鎌倉殿の13人あらすじと感想第31話「諦めの悪い男」。三井寿・・・では無かった。比企能員です。先週の今週なんで同情なんかしねぇと思ったんですが・・・。能員の気持ちも分からんではないかも。いや、寧ろ君は僕?鎌倉殿の13人第31話

鎌倉殿の13人あらすじ第31話「諦めの悪い男」

初代よりはるかに若くして、
二代目は倒れた。
御家人同士の対立も、
またはるかに大きい。
鎌倉に戦の匂いが、
漂い始めている。


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鎌倉殿の13人あらすじ第31話上巻「決戦前夜」




頼家はもう長くはない。



頼朝の先例に習い、朝廷工作、葬儀の準備など慌ただしい。





既に鎌倉は「頼家後」に向けて動き始めていた。



比企能員は頼家の乳父であったことを今度こそ最大限に活かすことが出来ると、自身の娘せつとの間の子一幡を後継にと動く。



一方、北条は生前の頼朝が「善哉」(頼家とつつじの子、三浦が乳父)を跡取りと言っていたと反論する。もっとも、それを書き記した「証拠」は無い。



三浦義村は「証拠の書状など何枚もある」と偽書を義時に披露するが流石にそれは使えない。


「三浦が大きくなるのがそんなに嫌か?」

「そう言う事ではない」


しかし、北条も三浦も比企が鎌倉の覇権を握ることはなんとしても避けたい。



結局、義時は北条が預かる頼朝の三男(頼家の弟)千幡と一幡で日の本を分け合う形を提案する。


「はっはは!鎌倉は比企が支柱となる」


比企能員は義時の妥協案をにべもなく破り捨てるのであった。



これで、北条も後には退けなくなったのだが・・・。

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鎌倉殿の13人あらすじ第31話中巻「父と子」

義時は悩んでいた。



北条と比企の対立。



千幡を担ぎ比企と戦うと言うことは、取りも直さず北条が、父時政が鎌倉の支柱となり政を執り行うということである。



時政の妻りくは既にそのつもりであり、時政にはその器があると考えているようだが、義時にはそうは思えなかった。





「貴方(義時)は何も分かっていない」

「私は我が夫の器を信じています」


義時は時政の真意を、覚悟を問う必要を感じる。


時政の館


「父上にお尋ねしたい事が・・・」


「覚悟ならあるよ」


「・・・軽ろうございます」


「ある(慇懃)」


「はあ(ため息)」


時政の少し茶化したような返事に義時はため息である。


「ははは、りくから聞いたよ!」


時政はりくから義時が時政の器量に、覚悟に不安を持っていると言う話を聞いていた。


「儂には大事なものが三つある」

「家族、娘息子、りく、そして伊豆の地」

「四つでございますが?」

「娘と息子は一つ!」


時政は今回の全成の件で実衣を悲しませたことを悔いていた。そして、家族を守るためならなんでもすると言う。


「りくは儂の事を一番良く分かっている(笑)」

「大丈夫だって!なんとかなる!」


義時は少し不安があるようではあるが納得する。続いて、比企への対応に関しても話をする。



時政は能員と二人で話をしてみることにする。そこで、妥協点が見いだせればそれで良し、もし、そうでないのであれば・・・。







鎌倉御所で二人は話し合う。



時政は先日義時が提案した「日の本分割案」を軸に話をする。


「九州は譲る」


日の本を西と東に分ける案は認められないが、九州だけは譲ろうと言う。勿論、北条側が呑める案ではない。


「儂は時々思うのじゃ」

「石橋山の戦いにもし儂が参陣しておれば・・・」


北条は頼朝の旗揚げから一貫して従ってきた。一方、比企は旗揚げ時は様子を見てしまった。もし、比企が最初から参陣していれば石橋山でも勝っていたのではと考えてしまうと言い残し出て行く。

鎌倉殿の13人あらすじ第31話下巻「覚悟の形」

比企の館


「ははは!時政が泣きついてきよった(苦笑)」


先日「九州のみ譲る」という妥協案を示したが、それに応じるような内容である。ついては、一度二人で会いたいとある。


「愚かな・・・(苦笑)」

「一幡様が鎌倉殿となれば約束などどうとでもなるものを」


能員は時政の屋敷に出向くことにする。


「北条の屋敷へ出向いて大丈夫でしょうか?」


妻のみちは単身北条館へ出向く夫を心配する。


「なーに、時政も坂東武者」

「丸腰の相手を襲えばどうなるか位分かっておる」

「儂の甲斐性のあるところを見せてやる(笑笑)」


能員は一人、時政の屋敷へと向かう。



時政の館


時政の館では仁田忠常が能員を出向かえる。


「どうぞ!」

「うむ」


門をくぐり抜けて時政の待つ部屋まで案内をされると・・・。



甲冑姿で床机に座る時政が待ち構えていた。


「なんの真似じゃ?帰る」


辺りは義時はじめ、北条の者が完全武装で取り囲む。


「・・・見ての通り丸腰じゃ(苦笑)」

「お前も坂東武者なら分かるはず」

「丸腰の者を殺せばどうなるか」


時政は笑いながら応じる。


「お前は坂東武者じゃねぇから分からねぇだろうが・・・」

「坂東武者ってのは勝つためにはなんでもするんだよ」


「儂に何かあれば三浦が黙っていない」



ばん!
(引き戸の開く音)



義時が引き戸を開けると三浦義村の姿が。


「三浦を舐めてもらっちゃ困る」

「北条と三浦は二代に渡る仲だ」


北条の手の者が能員を斬りつける!


「き、斬りおった!!」


能員は扉を破り庭先に脱するが勿論、そこにも北条の者が囲んでおり、たちまち捕えられる。



能員は狩衣の下に鎧を着こんでいた。
時政は憐れむかのように語る。


「その思いっきりの悪さが今日を招いた」

「お前が石橋山で立っても結果は変わらない」


能員は怒りに震え反論する。


「お前とは背負っているモノが違う!」


能員は北条に呪いの言葉を叫びながら義時に促された仁田忠常に討取られた。



北条は素早かった。



能員を討取ると間髪入れずに比企の屋敷を襲う。



そこには頼家の妻せつと一幡もいるが、北条側は容赦しなかった。一日で鎌倉を北条と二分する勢力を誇っていた比企一族は滅亡した。



義時は全て片が付くと政子の元を訪れる。


「全て、終わりました」

「そう・・・一幡は無事なのでしょうね?」


一幡、頼朝の政子の孫。



政子は比企を滅ぼすことは認めたが、一幡の命は助けるようにと義時に頼んでいた。義時は「禍の種になる」と反対であり、太郎には必ず殺すように命じていた。



しかし。


「行方知れずでございます」


政子はそれを「命は無事」と解釈したようである。



これで全て終わったかに思えたのだが・・・。





頼家が意識を取り戻したのだ。

鎌倉殿の13人感想第31話「諦めの悪い男」

鎌倉殿の13人感想第31話「諦めの悪い男」。今回の主題は三つかな。



一つ目は義時が覚悟を決めたということ。因みに、政子はまだ「覚悟」決めていないと思う。



二つ目は時政と能員の違い
はからずも権力の中枢へと歩んでしまった男と、権力を夢見ながらいつも踏ん切りが悪かった男。



そして、最後が女達の決断

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鎌倉殿の13人の感想第31話「覚悟の意味」

先週の段階で比企と北条の関係は決戦モードであったものの、北条は比企に


「鎌倉から出て行ってもらう」


つもりであり、


この世から出て行ってもらう」


までは、少なくとも義時自身は考えてはいなかった。頼家が病に倒れず、義時のシナリオ通りに進んだとしても、せつの実父という事もあるので、頼家も命までは取らなかった気がします。



しかし、状況は一変。



全成の呪詛は遅延信管ならぬ遅効性呪詛だった!?



冗談はさておき、若き鎌倉殿頼家の命は今まさに尽きようとしております。能員にとってはこれは人生最大の危機を脱したのと同時に千載一遇の好機到来



こと、ここに至り北条と比企の関係は武力衝突一歩手前まで先鋭化。



それでも義時はギリギリまで武力衝突回避に動く。


「諸国を一幡(頼家の子)と千幡(頼家弟)で分ける」


義時は「戦の為の大義名分」といったニュアンスの事も言っておりましたが、ホンネはなんとしても戦は避けたかったと思う。



北条と比企が衝突し、北条勝利の暁には北条が坂東武者の頂点に立つ事になる。



その覚悟が出来なかった。



北条の総領は時政です。


「父上に政が務まるとお考えでしょうか?」


「貴方(義時)は何も分かっていない」

「私は我が夫の器を信じております」


時政にその覚悟があるのか?義時自身は自身の才覚には当然気付いている。
その才覚を「北条の為」に振るう覚悟は出来ている。



しかし、父時政はどうか?
覚悟が出来ているか?



「千幡様はまだ幼い」

「鎌倉を率いていくのは北条ということになりますがその覚悟は?」


「あるよ」


「・・・」


「なんだよ(汗)」


義時は父の事も知り抜いている。
決して権力志向が強い人間ではないこと、そして面倒臭さがりで細かい事は得意ではない。



時政の大事なモノが三つの話を聞いても若干不安はあったと思う。



その不安が晴れたのは自身の館に比企能員を招き入れた時。


「待っておったぞ能員(笑)」

「坂東武者ってのは勝つためにはなんでもするんだ」


この時、父時政の覚悟を見たのではないかな。



りくの言う「器の話」はあながち、的外れでは無かったですね。

鎌倉殿の13人の感想第31話「時政と能員」

石橋山の戦い。



頼朝の旗揚げはこの石橋山での大敗が最大の危機でした。
この「危機」を多くの犠牲を出しながら頼朝と共に乗り越えた北条は名実共に鎌倉随一の御家人へと飛躍してゆく。



比企能員にも平等に機会はあったのです。



比企の尼が流人時代の頼朝を二十年余りに渡って支援していた縁もあり、
当初から頼朝の旗揚げに参戦していれば現在の北条や比企よりも頭一つ二つ抜け出た御家人となっていたのではなかったか?



しかし、権力志向が強い比企能員は周囲がよく見えている。まさに、天佑として言いようのない奇跡が重なり鉄壁と思われた平氏政権は石橋山からたった5年で滅び去ったが、
治承4年(1180年)にそれを予見出来た人間はどれほどいたであろうか?



普通に考えれば勝算は低い
まずは様子見をするという判断は必ずしも的外れではない。



一方で北条時政。



時政には権力志向はあまりない。最初に頼朝を匿ったのも、平家打倒の旗揚げに参加したのも積極的な意思があったというより、三郎を始め周囲に流され気付いたら立っていたという感じ。



ところが、頼朝について行ったらあれよあれよという間に鎌倉随一の御家人になっていた。



時政と能員の違い。



時政は周囲の意向で流されやすいものの、流されての決断でも(時々ブレる事もあるが・・・w)その流れにちゃんと乗る



他人が決めたコトでも自分事として覚悟を決めるのです。



能員は基本的には自分の意思(時々妻のみちと相談するけど・・・)で決めるものの、
決めきれない



能員が丸腰でありながら甲冑を身に着けていたのがその象徴。



自分の決断と心中することが出来ない



「思い切りの悪さ」


平時であれば能員にも芽はあったかもしれませんが
時代と相手が悪かった


「坂東武者ってのは勝つためならなんでもする(高笑い)」


今回、時政は義時が創った流れを完全に乗りこなしていた。

鎌倉殿の13人の感想第31話「女達の決断」

己の決断と心中出来ず、敢え無く落命した比企能員。



北条はその後も容赦しない。



「あまり気が進まねぇなぁ」
by和田義盛



気持ちは分かる。
しかし、頼朝の薫陶を受けてきた義時、
そして流れに乗ったら乗り切る時政は容赦しない



比企の女達は皆立派であったと思う。



比企能員の妻みちは「夢、敗れた」と覚悟を決めていたようだし、
せつは・・・一幡をなんとか守ろうと刃を取った。
比企の尼は流石取り乱す事は無かった。



比企の尼を見た時思わずまた出てしまいましたよ。



私の口癖。



人はいつ死ぬのかが大事



本当に長く生き過ぎましたね・・・。



そして、もっとも覚悟を決めていたのが比奈。


「とうに覚悟は出来ています」


その覚悟とは


北条と比企が争えば北条の女として生きる


よりも積極的な意味があったと思う。


北条の為に実家の
比企を滅ぼす事に協力する。



という覚悟。



義時もまたそれを信じ積極的に利用した。



現時点で義時に一番寄り添っているのは政子ではなく、比奈かもしれない。


「一幡だけは助けてあげて」


比奈は義時が一幡を絶対に助けないことを分かっている。政子は?
政子もそこは分かっているのではないかと思うのです。



なのに何故そのようなことを口走ったのか?


「私は反対した」


という免罪符、
罪悪感から逃れたいがため。
そして、義時ならその免罪符を


「行方不明」


という形で発行してくれると感じているのではないかと思います。



次週。政子にも情け容赦の無い決断が迫られるようです。





以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第31話「諦めの悪い男」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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