翔ぶが如くのあらすじと感想第24話「新たな契り」です。西郷が薩摩へ帰国すると、久光から「嫁とり」を命じられる。西郷のこれからを考えて大久保や小松が手を回していたのだ。大久保は糸を候補に見定めていた。一方、京では慶喜が再びの長州征伐に動いていた。翔ぶが如くのあらすじと感想第24話

翔ぶが如くのあらすじ第24話「新たな契り」

慶応元年(1865年)1月、西郷は薩摩へと戻る。西郷家では弟吉二郎が妻「すま」と産まれたばかりの娘も一緒に暮らしていた。たまたま、吉之助はが糸に娘の世話を頼んでいたのだがその様子を見た吉之助は勘違いをしてしまう。



「糸どんも良い方と巡り会ったか!子まで授かって・・・」

「兄さぁ!これはおいの娘じゃ!」



間の悪い勘違いに吉之助は頭を抱えてしまう。一方、糸は以前自分を「心根の優しい女子」と言ってくれた西郷との再会を密かに喜んでいたのだ。

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翔ぶが如くのあらすじ第24話上巻「岩山糸」

京から薩摩へと戻った西郷は鶴丸城へ出仕すると藩主父子に禁門の変、それに続く長州征伐の顛末を報告する。久光、そして藩主茂久は西郷の働きを労うが・・・。



「ところで西郷!その方嫁を取れ」

「・・・は?今なんと・・・??」



西郷が戸惑う姿に煙管を深し小気味良さそうに眺める久光。藩主茂久は大久保や小松からもその方が良いと言っていると話す。



「西郷!君命じゃ・・・!」

「・・・恐れ入りましてございます」



藩主親子の手前そうは言ったが、退出後大久保や小松には「嫁とり」の件を勝手に進めた事を咎める。



「今がいったいどういう時を心得ている!?」

「吉之助さぁ!だからこそ今なんではなかとですか?」



二人はこれから藩の重役として活躍する西郷だからこそ、奥向きの事を任せる奥方が必要であると説く。また、薩摩藩の重役でもある西郷が独り身とあっては「信用」をしない相手もいるかもしれないと伝える。それでも、腹の虫が収まらぬ西郷だが・・・。



「吉之助さぁ!君命でございもす」

「おいには島に妻がおる」

「島妻は薩摩へ連れてくる事はできもはん」

「・・・君命で嫁に出される身にもなってみよ!」



吉之助はなお反論するが、大久保はアテがあり無理に嫁に向かえる訳ではないこと、さらに、島妻との間の子供についても理解がある相手であると伝える。




大久保は妻満須を伴い岩山家を訪ねていた。



「それは願ってもない話でございますが・・・」


糸の父、岩山八郎太は喜ぶが、「鬼娘」と言われる娘の貰い手、しかも、藩の重役の奥方が務まるかと心配する。自分が「男の子」が欲しかったばかりについ、元気のよい糸を男勝りに育ててしまった事を反省していた。




大久保はその心配はないと言うが、当の糸も少々迷いが見える。



「満須さぁ・・・!ちょっと・・・!」



糸は満須と二人で相談があると別室で話す事になる。満須は自分の夫である一蔵や西郷はこれから藩のために大いに働く事になり、自分もそれを支えなければならないが、その「薩摩の両輪」とでも言うべき西郷の妻が糸であれば、これ程心強い事はないのだと話す。



「糸さぁとは薩英戦争の時砲火の下兵糧を運んだ同士」

「ただ・・・どうしても気が進まないのであれば私は糸さぁの味方ですよ」



糸は首を振る。



「私は昔、大久保さぁには取り返しが出来んご無礼を働きもした・・・」

「糸さぁ?旦那様は西郷様ですよ?」



糸はかつて大久保を信吾たちと激しく罵って来た事を気にしていたのだ。



「泣こよかひっ飛ぶ・・・!」



糸が決意をした表情で呟く。
それを受けて、



「泣こかい?」

「飛ぼかい?」

「泣こよかひっ飛べ!」



糸と満寿は叫んでいた。その声は外で満寿を待っていた大久保の元にも届いていた。大久保は満足気に笑うのであった。




程なく、西郷吉之助と岩山糸は祝言を上げる。糸は吉之助が沖永良部島から戻ってきた折、「鬼娘」と言われた自分の外面ではなく、中身を見てくれた時にとても感謝をした事を伝える。




吉之助もまた、島に妻と子供がいる事や、祝言を挙げたものの、直ぐに上方へと行かねばならない事を詫びる。




糸はそのような事は気にしていないと言うと、むしろ、子供と離れ離れになる母親や1人薩摩へと来る事になる子供の心情を思いやる。糸の心根の優しさに吉之助は喜ぶのであった。

翔ぶが如くのあらすじ第24話中巻「慶喜、動く」

「ワッショイ!ワッショイ!!ソイヤッ!!ソイヤッ!!」



京の一橋慶喜の屋敷では「を組」の男達が江戸風の神輿を行っていた。慶喜はしばらく江戸へは戻っていなかったが、久しぶりに「江戸の風」に触れた事を喜ぶ。



「やはり江戸風はよいな!」



新門辰五郎もまた、慶喜の様子を喜ぶが、険悪な雰囲気となってしまっている薩摩との関係はもう良くなる事はないのかを尋ねる。



「ははは!辰五郎!薩摩は外様じゃ・・・」

「将軍家とは家柄の格が違う」



慶喜はそう言って笑う。辰五郎は平伏するが、一抹の不安を覚えるのであった。




その頃、京の薩摩藩邸には「吉之助が結婚した」という知らせが弟の信吾たち精忠組に元にも届く。



「兄さぁが結婚した!」



薩摩藩邸もまた喜びに沸く。大山格之助が吉之助の結婚相手が糸だと知ると「あの鬼娘」と驚くと信吾がむすっとする。



「大山さぁ!うちの嫁を鬼娘呼ばわりとは聞き捨てなりませぬ」

「ま、まあ!待て信吾・・・!兎に角目出度い!なあ皆!」



信吾の剣幕に大山格之助もタジタジである。




暫く後、吉之助が上京してくると大いに祝うのであった。その翌日、皆が藩邸内で酔いつぶれていると吉之助が梅干しを塗って歩く。そこへ、土佐の坂本竜馬が訪ねて来る。



「西郷どんはおられるか?!」

「おお!坂本さぁ!達者でございもしたか?」

「はい!西郷さぁ!船を買って欲しい!」

「船・・・?・・・分かりもした!」



西郷は坂本との再会を喜ぶ。そして、坂本の突拍子ない願いを二つ返事で承知する。この男には「何か」ある。西郷はそう考えていた。




また、坂本は幕府の長州征伐を批判する。



「あんなものは一日寿命が延びれば害悪をまき散らす」



幕府は第二次征長を準備しているが長州を滅ぼしてはならないと力説。坂本の言葉は酔いつぶれていた藩邸の薩摩藩士たちの目を覚まさせる。皆聞き耳を立てていた。




坂本は幕府だけではなく薩摩藩にも釘を刺す。



「恩を売ったと思っていないか?」



西郷の動きで確かに長州への仕置きは軽いモノですんだが、それで長州に「恩を売った」と思うのは料簡が狭いと言う。



「今、薩摩・長州・幕府に天下は三分されている」



坂本は長州だけがこの3つで酷い目にあっているが、日本を救う道は「薩長同盟」しかないと言う。幕府はフランスから大量の兵器を買い込み長州を滅ぼそうとしている。



「幕府は徳川家の為に日本国を担保にしている!」



そこへ大久保もやって来る。



「俺はもう一藩、海の藩を興す!」



坂本は「海の藩」を興し、異国から日本を守ると言う。突拍子もない話だが、大久保は薩摩に戻り坂本の要望を藩に諮ると言う。



「そんな悠長な・・・」

「安心しててたもせ。一蔵どんは今から藩に戻りもす」

「おお!かたじけない・・・!」

「そうじゃ!坂本どんも一度薩摩へ来られたら良い!」



西郷は坂本の言葉を直接話して欲しいと言うと共に薩摩行きを提案する。幕府の隠密でさえ入れなかった薩摩への入国を勧められ驚く坂本であったが西郷の言葉に薩摩行きを快諾する。

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翔ぶが如くのあらすじ第24話下巻「竜馬、薩摩へ」

「坂本さぁ!あれが桜島じゃ!」

「おお!幕府の密偵も桜島を見たら生きて帰れないと言うのに・・・!」



坂本は桜島を拝みながら感動の様子であった。薩摩では久光・茂久父子の前で此度の第二次長州征伐は、



「幕府と長州の私闘」



と、決し、薩摩は兵を出さないことになる。ただ、その頃京では一橋慶喜が国政の主導権を握ろうと朝廷工作をすすめ、さらに、将軍家茂自らの出陣を手配していた。




坂本は薩摩では吉之助の家に留まっていた。吉之助の家は薩摩の「顔役」の家にしては大変質素・・・、いやボロ屋であり雨漏りが酷かった。



「旦那様・・・雨漏りを直して欲しでございます」

「糸・・・今は日本中が雨漏りしとる」



吉之助の言葉に糸は不満そうである。しかし、そんな様子を坂本は翌朝、



「夫婦喧嘩して夫婦も一人前」



と、笑う。




坂本は一足先に下関へと旅立つ。下関には長州を纏めた桂小五郎が来る事になっていた、ここで、長州の桂と薩摩の西郷の会談を行い、「薩長同盟」への地ならしをする予定だった。
吉之助もそれを快諾していた。




遅れて、船で下関へと向かう吉之助と村田新八の元に京の藩邸から手紙が届く。



「新八どん、おいはこのまま京へむかいもす」

「なんと?京で何が?」



吉之助は慶喜が朝廷を巻き込み「第二次長州征伐」を行うつもりである事に危機感を覚える。新八は一時でも立ち寄れないか尋ねるが吉之助は一刻を争うと答える。



「分かりもした!おいがなんとかします!」

「新八どん・・・すまぬ・・・!じゃが!死んではいかん・・・!」



吉之助は誠心誠意謝罪をして、決して死んだりしないように新八に念を押す。




下関に桂小五郎がやって来る。



「おお!坂本君!西郷君は・・・?」

「西郷どんは来れなくなった・・・」

「じゃから言った通りじゃ!土台無理な話じゃった!」



桂小五郎は怒りに任せ悪態をつく。新八は必死に非礼を詫びるが取り付く島もない。




桂小五郎は長州をなんとかまとめているが、薩長同盟に反対する人間も藩内に多い。今回の会談も命懸けで来ているのだ。しかし、竜馬は静かに桂小五郎に語る。



「幕府と戦になれば十中八九長州は負けるぜよ」

「・・・分かっている!!」

「長州を救う方法が一つだけあるぜよ??」

「聞かせてもらいたい」

「怒っているようでは話も耳に入らんと違いますか?」

「・・・もう怒ってはおらん」



竜馬は桂小五郎と村田新八の二人に、長州が生き残るある秘策を伝える。

翔ぶが如くの感想24話「新たな契り」

翔ぶが如くの感想第24話です。吉之助と糸の結婚!おめでとうございます。二人を結びつけたのが一蔵と満須というのにも運命を感じますね。糸はすっかり「鬼娘」から「可愛いおこじょ」に・・・!そして、時代はいよいよ「薩長同盟」「倒幕」へ動き始める・・・!

翔ぶが如くの感想24話「糸と西郷の結婚」

糸は吉之助とは14歳差の結婚です。糸の生年については諸説あるのですが、いずれにも10歳程度は吉之助より若いというのは間違いありません。世代としては弟の信吾(後の従道)と同世代ですね。




因みに、翔ぶが如くでは男勝りの「鬼娘」であり、嫁の貰い手もなくすっかり行き遅れていたという設定ですが、実際は糸は一度結婚をしており、吉之助とは再婚です。



※関連記事:→糸の最初の夫海老原某について


吉之助もまた、俊(須賀)という相手がいましたら、再婚同士の結婚だったようです。二人はとても仲が良かったようですが、翔ぶが如くでも描かれていた通り、「島妻」の事やその間の子供達についても気に掛ける優しい人柄に吉之助も惚れたのではないかと思います。




面白いのが、2018年の大河ドラマ「西郷どん」では糸と吉之助が同年代の設定ですが、糸の結婚が描かれており、一方でこの翔ぶが如くは世代は史実に即していますが、初婚という設定ですね。

翔ぶが如くの感想24話「大久保夫妻の活躍」

さて、今回の結婚は大久保一蔵・満須夫妻の活躍がなければ為しえなかった。




一蔵と満寿が二人の間を仲立ちしますが、糸があまり気乗りしない理由が面白かったですね。



「大久保さぁには昔取り返しのない事をした・・・」

「糸さぁ?結婚するのは西郷さぁですよ??」



ま、まあ分かります。



「ふたつついてるもん見せたる!!」



女子は男とは違い、



「付いてるもんが付いてない」



との西郷きみ(吉之助祖母)の言葉に糸がとった行動・・・!




豪快さが売りだった糸も吉之助の言葉で乙女になってからというもの、糸は過去を反省する事しきり・・・!糸らしさがすっかり影を潜めていました。




でも、



「泣こかい 飛ぼかい 泣こよか ひっ飛べ!」



劇中で糸と満寿が叫んでいたのは薩摩では良くしられた言葉。子供が川に飛び込むか泣いて止めるかうじうじしている時に、泣かないで飛び込めという光景から、



「議を言うな!行動しろ!」



って意味になります。




いや、糸と満寿が二人で叫ぶのが「女の友情」という感じで美しかった。

翔ぶが如くの感想24話「長州征伐」

「薩摩としては長州に恩を売ったというつもりかもしれん」

「じゃが、そんな狭い料簡では国が滅びる」



竜馬は確信を突いてますね。



「恩を売った」



という認識が西郷の中にもあったと思います。第一次長州征伐の際に西郷が自ら危険を顧みず、



「誠を以て」



為した。
しかし、だからと言って「恩を売った」と思うのは筋違い。いや、長州がそう思うのは良いと思うんですよね。しかし、薩摩側がその料簡ではイカン。




これ、現代の仕事や夫婦関係でも通じる事ですね。




自分自信では「信頼残高を積み上げた」と思っていても思ったよりも相手はそう思っていない。




この「誤解」「ズレ」は後に悲劇(喜劇)に通じる事も・・・。竜馬はその辺りを戒めたんでしょうね。




そして「第二次長州征伐」ですが、江戸から将軍家茂が「神君家康公以来の馬印」を以て出陣。皇女和宮が初登場しました。




映っているのは一瞬なのですが鈴木京香は28年前も鈴木京香ですね。




綺麗だ・・・。




将軍家茂はこのまま大坂で病没となりますから和宮と家茂は今生の別れ。さて、和宮はまだ出演機会はあったかな?




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第24話「新たな契り」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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