いだてんの感想第37話「最後の晩餐」。巨星墜つ。第1話からいだてんを引っ張ってくれた嘉納治五郎先生が亡くなりました。平沢和重にオリンピックの夢を語る姿に涙が止まらなかった・・・。一つの時代の終焉。大河ドラマいだてんの感想第37話!
いだてんの感想第37話「矛盾」
1937年7月7日盧溝橋事件勃発。これまでは「事変」つまり「戦争ではない」として来ましたがついに本格的な「戦争」に突入。矛盾に気付きながらも嘉納治五郎先生は前に進もうとするが。
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河野一郎吠える
河野一郎が「オリンピック反対」であったのは良く知られております。したり顔で国会質問する河野の姿に腹が立ちました。
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いだてん金栗四三も同じ気持ちだったようですね。朝日新聞に怒鳴り込んでいました。
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しかし・・・。
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田畑政治は気付いてしまっている。
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「全部河野の言う通り!」
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戦時下でのオリンピック。
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何かの冗談ですか?
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一方で大陸へ出征していく若者がいて、一方で運動している若者がいる。これで「精神総動員」とは片腹痛いと。
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この時の河野一郎の内心は測りかねますが・・・。
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いだてんの河野一郎は「政治とスポーツは別」という田畑政治がその約束を果たせないなら、オリンピックを潰すみたいな感じですが実際はどうだったのかな?
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私はオリンピックが汚れる位ならというよりも「軍事優先!」という当時のスタンダードな熱情から発した行動だったように思います。
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この河野一郎が1964年の東京オリンピック実現に向けて担当大臣として活躍するのはなんとも皮肉な運命とも感じます。
聖火リレー
聖火リレーの矛盾について。
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金栗四三が朝日新聞に乗り込んで河野一郎を出せと迫る場面。
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四三としては共に箱根の山を走った河野には裏切られたという想いがあったのでしょうね。
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田畑政治は河野の指摘する「矛盾」は正しいと苦しい胸の内を吐露します。
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「ユーラシア大陸の地図をみて聖火リレーと日中戦争の記事を書いている」
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というのはその象徴なんでしょうね。
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実は、この話は一定程度まで「史実」なんですよね。
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陸軍の歓心を買うために、聖火リレーを利用して大陸の地理を把握してはという提案があったそうです。もっとも、オリンピックは返上され、また陸軍としても「やるなら付き合う」程度の歓心しか示さなかったそうですが。
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そして、もう一つ。
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田畑政治の務める東京朝日新聞の記事には、
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皇紀2600年にあたり東京で開催されるオリンピック大会に、皇祖発祥の地たる宮崎から東京までの1500キロの聖火大距離リレーを・・・
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と、いうまさにオリンピック精神とはかけ離れた記事が躍り、各都道府県は「我こそが聖火リレーの起点なり」と誘致運動も盛り上がったとか。
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田畑政治はいったいどんな気分で自社の新聞を読んだ事でしょうね。
いだてんの感想第37話「師弟対決」
あくまで、東京オリンピック招致を目指す嘉納治五郎先生。しかし、田畑政治や副島道正・・・嘉納治五郎の「愛弟子」達の想いは離れるばかり。嘉納治五郎と田畑政治、副島道正の対立は見ていられなかった。
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オリンピックに失礼だ
「今の日本はあんたが世界に見せたい日本の姿か?」
「オリンピックに失礼だ!!」
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田畑政治のこの言葉にね。
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嘉納治五郎先生が気付かないワケがない。
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それでも、嘉納治五郎はやるしかないと折れない。
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この機会(皇紀2600年)を「千載一遇の好機」と捉えたんでしょうね。
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オリンピックまであと3年ある。その間に必ず状況を打破できると。
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あと、やっぱり自身の老いも影響があったのかな。1940年東京オリンピック開催を人生の終着点に決めてしまっていたと思う。
副島道正
嘉納治五郎が育てた愛弟子は田畑政治だけではない。副島道正もまた嘉納治五郎の愛弟子であり、オリンピック精神を持つ素晴らしいIOC委員だと思います。
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突っ走る嘉納治五郎を制止する事が出来ないと判断した副島道正は独断で東京オリンピック返上へ向けて動く。
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しかし、それは副島道正にとっては決して、
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「後ろ向き」
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な事ではないのですよね。彼は未来を、次の機会を見つめている。
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副島道正と大久保利通(翔ぶが如くのね)が被る。
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嘉納治五郎を裏切ったのではない。嘉納治五郎の教えに、オリンピック精神に忠実でなければならない。そして、裏切り者、恩知らずと謗られようと断固やり遂げる。
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それこそ恩返しであり、嘉納治五郎の名誉の為に必要な事だと決意をしているように思いました。
いだてんの感想第37話「巨星墜つ」
「愛弟子」である田畑政治とも「東京招致成功」の立役者でもある副島道正とも決別し、単身IOCカイロ総会へと挑む嘉納治五郎先生。かつて、対立を超えて東京を支持した中華民国IOC委員王正廷は勿論、他のIOC委員からも厳しい、いや、「当然」の指摘を受ける嘉納治五郎先生。見ているのがツライ。
戦わずして勝つ
田畑政治は嘉納治五郎先生がカイロへと旅立つ前に袂を分かっておりましたが、田畑の内心は嘉納治五郎が如何にオリンピックへの想いが強くても流石に難しいだろうと考えていたでしょう。
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日中戦争、満州国の参加問題、決まらない競技場選手村、IOCからの、
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「いったいどうなっている?」
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という突き上げになんの答えもない。いわば、展望もなく徒手空拳でカイロ総会へ挑んだのですから。
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「ジゴロー・カノーを信じて欲しい」
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伝家の宝刀だ・・・。
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皆に愛され信頼された嘉納治五郎。
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この絶望的状況下であってもこの男ならなんとかしてくれるのではないかという期待を抱かせるんでしょうね。結局、オリンピック開催を確定させてしまった。
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正直、これは結局「義理人情で」東京開催を再度決議したのかな・・・?と思っていたんですよね。だって、流石に徒手空拳でとてもじゃないけど東京開催は難しいけど、嘉納治五郎は行くところまで行かないと納得しないだろうと・・・。
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しかし、ラトゥールの表情を見た時にそれは誤りだと思いました。
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「ジゴロ-・カノーならなんとかする」
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と信じ切っていた。
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これってちょっと悲劇的でもあると思うんですよね。嘉納治五郎は既にIOC委員の中では神格化されてしまっている。
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この時の嘉納治五郎と少し重なるなと感じているのが山本五十六連合艦隊司令長官。
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山本五十六の存在感は日本は勿論、米帝でもその名を轟かせております。
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正直、山本五十六がブーゲンビル島上空で戦死(1943年4月18日)した時には既に日本海軍は守勢ではあったのですが・・・。
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山本五十六が存命中は不思議と「なんとかなる気がしていた」と当時の多くの海軍将校が語っています。翻せば、戦死の瞬間に目が醒めたような感覚に陥ったと。
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影響力の大きな人の宿命なのかな。羨ましいような怖いような。
人生で一番面白かったこと
氷川丸での平沢和重との間であった、
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「人生で一番面白かった話をしよう」
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というのは本当にあった事なんですね。
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帰国の途につく氷川丸の船内で、#嘉納治五郎 が「人生で一番面白かったことについて語ろうじゃないか」と皆に呼びかけたことは実際のエピソード。#平沢和重 はこの日のやりとりを手記に残しています。#いだてん#役所広司 #星野源 pic.twitter.com/XwlAZa3Hcx
— 大河ドラマ「いだてん」 (@nhk_td_idaten) 2019年9月30日
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嘉納治五郎先生は変わっていなかった。
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自分の人生で一番面白かったこと。
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羽田のストックホルム予選、二人の選手で参加したストックホルムオリンピック、田畑の競泳が活躍したロス五輪。
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面白い想い出は全部オリンピック。
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皆が面白いオリンピックを東京でやる。
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各国の国旗が飾られたケーキを嬉しそうに眺めながら、東京オリンピックに想いを馳せる嘉納先生を見て涙。
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嘉納先生には、
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「やるんだよ(ぐふふw)」
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って笑う姿が一番似合っている。
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そして。
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ミスターオリンピック嘉納治五郎先生永眠。
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涙・涙・涙だったけど。
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でもね。
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やっぱりね。
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良かったよ。
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嘉納治五郎先生にあんな戦争は見て欲しくない。
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以上、いだてんの感想第37話「最後の晩餐」でございます。

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今宵は此処までに致します。
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