翔ぶが如くのあらすじと感想第31話「決意の門出」。明治3年(1870)12月。大久保は「勅使」岩倉具視を伴い鹿児島入り。久光と西郷に上京を要請。勿論、真の狙いは「西郷上京」である。西郷は了承するが新政府にには「受け入れ難い」条件を突き付ける。翔ぶが如くのあらすじと感想第31話

翔ぶが如くのあらすじ第31話「決意の門出」

明治3年(1868年)12月。大久保は「勅使」岩倉具視を伴い鹿児島へ下向。形の上では「久光と西郷」の上京を促すための調子下向ですが、真の目的は西郷の上京、久光への上京要請は久光への配慮という面が多分である。勿論、保守的である久光が上京などはしないという事も見越しての事である。

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翔ぶが如くのあらすじ第31話上巻「勅使下向」

大久保は普段通りの見事な洋装でやって来た。岩倉は伝統的な烏帽子と狩衣である。鶴丸城へ入った二人を西郷と藩主島津忠義が出迎える。




大久保は元薩摩藩士とは言え今や太政官の役人であり、「勅使」に随行する身分である。当然上座に勅使が座り、西郷と忠義は平伏している。




そこに「国父」島津久光の姿はなない。




岩倉は西郷の姿を見ると破顔して大喜びである。



「西郷か!会いに来たぞ!遥々とな!!」



「勅使様におかれましては遠路はるばる恐悦至極でございます」



「其方を東京へ戻せるなら遠いの近いの言っておれんわ!」

「大久保は1人でも行くと言っておったんじゃが・・・」

「士族は勅使は拝命できん!まあ、儂は刺身のツマじゃけどな・・・!」

「まあ、私が来た以上、久光は兎も角、西郷には東京に来てもらわんとな!な!?」



岩倉の喜びようとは一線を画し、西郷はあくまで冷静である。大久保は立場場は上座ではあるが、岩倉が西郷との再会を喜ぶ間に忠義に頭を下げていた。



「岩倉様・・・そろそろ・・・」



大久保の一言で岩倉も居を正す。忠義は勅使の下向への御礼と「国父」久光が出迎えにこれない件を詫びる。



「久光は病を得ており・・・」

「そうか!病なら仕方ない!くれぐれも養生されるように・・・」

「明日は鶴丸城をご案内致しますので本日はごゆるりとお過ごし下さい」



忠義と西郷は挨拶を済ますとさっさと部屋を出て行ってしまう。




場所は変わって西郷家。



「なら、久光公は仮病か!」

「いくら元家臣とは言え、勅使の随行となれば久光公も大久保さんに頭下げねばならぬ」



海老原は久光の心情を察する。また、大久保が見事な洋装で現れたのも作戦の内ではないかとも言う。久光との対面が気まずいのは大久保も同じである。維新以降、久光は西洋かぶれを嫌う。異人のような姿で久光に目通りが適う訳がない。



「難しい世の中になったの・・・」



西郷は海老原や村田新八のやり取りを聞いてポツリと漏らした。




その夜、大久保は一人西郷家を訪れる。事前に西郷の気持ちを確かめておきたかったのだ。



「一蔵どん!明日会えるのにわざわざ・・・家へもどらんとか?」

「国家の根本が決まらねば、家も何もないものでございもす」

「太政官の問題は信吾から逐一聞いておりもす」



大久保は目下の問題は「藩閥」だという。この藩閥が太政官の政策決定にも悪影響を及ぼしている。そして、今の政府に必要なのはそれを抑える「重し」であると。



「岩倉様もすっかり板についてきてもりもすが・・・」

「兄さぁ!大久保さぁの気持ちはわかっておりもんそ?」



暫し沈黙の後。



「一蔵どん・・・おいが出て行くからには改革派徹底的にやっど?」

「それこそ望む所でございもすが・・・施策はどのように?」

「・・・熟慮中じゃ・・・」



大久保は西郷の返答に満足する。西郷がやる言った以上は必ずやるのだ。その夜は遅い時間に家へ戻ると久々に満寿や子供達と過ごすのであった。




翌日は鶴丸城に勅使岩倉と随行の大久保を上座に、国父久光、そして藩主忠義以下西郷を含めた薩摩藩士が謁見の間に揃う。




久光と西郷の上京要請に対して、久光は自身が病のため代理に藩主忠義と西郷を上京させる事を提案する。
岩倉は上機嫌である。



「病なら致し方ないの!養生をされるように・・・!」

「はは!しかし藩主上京とあれば太政官に建白書がございます」



岩倉の表情が鋭くなる。



「建白書?」

「はい、では西郷吉之助!!」

「はは!謹んで建白申し上げもす」



  • 1つ、政府官員を全て辞職させ優れた者だけを再任用する
  • 1つ、要路の人々は倹約を行い驕りの風あるべからず
  • 1つ、政治は正義なり
  • 1つ、執政高官の人々、策謀を用いるべからず・・・


延々と25箇条に及ぶ意見書を岩倉と大久保はきかされるはめになる。久光は上機嫌であるが、岩倉は苛立ちを隠せない。ようやく意見書の朗読が終わると岩倉は大久保と別室で怒りを滲ませ文句を言う。



「大久保!なんじゃあの意見書は!?」



「・・・建白書でございます」



「同じ事じゃ!あの文句のつけ方は太政官を馬鹿にしておる!」

「儂は延々25箇条の悪口を聞きに鹿児島まで来たのではないわい」



「私も意外でもありました」



「脈があると言うのは其方の見込み違いか?西郷は何を考えている?」



「しかし、あの建白書は悉く我らにも思い当たります」

「あの姿勢こそ太政官の末端まで必要なのかもしれませぬ」



「それにしてもじゃ!一々耳の痛い事を当て擦らんでも良かろうに!」



「思うに・・・西郷は久光公の手前もありあの建白書認めねばなりません」



「儂は勅使ぞ!!!」



「実質は、私のためのお箔付け・・・(笑)」



「大久保!!!」



「西郷には藩を背負っての覚悟もあり、後は我らで条件の確認をするが急務」



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翔ぶが如くのあらすじ第31話中巻「嵐の前」

建白書の件を確かめに大久保は再び西郷と差しで面会する。



「建白書の義が実行されれば吉之助さぁは上京するという事でよろしかでございもすか」

「うん、じゃが全てが飲めもすか?」

「努力あるのみでござもす」

「全てが揃った時においは御親兵を連れて上京致しもす」

「御親兵?」

「大久保どんがおいに上京して欲しいのは力の後ろ盾が欲しかでござもんそ?」

「その通りでござもす!」



西郷は幕府を倒した日本最強の「薩摩兵児」を連れて上京すると言う。さらに、長州藩の木戸にも話を通し、兵を上洛させるように話をする事を提案する。大久保は喜ぶが・・・。



「久光公が受け入れてくれるか・・・」

「御親兵じゃ、場合によってはあのお方に刃を向ける覚悟が必要」



大久保は西郷がそこまで考えていてくれている事に喜ぶ。



「しかし、御親兵は諸刃の剣でござもすな」

「そうじゃ、なのでおいと大久保どんで正しく使わなねばならん」



西郷は大久保の手を取り笑顔を向ける。




大久保は西郷の覚悟を聞いて、さらに一歩政策を進める覚悟を決める。



「藩を無くして県を置く」



版籍奉還により、名目上は帝の元に日本は統一されたものの、実質はまだまだ藩に任せなければならない事が多い。西郷は驚く。大久保の案は理解できるが、もっと先の事だと考えていたのだ。



しかし、これを改めなければ国家の予算も固まらず、国権も守れない。



「確かに坂本龍馬さんはこれこそが万民平等と申しておりもした」

「しかし、久光公には理解不能でございもんそ・・・」



「御親兵はそのための兵と心得ます」

「国家のためには絶対に必要な事でございもす」



「一蔵どん、国家の為にはそれしかなかか・・・」

「分かりもした、じゃっとんおいどんたちの命はなかど」



「吉之助さぁ、おい達はその昔明石の浜で死ぬ命でありました」



「うん。これが最後の御奉公になるじゃろ」

翔ぶが如くのあらすじ第31話下巻「東京へ」

西郷家も正月を迎える。西郷家荷は新年を祝って、大久保、大山格之助、村田新八、有村俊斎、そして信吾が集まっていた。



「吉之助さぁは江戸行きは決意されたんで?」



大山の問いかけに頷く吉之助。



「それはよか!やはり日本国には吉之助さぁにデンと座ってもらわんと!」

「で、いつ??」



「3日には」



一同皆驚くが、ひとたび決めればすぐに行動する吉之助の事は幕末に散々見てきたのだ。これで日本は一安心と皆大喜びだ。




そして、お調子者の有村俊斎は今の仕事を投げ捨てて、吉之助と共に上京すると言いだす。大山はいつもの有村節に呆れ顔だ。



「それはなりもはん!!」



大久保が釘を刺す。吉之助の江戸行きに少しでも乱れがあってはならぬのだと。



「信吾どんは残るのか?」



川口雪篷は新妻をむかえたばかりという事もあり、暫くは一緒に暮らしたいだろうと尋ねる。



「嫁は東京に連れて行きもんす」



この時代はまだ妻子を伴い上京するのは珍しい。信吾の宣言に大山や有村は新しい時代の到来かと目を丸くするのであった。




その夜、西郷は糸から相談を受ける。相談の内容とは菊次郎の事である。



「菊次郎さぁは江戸で伸び伸びやらせた方がよいと思いもす」



糸は菊次郎が幼い弟や甥たちに遠慮して好きな学問にも打ち込めていなと案じていた。この決断に至るまでは迷いもあり、また正直に言えば、傍から見れば、自分の子供ではない菊次郎を東京へ追いやったように見えるのではとも考えたという。

しかし。


「菊次郎さぁのためにはこれが一番良いと存じます!」

「もし、間違っているなら旦那様!いってくいやんせ」



西郷は応える。



「おいもそう思う」

「おはんは何も間違ってなか!」



果たして、菊次郎の江戸行きが決まる。




吉之助は国父久光と藩主忠義に新年の挨拶と共に、御親兵を伴い上洛したい旨許可を求める。意外にも、御親兵の件はあっさりと認められる。
しかし。



「薩摩の名前を高めるためじゃ」



久光は維新のおりに久光の意向を早合点して幕を滅ぼしてしまったこと、や版籍奉還の件で罪があると言う。




しかし、それでも「国の為」という事で許すのだと。久光はあくまで薩摩を先頭に立てる事を誓うように釘を刺す。



「この西郷吉之助、国父様の御言葉を胸に刻みもす!」



御親兵には薩摩兵児三千、さらにこれに加えて千の「ぽりす」が連れて行かれる事になる。西郷は早速、主だった藩士を集める。



「御親兵の選抜は村田新八に任せる!」

「そして、ぽりすの選抜は川路利良に」



その言葉に一同はざわつく。
川路は西郷や大久保の出身である「城下士」より低い身分である。城下士の中には西郷や大久保、古くは調所広郷など藩政の枢要に就いた者もいるが「郷士」では皆無である。川路は遠慮がちに少々は自のほうに座っていた。



「ぽりすとはいったい??」



※関連記事:→西郷大久保の身分は低くない?薩摩身分制度


西郷は洋行から戻った信吾によれば、まずは「奉行所」のようなものと心得るように言われる。しかし、民を捕らえるのが仕事ではなく「民を助ける」のが仕事であると。




西郷家では糸と菊次郎が話をしていた。糸は菊次郎のために半纏を縫っていた。



「ここに金子を縫い込んでおきます」

「これは私と菊次郎さぁの秘密じゃ」



「はい」



菊次郎をそっと抱き寄せる。



「菊次郎さぁ、江戸へ行ったら必ず手紙を書きなさい」

「私に一通書いたら、愛加那さんには二通じゃ」



翌日。




西郷と信吾、それに菊次郎は東京へと向かって出発した。




以上、翔ぶが如くのあらすじ第31話「決意の門出」でございます。

翔ぶが如くの感想31話「決意の門出」

大河ドラマ翔ぶが如くの感想31話「決意の門出」です。西郷と大久保の関係には「深い信頼」が感じられます。3年程の間離れてはいても、いざ国家の為となればその想いは同じ。

翔ぶが如くの感想31話「化学反応」

大久保が西郷の力を欲したのは「力の後ろ盾」が欲しかったから。ただ、それに具体的な「軍事力」まではすぐには考えていなかったようですね。



「西郷隆盛の存在そのもの」



でも十分に「力の後ろ盾」になる。
勿論、いずれは「軍事力の背景」を考えていたとは思いますが、西郷は当初から「力の背景」をもっていくこと告げます。



「久光と対立しても御親兵を整える」



この覚悟に大久保は驚きますが、西郷の覚悟により大久保もまた、考えを一歩進めます。



「廃藩置県」



藩閥解消の一大決心です。



「そげな政策はもっと先の事かと思っていた」



西郷も大久保も「明治国家」の青写真は詳しく話をしていなくても共有出来ていたという事ですね。二人が再び共にタッグを組むことで新国家形成のスピードが上がる。




化学反応ですね。




2人そろっての久光への挨拶と御親兵の要請。



「西郷吉之助国父様の御言葉肝に銘じもす」



既に、藩を潰す覚悟を決めている西郷と大久保。一番「嫌な」役目を率先して引き受けるのが流石西郷です。

翔ぶが如くの感想31話「新しい盟友関係」

いい味出していますね。
岩倉具視!



「西郷か!会いに来たぞ!遥々とな!!」


「勅使様におかれましては遠路はるばる恐悦至極でございます」


「其方を東京へ戻せるなら遠いの近いの言っておれんわ!」

「大久保は1人でも行くと言っておったんじゃが・・・」

「士族は勅使は拝命できん!まあ、儂は刺身のツマじゃけどな・・・!」

「まあ、私が来た以上、久光は兎も角、西郷には東京に来てもらわんとな!な!?」



猫撫で声で調子の良い事を言っていますが、久光の「建白書」の一言で、



「なに?」



とドスの効いた声に・・・!




岩倉最高。




そして、やはり感じるのは、



「大久保-岩倉ライン」



の信頼関係ですね。
西郷の「新政府への悪口」に大層不快な岩倉に、



「実像は、私のためのお箔付け」



と、言う場面は、



「おっさんずLOVE」



かと思いました。



勿論、西郷と大久保の信頼関係は強固なんですけど、大久保には西郷の他にも「岩倉」という同志がいる。西郷は東京で同志を作る事が出来るのでしょうか・・・?

翔ぶが如くの感想31話「菊次郎と糸」

糸は菊次郎の東京行きを決断します。




糸は菊次郎を大事に想っています。
多分、菊次郎も糸が自分を大事に想ってくれている事は分かっていると思うんですよね。




今回の東京行きもそうです。



「実の子供じゃないから体よく追い払った」



表面だけを見ればそうとれなくもない。糸も人の子そう思われるのは嫌です。しかし、それは「糸自身」の問題。




自分の想いが周りにも、いや菊次郎自身にも通じなくても良い。




菊次郎にとって一番良いのは何か?




糸の優しさですね。




この言葉を聞いて西郷自身も嬉しかったんじゃないかと思います。



「私に一通手紙を書いたら愛加那さんには二通」



糸のこの言葉、愛加那にも聞かせてあげたい。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第31話「決意の門出」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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