鎌倉殿の13人あらすじと感想第30話「全成の確率」。本人はただの一度も「その気」になった事は無いと思う。野生の勘か御仏の御告げなのかむしろ「権力」からは距離をおきたい人だった。ただ、妻を愛していただけの男。悲劇の倉殿の13人第30話

鎌倉殿の13人あらすじ第30話「全成の確率」

比企と北条の対立を
乗り越えようとする
鎌倉に平穏が
訪れようとしていた。
そんな時、頼家が病に倒れる。


この日は、頼家から蹴鞠指導の為に都から招かれていた平知康が都に帰る日であった。蹴鞠修行の日々を送った庭で五郎(北条時連)と知康が話をしている。


「本当に都へ帰るのですか?」


知康は頷く。


「其方の球筋には邪念が無かった(笑)」


知康は五郎を特に可愛がっていた。


「名前を変えると良いぞ」

「・・・?」

「いずれ、都へ登るのであろう?」


五郎はいずれ都に出てみたいという夢があったのだ。その事に気付いていた知康は名前も変えた方が良いと助言しれくれたのだ。暫く後に「時連」から「時房」に名を改める。



五郎は自身の想いに気付いてくれたこと、そして心遣いに感謝し最後に蹴鞠の師である知康に最高の蹴鞠を披露しようとするが・・・。


「師匠!(ポーン)」

「あーれー」


邪念が入ってしまったのか、知康への想いが溢れたのか?鞠は一直線に知康の後頭部を直撃して前のめりに転倒させてしまう。



その転んだ先に謎の人型が一つ落ちていた。


「なんじゃこれは?」

「なんでしょうね?」


全成の終わりの始まりである。


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→鎌倉殿の13人キャスト表

鎌倉殿の13人あらすじ第30話上巻「怒り」

鎌倉御所


ここ数日、頼家は少し体調を崩し寝込んでいた。





五郎と知康がみつけたのは呪詛に使う人型であったのだ。



頼家は信じられないという表情ではあるが、比企能員はこれを「全成の仕業」と決めつけ、厳しい処分を主張する。ただ、全成は頼家の叔父で頼朝唯一の実弟ということもあり、


「まずは全成の話を聞いてみる」


ことになる。



全成の元にもその報せが届く。実衣は激しく動揺するが、全成は確たる証拠があるワケではないので大丈夫だと諭す。



ところが。


「鎌倉殿の使者が・・・」





頼家の手の者は全成の屋敷から全成の祈禱の七つ道具を押収してゆく。



書き物の筆跡などから全成への疑いは濃くなる。


「私には全成殿の文字と同じにしか見えませんが?」


比企能員は勝ち誇ったように言い張る。



この時は政子、そして義時も同席していたが防戦一方である。



結局、全成は連行され厳しい取り調べを受ける。


時政の館


「父上は何をしたか分かっておられるのか!?」


政子を除く北条一門が集まっている。



義時は時政の軽挙を激しく非難する。それを聞いた時政の妻りくは、


「我々は無関係!全成が勝手にやった」


と、しらばっくれるが、それを実衣は見苦しいと吐き捨てる。


「ちょっと病気になってくれればと思ったんだ(汗)」

「こうなれば儂が謝ってくる!」


時政は基本、家族想いで気は優しい。





「それこそ比企の思うつぼ!!」


義時は時政の軽挙を即座に却下する。



また、比企の矛先は全成だけに留まるとは思えない。これを機に北条を潰す気なのだ。


「姉上(実衣)は尼御所へ」

「あそこなら比企も手が出せない」


実衣は政子の世話になるのがやや不満気のようだが了承する。


「畠山殿、全成殿助命の嘆願書を集めましょう」

「なるほど、梶原殿の時と逆をするのですね」


こういう工作は三浦平六義村の得意科目である。





結局。



義時の見立て通り、頼家は実衣を捕えようとするが、実母政子のいる尼御所へは手が出せず、また、全成助命の嘆願書も提出されたこともあり、最悪の事態は避けられた。


「母上に免じて叔母上の罪は問わぬ」

「じゃが、全成はダメだ!」


「!」


「命までは取らぬ!」


実衣は不問、そして全成は八田知家の所領である常陸へ謹慎処分となる。

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鎌倉殿の13人あらすじ第30話中巻「全成と能員」




実衣は常陸へ流される前に全成と会う。


「誰も恨んではいけないよ」


今回の騒動は元々は父時政とりくの発案である。実衣は夫の全成だけが罰せられることに納得がいかない。しかし、全成は実衣の想いには感謝しつつ、


「半年位の辛抱、正月にはまた会える」


と、優しく諭すのであった。



また、夜には時政も全成の元を訪ねてくる。



全成は謝罪する時政にも、


「ご自身をお責めになられませんように」


と、伝えるのであった。



これで、「呪詛騒動」とそれに伴う北条比企の抗争は一旦収束したかに思えたが・・・。


鎌倉御所


鎌倉には相変わらず御家人同士の土地争いに関する訴状が持ち込まれている。





頼家を補佐するために設けられた宿老13人の合議制であったが、色々あって既に9人。また、時政のように顔を出さない者もいる。



目下、宿老達の頭を悩ませているのが、頼家が進めている御家人の再編成である。具体的には多くの所領を持っている御家人の土地を中小御家人へ分け与える政策だが、当然、土地を差し出す形となる御家人からは反発も大きい。


「御家人が鎌倉殿の命に従うか見極めている」


頼家の意図することも分からぬではないが、御家人にとって土地は命そのもの。その辺りを頼家にも汲んでもらいたいのだがと悩ましい。


「よし!儂が鎌倉殿と話をしてくる」


比企能員である。意気揚々と頼家の元へ向かうが・・・。





「まずは、お前が手本を示せ」


頼家は比企能員の持つ武蔵の土地を差し出すように命じたのだ。


「ご冗談を・・・(汗)」

「・・・本気で申されているのか?」


「宿老自ら土地を差し出せば他の御家人も従うでろう」


比企能員は怒りに震える。





比企能員は人知れず常陸に流された全成を訪ねていた。


「実衣殿のお命が危ない」


能員は全成に頼家を呪詛するように伝え、その道具を持ち込んだのだ。



暫く後。



全成を預かっていた八田知家は全成の様子がおかしいという報告から、身辺を探ったところ呪詛の件が露見する。



知家は頼家に報告すると即座に自領の常陸へ戻り全成を討取る。


鎌倉殿の13人あらすじ第30話下巻「全成の奇跡」

時政の館


「私がそれを知ったのは八田殿が鎌倉を立った後でした」


義時は八田知家から聞いた全成の最期とその直前に全成が起こした奇跡の話をする。


「あの人ってそういう人なの(泣笑)」


実衣は義時の話を最後まで気丈に聞いていた。



政子は義時に尋ねた。


「いつまでこんな事が続くの!?」


「分かりません!」


「なんとかなさい!」

「貴方も考えて・・・私も考えるから」



義時は比企能員と二人になれる機会を伺っていた。



そして、その機会は程なくおとずれた。





「常陸で全成殿に会われましたな?」

「私はいったい何を為すべきかようやく分かりました」

「鎌倉から出て行ってもらいます」





比企能員は義時の言葉を言掛りと一笑に付し、立ち去ろうとするが、善児が抜刀して立ち塞がる。


「今、鎌倉殿に一番死んでほしいのは比企」

「領地を差し出すか、鎌倉殿の信頼を失うか」


「義時、借りの話として聞け」

「鎌倉殿が亡くなれば・・・!」


能員は自身の野望を滔々と語る。


「鎌倉殿にこの話を伝えます」

「鎌倉殿が信じるかな?」

「そう思ってここに来ていただいております」

「!?」


ところが。


「鎌倉殿!?」


頼家の姿は無い。


「ぬかったな義時!(笑)」


そこに五郎が。


「鎌倉殿は!?」

「鎌倉殿がお倒れになりました・・・」

鎌倉殿の13人感想第30話「全成の確率」

鎌倉殿の13人感想第30話「全成の確率」。全成、愛故に散る。全成殿が奇跡を起したのは「愛の力」だよね。最後の呪文は実衣の為に祈っていたのだと思います・・・。



そして、許せないのは比企能員。



初登場時は癒し系面白オジサンかと思っていたんですけどね。・・・ま、正直すこーし、ほんの少しだけお気持ち分からぬではないけど・・・w



でも、能員はやり過ぎた。一番怒らせていけない男を怒らせた。



最後、善児の登場に、初めて、



キタ━(゚∀゚)━!
(メシウマwwww)



って、大草原生やしてしまいました。早とちりでしたが。

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鎌倉殿の13人の感想第30話「北条一門は一蓮托生」

鎌倉政権成立まで源氏一族は骨肉相食む争いを続けてきました。頼朝の兄弟義経、範頼、叔父の行家、さらに甲斐源氏の武田、信濃源氏の木曾義仲。



その鎌倉政権成立を一番近くで支えてきたのが北条一門。



源氏の近くにいると
その悪影響からは逃れられないのか?



父と子、兄姉妹。



頼朝が亡くなってからというもの、源氏の悪癖が感染したかのように漂うすきま風。



因みに、北条氏は平直方を祖とする桓武平氏の一族(自称)。



余談ですけど、この辺りは一切触れていないよね。まあ、触れる必要もないと思うけど。



しかし、それでも今回は言わせて欲しい


平家一門は

一蓮托生!


比企能員の北条潰しの策略の前に大団結して家族の絆を再確認。
源氏とは違うのだよ!



義時の発案で実衣は政子の尼御所で保護されることになります。


「あの人(政子)の世話にはなりたくない」


頼朝が亡くなってから若干疎遠になっておりました。


しかし、やはり会ってみれば姉妹。


「その中(尼頭巾の中)どうなっているの?」

「ああ、尼削ぎ」

「蒸れない?」

「時々こうやって(あおいで)」

「うふふ(泣笑)」

「ふふふ(涙笑)」


良い場面でしたね。



源氏兄弟は思い出を共有することが出来なかった。でも、北条姉妹は違います。共に過ごしてきた時間が二人をただの姉妹に戻すのだなぁと・・・。



また、時政の行動も良かった。





いつもの事ではありますが・・・。よく考えないで動いて全成を巻き込んでしまったことを大いに反省


「(鎌倉殿に)謝ってくる!全成殿を救う!」

「それでは比企の思うつぼ!!」


義時は呆れかえりながらも父時政のそういうところ・・・嫌いではないと思います。勿論、困っている部分も多々あると思いますけど。最後、ちゃんと全成殿に直接謝罪するのも良かった。この辺りを(多分)頼朝も「器が大きい」と見込んでいたのかな?

鎌倉殿の13人の感想第30話「愛故に・・・全成殿の奇跡」




全成は時政とりくに頼み込まれて断りきれずに呪詛(ちょっと病気になーれ程度)をしてしまった。


「仕方なかった」

「本当はやりたくなかった」

「悪いのは俺じゃない」


とか言ってもおかしくない。
しかし、一言も言い訳しませんでした。勿論、取調にきた比企の連中にホントの事を言わないのは分かりますけど、
時政には文句の一つや二つ言ってもバチは当たらない



でも、言わない



「鎌倉殿を調伏したのは事実」


罪を受け容れて実衣が父時政やりくを、時政が自分自身を恨んだり責めたりしないように諭す。


「誰も恨んではいけないよ」


この一言に全成の愛の深さを感じるのです。



過去よりも未来を見よう。


憎しみと復讐に囚われて自分の人生を生きれない事こそ不幸


実衣もそうですが、全成自身もそうだと思うのです。



全成は比企殿が尋ねてきた時点で自身の進退が極まったと観念したのではないかな。例え拒否しても自分の存在が実衣を危険にさらすかもしれない。ならば、死を受け容れる。



鎌倉殿を呪詛なんてしていなかったと思う。



そして、その死の瞬間まで
未来を見ていた





最期の呪文は決して恨みつらみではないと思うのです。



ただ、実衣の未来に幸があるように祈っていたのではないでしょうか。だからこそ一世一代の祈祷をやり切り奇跡を起こした・・・(涙)。



因みに、全成と実衣の娘の一人が藤原成親の子公佐(滋野井実国の養子)に嫁ぎ、その後裔に後醍醐帝に愛された寵妃で後村上天皇の実母でもある阿野廉子がおります。

鎌倉殿の13人の感想第30話「平六、笑う」




義時は全成を救うために、かつて梶原景時失脚のキッカケとなった嘆願書作戦を実行。



前回、義時の想像を遥かに超える66名の署名を集めた平六義村に再び白羽の矢が立つ。



この嬉しそうな表情。



同じく、嘆願書集めを依頼されていた和田義盛との落差が象徴的。


「俺は北条派!」


これはも紛れもない大本心。
可愛い



一方で義村。


「この先は分からんぞ?(ニヤリ)」


三浦一門も善哉を得て(頼家三男である善哉の乳父は三浦)鎌倉の主要プレーヤーに昇進していますからね。この言葉、義時は平六流の軽口と思っているようですが・・・?



兎に角、最近の平六はとても楽しそうです。



人はやはり向き不向きがある。



向き不向き。



能力と性格の二つの面で。平六は能力も性格もこの鎌倉の申し子的人材かもしんない。



以上、鎌倉の13人あらすじと感想第30話「全成の確率」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第31話「諦めの悪い男」