「西郷どん」のあらすじの紹介。平成30年の主役は明治維新の立役者「西郷隆盛」。1991年の「翔ぶが如く」以来西郷どんが主役。近年では、八重の桜、花燃ゆ、龍馬伝で明治維新が描かれていましたが・・・。この辺りの違いも楽しみです。西郷どんのあらすじ第1話始めます。
西郷どんのあらすじ第1話上巻~天狗との出会い~
明治22年(1889年)12月。亜細亜では事実上初となる近代憲法である「大日本帝国憲法」発布による大赦があり、現代(平成の御代)に至るまで最後の内戦である西南戦争の首魁、西郷隆盛の逆賊の汚名が解かれた。
※制定年次で言えばオスマン帝国の所謂「ミドハト憲法(1876年)」に次いで制定。
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その後、西郷を慕う者達により西郷隆盛の銅像の建設計画が始まる。西郷を慕う日本全国2万5千の寄付金、そして明治天皇から500円の下賜もあり、明治31年(1898年)上野で西郷像の除幕式が行われた。
しかし。
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「宿んしはこげんなお人じゃなかったこてえ」
(うちの主人はこんなお人じゃなかったですよ)
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後に、西郷の妻となった糸は戸惑ったと言われる。そう。幕末時には「写真機」が使用されるようになり、最後の将軍である徳川慶喜、西郷生涯の主君斉彬を始めその姿が残っている者も多い。しかし、当の西郷は写真嫌いで生涯一枚の写真も残さなかった。
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小吉少年
関ヶ原の合戦以来、薩摩藩を治める島津家は日本南端の大隅半島にある。時に、天保11年(1840年)。徳川幕府開闢以来、多くの「戦国大名」と言われて諸侯がその太平の世に合わせて、武士らしさを良くも悪くも失ってゆく中、この島津家が治める薩摩藩は未だ戦国の気風を残す数少ない雄藩である。
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薩摩には「郷中教育」という今で言えば・・・。
いや、昭和の時代で言えば「子供会」の強烈版とも言える集団教育制度が存在した。
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二才(年長者)が稚児(年少者)に武芸・学問・集団の中での生き方を教えるのだ。少年達は少年達だけの社会で厳しくもまれ成長していく。
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余談であるが、「二才」とは若者をさす言葉である。「青二才」の語源にもなったとも言われている。
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時代は変わっても子供達の本質は変わらない。「郷中」は町々に存在し、小吉(西郷)の生まれ育った下鍛冶屋町の少年達は、中ではお互いに厳しく切磋琢磨しているが、いざ、他の郷中との争いとなれば、
一致団結し、争うのだ。
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「この川(甲突川)の魚は皆下鍛冶屋の物じゃ!」
「口先だけの下鍛冶屋町の芋どんが!腕でこんか!」
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二才の有馬新七がどなり、正助(後の大久保)も乗っかり怒鳴る。怒鳴られた高麗町の大山格之介、有村俊斉も負けじと応戦する。ついに川で取っ組み合いの喧嘩が始まる。
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そんな様子に小吉はやれやれといった表情ではあるが、勿論、下鍛冶屋町の端くれとして参戦する。
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「喧嘩は疲れるどん、鰌取りで勝負しもはん」
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少年にして、どことなく風格を持つ小吉は歳の割に身体も大きく腕っぷしでは歳上にも引けを取らない。しかし、喧嘩は好きではなかった。小吉少年の提案に、常に食べ物を求めている少年達は乗った。
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そして。
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「兄さーがとったどー!」
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小吉の弟である吉二郎が叫ぶ。結局、鰌は小吉の捕らえた一匹のみ。勝負は下鍛冶屋町の勝ちだ。
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「次は、磯の御殿でお菓子を獲る勝負だ!」
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高麗町の有村俊斉は島津公の別邸でもある「磯の御殿」には鰌よりも美味しいお菓子があると言う。大将の大山格之介は次の勝負はお菓子獲りと宣戦布告。翌日、少年達は次の勝負に挑むのである。
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しかし。
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「あそこには天狗がすんどっと噂がございもす・・・」
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再戦を受けたものの、有馬新七は先程の勢いとはうって変わって不安そうに呟くのであった。
Cangoxinaとは?
そして、翌日。少年達は通称「磯の御殿」と言われる屋敷に侵入し、「お菓子」を得る作戦を立てる。磯の御殿には小舟を出さねばならない。
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「お菓子食べる前に天狗に食われたら・・・」
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御殿の船着き場までは辿り着く事が出来たが正助は不安そうだ。この男は少年時から慎重な性格なのかもしれない。
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「天狗が怖くて菓子を諦めるだか?」
「誰じゃ!」
「イトウ」
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浜には見慣れない稚児が1人。怯える正助を一瞥して言い放つと軽やかに御殿へと向かっていく。小吉は怪訝そうな顔をする。
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「イトウ、伊藤??伊東???」
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あまり効かない名であった。しかし、まごついている暇はない!
これは我が、下鍛冶屋町郷中の名誉をかけた勝負なのだ。
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「何者じゃ!?曲者がおる!!」
「しもた」
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小吉達は見つかってしまう。それはもう、島津公の御殿である。当然、守備兵も配置されている。守備兵はまさか闖入者が「お菓子目当ての子供」とは気づかない。下手をすれば斬り殺されてしまう可能性もある。守備兵は当然、完全武装である。逃げ回る小吉達だが・・・。
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その時。
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凄まじい爆発音が御殿の敷地に響き渡る。
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「この程度の火薬で砲身が持たぬか・・・ん???」
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真っ黒な「天狗」が煙の中から現れたのだ。少年達はびっくり仰天で散り散りに逃げる。
小吉も逃げるが・・・。
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一番小さい新八が捕まってしまっていた。小吉は新八を取り戻すため、再び天狗の元へと向かう。天狗はつまらなそうに尋ねる。
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「お前は何しに来た?」
「菓子を取りに来た!」
「ふふん!命懸けでか?」
「薩摩隼人は何時でも死ぬ覚悟じゃ!」
「ふふん!じゃが、お前はこいつを見捨てて逃げた」
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新八を見捨てて逃げた事を指摘されると返す言葉がない。天狗は弱い者を見捨てる者は、控え目に言ってその弱い者以下のクズであると言う。
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「お前こそ此処で何をしちょる!?」
「ここで異国の天狗をやっつける研究をしている」
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「天狗」は異国の天狗は大きく強く、こちらも強い男ではないと勝てないという。新八は震えている。小吉も震えていたが、それは「恐怖」とは違う感情だった。
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「憧憬」
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圧倒的な自身に漲る天狗に憧れの気持ちを抱いていた。天狗は少年達二此処で見たものを決して口外してはならぬ、口外すれば命はないと言う。
すくみ上る正助。
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「天狗の口止め料だ」
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「天狗」は不思議な包みを一つ渡す。少年達は御殿の船着き場から錦江湾へと漕ぎ出す。そして、恐る恐る包みを開くと・・・。
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「なんじゃこれは?」
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甘くおいしいお菓子であった。少年達は戦利品を船の上でむさぼり食べる。それが、カステラであると事を当の少年達は知らない。
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「ん?なんじゃこの蟹文字は‥・?」
「Cangoxina」
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横に書かれた異国の物と思われる文字。天狗の文字であろうか?
西郷どんのあらすじ第1話中巻~関ヶ原~
島津家は戦国時代から武勇に優れた家であった。豊臣秀吉の九州征伐に屈したものの、九州平定まであと一歩であり、その豊臣秀吉の号令の下行われた「唐入り」では「鬼島津」島津義弘の名は日ノ本でけではなく明国朝鮮まで鳴り響いた。しかし、その真骨頂はやはり「関ヶ原」であろう。僅か数百騎で徳川軍主力を中央突破し、薩摩へと戻ったのだ。薩摩藩ではその「島津義弘」の武勇を称え毎年「妙円寺詣り」が開催されている。
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赤山靭負
妙円寺詣りは簡単に言えば郷中同士の競争である。各郷中が「妙円寺」に一番初めに辿り着く事を目標に争うのだ。
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当時は身分制度も厳しい時代。薩摩は基本的には戦国時代から島津家が治めているため、例えば、土佐の「下士」ような「厳しい峻別」ほどではないにせよ、郷中にも上級藩士が集う平之のような郷中もあれば、貧しい士族中心の下鍛冶屋町のような郷中もある。
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しかし、この勝負には家柄や親の権勢は関係ない。勝てば、名門日置島津家の赤山靭負(あかやまゆきえ)から褒美の餅が与えれれる。当時18歳の赤山靭負は家柄だけではなく、その人柄や学識の高さから、少年達に広く尊敬され「赤山先生」と慕われていた。
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いよいよ少年達の天下分け目「関ヶ原」が始まる。
天狗との再会
先頭を走るのは上級藩士が多い平之郷中である。しかし、下鍛冶屋町の郷中も追い上げが奏効し、いよいよ平之郷中を捉えたと思ったその時。
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上級藩士の子尾田栄作が小吉にケリを入れ、さらに、平之郷中の者が下鍛冶屋町の少年達に襲いかかる。
不意打ちで多勢に無勢であった。
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「弱か者を虐めるな!」
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しかし、小吉は栄作を持ち上げぶん投げると、小柄で敏捷性が高い・・・?誰だっけ???そう!
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「イトウ!(伊藤?伊東???)」
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に下鍛冶屋町の命運を託します。イトウは見事に一番乗りを果たし、下鍛冶屋町は赤山靭負から餅を下賜される事になります。
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これで、一件落着と思いきや・・・。
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「女じゃ!下鍛冶屋郷中には女がいるぞ!」
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ざわつきます。イトウはイト、糸という女子だったのです。糸は岩山家の娘でした。
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今では考えられない位男尊女卑が甚だしかった時代。
糸は小吉に言います。
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「何故女子は郷中で学んではならぬ?」
「おいは、女子でないので分かりもさん・・・」
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糸は涙を浮かべ、赤山靭負からもらった餅を小吉へ渡すと去っていきます。
小吉はとまどうばかりです。
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そこへ。
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「子供は宝じゃ!」
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赤山靭負をはじめ一同が平伏します。そこには島津久光、そして・・・薩摩藩の跡取りでもある島津斉彬が。小吉は衝撃を受けます。
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「あの時の天狗!?」
「これ!あのお方は斉彬様じゃ!」
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ただ、小吉を注意したその赤山靭負も江戸住まいであるはずの島津斉興の子で、薩摩藩後継者でもある斉彬が薩摩にいる事に驚きます。
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「お前達のような子供がおれば、薩摩は安泰じゃ」
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斉彬は小吉に声をかけるのでした。
西郷どんのあらすじ第1話下巻~学問の時代~
西郷家はお祭り騒ぎである。小吉の父吉兵衛の元には祝の酒を持って客人が絶えなかった。妙円寺詣りで下鍛冶屋町が一番槍の栄誉に浴し、薩摩はおろか、この日ノ本でも英邁の誉れ高い斉彬公から小吉は声をかけられたのだ。西郷家の家格では本来であれば、一生藩主と顔を会わせる事等はないのが通例である。しかし、その喜びも束の間、二つの出来事が吉兵衛を困らせる。
奇行
一つは小吉の「奇行」である。
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何を考えたのか妹や母の召物を来て女装をして城下を歩いているという。吉兵衛は驚き小吉を探し出すとすぐにやめるように叱ります。
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「いったい何をしとー!」
「父上、女子とは生き難い物でごわす」
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糸の言葉が引っかかっていた。
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「女子は何故学んではならぬ?」
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小吉は女子とはどういうものなのか身なりだけもでも真似してみたのだ。そして、その不自由さを身をもって知る。ただ、道の真ん中を歩いていても殴られるのだ。
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「同じ人間なのになんでじゃろ?」
「兎に角女物の着物脱げ!」
「父上!おいは将来斉彬様にお仕えしとうございもす!」
「あほ!身分をわきまえ!!」
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西郷家の身分では、、、先日の対面が最初で最後の拝謁となってもおかしくない、いや、磯の御殿での邂逅は偶然としても、公式な場で一度でも直接声をかけられたのが奇跡に近い。吉兵衛は兎に角女物の服を脱ぐ事と、そのように大それた考えは持ってはならぬと言いますが・・・。
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「わかりもした!志は胸にしまっておきもす!」
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そうではないのだが。。。それ以上は吉兵衛も言わなかった。
切腹問答
もう一つが怪我である。こちらは女装騒動とは比較にならない程の出来事となる。
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「妙円寺詣り」
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で小吉に投げ飛ばされた尾田栄作が卑怯にも小吉を襲った。
ただ、襲ったのではない。
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「抜刀」
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し、襲ったのだ。
尾田栄作の父は西郷家へ詫びを入れると、息子には腹を切らせると言います。
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「ちょ、お待ち下され!」
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吉兵衛は喧嘩は両成敗であり、腹を切る必要はないと言います。そして、高熱を発していた小吉もそれに同意します。
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しかし。
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吉兵衛は小吉も悪いと尾田栄作に謝らせます。相手は上級藩士。小吉は屈辱的な想いに震えますが、尾田栄作はこうなる事が分かっていたように、
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「嫌な笑み」
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を、小吉に向け見下ろしているのでした。
三度目の奇跡
小吉の刀傷は思いの外重傷でもはや刀を握る事は出来ないほどでした。これではな斉彬に忠義を尽くす事も出来ない。もはや武士として、自分は使い物にならないのだ。
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小吉は腹を切る事にしますが、どうしても確かめたい事があった。
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そして、一度目はただの偶然。二度目は奇跡に近い。しかし、三度目は・・・もはや奇跡である。
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鷹狩に来ている斉彬・久光兄弟をみつけると斉彬の前に進み出ます。その場で斬られても不思議はない。
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「おいは斉彬様に忠義を尽くしたいでごわす!しかし・・・!」
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武士として使い物にならない自分は腹を切ると言います。しかし、死ぬ前にあのカステラの包みの文字の意味を教えて欲しいと願います。
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「腹を切ってはならぬ。刀の時代はもう終わる」
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斉彬は思いがけない事を言います。そして、包みの意味を知りたければ自分で探せと。
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「おいは斉彬様にまたお会いしとうございもす!」
「儂は必ず戻る。お前が強い男になっていればまた会えるだろう」
Cangoxinaの答え
腹を切る事を思い留まった小吉は思いがけず、「Cangoxina」の意味を知ります。
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父、吉兵衛が出仕している関係で赤山家へ出入りしていた小吉は、
地球儀を初めて見せてもらう。
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「鹿児島・・・」
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「Cangoxina」は「鹿児島」という意味だった。
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鹿児島、薩摩はこれ程小さいが、異国は「Cangoxina」を知っている。小吉は胸が高鳴るのを感じるのであった。
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