伴天連追放令」を発したのはまあ、致し方ないかなと思います。その弾圧には非難があってしかるべきとは思いますが・・・。その後の歴史を知っているので、キリシタンがまあまあロクでもない事も分かっていますからね。




秀吉が「一向宗門徒」と同じと言ったのは正鵠を射ている。そう言えば、一向宗門徒と対抗するために村重はキリシタンを認めたといっていた。




官兵衛と秀吉は意見が異なっているように見えますけど、遠からず、ことキリシタン問題については同じ見解を持つようになった気がします。




官兵衛も有岡城の事がなければキリシタンにそこまで肩入れする事もなかったでしょうしね。

軍師官兵衛の感想第35話「官兵衛再び試される」

伴天連追放令に関しては秀吉の純粋な危機感だと思います。官兵衛がキリシタンに改宗していたのは結果論であり、官兵衛に対して含むとことろは無いと思います。しかし、秀吉が宇都宮鎮房との約束を反故にして敢えて官兵衛に、



「豊前六郡」



を与えた理由。




これは一種の「意趣返し」のような感覚がある気がしました。「忠誠心を試している」面もあるんだろうなぁもと感じます。




秀吉は官兵衛に恐怖を感じています。一方で、官兵衛の能力は得難い才能と評価し、また自分(秀吉)を信じ切っている(少なくとも今は)事も分かっている。



「どの辺りまで官兵衛に圧を加える事が出来るのか?」



を、試したい気持ちと



「秀吉自身が感じている不安を官兵衛にも味合わせたい」



という屈折した感情がある。勿論、この状況下でも官兵衛は必ず上手くやるだろう(失敗して欲しいけど)とは考えているでしょうけど。官兵衛は気付くかなぁ・・・?




秀吉は三成の讒言で官兵衛を遠ざけるような愚かな人物ではない。




だから、余計に始末が悪い。




心の底では官兵衛を畏怖しているんですよね。三成の讒言は多少の影響はあるかもしれませんけど、それで官兵衛「疑う」ような事はない。




蜜月だった官兵衛と秀吉の関係は、



「同床異夢」



の新しい君臣関係に発展していくという事なのかな。

軍師官兵衛の感想第35話「宇都宮長房の想い出」

宇都宮鎮房の父長房。




前述の通り私は信長の野望を嗜むんですけど、一番古い時代から始めて17世紀まで続けていったりするという楽しみ方をしたりします。




よくこの楽しみ方でよく利用するのは中国九州の大名の大内とか島津とかが多いんですけど、この宇都宮鎮房の父長房は凄い長命なんですよね。




この先宇都宮氏は哀しい最期が待っているんですけどもし大人しく転封していたら・・・。




100歳位まで生きたんじゃなかろうかい?




以上、軍師官兵衛のあらすじと感想第35話「秀吉のたくらみ」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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