翔ぶが如くのあらすじと感想第16話「吉之助帰る」です。久光の信頼を得た大久保は京で薩軍の上洛意向を近衛忠煕に伝える。薩軍上洛の情報に諸藩の志士達は勇みます。一方ついに3年振りの帰国を許された西郷は久光に面会するが・・・。翔ぶが如くのあらすじと感想第16話

島津十文字

翔ぶが如くのあらすじ第16話「吉之助帰る」

吉之助の帰国を命じる薩摩からの知らせは、吉之助が新居の落成を祝った翌日の事であった。



「先生(吉之助)!おめでとうございます!」

「お、ああ・・・ありがとな・・・少々急いでおるんで」



吉之助は姿が見えない愛加那と菊次郎を探していた。浜には愛加那と菊次郎が座って海を眺めていた。



「おとうとはこの海を通じて繋がっている」



愛加那のような島妻は島を出る事は許されません。愛加那は吉之助がいなくなり淋しい時は薩摩に繋がるこの海に来ようとと話していました。吉之助はその様子を見て涙します。

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翔ぶが如くのあらすじ第16話上巻「不幸な出会い」

一蔵久光の命で京に上り、先君である斉彬が頼りとしていた近衛忠煕と会っていた。



「困る!!」

「それに、儂は今も謹慎中じゃ!」



近衛忠煕は久光の上洛を不快に感じているようだった。桜田門外の変で井伊大老が横死して以降、幕府はかつての「横暴」を改め静かにしている。また、皇女和宮が江戸へと下った事で得た「公武合体」の雰囲気にも水を差すという事のようだ。




一蔵は生れ手始めてみた「公家」という生物の生態に触れ面食らう。己の保身しか考えていないように思えたのだ。



「分かりもした」

「おいの役目は薩軍上洛をお伝えする事でございもす」



一蔵はこれ以上は時間の無駄と考え薩摩に帰国する。薩摩に戻ると小松帯刀や谷村愛之進らと共に都の様子を報告する。



「都は殺気立っている」



一蔵は上方は薩軍上洛の噂で志士達が勇んでいること、そして、久光の目的を「倒幕」と勘違いをして過激に奔る者が出始める不安を伝える。西郷の弟信吾や森山新蔵の息子は脱藩こそしてはいないが、有馬新七など過激分子に同心し京へと向かっていた。



「それを鎮めるは西郷吉之助を置いて他にありもはん!」



一蔵は早急な吉之助の帰国手配を改めて具申する。




そして、程なく吉之助は3年振りに帰国する事になる。吉之助は早速斉彬の墓へと参る。




家に戻ると村田新八など吉之助を慕う精忠組の者達が集まる。一蔵は早速久光への面会の準備を進め早速久光と西郷の対面が実現する。



「西郷。此度の上洛に関して思うところを申せ!」



久光は前藩主でもある兄斉彬が出来なかった卒兵上京を行うのだ。さぞ、感動するかと思っていたが・・・。



「では申し上げます」



吉之助は上洛にあたり、兵の滞在する場所は準備してあるのか?また、上洛し兵を都に留める期間は如何に考えているのか?その期間に見合う兵糧は準備されているのか?次々と久光に尋ねる。久光に仕える近習の小松帯刀や大久保、そして谷村は自らの準備不足を痛感する。



「此度の上洛は延期されるべきでございもす」



吉之助は容赦なかった。久光は意見を聞き終えると、



「考える」



と、だけ不機嫌に告げ一蔵を伴い怒って部屋を後にする。谷村や小松、中山は吉之助の意見具申は最もではあるが、言い方がキツイと苦言を言うが・・・。




吉之助は一蔵を始め側近たちの質の低さにも厳しく苦言を呈す。
そして。



「斉彬様は諸国に名君と知られ尊敬されておりました」

「しかし!三郎様は違う!ましてや藩主でもない!」

「薩摩を一歩出ればただのジゴロでございもす!」



中山はその件を久光に伝える。一蔵は必死に吉之助を庇うが久光の吉之助への印象は最悪な形で始まる事になる。

翔ぶが如くのあらすじ第16話中巻「薩軍上洛」

吉之助は未だ健在であった祖母のきみを連れて湯治へと出かけていた。きみはまさか吉之助と「湯治」が出来るとは思っていなかったと喜ぶ。そこへ、一蔵がやって来る。



「おお!良い着物を着た藩のご重役がこのような処まで!(笑)」



吉之助はひとしきり皮肉を言う。



「吉之助さあ?それは皮肉でごわすか?」

「おいの知ってる西郷吉之助は皮肉などもうしもはん」



「・・・おいとした事が申し訳なか」

「いや!申し訳ないのはおいの方でごわす!」



一蔵は吉之助に改めて卒兵上京への協力を願う。薩軍の上洛を聞き、藩の内外の浪士たちが暴発寸前なのだ。これを鎮める事が出来るのは吉之助しかいない。




当初は渋った吉之助ではあったが、久光もまた吉之助の意見を容れ上洛を延期したこと、そして、久光に足りない部分は二人で補いたいと告げる。



「分かりもした。二人でやりもんそ」



吉之助は協力を約束する。

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翔ぶが如くのあらすじ第16話下巻「有村俊斎」

吉之助は卒兵上京に際し、先行して偵察をするように命じられる。諸藩の浪士たちの様子を肌で感じるためである。吉之助は村田新八と先行し、下関でかつて月照と共に訪れた商家の白井を訪ねる。




そこには福岡藩士の平野国臣も来ていた。そして、吉之助との再会を喜ぶと共に、事態は想像以上に深刻であると感じる。




平野国臣本人もそうだが、久光の上洛を「倒幕」と考えているのだ。諸藩の浪士が続々と京・大坂へ集まっているという情報も得た。



「おい達は先に上方へむかいもす」



吉之助と村田新八は下関で久光一行を待つように命じられていたが、風雲急を告げる事態に、さらに先行をする事にする。吉之助は久光に手紙を残して発ったのだが久光は、理由はどうあれ命令を無視した事に怒る。一蔵は必死に宥める。




上方へ入った吉之助は想像以上に「浪士」が集まっている様子に危機感を覚える。薩摩藩が定宿としていた鍵屋へ入るとまず、諸藩の浪士を招く。






「西郷様がお戻りとは百人力でございます!」

「おお!まあ、よかよか!あがってくだされ!」



吉之助は腹が減っては戦は出来ぬと浪士たちに飯を振る舞う。また、浪士たちが京の町を徘徊しては治安にも不安が出るため、皆薩摩藩邸へ向かうように話す。




薩摩藩邸では有馬新七が精忠組の過激分子と共に戦支度に余念がなかった。そこへ、久光の命で有村俊斎がやって来る。




吉之助の不運はこの「先行偵察」に情勢判断に甘さのある有村俊斎が選ばれた事だ。



「俊斎!お前何しに来た?国父様に言われ様子を見に来たのか?」

「いやあ、まあまあスゴイ事になっていますな!」

「吉之助さぁも来た!まずはおい達は京都所司代と大坂城を襲う!」

「なんと!それは勇ましい!おいも弟たちの仇を討ちたか!」

「俊斎!よう言うた!!!」



有村俊斎は戻ると薩摩藩邸のようすを嬉々として伝える。薩摩藩邸は浪士たちが既に戦支度を完了し、士気も高い、そしてその指示は吉之助から出ていると。有村俊斎は久光の上洛の意図を全く理解していなかった。



「西郷を捕らえよ!」

「お待ちください!国父様!俊斎!それは西郷から聞いたのか?」

「・・・いや、皆が・・・」

「皆とは誰のことじゃ?俊斎!」



久光は俊斎は自分の命で様子を探りに行ったのだと言うと、吉之助を捕らえ殺すように命じ出て行ってしまう。唖然茫然の小松帯刀と大久保一蔵。



「俊斎!お前・・・なんちゅう事を・・・!」



俊斎は何が起こったか理解をしていなかったが、吉之助の命が自分の所為で危機になった事だけは理解した。



「ああ。。。あああ!!」



翔ぶが如くの感想16話「吉之助帰る」

翔ぶが如くの感想第16話です。色々とテンコ盛りの16話だったと思います。久光(高橋英樹)の表情が良いですね。そして有村俊斎の馬鹿・・・。

翔ぶが如くの感想16話「久光と西郷」

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久光を演じるのは高橋英樹さん。ハッキリ言ってコワモテが強い!




今回初めて西郷と面会をしますが、その表情からは、



「どうじゃ?西郷とやら?儂は兄斉彬の夢を実現するぞ?」



と、いった誇らしい(家臣に誇らしいというのも微妙な表現ですが・・・)感じがよく出ていました。勿論、久光と斉彬の関係は一貫して悪くないのですが、跡を継いだ以上はその兄を超えたいと考えたはずです。



「亡き斉彬様のご意思をお継ぎ頂き吉之助感激でございもす!」



と、感涙にむせぶとでも思っていたようですね。ただ、実際はその「計画の甘さ」を徹底的に指弾されて怒りに震えていました・・・。久光の表情がみるみるうちに変わっていくのを「ま、まずい・・・」という表情で眺め青くなる重役の表情もナイスでした・・・。




吉之助も言っている通りそれは久光の落ち度というよりも側近の落ち度ですね。まあ、吉之助は一度上洛の下準備を整えていますからね。余計にその計画の「粗」が見えたように感じます。




あと、やはりこの時点では吉之助には「久光への複雑な想い」があったと思います。



「薩摩を一歩出れば官位もない、藩主でもないただの三郎!」



というのは、吉之助の皮肉と取るのは穿ち過ぎでしょうか?




吉之助自身は京や江戸で「薩摩の西郷」と言えば知らぬ人がいない程でしたが、一歩薩摩へ戻ると藩主には直答は勿論、お目見えさえ滅多に許されない「城下士」に過ぎません。




まさに、久光と真逆ですね。




吉之助の「ジゴロ発言」を聞きながらそのような事を感じました。

翔ぶが如くの感想16話「信頼こそ全て」

既に藩の重役となっている大久保。吉之助はまだ久光には複雑な感情もあるのでしょう。吉之助は「自分の主君は斉彬だけ」と言います。




しかし、大久保は諦めません。吉之助が久光を目の前にして「直言過ぎ」であった事も責めるどころか事前に久光の人となりを伝えるべきであったと謝罪。




そこには「吉之助への信頼が全く揺らいでいない」事が読み取れます。




吉之助は大久保に皮肉を言いますが、その皮肉にも、



「自分の知る西郷は皮肉など言わない」



と、いう言葉からも信頼の深さを感じますね。




吉之助は大久保の想いに応えて共に久光を支えると決意します。決意すれば、この男ほど頼りになる男はいません。




今回の吉之助の行動は「過激派」を鎮めるのに最善を尽くすに尽きると思います。これは、久光の「命令」にも合致しているんですよね。




ただ、久光と西郷にはその土台となる「信頼関係」がない。




西郷は相手を信じれば「身を投げだせる男」です。ただ、久光は吉之助に信を置いていない。信頼関係という土台がなければ、無駄な作業(報告や忖度)が必要なんですよね。




斉彬なら同じ状況であっても「吉之助の真意」が分かったでしょうね。斉彬から全幅の信頼を置かれていたからこそ逆に「鈍感」であったのかな・・・。

翔ぶが如くの感想16話「俊斎・・・頼むよ」

有村俊斎と言えば、月照を伴い薩摩藩へと入る時に、月照を置いて勝手に薩摩藩へ来てしまった事を吉之助に怒鳴られていました。



「こんな奴に月照様を託したおいが馬鹿じゃった」



これは布石だった訳ですね。因みに、この先「異人斬り」でもその「短慮」っぷりを見せてくれると思います・・・。



そして、佐野史郎さんの演技が流石です。本当に「軽薄」な感じ、そしてそれでも憎めない「出来の超絶悪い弟」って感じがよく出ています。




ただ、有村俊斎のような人間は結構いたりしますね。
しかも、けっこう偉くなったり・・・。



以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第16話「吉之助帰る」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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