翔ぶが如くのあらすじと感想第40話「西郷、野に下る」。右大臣岩倉が病気を理由に辞職、そして三条公もまた「遣韓大使問題」における心労が祟り意識不明の重篤な状況に陥る。一方、これを「最後の好機」と考えた伊藤博文。大久保に参議への復帰を頼みこむのだが・・・?翔ぶが如くのあらすじと感想第40話

翔ぶが如くのあらすじ第40話「西郷、野に下る」

明治6年(1873年)10月18日。
伊藤博文は病の木戸孝允と共に参議を辞職した大久保邸へと馬車を走らせていた。



「木戸さん!これは天祐でございますな!」

「・・・伊藤君ゴホ!人の不幸を天祐等と言うものではない・・・ゴホ・・・」



廟議決定は為されてはいるのだが、太政大臣の三条公が意識不明となった今、帝に「勅許」を得る事が出来ないのだ。

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翔ぶが如くのあらすじ第40話上巻「天祐」

「これは、お二方お揃いで・・・」

「大久保さん!これは天祐ですぞ!!」



大久保邸で伊藤博文は嬉しさが押さえきれないという雰囲気である。大久保は三条公が意識不明の重体という事をこの時初めて知った。



「・・・しかし、三条公が病と言っても既に廟議決定は成されている」

「そして、私は既に辞表を提出しておる」



「大久保さん!辞表はまだ受理されいません!」



伊藤は確かに「廟議決定」は成されているが、少なくとも、「勅許」が得るまでの時間稼ぎ、策を練る時間があると力説する。この情報は西郷派の参議にはまだ届いていないのだ。



「大久保君・・・僕が病気を押して此処へ来た」

「それはこの難局を乗り切れるのは君しかいないからだ」

「日本国の為に力を貸してくれ・・・頼む」



木戸は大久保に頭を下げる。




一方暫し遅れて太政官へ登庁しようとしていた西郷の元にも弟小兵衛から三条公が病の報が届く。桐野はそんな物は仮病に決まっていると笑う。




半次郎は「仮病」を疑ったが三条公は本当に病であった。伊藤は三条公の病状を確認すると、次の策に奔走する。




その日、矢崎八郎太が西郷邸を訪ねて来る。川路から言われている近衛将校の動静を千絵から聞き出すためだ。
しかし。



「千絵さぁは留守じゃっとん」



声をかけて来たのは桐野である。



「これは桐野さん!桐野さん達はいず玄界灘を超えるのですが?」

「・・・そげな事を聞いてどうする?」

「その時は是非とも僕も参加したいのです!」



大河姫

義信・・・。演技が下手過ぎる・・・もうバレとるで。




矢崎は自分も今の政府には憤りを感じており、それを糾せるのは西郷と桐野達近衛兵しかいないと熱弁を振るう。



「そうか・・・なら仕事を頼んでよかか?」

「はい!」

「大久保の動きから目を離すな・・・何か動きがあればおいに知らせろ」

「分かりました!」



いそいそと出て行く矢崎の後ろ姿を胡散臭そうに眺める桐野。桐野は矢崎をポリス隊の密偵だと踏んでいた。桐野の意を受けた私服の篠原が後をつけている事に矢崎は気が付いていない。程なく、矢崎が密偵である事は近衛兵の知る事になる。



「斬るか?」

「いや、斬るのは何時でも出来る。しばらくは泳がしておこう」



密偵である事が露見した事に気付かない矢崎は五郎八と千草の元を訪ねる。仕事が上手くいっていると思っている矢崎は「前祝い」と言って酒を買って来ていた。



「おい!まだあの川路とか言う大警視の仕事をしているのか?」

「いや・・・まあ・・・」

「いい加減足を洗え!」

「いや!僕は出世して千絵さんを二頭立ての馬車に乗せるんだ!」

「馬鹿野郎!長屋暮しでも満足する女だっているんだ!」

「僕は千絵さんにこんな暮らしはさせたくない!」

「なんだと!?もう一遍言ってみやがれ!」



その時。



「只今!・・・あれ八郎太さん?お前さん何か‥?」



矢崎は失礼しますと言うと長屋を出て行く。


「千草!塩をまいときな!」



大河姫

堤真一は青臭くて思慮が浅い役が上手い・・・。義信もそうだったな・・・。

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翔ぶが如くのあらすじ第40話中巻「反撃」

翌日。大久保邸に吉井友実(幸輔)、そして従道がやって来る。吉井友実は維新後に宮内少輔となっている。従道は吉井がいる事に驚く。



「吉井さぁ!いったいどげんなされたでございもすか?」

「おお!信吾どん!吉之助さぁを救わなにゃならん!」



大久保は覚悟を決めていた。宮内少輔の吉井を呼んだのはその為だった。



「三条公ご発病の今、今一度岩倉公に出てい頂く」



しかし、「廟議での裏切り」を知る従道は難色を示す。



「あんお方はもう頼りにはならんのではないでしょうか」



「いや・・・あのお方を置いて他にはいない」

「まず、あんお人のお立場をお救いしなければならない」

「その為に宮内少輔の吉井さぁに協力を頂く」



大久保にはこの事態を打開する策があった。吉井と従道と面会の後、大久保は伊藤博文と共に岩倉邸を訪れる。伊藤は熱心に岩倉を口説く。



「岩倉様!ここは岩倉様に三条公の代理を務めて頂く他ありません!」



「問題は西郷やな・・・西郷が自説を引っ込めれば済む話や」

「伊藤・・・儂の処へ来る前に命懸けで西郷を説得してみぃ」

「西郷とて鬼ではあるまい?」



「いやいや岩倉様・・・西郷参議はもう鬼というか不動明王の様相です・・・」



「と!言う事は・・・儂は病気やなぁ・・・ああ、頭が痛い・・・熱がある」



「岩倉様・・・!」



全く病気に見えない岩倉は芝居がかった発言をしてはぐらかす。



「岩倉様はこのまま座して死を待つおつもりですか!?」

「アホ!!儂は死にたくないんじゃ!」



ここで岩倉邸に来て初めて大久保が口を開く。



「国が死んでなんの右大臣でしょうか?」



先日の「裏切り」の件もありやや気まずそうに大久保を見つめる岩倉。伊藤は、全ての手筈は整っておりこちらの言う通りに動くだけだと畳み掛ける。



「それでもお引き受け頂けない場合には・・・」

「岩倉公は大不忠の朝臣であったと末代まで語り継がれるよう工作に動くまで」



大久保の脅しである。



「はは!はははは!大久保!こら!待たんかいなぁ・・・」

「その昔より其方を頼りにしている事はよう知っておろうに・・・」

「分かった!大久保に勝算有というのなら間違いないやろ!」

「で、なんぞ奥の手はあるんか・・・?」



「無論のこと」



「ははは!流石大久保やのぉ」

「なんでも言うてや・・・こないなったらなんでもするわぁ・・・」



奥の手とは宮内少輔の吉井を「勅使」として、岩倉に勅語を賜る事であった。岩倉は三条公代理の太政大臣に就任する。




西郷邸には江藤新平がその知らせを持ってやって来る。また、大久保の暗躍についても伝える。



「ほう・・・それは岩倉公には力強いお味方でございますな」

「しかし!廟議決定は廟議決定じゃ」



江藤はこの知らせを板垣にも伝えること、また、明日は西郷と板垣、そして自分も岩倉邸へ押しかける事を決める。




大久保が動いている以上「何か」ある。小兵衛と桐野は先行きを案じる。



「明日はお達近衛兵も太政官と三条邸を囲みます」

「おお!それは良い」



小兵衛が同調するが・・・。



「そいはならん!!」



桐野は西郷の大きな声に驚く。



「半次郎・・・おいは陸軍大将じゃ」

「はい!分かっておりもす」

「一兵でも勝手に兵を動かせばおまえを反逆の将とする」

「わ、わかりもした」



西郷は半次郎に釘を刺す。



「一蔵どんが腰を上げたか・・・流石機は逃さん」

「昔から朝廷工作において一蔵どんの右に出るもんはおらん」



西郷は「遣韓大使問題」に暗雲が垂れ込めているにも関わらず、どことなく嬉しそうな様子である。




桐野と小兵衛はその様子を不思議そうに見つめていた。




明治6年(1873年)10月22日。




西郷と板垣と江藤、そして桐野の三人は岩倉邸で岩倉と面会する。西郷と桐野は陸軍の軍服姿、そして桐野は帯刀している。岩倉は烏帽子と狩衣姿である。




西郷は三条公の発病に関してはお気の毒の限りと同情を寄せるが。遣韓大使の件は明日にでも奏上するようにと念を押す。
また、江藤は、



「岩倉公におかれては御病気」



であったと言うと、参議の誰かを代理にして奏上してはと皮肉っぽく提案する。



「それは出来ぬ!」



岩倉は「遣韓大使」のような国家の大事を参議に代行させるのは畏れ多いと反論。そして、岩倉自身が奏上し、帝に御神断を仰ぐと言う。西郷はそれは大変結構であると頷くが・・・。
しかし。



「その際、三条公の意見は意見として、儂の意見も奏上する!」



その発言に江藤が激昂する。



「代理とは本人を代理するのです!代理が自分の意見を言う等許されません!!」

「我らが幕府を倒したのは道理が通る国家を創るため!代理は代理らしくなされよ!!」



岩倉も負けてはいない。



「・・・これ江藤・・・儂は帝の御信任を得て代理になったんや・・・!」

「三条さんに頼まれた訳ではないので三条さんの意見を代理する義務はないのじゃ!」



「それは暴論でござろう!」



江藤は岩倉のやっている事は帝を「専制君主」としており、新政府の立て付けはそうではないと批判する。西郷は憤怒の形相で黙して語らない。



「なんとでも言え!」



岩倉は立ち上がり江藤に怒鳴る。



「この岩倉具視の両眼の黒いうちはそち達勝手な事はさせん!」



桐野は我慢ならぬと刀に手をかけたその時。




西郷が立ち上がる。




一同に緊張が奔る。




西郷は何も言わずに踵を帰して部屋を出て行く。
江藤は、



「お話しにならない」



というと西郷に続く。板垣は驚き西郷を止めようと追いかける。




部屋には岩倉と帯刀している桐野が残る。桐野は刀に手をかけ岩倉に近づく・・・!



「今日は見逃す!じゃっとんいつかおいはそん首を刎ねる!」



「勝手にせい!!」

「そないなもんが怖くて一国の大臣は務まらんわい!」

「このアホ!!!!」



岩倉は桐野が出て行くと緊張が解けたのかその場に座り込む。
身体中から嫌な汗が噴き出ていた・・・。



「右大臣岩倉具視!よう気張りやったな!」



大河姫

私もそう思います!岩倉様よく頑張りました・・・!!イヨッ!太政大臣!




西郷は板垣達にそう告げると少し笑う。板垣達は西郷の気持ちが分からず戸惑ったようは表情を見せる。

翔ぶが如くのあらすじ第40話下巻「決着、そして」

岩倉邸での会談のすぐ後、その日のうちの西郷は辞表を提出した。




10月23日大久保邸。



「西郷が下野したら、また世間が騒ぐ・・・どないするんや?」



岩倉は西郷がいなくなった後の事を心配する。大久保は辞表は「参議」のみとして陸軍大将としてこの東京に留まらせると話す。



「西郷に軍を預けて大丈夫か?」



岩倉は不安を口にするが、大久保は逆だと言う。もはや西郷を置いて「軍・不平士族」を抑えられる人物はいない。



「西郷が陸軍大将としてこの東京にでんと構えてくれれば政府も安泰」



そして、西郷はその事をよく分かっていると話す。




その頃、西郷は猟へ行く格好では熊吉を連れて出掛ける処であった。



「御前様どちらへ・・・?」

「千絵さぁ、ちょっと猟へ行くが少々今回は長くなりそうじゃ」



西郷はこれから色々な人間が訪ねて何処へ行ったのか訪ねて来て騒がしくなるかもしれないので、何も言わないで欲しいと伝えると出かけて行く。




その後、入れ替わるように矢崎が西郷邸を訪ねて来る。矢崎は千絵に西郷の居場所を尋ねる。



「私は存じません・・・」

「決して他言はいたさぬ故教えて頂けませんか?」

「でも・・・本当に知らないのです・・・」

「そうですか・・・では!どのような恰好で誰と一緒でしたか?」

「熊吉さんと・・・猟へ行く感じで」



その時。



「千絵さぁ!そん男は政府の密偵でございもす」



桐野が声をかける。



「・・・ち、千絵さん違うんだ・・・此れには深い訳が」



「酷い!私は兎も角、御前様を騙すなんて!」

「もうお会いする事はありません!」



「千絵さぁに免じて命だけは助ける」

「もう二度と此処へは来るな」



矢崎は茫然とする。千絵は一人矢崎の裏切りに涙を流す。




西郷の辞職で板垣はすぐに自身も下野を決断。西郷・板垣が下野した以上、江藤も下野せざる得ない。江藤の同郷の大隈は「征韓論論争」に入り込み過ぎた事が失敗だったとなと言うと、暫くは大人しくしているようにと慰めていた。




大久保邸には伊藤が訪ねて来ていた。



「これで西郷参議達の辞表が全て揃いました!」

「この機に一歩も二歩も前へ進める良い機会です!」

「まずは大久保卿のご意見をと思いまして・・・!」



伊藤は意気揚々としているが、大久保は硯の前に腕組みし考えこんでいた。




そこへ大久保の書生である上林が西郷の来訪を知らせる。



「え!?では私は席を外した方が・・・いやその方が良いに決まってます!」



伊藤が驚きしどろもどろになっていると、西郷が入ってくる。



「おお!吉之助さぁ!その恰好は・・・釣りごわしたか?」

「いやぁ・・・はは!」



伊藤はそそくさと部屋を出て、隣で待つ事にする。西郷は大久保の前に笑いながら座る。



「おいは国に帰る事にしもした」



「吉之助さぁ・・・!そいはなりもはん!!!」



大久保は西郷の言葉に信じられないという表情で目をむく。



「吉之助さぁはいっつもそうじゃ・・・!」

「ないごておいだけが後始末をせなならんとな!」



「そいは・・・おはんの方が向いておるちょな・・・」



「今、吉之助さぁが戻ったらどげな事になるかわからんですか!?」



西郷は怒られた子供のような表情をしている。



「おいが此処におっては不平分子が集まって来る」



「その逆でごわす!鹿児島には政府の力も届かんでごわす!」



「心配なか!おいが抑える!」



「そんな事は頼んでなか!おいの側におってたもはんか・・・?」



「そいは出来ん・・・」



「ないごてな・・・」

「なんで今度の事があったか吉之助さぁに分からんはずがなか!」



「わかっちょる・・・」



「なら、帰らんでもよかとな!」



「いや、一蔵どん今度こそおいが東京で出来る事はなんもなか・・・」

「東京には大久保利通がおれば大丈夫じゃ」

「後の事はよろしゅう頼みます」



西郷は頭を下げる。



「もう知らん!!!」

「いつでん、大事な時にお前さんは逃げてしまう!子供より始末が悪か!!!」



「すまん・・・」



西郷はもう一度頭を下げると帰って行く。その様子を隣で聞いていた伊藤は気まずそうに西郷が帰ると部屋に入る。



「西郷さんへの今の御言葉は一寸酷過ぎるのではと思いました・・・」

「私もそう思います・・・」



大久保もそんな事は分かっている。
西郷と大久保。
これが最後の会話となるとは本人たちも想像していなかっただろう。




桐野達近衛兵も西郷に従い帰国の準備に入る。桐野は西郷から預かった当座の資金を千絵に渡し、また、近衛兵が駐留していた芦名家の母屋も仕えるようになっているという。



「千絵さぁ!達者でな・・・!」



一方、従道は東京へ残る事になる。
兄隆盛から、



「東京に残って一蔵どんを助けよ」



そう命じられていた。



「小兵衛!兄さぁの事を頼む!」



鹿児島へと戻る小兵衛に兄を託す。そして、従道は大久保に西郷の言葉を伝えに来ていた。



「兄は無用ものが政府の要人になったら良か道を塞ぐと申しておりました」



「あんお人は本気で正義が通ると思っておりもした・・・」

「本気で人間の正義という物を信じておりもした・・・」



「はい」



「そいは昔と前々変わらん・・・」

「変わったのは世の中とおい達かもしれん・・・」



従道は後は桐野達に悪い道に引込まれなければと心配する。



「そいは大丈夫じゃ・・・おいは吉之助さぁを信じている」



西郷は本当に「鹿児島」へと帰国する。西郷一家、そして雪篷も西郷の帰国を喜ぶ。



「処で一蔵どんと喧嘩したという話を小耳に挟んだが・・・?(笑)」

「ははは・・・まぁ・・・そげな処でございもす・・・(苦笑)」

「まあ、良か!こまんか時からの友達じゃ!喧嘩しなくなったら終りじゃからな!」



糸は「夫が本当に自分の元へ帰ってきた」と感じるのであった。

翔ぶが如くの感想40話「西郷、野に下る」

翔ぶが如くの感想第40話「西郷、野に下る」です。西郷と大久保の関係が如実に現れた話でした。如何に大久保が西郷を慕い頼りにしているか。西郷が大久保を如何に評価しているが。
ただ・・・。
西郷の大久保評は「過大評価」だと感じます。大久保には西郷が必要なんです。そう。大久保には西郷が必要なの・・・。

翔ぶが如くの感想40話「岩倉様と大久保」

岩倉と大久保。この二人はやっぱ良い。




何度も言ってますけど、大久保と岩倉にはある種の「絆」がある。




今回は岩倉と大久保、



「攻守入れ替え」



ての説得工作でしたが・・・。



「分かった!大久保に勝算有というのなら間違いないやろ!」



ってw




どの面下げてと思いつつ、それでも可愛い岩倉様。




ああ、可愛いは正義・・・!

翔ぶが如くの感想40話「西郷の想いと矛盾」

西郷の想い。
前回大久保はあれだけの「激論」西郷と戦わせても尚、西郷の想いを理解していると書きました。




大久保が西郷の想いを一言で現していましたね。



「(西郷は)本気で人間の正義という物を信じていた」



そうなんですよね。西郷は「算盤」・・・つまり「論理」ではなく「想い」を大事にする。




岩倉と二度目の対決になりましたが、



「右大臣岩倉具視!よう気張りやったな!」



過去西郷はこれと反対の言葉を放っています。



「そげな事で右大臣が務まりもすか!?」



岩倉の「本気」を見て西郷は嬉しかったんでしょうね。



ただ、共に(同床異夢とは言え)「遣韓大使問題」を戦ってきた板垣や江藤、そして桐野は不思議だったと思いますが・・・。




「遣韓大使派遣」が正義であるはずならば、それを阻止する動き、しかも一度決まった廟議決定を覆して、をする岩倉は「不正義」であるはず。




江藤がいみじくも語っています。



「我らが幕府を倒したのは道理が通る国家を創るため!」



ああ、江藤は流石「司法卿」です。
パリサイ人みたいだ。




江藤は道理を重んじて、論理で相手を追い詰める。




しかし、西郷は「論理」ではなく、何よりも「正義」いや・・・「純粋な想い」を重んじる。西郷は「純粋な想いに対する共感力」が異常に高い。




これが後々「悲劇」を招く。




大久保はその不安を既に感じていると思います。

翔ぶが如くの感想40話「兄弟」

「子供より始末が悪か!!!」



大久保の叫びに伊藤は、



「今の御言葉は一寸酷過ぎるのではと思いました・・・」



と言っていましたが・・・。それはやはり、「兄」西郷隆盛への甘えだったんではないかと。




そして、西郷もまたそれを分かっている。
しかし、



「機を逃さず」



大逆転をした「弟」大久保の力量を頼もしく思い、もう自分の力は必要ないと感じたのでしょう。




ただ。




得てして「兄」よりも「弟」の方が物事が良く見える事がある。




西郷は鹿児島へ帰ると話す自分に激昂する大久保を不思議そうな表情で見ています。



「西郷の人を引き付ける磁力」



そして、



「純粋な想いにシンクロする西郷の精神」



弟は兄以上に兄の事を理解している。不安がよぎったんだと思います。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第40話「西郷、野に下る」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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