鎌倉殿の13人あらすじと感想第40話「罠と罠」。義時はもう迷わなくなった。そう思ったのですが、どうやら私の早合点であったようです。本心を隠し迷いながら進んでいる。ならば、まだ救いはある。鎌倉殿の13人第40話

鎌倉殿の13人あらすじ第40話「罠と罠」

義時は
事実上の指導者として、
将軍実朝さえ圧倒する。
その決意の固さは、
怯えの裏返しなのか


後鳥羽院
御所



後鳥羽院は先だって火事で焼けた内裏の絵を描いていた。


「できたぞ!」

「おお、これは・・・」


乳母、藤原兼子は後鳥羽院の幼い頃を懐かしそうに思い出す。


「幼い頃から色々な事に興味をしめされた」


慈円は一つ案を出す。


「鎌倉に再建を命じてみては?」


実朝は喜んで応じるだろうが坂東武者はどうか?そして、その坂東武者の事実上の指導者義時はどう出るか?


「最近、調子に乗っているからお灸を据えねばらなんな」


後鳥羽院は上機嫌である。


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鎌倉殿の13人あらすじ第40話上巻「泉親衡の乱」

和田の館


「なんで俺たちがそんな事を!」

「鎌倉殿に御命じになられたんだからしょうがねぇだろ!!」

「俺たちには他にやる事がある!」


和田の館は賑やかである。



内裏の再建は結局鎌倉に命じられたのだ。



しかし、坂東武者はそのことに納得が行かない。


「言われた仕事はこなす!」


珍しく声を張ったのは八田知家だ。


「ただし、坂東に限る・・・」


いつもの、静かだが迫力のある声で言明する。



御家人達が和田の館に集まり不満をぶちまけている。



このことは当然義時の耳にも入っている。


「言わせておけば良い」


五郎は少し心配そうだが、義時は冷静であった。しかし、その義時も看過出来ない事件が勃発する。



泉親衡の乱



鎌倉政所


「泉親衡・・・聞かん名だな」


義時は政所で大江広元からことのあらましの報告を受けていた。この泉親衡はどうやら信濃小県の武士らしいのだが、御家人達を扇動し御所を襲い義時を亡き者にしようと画策していたというのだ。



既に連座した御家人達の名前も分かっていた。


「厳罰に処せ」


義時はさして興味も無さそうに命じるが、広元が続ける。


「実は困ったことが・・・」


この乱に連座した御家人の中には和田義盛の息子二人、そして甥も含まれているというのだ。



また、



「いささかな匂いがします」



とも付け加える。



この首謀者と目された泉親衡だが、何も出てこないばかりか霞のように消えてしまったというのだ。まるで、今回の騒動そのものが目的であったかのように。


「上皇様は鎌倉殿を嫌っておられる?」


「それはありますまい」

「嫌っているのは・・・」


「私か」


後鳥羽院は事実上鎌倉を支配する北条義時を快く思っていない。


和田の館


「父上!申し訳ございません!」


息子の和田義直、義重兄弟、そして甥の胤長。



三人は義盛に頭を下げていた。



事の発端は胤長が泉親衡という武士に北条の悪事を吹き込まれ、義憤に駆られて打倒北条と動いたことにあった。義直と義重は胤長に誘われ、まずその泉親衡に会いに行っただけであり、企てに積極的に参加したワケではなかった。


「分かった!儂がなんとかする」

「和田義盛が頭を下げれば大抵の事はなんとかなる!」


鎌倉政所


「儂に免じて許して欲しい!」

「つい、調子に乗っちまったんだ!」

「俺は皆に頼まれて来た!覚悟がある!」

「相撲で勝負だ!!」


義盛は義時に頭を下げていたが、途中からいきり立ってしまう。しかし、その姿は何故か愛らしい。



五郎が痛い処を突く。


「和田殿のご子息も関わっていたとか」


「もう二度とそんな事はさせねぇ」

「そうだ!眉毛剃る!俺も剃るよ」


「和田殿と話をしていると真面目に話をしているのが馬鹿らしくなる(笑)」


義時も笑ってしまう。そして、五郎を促す。


「和田義直、義重はお咎めなし」


義盛は喜ぶが。


「和田平太胤長は別」


胤長は泉親衡に同心し、多くの御家人を乱に誘い込んでいた。これをお咎め無しというワケにはいかない。


「可愛い甥っ子なんだ」

「命は取らぬがそれなりの罰は受けてもらう」


和田の館


「こ、こんなにお子様がいたのですか?」


巴が呆れていた。


「これだけの髭面が頭を下げれば分かってくれる!」


義盛はなんとしても平太胤長を救い出したかった。



これにはワケがあった。



胤長には幼い娘がいるのだが身体が弱くもう先は長くないと思われていた。なんとしても胤長を娘に合わせてやりたい。義盛は一族を率いて御所へ向かう。


鎌倉政所


義時は煩わしいと思う。


「あの時を思い出しますな」


広元が応じる。



あの時。



そう、上総介広常。



和田義盛は今や坂東武者の最長老格である。


「最も頼りになる者がもっとも危険」


「和田を滅ぼしますか?」


そこに、表を見てきた五郎の声が入ってくる。


「無数の和田義盛が御所を囲んでいます!」


義時は敢えて縛られた胤長を御所を囲む98人の髭面の前でひったてた。


98人の髭面は悔しそうにそれを眺めている。


「鎌倉殿に会わせてくれ!」

「今日の処はお引き取り下さい!」


五朗は義盛をなんとか説得する。

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鎌倉殿の13人あらすじ第40話中巻「平六の腹」

鎌倉政所


「大根の葉はこうやってとるの」





政子は実朝と千世に大根の葉の剥き方を教えている。



意外にも?実朝は上手に葉を剥いており、千世にコツを教えている。


「爺様に昔教えてもらいました(笑)」


政子もそれを聞いて嬉しそうである。



二人の仲睦まじい様子に実衣が続く。


「姉上も孫の顔が早くみたいんじゃないかしら?」

「およしなさい」


政子は実衣を窘めるのであった。



実朝と千世と入れ違いに、今度はのえが加わり大根の葉を剥いている。


「源氏の血筋ってそんなに尊いのですか?」


のえは政子や実衣をはじめ、北条の者でも「源氏の跡取り」と言うのが理解できない。


「義時様には立派な子が沢山いる」


ようは、義時の子が鎌倉殿になれば良いと考えているのだ。


「誰も反対派しませんよ!」


「りくさんを思い出すわね」

「そうね(苦笑)」


のえの欲深さに今は時政と伊豆にある義母りくを思い出す政子と実衣であった。


和田の館


「御所に攻め込み鎌倉殿をお救いするのだ」


「小四郎の首を取る」


和田の館には義村の姿があった。



義村は今こそ北条打倒の時だと義盛を焚きつけていた。義盛には迷いが見られたが、生きている間に一目会わせてやりたいと願っていた胤長の娘が死んだ。



この悲劇が義盛の背中を押した。


義時の館


太郎は父義時のやり方に反発していた。


「これ以上、和田殿を追い詰めてどうするのです?」

「戦になりますよ?」


義時は太郎の言葉を黙って聞いている。


「・・・読めました・・・」


太郎は父義時の考えを察する。和田義盛を怒らせ謀反を起させて滅ぼす口実を得ようとしているのだ。


「お前の為だ」


義時が生きている間は良い。しかし、その後、太郎の代になれば和田一族は必ず北条の、太郎の前に立ち塞がる。其の前に滅ぼす。


「父上は間違っている!」

「私は戦なくとも安寧の世を築いてみせる!」


二人が口論していると、先程まで和田の屋敷にいた義村が弟の胤義を伴い現れる。


「髭親父は間違いなく立つぞ」


義村はまたしても、義時の密命を帯びていた。



義時は満足げに頷くが、太郎は戦を止めるためある決意をする。







義村は一仕事終えたとばかりに家路につくが、弟の胤義は納得がいかない。


「兄上はどちらにつくおつもりですか??」

「小四郎に決まっている」

「いや、そうみせかけ和田につこうとしている」

「大人になったな(笑)」

「そういう兄上を好きになれません」


義村は「どちらに付くか」は名言しないが、


「三浦は生き残っている」


と笑う。



梶原、比企、畠山・・・。



みな滅びたが、三浦は生き残っている。



「つまり、そういう事だ」



と告げる。


尼御所


太郎は事の次第を尼御台、つまり政子に報告し戦を止めようとしていた。もはや、義時を止められるのは政子しかいないと考えたのだ。



そこに、義時が現れる。


「謹慎していろと言った」


太郎を部屋から追い出すと、政子と対峙する。


「和田殿は武芸に優れるが利に聡くはない」


政子は戦を止めるように説得するが、義時は


「政に口を挟むな」


と、にべもない。


「政に関われといったのは小四郎ではないか!」


政子は義時を叱りつける。


「承知致しました(苦笑)」


尼御台に怒られてはその命に従わざる得ない。義時はそう言ってその場を収める。



しかし。


「尼御台には後で分かって頂く」


義時は不退転の決意で和田を滅ぼすつもりでいた。



一方、政子も義時が「本心」から戦を止めるといったとは思っていない。



この戦を止める事が出来るのはあの男しかいない。







今度は政子の前に三浦義村の姿があった。


「貴方はどっちに付くの」

「私は小四郎とは固い絆で結ばれております」


しかし、政子は信じない。


「私は弟と違って簡単には信じないの」


政子は今回の戦は三浦がついた方が勝つと見通していた。だから、和田は立った。



その三浦が北条方に付くと明言すれば戦にはならない。


「見返りは?」

「三浦義村、貴方を宿老に取り立てます」

「小四郎に言わなくてよいのですか?」

「私は尼御台ですよ?」


義村は笑って頷く。

鎌倉殿の13人あらすじ第40話下巻「おばばの言葉」

実朝は千世を伴い養福寺へと向かっていた。



途中「おばば」の幕に寄る。





おばばは千世を一目見て、二人が互いを大切に思っていること、それでも淋しいであろうととも見抜く。


「戦が始まる」

「死ぬ、みんな死ぬ」

「由比ヶ浜に髭面の首が並ぶ」


不気味な予言をする。


「鎌倉殿!急ぎ御所へお戻り下さい!!」


鎌倉政所


「そのような事をすれば義盛が怒るのは当たり前ではないか!」


実朝は義時が、甥の胤長の館を接収したことを咎めていた。罪を犯した者の館は一族に引き渡されるのが常だが、義時は敢えて義盛を挑発したのだ。


「戦には大義名分が必要」

「鎌倉殿はこちらでごゆるりとお過ごし下さい」


実朝では義時を止める事は出来ない。



義時は五郎に命じて着々と戦支度を始める。



実朝は政子の元を訪ねる。


「私は戦を止めたいのです!」


「大丈夫、戦にはなりません」

「三浦がこちらに付く」


実朝は首を振る。


「そのような事で戦を止める男ではありません」


義盛はたとえ一人でも戦う男、和田義盛とはそういう男だと。実朝はどうしても義盛と直接話がしたかった。


「我が家に伝わる秘策を使いましょう」


程なく。



和田義盛は女装して御所に現れる。


「ここまでコケにされては黙っておられません!」


「儂は其方を死なせたくない」


「俺は死にません」


「歩き巫女のおばばが言ったのだ」


「あの婆さん最近死ぬ死ぬと・・・」


実朝は立ち上がり、義盛の腕を掴む。恐れおののく義盛。


「いつまでも側に居てくれ」

「小四郎も鎌倉を思ってのこと」

「二度と行き過ぎた真似をしないように儂が目を光らせる」

「和田義盛は鎌倉一の忠臣だ」


実朝の斡旋で、義時と義盛は矛を収める。



義時もそれに従うように見えたが・・・



政子は義時には部屋に残るように命じる。


「分かっていますよ?貴方まだ諦めてない」


「鎌倉を守るためです」


「鎌倉の為って!それを言えば何でも通ると思っているの?」

「戦をせずに鎌倉を栄えさせてみよ!」

「何に怯えているのです?」

「貴方ならこのような事をしなくても纏めていけるはず」


義時は帰り際義盛に呼び止められる。


「考えてみればみんな死んだな」


「時の流れを感じております」


「ようやく俺たちは望みの鎌倉殿を手に入れた」


実朝は賢く、そして度胸もあり、何より気持ちが暖かい。


「政はお前に任せる」

「御家人でも西の者でも鎌倉を危うくする者は俺が滅ぼす」


義時はようやく、戦を諦めた。


義時の館


五郎が久しぶり嬉しそうである。


「戦にならずに良かったです」


「和田を滅ぼす良い機会だったのに」


「心にもないことを」

「和田殿が本当は好きなくせに(笑)


そして、真っ直ぐ兄義時を見つめ続ける。


「あの方を嫌いな方なんかいませんよ」





義時もそれは認めざるえない。



義時は五郎に御所の守りを解かせ、トウには和田の館にいる義村に兵を退くよう伝える命じる。


和田の館


「小四郎、すまん」


和田の館では帰りが遅い義盛を心配した和田一族が戦を始める準備を固めていた。義村、そして八田知家は戦をやめさせようとしたが、いきり立つ和田勢に呑み込まれ和田方として立つことになってしまう。



建暦3年、5月2日。



鎌倉最大の激選和田合戦勃発。

鎌倉殿の13人感想第40話「罠と罠」

鎌倉殿の13人感想第40話「罠と罠」。歴史は役者を代えて繰り返す。そう、役者を代えて。



怯えていた者はかつての頼朝、今は義時。
欲深い者はりく、今はのえ。
最も頼りになる上総介広常、今は和田義盛。



鎌倉を揺さぶる新旧二人の院。



そして、太郎。



お前はまさにかつての義時そのもの!

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鎌倉殿の13人の感想第40話「若い力」

太郎の成長が著しいですね。



正直、ちょっと前までの太郎を私は余り好きではありませんでした。ただ、綺麗事を真正面から並べて感情のままに行動し何も為さない。五郎を見習いやがれと。



しかし、今回は違った。



義時の思考を理解し、それに真正面から反対を唱えるものの、その後が違う。どうすれば、義時が止まるか?戦を止める事が出来るか?



尼御台だ。



自分の限界を知り、出来ないことは出来る可能性があるものに託す。かつての義時もそうでしたね。



そして、実朝の成長もまた著しい。


「三浦がこちらについたから戦にはならない」


政子の限界、もっと言えば、義村の限界もこの辺りかもしれない。



和田義盛の事を最も理解しているのは実朝なんでしょうね。


「自分が直接話をしないと収まらない」


義時を止める事が出来るのは、政子でも実朝でもない。この二人の知恵と権威が揃って初めて義時を止めるだけの力を持つ。



立場は違いますが、かつての頼朝が義時。実朝が義時的な存在で政子は政子のまま。



見事な連携であったかな。

鎌倉殿の13人の感想第40話「トキューサ」

北条五郎時房。


「私は太郎とは真逆でありたい」


権力者が孤独なのは世の常ですが、義時は孤独なのです。



その義時に徹頭徹尾寄り添うと誓った男こそ北条五郎時房。



でもね。五郎はめちゃくちゃ優しい奴なんですよね。



多分、鎌倉殿の13人の主要人物の中では実朝と並んで一、二を争う優しい、人の気持ちが分かる奴なんです。





すまん、私はもう昔の小四郎はいないと思っていたんですよ。既に強く、そして迷わなくなっていると。



でも違った。


「和田を滅ぼす良い機会だったのに」


「心にもない事を」

「あの方を嫌いな人なんていない」


それはもう当然義時だって義盛が大好きであることを見通していた。勿論、五郎は言わずもがな。



それでも、一切の言い訳やアリバイ作りをしないで、義時の対和田工作に従い続けてたのは、
太郎とは真逆の形で義時に尽くすと誓ったから。



だから、結果的に戦にならなかった時、義時が戦を断念した時、心底嬉しかったし、実は義時自身も「良かった」と思っていることを見抜いていたんですね。



きっと義時も驚いたし、ちょっと嬉しかったのではないかと思います。

鎌倉殿の13人の感想第40話「変わらぬ人たち」

役者が変わった役もあれば、相変わらず変わらぬ役もあります。



大江広元。



前にも書いたかな?



体制に奉仕する男、大江広元。



頼朝の最側近でありながら、その死後は頼家や実朝、いや「源氏」という血筋そのものにはまったく愛着も親しみも感じていないご様子。



鎌倉殿機関説といった感じ?



その広元がかつて上総介広常を滅ぼしたように、義時の元で和田義盛を滅ぼす。



そう言えば、上総介広常を除くように頼朝に進言したのも広元だった。時の権力者達を通して広元自身の理想を追い求めているようにすら見えてきた。



そして、もう一人の変わらぬ人が三浦義村。



梶原、比企、畠山など皆滅びたが三浦は生き残っている。梶原からなんですよね。上総介広常が誅殺された時はまだ傍観者だった。今回も義時の意向で和田を焚きつけたものの、ただ、義時に良い様に使われていた駒であったワケではない。



政子からの横槍まで予想していたかどうかは分かりませんが、少なくとも北条側に、義時にオールインしてはいない。



義時の駒のように振る舞いをしながら、自身も意思を持ったプレーヤーとしてこの権力闘争に参加している。ただ、今回の最後は義村の、いや、義時の予想すら超えた展開が待っていたようです。


「小四郎、すまん」


策士策に溺れた?



これは義村も義時もそう。



結局、人間がコントロール出来る事には限界があるのです。



次週の鎌倉は誰もコントロールしていないまさに「乱」が始まるという訳ですね。


以上、鎌倉殿の13人のあらすじと感想第40話「罠と罠」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第41話「義盛、お前に罪はない」