武田信玄のあらすじ第42話「二重の死」。日本人が一番好む景色。それは夕景だと言う。其々の場所で水平線に沈む夕日を見て人は様々な想いを抱く。そもそも夕日とは傾いた太陽の光が空気の塵や水蒸気を反射し、波長の長い赤い光だけが人の目に映るという自然現象である。人は自分の人生を夕日に映し出す。闇に入る前の最後の耀き。やがて訪れる深い静寂(しじま)。

夕日は生の終わりを予感させる光景なのである。諸行無常の戦国の世、常に死と直面していた人々にとって夕日は尚更深い意味があったに違いない。そして今、人生の黄昏時を迎えた三条の方。どのような想いで山々に沈む夕日を見ているのであろうか。

武田信玄第42話上巻~三条の願い~

元亀元年(1570年)夏。四度目の駿河攻めを行いました。ただ、この頃は三条殿の体調思わしくなく、また八重の事件もございましたので、晴信としては内に外に気忙しい時期でございます。

→武田信玄(大河ドラマ)の感想第42話「二重の死」

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倉科三郎左衛門張り切る

躑躅ヶ埼館


正親町三条公兄(おおぎまちさんじょうきんえ)様が、三条殿のお見舞いに甲府まで御下向をとなります。躑躅ヶ崎館はお公家様の出迎え準備に大忙しでございます。



「お館様、酒(ささ)は如何しましょう?」

「・・・暑気払いにとは思うが・・・」

「倉科殿、三条公兄様はお方様の御見舞いにおいでになのだぞ?」



信廉は御見舞いに来る三条公兄様が昼間から酒など飲むわけがないとたしなめます。ただ、倉科殿としては現在の御上である正親町帝に連なるお方であれば粗相は許されぬとお考えのようでございます。



「倉科殿、正親町様は姓は同じでも御上と血のつながりはない」

「左様でございますか・・・ただ・・・!」



倉科殿としては、例え血のつながりがなくても位高きお公家様が一度席に着けば御神酒を切らせてならぬと聞いていると譲りません。



「・・・誰がそのような事を申しておりのじゃ?」

「いえ、それは・・・」

「誰じゃと尋ねておるのじゃ」



信廉と倉科殿のやり取りを聞いていた晴信は苦笑します。



「信廉、よいのじゃ。三郎左衛門、その方に万事任せる・・・」

「はは!」



倉科殿は嬉しそうに返事をすると準備を進めます。




そこへ、里美殿が深刻な面持ちでやって来ます。



「お方様が・・・」



三条公兄様、御下向を床に伏してお迎えする訳にはいかない。三条殿は恵理殿、そして浅黄・若狭ら侍女たちと表へやって来ます。



「元気な姿を三条公兄様にお見せして・・・」

「この甲斐で幸せであったと都へお伝え頂きたい」



三条殿の覚悟を決めた表情に恵理殿も表で出迎える事を願います。



「分かった・・・」

今日一日

謁見の間で三条公兄殿の御成りを待つ事しばし。



「お願いがございます。八重の縄目をお解き下さい」

「今日一日、三条に免じてお願い申し上げます」



晴信は暫し、考えた後。



「三郎左衛門、八重の縄を解いてやれ」



三郎左衛門は八重が軟禁されている部屋へと向かいます。



「いやあ暑いのぉ!都の暑さに劣らぬ暑さ!」

「信玄殿!さすが、東の都ですな!」



三条公兄殿は御機嫌な様子でやって来ます。そして、将軍足利義昭公からのお見舞いの品々について等をお話します。



「三条殿も御元気そうでなにより!」

「三条公兄様が御下向とお聞きするとこの通り元気になりました」

「ははは!この分ならすぐ御元気にならしゃいますな!」

「‥・」

「三条殿?信玄殿(三条の)、ご様子が・・・?」

「三条?如何した?」



三条殿はふらりと晴信の胸に倒れます。三条公兄殿は自分には構わず、三条殿を介抱するようにおっしゃります。



「信廉!三条公兄様を本主殿へお連れ申せ!」



晴信は三条殿を裏方へ連れて行こうとしますが・・・。



「お願いにございます・・・昏い部屋へは戻りとうございません‥・」

「ここに床を準備するのじゃ!」



三条殿は表に床を準備すると寝かされます。三条殿の手が晴信の袖を掴んでおりました。



「大丈夫じゃ・・・」

武田信玄第42話中巻~二重の死~

三条殿は眠りについております。侍医の御宿殿がやって来ると三条殿の容態を確かめます。良くはないようでございます。

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三条の死

「このような場にお出ましになられては大事なお力を使ってしまいます・・・」

「・・・すまぬ・・・」



晴信は表で出迎える事を許した事咎める御宿殿に謝罪します。御宿殿はそれ以上は何も申しませんでした。そこへ、八重を探しに行った倉科殿が戻ります。



「お館様、八重殿のお姿見えませぬ」



晴信は見張りの目を盗んで部屋を出たのだろうと言います。そして、外へ出る事は出来ないはずであり、館内を探すように命じます。




時間は流れ、夏の日差しも西へと傾いております。




そして、闇が館内を覆い始めた頃・・・



「ああ!」



三条殿が突然悲鳴を上げます。そして、次の瞬間静かに目を閉じるのでした。

共に逝く

姿を消した八重は裏方の三条殿のお部屋に隠れておりました。晴信はここに連れて来るように命じます。




八重の様子はこの世のものとは思えぬ雰囲気でございます。



「姫様!姫様!!!!ひーめ―様!!!」



三条殿の死を知り取り乱す八重。近習に取り押さえられますが、晴信は離してやるように命じます。三条殿にすがり泣き叫んぶ八重。



「姫様!申し訳ございません!!申し訳ございません!」

「このような時に御側におられず!この八重一生の不覚にございます!」



「八重、三条の死に免じてその方の罪許す」

「都へ戻るが良い」



「はい?」



「都へ戻るのがその方の望ではなかったか?」



「この八重にとって都とは姫様の事でございます!」



そして。



「お館様、お願いにございます!」

「八重に短刀をお渡しください!」



八重は三条殿の手が暖かい内に伴に参りたいと願います。恵理と里美はそれは絶対ならぬと晴信を止めますが・・・



「里美、その方の短刀を八重に」

「お館様!なりませぬ!」

「我が命に従うのじゃ」



里美は観念すると警戒しながら自らの短刀を八重に渡します。



「ありがとうございます!」

「姫様!今参ります・・・!」



八重は自らの心臓を一突きすると三条殿の横で息絶えるのでした。

武田信玄第42話下巻~西へ行ってはならない~

三条殿と八重は並んで寝かされます。二人の手は固く握られておりました。

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「安らかな表情でございました」

「八重が伴にいれば母上も心強いと思います」



竜宝が晴信の元へとやって来ております。竜宝には晴信に伝えたい事がある様子でございます。そして、晴信もまた、竜宝に尋ねたい事あるようでございます。



「この館から都が消えました・・・」

「都とは、母上の事であったと思います」

「父上、母上が亡くなった今だからこそ申し上げます」

「都へ上るのはお止め下さい」

「父上も天下が醜き事よく存じているはずです」

「都へ上れば必ず後悔します」



「我が軍勢、西へ向かう事止める事は出来ぬ」



「父上が止める事はできませぬか?」



「儂は、止めぬ」



晴信は自らの運命を翻弄する都に例え後悔するとしても立たねばならぬと言います。立つことで、自分の生涯が見えるのだと。そして、竜宝に尋ねます。



「儂はあと何年生きられる?都に立てぬ儂の姿見えているのか?」



「何も見えませぬ」



「お前は龍王の堰が切れるのを予見した!」

「四朗が助けを求める声を聴いたではないか!」



「はい。しかし、今は闇しか見えませぬ」



「儂が都に立てぬ姿見えるのであろう?」



「私には兄上、母上の助けを求める声が聞こえておりました」

「しかし、父上の声聞いた事ございませぬ」

「私に聞こえるのは弱き者が助けを求める声」

「父上は己の弱さを乗り越えてこられたお方」

「そのような父上の声は聞く事できませぬ」

「何も見せませぬ・・・」



思えば三条の方も憐れにて、心からお慰め申し上げまする。我が子晴信との三十有余年の歳月はご苦労の多い日々にございました。




そして、あれ程までに望まれた京の都へお連れする事出来ぬまま、ついに帰らぬ人となられましたこと、深く深くお詫び申し上げます。




では、今宵は此処までに致しとうございます。

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