武田信玄第48話「信玄倒れる」のあらすじです。武田信玄が自ら仏師を呼び自らをモデルに掘らせたという武田不動尊像。この像からは勇壮な武将信玄の実像を伺い知る事が出来る。時として残虐な戦ぶりを展開した信玄も、子供に対しては深い愛情と洞察を示したと言われている。信玄は戦の話を聞く四人の子供の態度からそれぞれの性格付けをしている。

ぼんやりとして人の話を聞く子は武将として良い家臣には恵まれない。耳を澄まして聞く子は名のある武将になる。話を面白がる子はやがて手柄を立てるであろうが、人の憎しみを受ける。話の座を立つ子は臆病者になるであろうと。信玄は身近な子供達を観察し武将としての将来性を探ったのだ。ここに信玄の子供に対する優しさと思いやりを感じる事が出来る。子供達に深い愛情を示した信玄も家庭的には決して恵まれていなかった。ここに戦国の英雄武田信玄の悲劇を感じる事が出来るのである。

武田信玄第48話上巻~さらに、西へ~

我が武田の軍勢は三方ヶ原にて織田徳川の軍勢を一蹴し、なお西へ向かったのでございます。晴信の三方ヶ原での大勝は早馬にて躑躅ヶ崎にも早速知らされます。



「三方ヶ原にて我が軍勢大勝!」

「お館様にお怪我などないのじゃない?」

「はい!すこぶるご壮健にございます!」



里美殿と恵理殿は顔を見合わせて微笑むのでございます。

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西の壁

晴信本陣は三河、船着山の寺ににございました。晴信の側には小姓の真十郎が控えております。




晴信はやや荒い息をして気分が悪い様子・・・。真十郎は心配げに見つめていますが・・・。



「お館様・・・少し横になられたほうが・・・」

「・・・そうじゃな・・・所で真十郎、学問は進んでおるか?」



晴信は真十郎はまだまだ若く今から学問を極めて行けば多くの事を知る事が出来ると語ります。そして、それが羨ましいとも。



「儂はこの年になっても学問のなんたるかを知らん・・・」

「荘子は天の恵みに身をゆだねるように申しておるようじゃ」



しかし、その「天」とは何か、そしてその「天」に身をゆだねる「己」とは何か。考えれば考える程新たな疑問が湧いてくると。




晴信は真十郎と話ながらも度々咳き込んでおりました。




そこへ高坂殿と山県殿がやって来ます。



「浜松城の様子はどうじゃ?」

「今の処城から出てくる様子はございません」



三方ヶ原で散々に打ち破られており、もはや戦う気力もないのではと楽観的な見通しを語ります。また、二俣城には依田信蕃を配置しており、迂闊に我が武田の背後を突く事は出来ないと。



「それは分からんぞ」



今川・織田と幼少時から人質生活をして苦労をしている家康殿は一度負けたからといって城に籠ってしまうタマではないと釘を刺します。浜松城周辺の警戒は抜かりなくと命じます。



「はは!それとお館様・・・実は朝倉義景が越前へと兵を退いたとの事でございます」

「!?兵を退いた!?何故じゃ!?」

「・・・分かりませぬ・・・」

「朝倉め・・・!!」



晴信は苛立たし気に扇を叩く。



「直ちに、朝倉に使者を送り三方ヶ原での大勝利伝えよ!」

「朝倉だけではない!将軍家、浅井、本願寺、三好松永にも三方ヶ原での勝利を伝えよ!」



晴信としては、近江、越前、さらに信濃からは我が秋山隊、そして三河、尾張からはは晴信の本体。信長殿をかこみ、岐阜に攻め入る事を念頭に置いておりました。朝倉殿が抜ければ、囲みに穴が開きます。



「急がねば・・・!西の壁は思った以上に脆そうじゃ!」



我が子晴信は元亀四年の正月を祝う間も無く、徳川殿の属城、野田城へ向かったのでございます。晴信はまるで命尽きる日を知っているかのように一歩でも都へ近づこうとしていたのかもしれません。

尾張・三河動揺

我が武田の軍勢は三河野田城に迫りつつありました。野田城を守るは家康殿の傘下の菅沼定盈殿。



「武田の軍勢凡そ三万!二隊に別れこちらへ向かっております!」

「・・・敵は三万・・・大丈夫じゃ・・・城に籠っておる限りは落ちぬ・・・」



この時、野田城を守る城兵は僅かに五百。菅沼殿は内心の動揺を押し殺し、主君の家康殿にこの事を伝えるようにと、そして武田勢の背後を突く事を頼むように申し伝えます。




一方岐阜城では信長殿が怒りを爆発させておりました。



「この大虚けが!三千の兵を与えられて武田勢を半時も足止め出来ぬとは!」

「申し訳ございませぬ・・・」

「その上平手を死なせるとは言語道断!お前の顔など見たくない立ち去れ!」

「はは・・・!」



佐久間信盛殿は早々に報告を終えると立ち去ります。重臣一同重苦しい沈黙でございます。



「梁田!越後上杉謙信に信濃へ出兵するよう頼むのじゃ!急げ・・・」



「(織田)掃部!その方京で内々に細川に会い将軍足利義昭の腹を探るのじゃ!」

「野田城を落とし尾張に攻め入れば一時期将軍家を和議し後顧の憂い断つ事も必要じゃ」

「じゃが、信玄が尾張に入れば足利義昭有頂天になり和議を断るやもしれん」

「いまから御所にも手を回して御上の勅書を得るのじゃ」



織田の家臣達が信長殿指示で動きだすと、残っていた市川殿に尋ねます。



「市川・・・何か良い手は思いつかぬか?」

「は‥・」



市川殿は暫し考えた後今京の今出川に滞在中の信虎殿を人質とする案を披露します。



「そのような事をすれば信玄はまず信虎を斬らせるであろう」



それが兵法の常道と語るのでございます。まるで、自分自身ならどうするかを答えているようでした。

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武田信玄第48話中巻~安らぎ~

武田勢は野田城に近いの古びた寺に本陣を張ります。ただ、すきま風が多いこの寺の造りに不安気な信廉。



「本陣にするには問題ないが・・・すきま風が入らぬ暖かい部屋はあるか・・・?」



原殿が自信あり気に答えます。



「はい!この寺を選んだのはまさにそのため!こちらです!」

「おお!ここなら兄上もゆっくり休める!火も入っておるな・・・」



目下の不安はやはり晴信の体調でございました。御宿殿は常に無理は禁物と申しております。

信廉の使者

「野田城を落したら一気に尾張になだれ込み岐阜城を目指す」



本陣では今後の動きを晴信のが説明します。武田本体に加え、美濃岩村城の秋山隊、浅井朝倉、そして将軍家と呼応し信長殿を囲むと。
一方で、



「信長と正面切って戦おうと思ってはならぬ」



信長殿の事を周囲が、



「危うい」



と、思わせればよいと。さすれば、信長殿に味方している勢力も皆こちらに付くようになる。



「勝頼!信廉!如何なることあってもこの上洛は成功させねばならん」

「は!」



晴信は信廉は「甲斐の力」そして勝頼は「信濃の力」」であり、信廉は勝頼を支え、そして勝頼は信廉の言葉を晴信自身の言葉であると肝に銘じるよう言います。




そこへ、野田城の様子を見て来た高坂殿、阿部殿も戻って来ます。



「野田城の様子はどうじゃ?」

「城兵は菅沼定盈以下、三~四百程度ですが・・・中々によき城でございます」

「父上、明日にでも阿部を城内に送り無益な戦いせぬよう降伏を促します」



晴信は勝頼の申出を許可します。



「早く信長と戦いたいものですな・・・!」

「高坂、そう焦る出ない・・・信長はじきにあ・・・ゴホ・・・」

「父上!」

「お館様・・・!」

「大丈夫じゃ・・・暫し横になれば良くなる・・・」

「兄上を奥へお運びする」



晴信が野田城攻めの際中に床に着いた事は甲府の里美殿と恵理殿にも知らされます。



「申し上げます!お館様のお加減が良くありませぬ・・・!」

「なんと・・・」



二人は不安気な表情ですが、使者となってやって来た真十郎はこの知らせは信廉の命令だと告げます。



「お館様をお支え出来るのは里美殿と恵理殿を置いて他にないと」



里美殿は封印していた「武者姿」に着替えるとすぐに出発しようとしますが・・・。



「私は輿で行きます!」

「恵理殿・・・戦場に輿で行ける訳がないではありませんか?鎧を着け馬で・・・!」

「私が馬に乗れない事しっておりますのにそのような意地悪を・・・!!!」

「貴女も武士の娘ではないですか?馬など誰でも乗れますよ?」

「私は輿で行きとうございます!(涙)」



結局、里美殿が真十郎と共に晴信の陣へと向かう事になります。




目が覚めた晴信は里美殿が枕元にいる事に驚きます。しかし、一方でやはり身体が休まるように感じます。



「里美・・・もう儂の元気な姿をみたであろう?甲府へ戻るのじゃ・・・」

「いいえ、私は武田武士、このままお館様と共にあります」



里美殿もまた、晴信の最期を見定めていたのやもしれません。

影武者

晴信は奥で休んでいる間、信廉が晴信の影武者を務める事になります。陣中で国主の席に座る信廉は、なにやら身が引き締まり、想いを新たにします。



「降伏はせぬか・・・」

「鉄砲も多く兵糧も豊富、兵も皆元気でした」



阿部殿の報告、そして軽く仕掛けてみた高坂殿の書所感を難しい表情で聞く晴信の影武者を務める信廉。



「ううむ」

「・・・(笑)」

「ん?如何したのじゃ?」



悩む信廉の様子に重臣達は笑い堪えられないという表情でございます。



「いや・・・此の場で言う事ではございませぬが、流石御兄弟!よく似ておられる・・・!」

「はは、じゃがこの席に座るのも中々に重圧じゃと改めて思うわ・・・」



結局、降伏を受け入れない野田城に対しては甲府より金堀衆を呼び、城に穴を空ける事に決し、晴信へもその旨が報告されます。



「金堀衆を呼び城に穴を穿ち水の手を切るのは良い考えじゃ」



勝頼と信廉に「穴掘り」を進めるように命じますが、一方で、あまり長い穴を掘っている時間はないだろうと。そこで、本野田城の本丸と二の丸・三の丸の間に穴を穿ち、二の丸三の丸の穴の兵の動揺を誘うように命じます。



「さすれば、二の丸三の丸の兵が本丸に集まる」

「そこで、水の手を切れば良い」



晴信は金堀衆が来たら、その事を伝える事、そして金堀衆からも学ぶように伝えます。



「国造りとは人造りでもある」

武田信玄第48話下巻~地獄~

晴信は戦場にあながら里美殿の介抱もあり、じっくりと身体を休める事が出来ました。




そして、ある夜。




晴信は私の幻を見たような気がしたのでございます。




晴信は床の間から手を伸ばします。晴信から見える私はそっと手を伸ばし晴信の手を包み込みます。




その時、晴信には私が泣いているように見えたのでございます。

恐れ

岐阜城の信長殿は落ち着きなく独り酒を呑んでおりました。信長殿は不思議な気がしたのです。




この期に及んでもまだ尚、信長殿は優勢なはずでございます。




しかし。



「ふふ!儂は何を恐れているのじゃ?」



信長殿としては京の足利義昭殿を攻め滅ぼせば天下は自分のもの。



「例えあの男が山津波の如く押し寄せても天下は儂の物じゃ」

「天は儂に味方をしておる!」



そこへ濃姫がやって来ます。



「・・・天はお怒りにございます」

「儂が敗れると言うか?天下が獲れぬと?」

「・・・天下は獲るやもしれませぬ・・・が!貴方様は地獄へ堕ちます」

「何を言っているのじゃ?」

「比叡山の件をお忘れですか?私も地獄へ堕ちます・・・怖ろしい・・・」

「黙るのじゃ・・・」



濃姫殿には信長殿が既に「鬼」に見えていたのかもしれませぬ。信長殿は「何か」を見ている濃姫殿の首を締めますが・・・。




寸での処で離し、濃姫殿は怯えながら主殿から逃げて行きます。




その後、野田城は一月ほど粘った後に開城と相成りました。

野田城落ちる

「・・・野田城が落ちた・・・?」



信長殿としてはいよいよ我が武田の軍勢の脅威に直接さらされる事になります。織田掃部殿は将軍足利義昭殿に和議を申し入れておりましたが・・・。



「我がお館様としては将軍家に対してなんら含む処ございませぬ」

「ほう!信長が和議をの・・・」



そこへ。



「申し上げます!只今野田城落ちたとの事でございます」



義昭殿は嬉しさが隠しきれぬご様子。



「織田殿としては少々遅かったようじゃな・・・」

「此れまでの将軍家に対する無礼の数々許されると思うな!」

「下がれ・・・尾張の田舎者め・・・(笑)」



丁度その頃、晴信は本陣にて再び吐血をしていたのでございます。




今宵は此処までに致します。

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