翔ぶが如くのあらすじと感想第27話「王政復古」。慶喜は大政奉還する事で名を捨てて実を取る。ここに「倒幕」の道は潰えたかに見えた。西郷達は「倒幕の密勅」を活かそうと公家衆に働きかけるが、公家衆には幕府に肩入れする者も多く思うように事は運ばない。さらに土佐山内容堂は薩長の動きを牽制する。翔ぶが如くのあらすじと感想第27話

翔ぶが如くのあらすじ第27話「王政復古」

慶応3年(1867年)11月。いよいよ薩軍は再び上洛準備に入る。そして、今回の上洛に際し吉二郎はも参加したいと願い出ていた。信吾、小兵衛は今回は西郷家四兄弟揃っての参戦を吉之助に談判する。



「西郷家には寅太郎をはじめ立派な跡取りがおりもす!」



吉之助も四兄弟力を併せようと認めるのであった。

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翔ぶが如くのあらすじ第27話上巻「錦の御旗」

上洛を認められた吉二郎は妻子を伴い父母の墓前に上洛の旨を報告する。



「おいは、戦は初めてじゃっどんお前達の事まで考えられん・・・」



吉二郎は今回の戦が初陣である。後添えに向かえた園に妻に子供達の事を頼むと話す。




西郷家では糸と満寿が吉二郎出征の準備をしていた。糸は吉二郎が吉之助、そして信吾や小兵衛が存分に働けるように家を守って来た事に感謝し、今度は吉二郎が安心して働けるように自分が家を守ると決意を語る。
しかし。



「時々そら怖ろしい気持ちになりもす・・・」



糸は自分の夫の吉之助、満寿の夫である一蔵は、日本中の男たちの命運を握っている働きをしていると話す。



「命を落とさずに想いを遂げて欲しい」



亡くなった坂本のためにも想いを遂げて欲しいと祈っている事があると言うのであった。



「ほんのこと、私達は祈るだけでごわでなぁ・・・」



満寿も淋しそうに応えるのであった。




京ではいよいよ「倒幕」の準備を進めるため岩倉具視と西郷・大久保の密談が行われていた。京は「大政奉還」以降、佐幕派の藩士が殺気立ち不穏な空気となっていた。岩倉は武士に変装の上なんとか大久保邸に辿り着く。



「いやぁ、今の都はよそ者がデカい顔して・・・世も末じゃ」

「いかにも、我らもよそ者でございます」

「大久保!揚げ足取りなさんな・・・」



冗談はさておき、いよいよ本題となる。



「日本国の1/4は徳川家の物であります」

「これを新政府の物にしなければ何も変わりませぬ」



大久保の指摘に岩倉も応える。



「やはり、武力で行くのか」



「はい、藩主茂久も大軍を率いて上洛しております」



「その数は?」



「およそ三千」



「幕府は一万を下らぬといっておるぞ?」



「いえ、これに長州土佐芸州を加え慶喜と一気に勝負をつける」

「もはや、引き返せませぬ・・・」



岩倉のやや不安気な様子に西郷が自信をもって告げる。



「岩倉様・・・戦は数ではございもはん」



「分かった。それには錦の御旗がいるな」



岩倉はこちらには「倒幕の密勅」はあるが、戦場でそれを全軍に見える形にしなければと話す。
頷く西郷。



「「承久の乱」と「建武の中興」の時の二度日本史上に現れているが・・・」

「寸法も図柄もさっぱりじゃ」



「岩倉様・・・?」



「ははは・・・こんな感じで作ってみよう」



岩倉は自らが考案した「錦の御旗」の図柄を二人に示すのであった。




吉二郎も薩軍に加わりが京の薩摩藩邸に入った。京で西郷四兄弟が揃う事になる。



「兄さぁ!」

「おお!吉二郎!!」

「これで四兄弟揃いもした!こん戦は西郷家だけでかてもす!」



意気の上がる小兵衛に、



「小兵衛どん!おいもおる!」



と、弥助が思わず突っ込むのであった。

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翔ぶが如くのあらすじ第27話中巻「容堂、吠える」

秘密裡に倒幕の準備を進める西郷や大久保、岩倉の最大の懸念は土佐藩にあった。土佐藩が倒幕に付くか、幕府につくかのカギは前藩主で実力者の山内容堂が握っていた。



「今回の戦には土佐の力が必要じゃ」



西郷は江戸では巷の無頼漢を集め仏国の軍人に調練をさせているという情報を大久保に話す。これは、慶喜が少しも恭順する気がないという事であると。



「長州には兵庫あたりに軍を進めさせてほしい」

「はい、長州からは兵の意気盛んと書状が来ておりもす」

「一蔵どん!いよいよ決戦じゃな!」



二人は新政府樹立の期限を12月8日とし、武力行使の準備を進める。しかし、その計画は同盟を結んだはずの土佐藩から漏れた。土佐、山内容堂は越前松平春嶽と共に徳川慶喜にその旨を伝える。



「武装蜂起にござるか・・・」



「はい。我が土佐のみならず越前にも・・・のう!越前殿!!」



「いや、朝廷に差し出す軍勢と言われれば否とは申せず・・・」



「越前はご親藩でござろう!?」

「その軍勢が将軍家に向けられてもよいのか!?」



「いえ!けっしてそのような!!」



「余は越前に謀反ありなどとは夢思わぬ・・・」



「はは!」



慶喜は大政奉還をしたとは言え徳川家は朝廷を支える事に変わらないこと、薩摩如きに何が出来るかと笑う。山内容堂は慶喜の手を煩わせる事なく、自分が薩摩を抑えると息巻くのであった。




吉之助と大久保は岩倉が考案した「錦の御旗」の完成を見て感嘆にふけっていた。



「これは見事な・・・!」



「・・・やはり戦はするのか?」



「・・・岩倉様・・・?何を今更」



「昨日あたりから儂の抑えていた公家の動揺がある」



その言葉に西郷と大久保は顔を見合わせる。



「土佐あたりの脅しが入ったんじゃろな?」

「渡るというならこれは危ない橋を渡ぞ?」



「それも岩倉様には我らと共に渡って頂きます」



「大久保・・・!」



「民は三百年続く徳川の腐敗に怒っております」

「断然慶喜に所領を返還させる事、それが無ければ民の怒りは収まりません」

「それが出来ねば帝の権威も地に落ちますがそれでもよろしい・・・」



「いや!それはあってはならぬ!」



「で、あれば死中に活を求める求める他なく」

「我ら恐れるのは帝を敵の手に奪われる事のみでございます」

「今は男子が胆をすえてやる、この国がどうあるべきかのみお考え下さい」



「分かった・・・もう動揺はすまい」



岩倉の覚悟が定まった事を見て西郷が宣言する。



「ならば!予定通り12月8日をもって新政府樹立とします」



予定より1日遅れた12月9日。王政復古の逆転劇は薩摩藩を中心とした軍勢によってなされる。御所の九つの門の守備を会津・桑名から奪ったのだ。




この報告に土佐山内容堂の怒りは収まらない。越前松平春嶽も対応に苦慮していた。



「これは薩摩の陰謀にござる!酒を持て!」

「我が土佐からは一兵も出さん!!」



「しかし、朝議に参加しない事には・・・策はあるですか?」



「策などござらん!堂々と薩摩の不正を糾弾するのみ!」



「ならば!酒など御慎み下さい・・・!」



「・・・越前殿これは戦でござる」

「古来より武将は戦の前に盃干し神に勝利を誓う!」

「この山内容堂の覚悟をとくと見届けて下され!」



山内容堂も参加しての朝護が開かれる事になるが、容堂が「泥酔」状態で現れた事に一蔵は不安を感じる。表で薩軍を率いて御所を警護する西郷に、



「容堂が酒の勢いで凄まじい弁論を展開するという不測の事態」



も、あり得る事も伝える。朝議は山内容堂が引っ張る形で議論が展開する。



「徳川慶喜政権を返上し征夷大将軍を辞すにあたりここに王政復古・・・」



「お待ちなさいませ!!心得ませぬな!!!」



山内容堂が「待った!」とかける。容堂は「公平無私」な処置こそが肝要であると述べる。朝議には大久保も陪席を許されていたが、動揺は隠せない。



「此処に!大政奉還した忠臣徳川慶喜様が招かれておらぬは如何に!?」

「陰険じゃな!!!!陰険も陰険!!!」



容堂は明らかに岩倉へ向かって方言する。



「さらに不思議は御所の周辺に諸藩の兵が武器を携えておる」

「そもそも何処に朝敵がおります!!この席か?洛中か!?」

「江戸か!?・・・それとも・・・」

「薩摩か!?」

「かかる謀略は帝の徳を傷つける恐れあり!!!」

「天下の波乱を招く至りこれあり!!」



岩倉が溜まらず、問いかける



「土佐殿!如何せよと申しのじゃ?」



「慶喜殿を此処へ招けと申す!!」



大久保も加勢する。



「恐れながら、もし慶喜殿に忠義の心あれば所領を返上・・・」



「何をいいやがる!!!」

「領地を所有しているは薩摩殿も同じ!予も同じじゃ!」

「慶喜殿にその罪あるならまず!薩摩殿が七十七万石を返上せよ!」

「さすれば儂もそっこく無一文になってしんぜよう」

「慶喜殿のみが何故!四百万石を返上せねばらない?」

「さらに何故!それをもって朝敵とするは理屈に合わぬではないか!」

「いったいこれは何事ぞ!!」



大久保も岩倉も動揺する。泥酔状態とは言え山内容堂の弁論に反論出来ない・・・。



「二、三の公家が幼少の帝を擁して政権をほしいままにするとは!」



「大不敬であるぞ!!御年少の天子とは何事である!」

「帝は不世出の英主にましまし、今日の挙は全て帝の御意思!!」

「土佐!返答せよ土佐!!!」



「・・・如何にも・・・失言・・・!!!!!」



山内容堂になんとか一矢報いる。しかし、朝議の動揺は収まらぬ。



「土佐殿は些か泥酔・・・ここは一つ慶喜殿も招いては?」



「越前公の御言葉なれど同意致しかねる」



ここで、御前会議は一度休憩となる。外で門を警護していた西郷は呼び出されると、大久保と岩倉が待っていた。


「お!待っていたぞ」

「何事でございもす」

「土佐が慶喜を呼べとな・・・議論は真っ二つじゃ」



岩倉はこのままでは抑えていた公家にも動揺し予断を許さないと懸念を伝える。大久保が続ける。



「容堂が陰謀と決めつけ、越前公もその肩を持ちもした」



「まあ、大陰謀には違いないがこれは正義の陰謀じゃからの」



「・・・はははは!」



「吉之助・・・笑っている場合か?」



「失礼、確かに正義の大陰謀なので必ずやり遂げねばなりもはん」



「吉之助さぁ、土佐があくまで反対なら・・・」



「その時は短刀一本あればたりもんそ」



「それならば・・・儂がやる」



岩倉は短刀を見せる。西後達の覚悟の程と越前公から聞かされた容堂は沈黙し、所定の議事は一気にすすむ。



「吉之助さぁ!勝ちましたぞ!!」

「慶喜の辞官納地三条公の御赦免など全て裁可されもした!」



「おやっとさぁでござった!」

「じゃっとん、これからが戦にございもす」



ここに700年続いた武家政権の合法性は一夜にして奪われたのである。

翔ぶが如くのあらすじ第27話下巻「開戦前夜」

「全て承知した」



松平春嶽から聞いた「辞官納地」など全て受け入れるという慶喜。春嶽と土佐容堂の働きで四百万石全てのところを半分としていたが、幕府の「公証」は四百万石でも実高は「200万石」に過ぎず、事実上全領土である。




慶喜は納得するものの兵はそうは行かない。



「上様!どうか出陣の御下知を!」



「ならぬ!予が腹切って死んだなら好きにすればよい!」

「儂が生きている間は儂の命に従え!他日を帰せ!」



「他日は来ましょうか・・・?」



「慶喜の命に従えば必ず来る」



慶喜は都1万の兵がいてはいらぬ衝突をおこすと、全軍を大坂城へと入れる。その中には新門辰五郎の一隊もあった。辰五郎は金太達の話を聞いて、



「公方様に弓引くやつら俺達の敵さ!」



と、覚悟が決まり晴れやかな表情を見せる。




形勢は圧倒的に「新政府」有利かに見えたがけっしてそうではない。新政府には「銭」がなかった。岩倉から慶喜に来た「借金」のもう込みに慶喜は苦笑する。



「千両程かしてやれ!証文はいらん」

「上様!なりませぬ!」

「馬鹿をもうすな・・・若い帝に証文を書かせる訳にはいかんだろ?」



慶喜は諸外国に対して外交権は徳川家にあること、さらに、もし徳川家が「並の大名」であるなら他の諸藩も等しく負担をすべきと、着々と巻き返し策を展開していた。




慶喜に借金の申し込み。後に知った大久保は岩倉に文句を言う。



「足元を見られるような事を・・・」



「仕方ない!カネが無ければ何も出来ぬ」

「辞官納地の期限も切れておらぬからの」

「このままでは慶喜は朝廷が干上がるのを待つだけ」

「大久保!見通しはどうじゃ・・・?」



「恐れながら・・・」



「儂はもうお前達と命運を共にしておる。戦はいつじゃ」

「このままではまた慶喜に靡く公家も出てくるぞ」



「長州勢一千も都入りし、西郷も準備を整えております」

「ここは双方にとって剣ヶ峰でございます」



戦の炎は江戸からやって来る。信吾や弥助は西郷の命で横浜・江戸を探索するが、江戸では「薩摩」を名乗る無頼漢が暴れ回っていた。信吾達は「偽薩摩武士」に怒るが江戸の治安は悪化していた。




そしてついに。



「上様!江戸で薩摩藩邸が焼き討ちに!」



松平容保は、先日来の江戸城二の丸出荷を和宮と天璋院奪還を目指す薩摩藩の陰謀と怒った庄内藩が、藩兵を率いて江戸薩摩藩邸を焼き討ちにしたという。



「会津殿!城内の兵を抑えられよ!」

「それは叶いません!」



江戸での焼き討ちは「大砲」を用いた戦であり、大坂城内の兵は京の薩摩も討つべしと戦意燃え上がっているという。



「こちらから押し出せば逆賊の汚名が待っているというに・・・!」



ついに、戦が始まろとしていた。

翔ぶが如くの感想27話「王政復古」

この大河ドラマ飛ぶが如く27話は「容堂劇場」といってよいかと思います。凄い存在感でございました。「泥酔」しているものの「言っている事」は一々もっとも。大久保は完全に論破されていましたね。そして、岩倉!覚悟を決めた人間が勝つ。岩倉もまた「覚悟」を決めました。

翔ぶが如くの感想27話「容堂劇場」

薩摩や岩倉がやろうとしている事は控え目に言って陰謀です。真っ正面から非難されれば、結構「グゥ」の音もでない。




しかし、声が大きい方が勝つのが世の常。




勿論、「声」とは武力や権威権力など様々な要素を加味した「要素」に左右されます。ここでまさか坂本竜馬のお膝元「土佐」に裏切られるとは・・・!




まあ、容堂からすれば「裏切った」などは言いがかりでしょうね。



「陰険じゃな!!」



この言葉に集約されています。ハッキリ言って陰険です。まあ、本当に陰険なのはこの先ですが・・・。



「領地を所有しているは薩摩殿も同じ!予も同じじゃ!」

「慶喜殿にその罪あるならまず!薩摩殿が七十七万石を返上せよ!」



そもそもが「陰謀」ですからね。大久保が容堂にバッチリ言い負かされた時の顔が最高でした。




頑張れ!容堂!!




しかし。




やはり最後は覚悟のある者が勝つ。




容堂はこの朝議に望む前に「これは戦!」と盃を干して神に勝利を誓ったはず。しかし、やはり300年の太平は伊達ではなかった。



「短刀一本」



岩倉は一時期はぐらついた時もありましたが、今回の西郷の言葉で「武士」が乗り移ったようでした。ここでの覚悟の差が命運を分けたという感じですね。

翔ぶが如くの感想27話「赤報隊」

まあ、致し方ないのですが。信吾たちが江戸へ出向くと「偽の薩摩藩士」が江戸市中で乱暴狼藉を働いていました。信吾たちはそれに憤りを覚えますが、実態は・・・。




今更言うまでのないですが、本当は西郷が仕掛けた「謀略」ですね。




無頼漢に金を渡し治安悪化を扇動し、さらに薩摩藩邸へ逃げ込ませる。幕府側の「暴発」を誘導させるための西郷の調略です。




庄内藩が薩摩藩邸を焼き討ちにしたのは、天璋院と和宮を奪うために江戸城に火を掛けたのも大概ですが、薩摩藩邸は焼き討ちにあって当然。




信吾たちは犠牲になった薩摩藩邸の者の「仇を討つ」と言ってましたが、そんな事言えた義理ではないですね。




個人的には西郷の覚悟、つまり罪のない「市井の民を犠牲にして」戦に運ぶという部分を表現しても良かったかなと思います。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第27話「王政復古」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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