軍師官兵衛のあらすじと感想第3話「命の使い道」です。赤松勢はおたつと浦上清宗の婚礼中にに室津城を強襲。不意を突かれた浦上勢は総崩れ。官兵衛が室津城へ入った時はおたつは既に瀕死の状況であった。一方、東海では信長が狙う美濃国ではある「異変」が起きていた。軍師官兵衛のあらすじと感想第3話

軍師官兵衛のあらすじ第3話「命の使い道」

武兵衛が止めるのも聞かず、官兵衛は室津城へ向かう。しかし、幸か不幸か既に戦闘は尾張を継げていた。室津城内は先ほどまで婚礼の儀が行われたいた名残と無残な戦闘の帰結が不釣り合いに残されていた。官兵衛はおたつの名を叫び辺りを探し回る。

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軍師官兵衛あらすじ第3話上巻「命の使い道」

「おたつ!!おたつ!!官兵衛だ!何処だ!!」



官兵衛は必死に辺りを探し回るが、既に辺りは人の、生きている人の、気配はなかった。しかし、小さな納屋の前で官兵衛はふと立ち止まる。外から場違いな白い着物が見える。



「おたつ!!官兵衛だ!!!」



おたつはまだ辛うじて息があった。うわ言のように何事かを官兵衛に告げようとしている。官兵衛はおたつを抱きかかえながらその言葉を聞きとろうとする。



「官兵衛様・・・」

「おたつ・・・姫路へ帰ろう・・・!」



おたつは官兵衛の名を呼ぶとこと切れるのであった。




場所は移り御着城。
赤松勢に何か動きがある可能性は考えていたが、まさかこれ程迅速に動くとは想定を超えていた。



「そうか・・・それは災難であったな・・・」

「はい、我らが駆け付けた時には既に・・・」



職隆は主君政職に事の顛末を報告する。



「恐れながら申し上げます!今こそ赤松を討つべきかと!」

「官兵衛!控えよ!」

「良いではないか職隆・・・続けよ!官兵衛」



官兵衛は父職隆が止めるのも聞かずに、赤松との合戦を主張する。重臣の小河・江田などはそもそも、赤松との早急な戦を止めていたのは官兵衛ではないかと話すが、官兵衛はもっともらしい理由を付けて出陣を促す。




政職は「考える」というと評定はお開きとなる。浦上が落ちた以上、赤松を挟む事はもう出来ない。官兵衛の言う「赤松攻め」は危険が大きいと言える。




官兵衛は荒れた。




憎しみをぶつけるように、刀を振るい続けた。武兵衛と善助はそんな官兵衛の様子を心配する。




官兵衛の叔父休夢は小寺が動かないのであれば黒田家単独での弔い合戦もと言うが、重隆に止められる。



「職隆も辛いのじゃ・・・」

「そして官兵衛が一番辛いかもしれぬ」



職隆は主君政職に碁盤を囲みながらある提案をしていた。



「鉄砲??」

「はい。赤松も購入しているようです」

「分かった!そちに任せる」

「有難き幸せ!その役目を官兵衛にお任せ頂けませぬか?」






「・・・よかろう!(囲碁は)これでどうじゃ!」

「・・・参りました・・・!殿には叶いませぬ・・・!」

「ははは!そうじゃろう?ささ、もう一番じゃ!」



職隆はさっそく官兵衛に「堺行き」の命を伝える。官兵衛は自分は近習としての役割があると反論するが、これは殿(政職)の命令である事、そして、その「近習」としての務めも十分に果たせてはいないのではないかと問われる。つい先日も、「実の姉でなくて良かったな?」と櫛橋左京進に皮肉を言われ、殴りかかろうとしていた。



怒りはまた喜ぶべく
憤りはまた悦ぶべきも
亡国はまた存在すべからず
死者はまた生くべからず



君主、将軍は、一時の怒りにまかせて戦争を始めてはいけない。職隆は今の官兵衛は黒田家の恥であると言う。




姫路に戻った官兵衛の元に祖父の重隆が訪ねてくる。




重隆はおたつが嫁に行く前に自分(おたつ)は官兵衛を慕っていた事を伝えに来たのだ。それを重隆に伝えると「胸の閊えが取れた」と笑い嫁に行ったのだ。




官兵衛は赤松と合戦に挑みたい旨を改めて重隆にも話す。官兵衛はもっともらしい理由、「義」や「武士の面目」を主張するが、本音はおたつの仇討である。



「おたつがそれを望むと思うか?今のお前はでは勝てない」

「勝てないなら、武士らしく討死します」

「たわけ!命をそまつにするな!」



官兵衛が討死辞さずと言うと初めて重隆は官兵衛を叱る。そして、官兵衛の見ている世界はまだまだ小さい。もっと世の中を知るように諭す。



「命は使い道じゃ」



重隆は官兵衛にそれを伝えた後暫く後にこの世を去る。

軍師官兵衛あらすじ第3話中巻「稲葉山陥落」

その頃、尾張の織田信長は美濃斎藤龍興を攻めあぐねていた。




昨年、永禄6年(1563年)の戦では竹中半兵衛の活躍で織田軍は一敗地に塗れる結果となっていた。しかし、その美濃稲葉山城で「異変」が起きていた。



「稲葉山が落ちた?」



永禄7年(1564年)、竹中半兵衛は弟の病の見舞いと称してわずか17名で稲葉山城へ登城すると、そのまま、城を乗っ取ったのだ。斎藤龍興は命からがら、稲葉山城を退去した。




信長は配下の木下藤吉郎秀吉に、



「美濃半国安堵を条件に織田へ下る」



ように交渉を命じる。妻であり、また父を龍興の父義龍に殺されたお濃は仇討の機会と言うが・・・。



「仇討などくだらぬ」



信長はそのような事には関心が無いようであった。そして、稲葉山城を乗っ取った竹中半兵衛とやらが美濃半国を条件に織田に下ればそれでよし、
しかし・・・。



「義に拘り城を開けねば・・・」

「尚、面白い!」



この戦国乱世、義理も人情もない世界で「義に生きる」ような男なら面白いと。




信長は「先」を見据えていた。




結局、竹中半兵衛は城をあっさりと斎藤龍興に返却する。酒色に溺れる斎藤龍興への諫言が目的であったようだ。




信長は竹中半兵衛という男に興味を持つ。

軍師官兵衛あらすじ第3話下巻「摂津浪人荒木村重」

「では、父上、母上行って参ります」



官兵衛は職隆と職隆が後添えに迎えたぬい(官兵衛の義母)に挨拶を済ますと、一路堺へと向かう。共は武兵衛と善助である。




道中、饅頭屋の前で「買うか買わぬか」という事で言い争う武兵衛と善助を見て、久しぶりに官兵衛が笑う。



「饅頭をくれ!」

「へい!有難うございやす!」

「お前達も食べろ!」



おたつが亡くなって以来、笑顔のなかった官兵衛に久しぶり笑ったのを見て二人は顔を見合わせる。



「笑いましたな・・・」

「やはり、旅は良いです・・・!」



3人は饅頭を食べながら一路、境を目指すが、突然。



「おっと待った!その命より大事な路銀を置いてきな!」

「野盗か・・・」



三人は囲まれていた。そして、野盗の頭目はどうやら先ほどの饅頭屋のようだ。饅頭を売りながら、金のありそうな旅人を物色し襲っていたのだ。
多勢に無勢だが・・・。



「イテ!」

「なんじゃ!人の昼寝をじゃましおって?ん?野盗か?」



武兵衛が躓いたのは1人の男が昼寝をしていたのだ。小汚い男が立ち上がる。



「相手になるぞ?」

「構わねぇ!やっちまえ!」



圧倒的な力量で夜盗たちを追い払ってしまう!



「ち、ちきしょー!退け!覚えていやがれ!」



夜盗たちは一目散に逃げていく。男は豪快に笑う。




男は摂津浪人荒木村重と名乗る。




村重と官兵衛達は村重が寝床にしている寂れたあばら家へ通される。堺へと向かうという官兵衛達に驚きの情報を教える。



「公方様が松永久秀と三好三人衆に討たれた」

「なんと!?」



村重は永禄8年(1565年)5月、足利義輝が討たれたこと、さらに、その「松永久秀と三好三人衆」もその後に離反し畿内全域が戦場になっていると話す。



「義輝公は武芸に秀でたお方であったが・・・」

「個人の武芸ではいかんともし難いな」



三人は村重が畿内情勢に詳しい事に驚き、なぜそこまで事情通なのかを尋ねる。



「儂は諸国を巡り情報を集めている」

「・・・何故・・・?」

「それは・・・いずれは一国一城の主になるため!」



村重は戦国時代の先駆けと言われる北条早雲や商人から身を起こし美濃一国の主となった「美濃の蝮」こと斎藤道三のように自分も一旗揚げるとのだと話す。




村重は堺までの道案内を勝って出る。官兵衛は村重と共に堺へと向かう事にする。諸国を流浪しているだけあって村重は堺についても詳しい。道すがら家を失った民や何処かへ落ち延びる村人と遭遇するが、村重によれば、堺だけは平和を保っているという。




堺は有力商人が「会合衆」と言われる合議を設け、自治を行っているという。金の前には武士も商人も農民も浪人も平等。その財力には諸国の有力大名も一目置いている。



「今井宗久殿に用がある!」



堺の町の門で要件を告げ中へ入る。



「おお!南蛮人じゃ・・・!」



武兵衛は見慣れぬ南蛮人の姿に興奮する。堺は戦乱にさらされた道中とはうって変わり賑わっていた。村重の案内で今井宗久の屋敷の前へやってくる。



「では、儂はここで失礼するが・・・」

「はい!ありがとうございました!」

「ところで官兵衛殿・・・実はな路銀が尽きておる」

「何をおっしゃるのです!御礼をしようと思っていました!」

「おお!そうか・・・!」

「武兵衛!」



官兵衛は武兵衛から銭をもらうと、村重へ渡す。その額は村重の想像よりも遥かに多かった。破顔一笑喜ぶ村重!渋い表情は武兵衛と善助・・・!



「おお!すまない!」

「次に会う時は城持大名になっておる!何倍にして返すぞ!」



荒木村重。
官兵衛とは縁浅からぬ相手との出会いであった。




官兵衛は今井宗久邸で鉄砲の購入を打診する。有力商人だけに一見お断りと言われる事もあり得るとお考えていたが杞憂であった。銭の前では平等と鉄砲を持って来てくれる。今井宗久は先日もさる大名の家臣が大量の鉄砲を買い付けていったと話してくれる。



「尾張織田様の御家来木下藤吉郎秀吉様」



秀吉は堺の賑わいが鉄砲を始めとする戦の武器によって成り立っている事を皮肉な事と言っていたが、今井宗久はそれは違うと言う。



「お武家様には分からないかと思いますが・・・」

「これは我々商人にとって戦でございます」



鉄砲を買い付けると堺を散策する官兵衛。官兵衛は美しい讃美歌に惹かれて教会に入っていた。そこではルイス・フロイスが民にゼウスの教えを異国の言葉で語っていた。



「ゼウスの前では皆平等」



日本人の宣教師が通訳した言葉に官兵衛は耳を傾ける。




世界は広い。




官兵衛は改めて感じるのであった。




軍師官兵衛の感想3話「命の使い道」

>軍師官兵衛の感想第3話です。出会いと別れ。おたつが3話でお役御免となってしまいます。重隆が婚礼前に重隆に語っていた「官兵衛様をお慕いしていた」という告白。気持ち分かります・・・。誰かに知っておいて欲しい事ってありますよね。

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その重隆。優しい眼差しで官兵衛を見守ってきた祖父重隆もまたこの世を去ります。官兵衛は幸せだなと思うのは、厳しくも官兵衛に何が必要かを分かってくれる職隆。




そして、優しい眼差しで官兵衛を見守りながらも「大事な事」を教えてくれる祖父と、「若」を心配し続ける武兵衛と善助という家臣。




余談ですけど職隆が政職に囲碁で負ける場面とかね・・・。サラリーマンのもの悲しさと滑稽さがありました・・・!でも、政職も職隆が本当はかなり強いのを「分かって」いるのがまた面白い。

軍師官兵衛の感想3話「情熱について」

「今すぐ赤松を攻めるべき!(キリッ!)」



官兵衛が強硬に「赤松攻め」と主張しています。この時「義」とか「メンツ」とかもっともらしい事を言っていますが、結局は「おたつの復讐」を遂げるため。父職隆は官兵衛を諭すために孫子を引用しています。



怒りはまた喜ぶべく
憤りはまた悦ぶべきも
亡国はまた存在すべからず
死者はまた生くべからず



ようは、君主たるもの感情に任せて戦争を行ってならず、そして、怒りに任せて戦争をしても死者は生き返らない。




孫子(孫武)は紀元前500年位、中国では「春秋時代」の人物です。孫子が官兵衛が生きた戦国時代はおろか今も読まれているのはそれが「今も通じる」もの多々あるからですね。



「流石は孫子!」



と、いうのはあまりにおめでたいと思います。これは非常に悲しむべき事だと思います。




孫子の時代から2000年を経た官兵衛の生きた戦国時代、さらに500年を経た現代。2500年間我々人類は進歩していないという事ですねぇ。




何故か?




残念ながら、人間は「感情」の生物なんだと思います。




皮肉な事に「理」や「利」はあまり人を動かさない。つねに人間を動かすのは「情」なんだと思います。




まあ、偉そうに語っていますが・・・。




私も人の子。




感情で決断し、論理で正当化するような事をしたことは一度や二度ではないし、また「情」に流された事も多々。




そして、それが「嫌」になると・・・。




世捨て人(事実上)になるしかないんですよね。




私はやはり、平重盛のようになりたひ・・・。

軍師官兵衛の感想3話「銭の使い道」

軍師官兵衛第3話の題は「命の使い道」ですね。しかし、裏テーマとでも申しましょうか?「銭の使い物」だと思います。




道案内を終えた荒木村重から「路銀が・・・」と頼まれた官兵衛は、路銀として、村重が想像をしていたよりも「多くの銭」を渡しています。




これこそ、官兵衛が「商人出身」だからこそ。




遺伝なのかな?




官兵衛は村重の「想像」を超えた事で貸した銭は「生きた銭」になっています。




ここで、ケチるとどうなるか?




銭を出して嫌われるという投資効率が最悪な事になる訳です。




このような話を見るといつも思うのが「田中角栄と福田赳夫」のお話。




自民党の派閥政治全盛期。派閥の領袖は「自派の議員の面倒を見る」のが当たり前です。田中角栄は「金を無心に来た」議員に言われた額の倍を何も言わずにポンッと渡したそうです。一方の福田赳夫さんは何故、その金額が必要なのかをヒアリング(流石元大蔵官僚w)して「必ず値切った」そうな。




田中角栄は幼い頃貧しく母と共に親戚に借金をお願いしていたそうです。親戚は「渋々」金を貸してくれるのですが、角栄少年は銭を貸してくれた親戚に感謝をする事はなかった。親戚だって決してお金持ちではない。嫌味の一つや二つ言われたんだと思います。




親戚たちは自分の資産を使って「恨み」を買っている。




長じた角栄青年は気が付いた言います。




こればっかりは、東大出で「論理先行」方には理解出来なかったでしょうね。



「人は感情で動く」



そんな事を感じる軍師官兵衛の第3話でございました。




さて、以上、軍師官兵衛のあらすじと感想第3話「命の使い道」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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