翔ぶが如くのあらすじと感想第11話「大獄の嵐」です。斉彬の死を知った吉之助は自刃をしようとしますが、成就院の住職・月照に諌められ気持ちを切り替え、水戸家を軸に井伊大老に切り返しを図る。しかし、井伊大老の弾圧は凄まじく、水戸家は勅諚降下も動けない。月照の身辺にも危機が迫り薩摩へと共に下るが・・・?翔ぶが如くのあらすじと感想第11話

翔ぶが如くのあらすじ第11話「大獄の嵐」

吉之助は斉彬が既に他界した事を知らず、斉彬上洛のための下準備に余念がない。鍵屋へと戻った吉之助はこれから始まる斉彬上洛に胸躍る想いである。薩摩藩が京都の定宿としている鍵屋へと戻った吉之助に国元から書状が届く。そこには信じられないことが記載されていた・・・。

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翔ぶが如くのあらすじ第11話上巻「巻き返し」

「それでは、薩摩さんはお亡くなりに?」

「はい・・・申し訳もございもはん!」



吉之助は今迄色々と力を貸してくれた成就院の僧、月照と近衛忠煕に詫びる。斉彬が病がちであるであるという噂は聞いた事もなく、つい先日上洛のための準備をしている旨の書状を見ていた二人は衝撃を受ける。



「西郷さんはこれから・・・?」

「主が亡くなれば事を進める事はできもはん、国元へ戻ります」



吉之助が近衛家を出でて鍵屋と戻った時には日が暮れていた。その深夜、籠が鍵屋の前に付けられる。お房は夜半の籠に不信感を持つが・・・



「成就院の和尚様にございます・・・」



お付きの者が籠の主は月照であると告げて扉を開かせると、月照は黙って鍵屋へと入りそのまま吉之助の部屋へと入る。



「月照様!!」

「西郷さんは国元でお腹を召され薩摩さんの後を追うつもりじゃろ」



月照に図星をさされる吉之助。吉之助は自分は二君に仕えるつもりはなく、斉彬のいない世界を生きても仕方がないといった事を話す。月照は何を言っても腹を切るつもりだと思うがと前置きし・・・



「それで薩摩さんはよう追って来たと褒めてくれるじゃろか?」



月照は斉彬の側で最も薫陶受けて来た吉之助が、斉彬の意志を継がないで誰が継ぐのかと尋ねます。



「薩摩さんがおらん世界ならどうなってもよいと?」

「そんなら、薩摩さんの最も可愛がった家臣はとんだ不忠者ということになりませんか?」



月照の言葉に反論出来ない吉之助・・・



「月照様・・・おいが間違っちょりました!」

「おいが・・・おいが間違っておりもした・・・!」



吉之助は号泣します。



→西郷と月照!二人の関係について


一夜明けると吉井友実と伊地知正治に今後の活動方針を告げる。斉彬が亡くなった今、御上の勅諚を以て雄藩連合の意見を聞く幕政改革を迫ろうとする。そして、近衛忠煕と月照にもその旨を相談する。



「朝廷内の雰囲気は・・・?」

「関白、九条尚忠は孤立無援であります!」



幕府との協調路線を取る九条尚忠は公卿から猛烈は反発を受けていた。かくして、御上の勅諚を得る事に成功する。



「水戸・尾張・越前等雄藩協力し徳川家を助けよ、異国の脅威に備えよ」



勅諚の内容を確認する吉之助がやや不安気な表情なのは頼みとする水戸藩が藤田東湖や戸田忠太夫が安政の大地震で亡くなった事で、藩士を束ねる者がおらず、今回の幕府の処分に関しても幕府に恭順を主張する者も多いという噂があった。




吉之助は内勅を携えて江戸に入るが、江戸の様子は想像よりも遥かに悪い。薩摩藩邸で大山達精忠組から様子を聞いて唸る吉之助。内勅を届けるために水戸藩邸に入る事すら難しい。



「そうじゃ!」



吉之助はかつて知り合った新門辰五郎が水戸家と親しくしていた事を思い出しそこをツテに水戸藩邸へ内勅を届けようとする。辰五郎は西郷の申出を快く引き受ける。




ひょんな事から水戸家と辰五郎の関り始めが明らかになる。辰五郎はかつて水戸の老公に手下の不始末で呼びだれた時斬られそうになった事があると言う。



「首を斬るなら言ってくれれば洗ってきたものを!」

「鬢の油で刀が滑らないように気を付けなさってくだされ!」



その江戸っ子の心意気を気にって以来の付き合いらしい。吉之助は水戸藩邸で家老の安島帯刀と面会する。



「畏れ多くも内勅を頂くなど・・・!」

「許されよ!御老公は厳重謹慎中でございます・・・!」



水戸藩は動く事が出来ない。吉之助は内勅を戻すため一度京都へと戻り事後の策を練る事にする。

翔ぶが如くのあらすじ第11話中巻「大獄の嵐」

京へ吉之助が戻るのと入れ違いで勅諚が幕府と水戸藩に下る。江戸の緊迫した情勢を知らなかった事が大きい。




井伊大老は勅諚降下に激怒する。



「いつから朝廷は幕府に口出しするようになった!!!」

「これは水戸が裏で糸を引いていおります」



井伊大老は老中間部詮勝を京都へ向かわせる一橋派の一掃を命じる。京では薩摩藩が定宿としている鍵屋へも捕縛のための捕吏が踏み込む。寸でのところで有村や吉井は難を逃れるが、一橋派に与した公卿にも処分が下るという噂が出る。




吉之助は近衛忠煕に呼び出される。



「成就院の聖人様にも追ってが迫っているらしい」

「なんと!」

「西郷はん、月照様を御守りしてくれんじゃろか?」

「一命に代えましても!しかし・・・近衛様は・・・」

「儂は次期関白じゃ!儂に何かあればこの国は終いじゃ・・・」

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翔ぶが如くのあらすじ第11話下巻「薩摩へ」

吉之助は有村俊斉等、薩摩藩士を伴い、月照を護衛しつつ、奈良へと逃がそうとする。




しかし。




方々に捕吏が配置され、その詮議は厳しさを増していた。とても奈良へと抜ける事は出来そうにない、いやよしんば奈良へと入っても危険がないとは言えない。月照の籠を警備しながらすすむ吉之助達の前の関所に多数の捕吏が待ち構えていた。



「吉之助さぁ・・・伏見へ討入り斬り死にしまそ」

「俊斉・・・だまっとれ」



吉之助は斬り込むことを主張する俊斉を黙らせると、関所の前の茶屋で茶を飲む。



「宮仕えとは言えこげん、早い出立は堪えるのぉ・・・」

「お、おう!まったくもって・・・」



捕吏の目の前で俊斉と茶を飲む吉之助。そして、捕吏に軽く会釈。向こうも会釈を返す。




その時。



「いたぞ!向こうじゃ!」



捕吏たちは別の怪しい人物を追跡して行った。なんとかやり御下吉之助であったが奈良は危険と判断。そこで、大阪から海路下関へと至り、薩摩藩に月照を匿うことにする。




尊王派としても知られる下関の商人白石正一郎の邸宅に入ると、有村俊斉を残し、月照の護衛を命じると自らは薩摩へと戻り、斉彬の死により江戸から薩摩藩へと戻ったご隠居斉興に面会し月照の保護を求めるつもりであった。




しかし、斉彬死後の薩摩藩は10年前の「お由羅騒動」時のように守旧派が盛り返し、重臣達は幕府の処分を畏れて斉興の指示があるまで動かない。斉興はほどなく帰国するが吉之助は目通りする事も叶わない。




吉之助は失意に暮れながら自宅へと戻る。



「吉之助さぁ!!!」



大久保が駆け寄ってくる。吉之助は月照を保護しようと東奔西走するも埒が明かない状況を吐露する。



「おい達精忠組がおりもんす!」



正助は日置家などとにかくツテがあるお歴々には再度当たってみる事を約束してくれる。吉之助は正助の心意気に涙をながし礼を言う。



「ありがとな・・・ほんにありがとな・・・」

「やめてくいやせ!」



その時。



「吉之助さぁ!」



聞き覚えがあるひときわ明るい声。



「あ、あん声は俊斉!?」



月照を守っているはずの俊斉の登場に烈火の如く怒る吉之助。



「俊斉!貴様月照様はどうした!!!!!」



俊斉吉之助が心配で追って来たこと、月照は福岡藩士の平野国臣と一緒だから安全であると怒る。平野国臣は信頼できる志士であり九州の地理にも明るいから安心であると言い返すが・・・。



「信頼できると言っても他国の人間!」

「幕府の隠密も入れない薩摩国境の厳しさを知らぬか!」



大久保が掴み合う二人を引き離す。



「こんな奴に月照様を頼んだおいが馬鹿じゃった・・・」



俊斉は事の重大さを知り泣いている。



「俊斎・・・泣くな・・・」



吉之助は斉彬の墓前で月照の無事を祈り、また自分にはその代わりに罰を与えてくれと願う。




国臣と月照は山伏に扮し、幕府の隠密でも突破不可能と言われる薩摩国境を越えようとしていた。

翔ぶが如くの感想第11話「大獄の嵐」

翔ぶが如くの感想第11話です。11話では斉彬の死に直面し事態をなんとか打開しようと奮闘する吉之助が描かれます。また、吉之助が既に江戸や京では「薩摩の顔役」となっている一方、国元では、中々藩の重臣とは話が通じないもどかしさを感じます。

翔ぶが如くの感想11話「吉之助の奮戦」

斉彬の死に直面し、後追いを決意していた吉之助の心境を変えたのは成就院の僧月照。吉之助は月照の言葉で殉死を思い留まるや獅子奮迅の活躍を見せます。




朝廷を動かし水戸への勅諚を得るとそれを持って江戸の道藩邸へ届けようとします。一介の下級藩士に過ぎない吉之助ですが、斉彬の目は確かだったんだと思います。




吉之助の行動に皆が協力する。




ただ、この時は歯車が動かない。勅諚を得るも水戸藩はそれを受け入れる体制が出来ていない。吉之助も語っていましたが、



「藤田先生、戸田先生が亡くなってから藩をまとめる者がいない」



皮肉な事にこの「水戸の両田」は安政の大地震で亡くなっているんですよね。もし、藤田東湖が生きていたら・・・。




因みに、この時西郷と面会した水戸藩家老の安島帯刀は後に「戊午の密勅」への関与を疑われ、井伊大老から切腹を命じられています。




こうして、安政の大地震・安政の大獄・そして後に書生党と天狗党の内ゲバで人材が枯渇する水戸藩。水戸斉昭や藤田東湖、安島帯刀らが願った一橋慶喜の将軍就任は後に実現されますが、その時には水戸藩の影響力は限りなく小さくなっていました。

翔ぶが如くの感想11話「江戸っ子」

水戸藩へ内勅を届けるにあたり協力を仰いだのが町火消「を組」の新門辰五郎。水戸藩に肩入れする理由が明らかになりました。



「首を斬るなら初めから言ってくれりゃあ洗ったのによ!」



まあ、御老公なら粋に感じそうな言葉ですね。その新門辰五郎は江戸へ来たばかりの吉之助の事を思い出して、今や薩摩の顔役となっている事に感慨深げです。後にその「水戸の慶喜」と西郷は対決する事になってしまいますが。




後に西郷が江戸の攪乱を命じた赤報隊や薩摩藩邸焼き討ちでも登場するのかな・・・?




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第11話「大獄の嵐」でございます。

今宵は此処までに致します。

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