西郷どんのあらすじ第25話です。吉之助は再び生死の境を彷徨いますが、これも天命か?死の淵から生還します。一方、江戸から国元へ戻る途中、久光一行は大名行列を横切った英国人を斬殺するという、世に言う生麦事件を起こしていた。大河ドラマ西郷どんあらすじ第25話

西郷どんのあらすじ第25話上巻~天命、吉之助復活~

吉之助は精魂尽きて、牢内でついに倒れてしまう。生死の境を彷徨う事になるが、土持達は吉之助を牢から運び出すと、懸命に看病をした甲斐もあり、なんとか命を繋ぐ。吉之助は朦朧とする意識の中で雪篷も自分に声をかけて、水を飲ませてくれたような気がしていた。

→西郷どんの感想第25話「生かされた命」

→翔ぶが如くではどう描かれた?第19話「異人斬り 生麦事件」

→翔ぶが如くではどう描かれた?第20話「薩英戦争」

雪篷という男

「目の前でお前さんに死なれちゃ目覚めが悪いからな」




雪篷はそう言って笑う。吉之助はなんとか復活したものの、まだ一人で起き上がる事も出来ない。今は島の名族である土持家にやっかいになっている。


「雪篷どんはいったいなぜ島へ?」

「久光公の書物を金に換えて飲んだ」

「・・・なんと!?」



雪篷は冗談めかして多くを語らないが、かつて薩摩に吹き荒れた「お由羅騒動」に連座して島送りとなったようだ。ただ、雪篷にも吉之助と同じく「友」がいた。




薩摩に留まった友は、



「必ず薩摩へ呼び戻す」



と、言っていたようだ。暫くは定期的に書状も来ていたが、その間隔が長くなり、やがて書状は来なくなった。そして、10年以上この島にいる。



「すっかり飲んだくれじゃな!」



雪篷は吉之助が「友」を信じ過ぎるのを危惧していたのかもしれない。信じていた「友に裏切られ」絶望した自分のようになることを。



「おい!土持!ところでこの男はなんであんな野ざらしの牢に?」

「そのように藩の指示書には・・・」

「ホントか?よくその内容を吟味したらどうだ?」



土持は雪篷の言葉にもう一度指示書を見てみる事にする。

心にこそは 高きいやしき

土持は雪篷が言わんとしていた事がわかった。



指示書には「囲いこんで押込み」とある。そこには、「野ざらし」とも「牢に入れろ」とも記載はなかった。



そこで、土持は自身の屋敷の中に「囲い」を作り「押込む」事にする。しかし、その「屁理屈」を上司の黒葛原にも納得してもらわないとならない。



「そげな話があるか??」

「黒葛原様!遠島は「死罪」ではございもはん!」



確かに「遠島」は死罪ではない。役人の本分として遠島となったものを「殺して」しまっては命令に背いた事になりはしないか?




当初は渋っていた黒葛原もついに土持の粘りに根負けし、土持邸内での「囲い・押込め」を認めるのであった。




吉之助は土持邸に世話になるだけでは申し訳ないと島の子供達の教育を買って出る。そして、役人の子供達だけではなく島の子供達も集めてくれるように頼む。勿論、土持に異存はない。




土持邸に島役人の子供達は入ってくるが、島人の子供達は決して上がろうとしない。



「島人は屋敷に上がってはならない」



そう、厳しく教えられているのだ。



「楼の上もはにふの小屋も住む人の 心にこそは 高きいやしき 」



吉之助は日新公いろは歌を口ずさむ。




立派な屋敷に住んでいても、粗末な家に住んでいても、それで人の価値は決まらない。人の価値は「心のありよう」によってのみ決まる。




勿論、吉之助の力で今すぐ島の身分制度は変える事は出来ない。しかし、少なくともこの「屋敷で学ぶ」間は役人の子供達も島人の子供達も等しく教育を受けさせたい。吉之助の願いでもあった。




大河ドラマ西郷どんのあらすじ第25話はまだまだ続きます。斉彬が恐れていた「異国との争い」は意外にも早く?

西郷どんのあらすじ第25話中巻~薩英戦争~

久光の江戸出府と勅使下向は後に「文久の改革」とよばれることになる。当初の目的である「幕政改革」は一応成った。久光一行は薩摩へと帰国する事になるが、その途上で「事件」が起きる。世に言う「生麦事件」である。

スポンサードリンク



生麦事件

当時、横浜などは外国人の居留地が多く事実上の「疎開」のようなっていた。この頃、日本に在留している外国人の楽しみの一つに乗馬遠駆けがあった。特に「生麦」あたりは度々外国人による遠駆けのコースとして人気となっていた。




勿論、外国人たちも日本独特の文化にある程度精通しており、今迄は大名行列を横切りるような事はなかったのだが。



「異人の馬が前方に・・・」

「何?・・・斬れ・・・」



この不幸な英国人はチャールズ・レノックス・リチャードソン。彼は薩摩藩士奈良原喜左衛門に最初の一撃を浴び、そして有村俊斎に止めを刺される。




大名行列は何事もなかったかのように西を目指す。




しかし、これを世界に冠たる大英帝国は当然これを見過ごさなかった。

薩英戦争

薩英としては。
大名行列の通行を妨げるものは「斬り捨て御免」であるのは我が国の国法である。その国法に従っただけの薩摩にはどのような落ち度もない。



「いや・・・外国人は知らなかった・・・」



それこそ幕府の落ち度である。横浜に在留する外国人に我が国の国法を伝えるのは外国奉行の仕事。以降の対応は全て幕府に一任するのでよろしく頼みもす!




しかし、幕府はのらりくらりとするのみで英国からの賠償金要求、犯人の引き渡しを要求について薩摩へ請求するようにと答える。




ついに、英国艦隊は「武力行使」を念頭に薩摩錦江湾へと向かう事になる。



「国父様!英国との戦争などなりませぬ!」



重臣達は久光に開戦を避けるように言上する。久光は弱腰の中山はじめ重臣達に苛立つ。



「国父様!いまこそ薩摩隼人の力見せましょうぞ!!」



「一蔵!よう言うた!開戦じゃ!」

「舐められてばかりでおられるか!」



一蔵は久光が開戦を望んでいる事を知るとそれに便乗し、今こそ薩摩が一つになる時であると「寺田屋騒動」で謹慎処分となっていた信吾たちの赦免も勝ち取る。さらに、「異人斬り」の責任を取って自刃しようとする有村俊斎や奈良原喜左衛門にも、



「お前達を責める者はもうおらん!」



と、切腹を思い留まらせる。図らずも、寺田屋騒動以降、一蔵と有村や大山などの間にあった溝はすっかり埋まる。




薩摩は一つになり、迫りくる英国艦隊を迎え撃つことになる。




大河ドラマ西郷どんのあらすじ第25話いよいよ最後の段。薩英戦争の結果は・・・!

西郷どんのあらすじ第25話下巻~吉之助帰る~

沖永良部島では雪篷が騒ぎを起こす。何を思ったのか、粗末な船を盗みだし「島ぬけ」を図ったのだ。しかし、あっさり島役人にみつかってしまう。

島嶼防衛

沖永良部島にも英国艦隊が薩摩へと向かっているという情報がもたらされてたのだ。雪篷はそれを知ると、居ても立っても居られなかったのだ。



「異国と戦ってはならない」



斉彬時代から異国の脅威を学んできた雪篷はなんとかして開戦を回避しようとしていた。戦争になれば苦しむのはいつも市井の民である。




吉之助もまた、薩英戦争迫るの報に驚く。もし、戦争になれば、この沖永良部島も危ないかもしれない。




吉之助は雪篷と協力し島の防衛体制を整えることにする。島の役人の代表である黒葛原も黙認するが、島人は皆異国に脅え家から出てこない。




その時協力してくれたのは島の子供達であった。そこには役人の子も島人の子もいた。




島には殆ど武器弾薬はないが、高台に物見櫓を立てるなど、兎に角何かあっても被害が最小限になるように準備を進める。

薩英戦争始末

結果的に沖永良部島には英国艦隊は来なかった。また、錦江湾へと侵入した英国艦隊と陸上の薩軍砲台は砲撃戦を展開する。




英国艦隊は最新のアームストロング砲で武装しており、射程や破壊力、さらには砲門数においても薩軍を上回っていたが、英国艦隊の拙攻、そして、性能は劣ると言えども薩軍の砲撃はたまたまよく当たった。




結局、英国艦隊は2日ほど砲撃を行うと撤退する。




その薩英戦争の約半年後。




元治元年(1864年)2月。




吉之助は再び薩摩へ呼び戻される事になる。



「おいの負けじゃ、わいは良い友を持った」



雪篷はそう言って吉之助を送り出す。また、自分を呼び戻す行動などするなよとも釘を刺す。




吉之助は途中大島で愛加那と僅かな時間再会の後、鬼界ヶ島(喜界島)で村田新八を拾い、薩摩へと帰還するのであった。



以上、大河ドラマ西郷どんのあらすじ第25話でございもす。

→西郷どんの感想第25話「生かされた命」

→西郷どんのあらすじ第26話~吉之助召喚、激動の京へ~

→翔ぶが如く第19話「異人斬り 生麦事件」

→翔ぶが如く第20話「薩英戦争前夜」

→西郷どんのキャスト表(随時更新)