おんな城主直虎の第5話「初恋の分かれ道」の感想にございまする。亀之丞はすっかり色男に成長いたしまして候・・・。

政次殿の立ち位置

今宵、今は亡き政次殿のが案、奥山朝利殿の娘の輿入れはなくなり、さらに皮肉な事に本来は政次殿の元へ嫁にくるはずであった娘が直親殿の元へ。やはり、井伊御家中では「小野家」は微妙な立ち位置のままの様子。

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小野玄蕃

政次殿は口では「私が奥山殿の立場でもそうする」と言っておられましたが、今まで父、政直殿がしてきたことを考えれれば致し方ないとお感じになっているのでは思いました。




ただ、それは「自分が井伊家のために尽くせば」いずれは信頼を得られるとお考えなのではとも取れまする。私が思うには、その想いが裏切られた時に、自らの寄る辺が実は今川にしかないとお感じになるのかと危惧をするものにございまする。




そんな中で、唯一気を許し、ホンネを言える存在が実弟の小野玄蕃殿のようにございます。同じような環境で育った兄弟のはずではありますが・・・。玄蕃殿の御性格ははあまり御父上の政直殿には似てはおいでにならないご様子。一言で申せば・・・



「素直」



そして明るいのではないでしょうか。

意外と、「直情型」の直平殿ともうまくやっていけそうな雰囲気を感じまする。此度、まるで「聖人君主」が如く振る舞う亀之丞改め直親殿に対して、自らの父政直殿がした事を想えば恨んでいるに違いないと考えるのと同時に次郎殿との事もあり、微妙な空気を自ら発してしまう政次殿に対して、



「あれはやはり聖人君主では?」



と、兄に言える素直で明るい玄蕃殿の存在は大きいかと。
政直殿は死に際して、



「お前はわしと同じになる」



と、言っておりましたが、玄蕃殿と二人三脚でおられれば、井伊家中でもうまくやっていける可能性を見出せるのではと思いまする。我が家の事ではありますが、信繁が生きていてくれればといつも思うておりました。

直親と政次

今宵、初恋が2つ終わりました。私も玄蕃殿と同じく直親殿は少なくとも現時点では「聖人君主」と考えておりまする。いや、聖人君主というよりも、「未来」を見ておいでではないかと思いまする。




政次殿の元へやってきて「色々助けて欲しい」と言ったのも負い目を感じているかもしれない政次殿にそのような事はないと伝えるためにやってきているものと。また、今宵の最後に、



「おとわはお主のものにはならない」



と、告げたのも、次郎(おとわ)の覚悟のほどを知り、もし、政次殿が「もしかしたら・・・」と次郎殿の還俗を待っていてるような事のないように、お伝えをしているのではないかと感じました。




信濃でも苦労をされているのにも関わず、御性格が真っ直ぐなのは、やはり、環境よりも生来の気質がものを言うのでございましょうか。立場の違いはありますが、過去の出来事を未だ振り払えないでいる政次殿とは好対照だなと感じました。

二つの饅頭

今宵のお話しは饅頭の一つは即ち「保険」という事にございました。

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忠誠心を試している?

中と伯の「饅頭のお話し」は面白い禅問答にございました。私はてっきり「伯」(饅頭をカビさせた方)が選ばれたのは愚かにも「忠誠心」からだと思ってしまいました。主から頂いた饅頭を「有難い」とカビさせるような「忠誠心」を買ったのだと。




子供に与えてしまった中は「理」や「効率」を重んじるあまり、いざという時には「裏切る」と考えたのだと。




少々穿った味方をし過ぎてしまいました。ただ、今の世でも主君、特に「オーナー一族」に仕えているお方であれば、「忠誠心」や「オーナーの意向」こそすべてに優先するという事をご理解を頂けるのではと存じまする。




時々、サラリーマンがトップをお勤めになる大会社からやって来られた方の中には、「王国」での振舞い方が全く分かっていない方も多いと聞き及んでおります。

饅頭は駐屯兵団である

南渓殿との禅問答の後、次郎殿が悟ったのは次郎殿と直親殿は互いに「スペア」であるという事にございました。



「カビてしまうのが仕事」



勿論、幸か不幸か、いや、次郎殿のお言葉を逆に申せば不幸にも次郎殿は「直虎」として還俗をされる事に。仕事がない、出番がない事こそが一番の仕事とは、それはまるで、軍隊のようにございまする。




ただ、うら若き乙女でありながら、そけ入れる次郎殿は南渓殿の見立て通り「ただならぬ子」と思いまして候。




今宵は此処までに致しとうございまする。

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→大河ドラマおんな城主直虎の感想第7話「検地がやってきた」