武田信玄第17話のあらすじです。天文22年「第1回川中島の戦い」男は外に在って常に7人の敵がいるという。思わぬところから敵は現れ、以外な処で立ちはだかる。男は誰でも野心を持ちそのゴールへ向かって突き進む。例えば、戦国の武将武田信玄と上杉謙信。信玄は西の京を目指し、謙信は関東の統一を夢見ていた。

2人の生涯の目的は互いに別のものであったという。しかし、現実には異なる目的を達するため相手を敵に回さないといけない事がある。かくして、晴信と景虎の12年戦争は今まさに始まろうとしていた。

→大河ドラマ武田信玄の感想第17話「虎との出会い」へ

武田信玄第17話上巻~長尾景虎動く~

晴信は村上殿を葛尾城より追い落とし、八幡、塩田等の北信濃の豪族たちを従えるに至ります。しかし、晴信には遠くに見える善光寺平、そしてその中にある川中島を見て、やっとここまで辿り着いたという、想いにであった事に違いありません。何故なら、そこはおここの故郷だったからでございます。



「おここ、ついに其方の故郷を見たぞ。川中島は輝いておる。」

景虎、動く

「ついに、越後の虎が動いたか!」

「お館様に申し上げよ!」



百足部隊(斥候)は3日前に長尾景虎殿が兵3000、鉄砲300を持って出陣した事を知らせます。春日山城から善光寺平までは18里(およそ70キロ))。



「早ければ明日の夜明け、遅くとも夕暮れまでには善光寺平に姿現すであろう。」



晴信は兵を集めるのに2日、善光寺平までの道のりをおおよそ2日と考えると、明日の夜明けには越後勢が姿を現すと考えます。



「越後勢とは初めての戦、まず相手を知らねばならない。」



晴信はまず陣馬奉行の原晶俊殿に斥候を多く出し越後勢の様子をくまなく探る事、また真田幸隆殿には精鋭100人程で越後勢を後方から襲い繰り返し攻めるように命じます。地獄の鬼美濃こと原虎胤殿が自分が行くと提案しますが・・・。



「美濃殿!このような走り回る役は若い者の仕事!某にお任せ下さい!」

「真田殿!この源助にその御役目お譲り下さい!この中では私が一番若こうございます!」



晴信はさらに割って入った源助に真田殿と共に出陣するように命じますが・・・。そこへ山本勘助殿が戻ってきます。



「おお!勘助!戻ったか!」



勘助殿は越後勢が今夜にも善光寺平に現れるはずであると報告します。



「今夜?何かの間違いではないか?早すぎる。」

「我が手の者、越後勢を追い抜いて来ました。間違いありません。」



さらに、勘助殿は悪い報告をします。



「越後勢、5~6千、善光寺様より七里ほどを移動中にございます。」

「兵3千の誤りではないのか?」

「越後勢に村上勢、さらに北信濃の豪族が加わっております。」



勘助は長尾景虎殿は戦の天才にてその兵神出鬼没と話します。晴信は源助と真田幸隆殿にすぐに出陣するよう命じ、原虎胤殿には飯富虎昌殿と太郎の軍勢にすぐに兵を退き、越後勢が峠をの登ってくれば迎撃し、登ってこなければ一切手出しをしないように命じるように伝えます。



「敵を知り、敵には知らせず。攻め方見れば敵の力量分かる。」



さらに、信廉には落したばかりの葛尾城には兵100程を残し、支城の弧楽城には火を掛け室賀峠まで信繁隊を引かせるよう命じます。



「長尾景虎、中々やりそうじゃな。」



飯富虎昌の葛藤

「兵を退けと仰せか!?」

「左様。敵を知り、敵に知らせず。これがお館様の命にございます。」

「越後勢など1万来ようとも三方囲み打ち破ってご覧に入れる!」

「・・・入って来る鼠によります。」

「我が隊負けると言いますか?」

「袋を破られたら如何致しますか?」



飯富虎昌殿は太郎の傅役として太郎の初陣は武勇で飾らねばならないと食い下がります。



「美濃殿。どうかお館様に申しあげて頂きたい!」

「・・・越後勢は今夜にも善光寺様に現れる。その時間はない。」

「太郎は戦うぞ・・・。勝ってお館様に我が力見せるのじゃ!」

「それはなりませぬ!お館様の命に背けば例え若殿でも逆臣の汚名を着る事になります!」

「飯富殿。早急に兵を引きなされ。武田の軍勢にお館様は二人はおらぬ。」

隠れる

「申し上げます!善光寺平から葛尾城へ至る道に武田勢の姿ありませぬ。」



長尾景虎殿は晴信が自分が早く来る事を知っていたようだと察知します。そして、葛尾城に兵100ばかりを残し室賀峠などに兵を退いた事に感心します。



「武田晴信の本陣は?」

「申し訳ございません。未だ分かりません。」

「軍勢の姿見せぬとは。少しは戦を心得ておるようじゃな。」



そこへ、広報撹乱を命じられた真田幸隆殿と源助の軍勢が襲ってきているという知らせが届きます。直江兼続殿は後方に兵200を送るように命じます。景虎殿は晴信が夜の闇に軍勢を隠し、峠の向こうで采配を振るっていると確信しますが・・・。



「武田晴信。この長尾景虎殿に夜の闇が見通せぬと思っている・・・」



長尾景虎殿は晴信が軍勢を隠すのであればこちらは見せると言います。そして、夜明けを待って全軍で葛尾城を攻めると命じるのでした。

武田信玄第17話中巻~般若~

「申し上げます!」葛尾城落ちましてございます!」



スポンサードリンク



夜明けと共に怒涛の如く越後勢に攻めかけられ葛尾城は落ちました。晴信はこの時を持って甲府へと兵を退きます。そしてその帰路、諏訪の湖衣姫殿を尋ねたのでございます。

労咳

「あれは、労咳(ろうがい・結核の事)であろう?何故黙っていた?」

「申し訳ございませぬ。湖衣姫様がお館様には決してお知らせするなと。」

「例え口止めされても言わねばならぬ事があるぞ・・・」



晴信は床に伏し眠っている湖衣姫殿を見て、乳母たき殿に確認します。その後、四朗と面会をしていると湖衣姫殿がやって来ます。



「此度の勝ち戦おめでとうございます。」

「うむ。そこは風が当たる。中に入れ。」

「・・・」



湖衣姫殿は労咳(ろうがい・結核)が罹患すると断りますが、晴信は細くなった湖衣姫殿の身体を抱きしめると息を吹きかけよと命じます。



「儂は病など恐れはせぬ。其方を救うためなら我が命差し出そう。」

「私はもう長くはありませぬ。私の代わりに四朗が甲斐と諏訪の橋渡しとなります。」

「死にはせぬ、其方と儂は生れる前から固く結ばれていた。その糸かってに断ち切る事は出来ぬ。」

「恋しい・・・」



湖衣姫殿は晴信に身を任せると意識を失います。



「湖衣・・・?少し横になった方が良い。其方を決して離しはせぬ。」



晴信にとって湖衣姫殿はおここの生まれ変わり。湖衣姫殿を失えば川中島、そして諏訪も失うような気がしていたのです。

密会

夜。人気のないあぜ道を般若の面をつけた女子が走ります。その先にはこれまた打ち捨てられ人家のないあばら家・・・・。いや、そこには飯富虎昌殿が独り何者かを待っております。




般若はそのあばら家へ入ると面を取ります。
八重。



「・・・このような事、許される事ではない。話とはなんじゃ?」

「・・・」

「話がないなら帰る。」

「お待ち遊ばせ」



八重は太郎初陣に際し、北信濃で何故兵を退いたのかを問います。飯富殿はこれは晴信の命であり致しかたないと言います。



「三条の方様は大変飯富殿を頼りにされております。」



八重は兵を退いた事はそれ以上語らずに三条殿を持ち出すと、太郎が家督を継承すれば飯富殿の未来も開けるといった趣旨を話します。



「其方は若殿様のお味方。私は三条の方様に命捧げし者。もっと近しゅう遊ばして頂きとうございます。」



八重は飯富殿にしなだれかかると、飯富殿の手を袂に誘い嬌声を上げます。
気におぞましき次第ございます・・・。

武田信玄第17話下巻~川中島の戦い~

晴信と信繁の元に北信濃の方角に白い狼煙が1本上がったとの報告が入ります。白い狼煙は敵に動きありの合図にございます。

人の道

「いずれ使者が来ると思いますが、今出来る事があればお命じ下され!」

「うむ、まず2千の兵を集めよ。」



信繁は2千でよいのかと尋ねますが、晴信は今は田の草取りの次期でもあり、5千、6千と集めるのは難しいだろうと言います。



「此度の戦には是非太郎をお連れ下され。」

「何故じゃ??」



信繁は先だっての戦では初陣であったにも関わらず目立った戦果を挙げる事が出来ず、また、敵を目の前にして撤退を命じられ戦う事も許されなかった太郎に、先陣の栄誉を与えてやって欲しいと言います。晴信は信繁の願いに渋い表情です。



「・・・太郎が何か不服を申しておるのか?」

「いえ。某、昔の事を想い出すのでございます。」

「昔の事?」

「兄上と父上の間に起こりし事です。親子の諍いは国を滅ぼします。」

「儂と太郎の間にそのような諍いなどない。」

「兄上の御言葉に父上のお言葉思い出させるものございます。」

「・・・誠か?」

「はい。特に家督継ぐ継がせぬは禁句にございます。太郎の悔しさが恨みに変わらぬようご配慮お願い致します。」



信繁は太郎は正義感が強く晴信が湖衣姫殿の元へ行くことさえ忌み嫌っている様子と言います。さらに、諏訪には四朗がおり恨み心養うに充分であるとも付け加えます。



「分かった・・・。儂の少々配慮が足りなかった・・・。」



晴信は自分の恨みは忘れぬが人から向けられた恨みには中々気付かぬものと言います。



「礼を申す。よく言ってくれた。」



信繁は10年以上他国におかれ、甲斐へ戻る事も許されぬ信虎殿の心中を想えば、二度とあのような事は起ってはならないと言います。



「あの事、ほんの少しでもお忘れになるなら、兄上は人の道を全う出来なくなります。甲斐は滅びます。」

初戦

我が子晴信は再び北へと向かいます。村上義清殿が近くの塩田城に潜んでいるという情報がもたらされたのでございます。晴信は村上殿を探しましたが、川中島で出会いしは、村上勢ではなく長尾景虎殿率いる越後勢だったのです。

「あれが長尾景虎の軍勢か。美しい。」

「武田晴信、初めて姿現したな!中々の軍勢じゃ!」



晴信は近くに控えし太郎に語ります。



「よく見ておくのじゃ。あれが越後長尾景虎の軍勢じゃ。」

「あれ程の軍勢じゃが、物音一つ伝わってこない。」

「良き軍勢は静かで優しげて美しいものじゃ。」

「あの軍勢は強い。戦になれば一糸乱れず竜神の如き姿に変わる。」

「太郎。儂が死ぬような事があればお前が我が軍勢を率いてあのような軍勢と戦わねばならぬ。」

「しっかり学べ。武勇を祈る!」

「はい!!」



太郎は誇らしげに隊へと戻ります。
そこへ伝令が。



「諏訪より使者が参り、湖衣姫様殊の外悪いようでございます。。」

「そうか・・・」



使者が去り独り晴信は呟きます。



「湖衣、すまぬ。今はいけぬ。」



ついに、晴信は長尾景虎殿の越後勢と戦端を開くのでございます。




我が子晴信と景虎殿は12年に渡り5回も戦う事になるのでございます。
その中で一番激しい戦いは第4回の永禄4年(1561年)の事にございます。




その戦については後々ゆっくり物語たく存じ上げます。




今宵は此処までに致しとうございます。

→大河ドラマ武田信玄の感想第18話「さらば湖衣姫」へ

→大河ドラマ武田信玄の感想第17話「虎との出会い」へ