翔ぶが如くのあらすじと感想第15話「南国の女」です。幕府では皇女和宮を迎え公武合体を目指す動きが出てきます。幕府は事実上の最高権力者を白昼堂々暗殺され、揺らぐ幕府の威信を朝廷の力をもって支えようとしていた。一方薩摩では大久保がようやく久光に直接意見が言える身分へ。島の吉之助を呼び戻す日も近い・・・?翔ぶが如くのあらすじと感想第15話!

島津十文字

翔ぶが如くのあらすじ第15話「南国の女」

皇女和宮を江戸へ向かえるという話自体は井伊大老時代からあったが、その意味付けは「井伊大老暗殺」を受けて、大きく変わっている。当初は「人質」のような発想ではあったが、井伊大老を暗殺されておきながら、水戸・そして薩摩への咎めは無かったのだ・・・。

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翔ぶが如くのあらすじ第15話上巻「対立の芽」

信吾(後の従道)と従兄弟の大山弥助(後の大山巌)、そして糸(後の西郷妻)は異人を退治するため山で鉄砲の練習をしていた。



「おお!信吾どん!当たったぞ!」



信吾の発砲は的をかすめていた。



「そんなんではダメじゃ!」



男の出で立ちで「国士」を気取る糸はかすった位では話にならんと言う。



「なら・・・おいが・・・!」



次に大山弥助が発砲する。ど真ん中とはいかないまでも的を撃ちぬいていた。喜ぶ弥助と信吾だが糸はど真ん中、異人の心臓を撃ちぬけと手厳しい。



「貸せ!おいが撃つ」

「い、糸どん危なか!!」



鉄砲を奪い発砲しようとする糸を慌てて止める信吾と弥助。



「パーン!」



弾みで鉄砲が暴発する。そして、その玉は偶然キジを撃ち落とす。



「糸どん!今夜は鳥鍋じゃ!」

「弥助!そんなこったからおい達は糸どんに頭が上がらんとじゃ・・・」



三人は家路に着くがその前に寄るところがある。大久保の家だ。信吾たち精忠組の若手はなにも動こうとせず、久光に取り入って己の出世を望んでいるようにしかみえない大久保に、怒りを感じていた。
三人はこれ見よがしに大久保の悪口を言う。



「大久保正助どんは己の出世にしか興味がないようじゃの!」

「まっこと情けなか話でございもすな!」

「大久保どんの得意なのは子作りと国父様に取り入る事じゃ!」



ひとしきり悪口を言うと帰っていく三人。弥助は遠慮がちではあるが糸と信吾は相当怒りが溜まっている。その声を妻の満須は複雑な気持ちで聞いていた。




そんなある日、吉之助の弟吉二郎が血相を変えて大久保家へとやって来る。



「正助どんは!?」

「主人なら留守ですが・・・」

「おお?吉二郎どんではないか??」

「大久保さぁ!一大事でございもす!」



吉二郎は信吾たちがしばしば過激な攘夷を唱える有馬新七の元へ出入りしているのを心配していたのだが、近く、長崎の異人を征伐するつもりであるらしいことを聞き出す。確実な言質を取った訳ではないが最近の様子から間違いないと言う。



「一緒に止める説得をして欲しい!」

「それは一大事じゃ!分かりもした!」



丁度その頃、信吾と弥助、そして糸の三人は「猪狩り」と称して鉄砲を準備して長崎へ向かおうとしていた。祖母のキミが三人の為に弁当をこしらえていた。信吾は吉二郎の様子が気になり焦っていた。



「長崎討入を話した訳ではないじゃろ?」

「・・・じゃが兄さぁは勘のいいお方でございもすから・・・」



そこへ折よく吉二郎と大久保が戻ってくる。



「信吾!何処へ行くつもりじゃ!長崎じゃなかろうな!?」



既に事が露見していると分かると糸は大久保と吉二郎を責める。



「なら話が早か!おい達若い者が攘夷をやる!」

「女子が何を言っている・・・」

「国を想う気持ちの男も子もなか!!!」



糸は精忠組に女子が参加できないことにも不満であった。
その時。



「じゃっとん、女子は付いてるものが付いておらん・・・」



身も蓋もないこと言ったのは西郷兄弟の祖母キミである。



「なら!!見せたる!!」



糸は突然居間に上がると服を脱ぎ始める。
一同はキョトンとする。



「二つついているもんを見せたる!!」

「ああああ!糸どん待て!!!」



大久保は慌てて糸を止める。糸は男に産まれたかったと号泣するのであった・・・。




長崎討入は事前に止める事が出来たが、大久保達のやり方を手ぬるいと感じる主謀者有馬新七との対立は抜き差しならぬ所まで来ていた。

翔ぶが如くのあらすじ第15話中巻「西郷帰国嘆願」

時に文久元年。薩摩藩では島津久光がいよいよ斉彬の意志を継ぎいよいよ出府をしようと考えていた。



「下総!いよいよ儂は幕府に改革を促すため出府しようと考えておる!」



下総とは家老の島津下総である。下総は久光の出府の意気込みに冷水を浴びせる。



「怖れながら・・・国父様は先代とは違います」



島津下総は斉彬は江戸生れの江戸育ちであり、諸侯との人脈もあったが久光にはそれがないと諌める。この状況で出府して失敗しては家老として責任果たせないと。



「そうか、なら家老の職を解く!」

「この久光!家老に責任など取らせようとは思わぬ!」



久光はこれを機に小松帯刀など中堅藩士を藩政の中枢に抜擢する。そして、大久保もまた御小納戸役に昇格し家格の「新番」となる。



※関連記事:→薩摩藩身分制度



碁を習い始めて3年。久光に直接意見を言える立場へとようやく辿り着く事が出来た。小松帯刀や谷村愛之助など藩政の中枢と共に藩政に参与する。




その活躍の場は意外にも早く訪れる。




薩摩藩は井伊大老暗殺以来、参勤交代を行っていない。幕府からは「井伊大老暗殺」について咎め立てはしないと言質は得ているが、もし、参勤交代で江戸に入った途端に前言を翻されでもしたら目も当てられない。




薩摩藩としては藩主忠義をおめおめと江戸へ送る訳にはいかないのだが、先延ばしにする「言い訳」はもう使い果たしている感がある。小松帯刀は頭を悩ませるが・・・。



「方法は一つしかございもはん」



大久保は江戸の薩摩藩邸を「焼失」させるという離れ業をやってのける。



「大久保!江戸薩摩藩邸を焼くとはな・・・!」

「其の方、見た目によらず中々大胆な事をやりおるな!」



久光は大久保の知恵にご満悦である。大久保はここぞとばかりに、薩摩藩挙げての出府を促す。
そして。



「西郷吉之助を呼び戻すべきかと存じ上げます!」

「西郷・・・?」



大久保は西郷が培ってきた「諸侯」との信頼関係と、必ずしも「出府」に賛同していない藩士も西郷の人望をもってすれば必ず一つにまとまると熱弁振るう。



「大久保・・・西郷は藩主より人望があるのか?」

「!?いえ!滅相もございもはん!」



大久保は君子の命に絶対服従は薩摩兵児の誇りであり、その「忠誠心」をもって薩摩が藩主の元一つになるのだと言います。



「よか」

「は?」

「役に立つのであれば呼び戻せ」

「はは!有難き幸せ!」



事、此処に至りついに吉之助の帰国が許される。

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翔ぶが如くのあらすじ第15話下巻「悋気」

吉之助には初の子供となる菊次郎も生まれ、すっかり島での生活に根を下ろしていた。



「菊次郎!旦那さぁは書き物があるからこっちへおいで!」

「すまんの菊・・・暫くの辛抱じゃぞ?」



吉之助には多くの兄弟がおり、産湯を代えた経験は豊富ではあったが、やはり始めての「自分の子供」は格別であった。




そんな穏やかなある日吉之助は「髪の毛」を発見する。



「なんじゃこれは!?気味悪い捨てておけ!」

「これは私の宝物です!」

「宝物なら大事にしまっとかんか!」



重苦しい沈黙。



「愛加那・・・すまんかった」

「え?」

「お前にそんな想い人がおったとはな」



先程の髪の毛は男のものだった。吉之助は想い人の髪を後生大事に持っているのだと考えたのだ。子までなして今更謝れた義理ではないがと詫びる。



「旦那さぁ!勘違いしております!」



愛加那は「髪の毛」は吉之助のものだと言う。「島の妻」は夫について薩摩に行くことは出来ない。いつか、吉之助が薩摩に戻ったら「これが父親」だと生き形見とするつもりだと言う。また、自分は吉之助が「やまとんちゅう」だから人身御供するような誇りの無い人間ではないと。



「愛加那・・・すまん!悋気じゃ!」



吉之助は初めて「悋気」を起こした事を詫びる。ただ、愛加那はそれが嬉しかった。悋気を起こすほど自分を大切にしてくれているのだと。



「そうじゃ!家を建てよう!」



吉之助は島へと流されて以来ずっと仮の家住まいであったが、菊次郎のためにもこれを機に家を建てる事を決断する。



程なく、吉之助は新しい家を建てる。島の者達が落成を祝に集まってくれた。



「先生も飲みなんしぇ!」

「いや、おいは酒は‥・」



吉之助は下戸である。



「いや!今日はお祝いです!ささ!」

「ああ、分かった分かった!どうなってもしらんぞ!」



吉之助に薩摩への帰国指令が届いたのは、家族のための家が完成した翌日の事であった。

翔ぶが如くの感想15話「南国の女」

翔ぶが如くの感想第15話です。島で穏やかな日々を送る西郷。そして、着々と「出世の階段」を上る大久保。でも、大久保はやはり「西郷吉之助」を忘れていなかった!

翔ぶが如くの感想15話「大久保、偉くなる」

今回、大久保はようやく久光に直にお目見え可能な身分にまで昇格します。また、大久保の力を高く評価してくれていた小松帯刀や谷村愛之助との信頼関係を深める。




一方で元々の精忠組中心メンバーだった有馬新七との仲は抜き差しならぬところまで・・・。



「出世してあいつは変わった!」



まあ、現代サラリーマン社会でもままある風景と言えば風景です。どれだけ時を経ても「人間」である以上悩みの種類は大きくは変わらないのかもしれません。




しかし、どれだけ「偉く」なっても大久保は変わっていない!



「西郷吉之助を島から呼び戻して欲しい!」



元々「碁」を習い久光に近づいたのは吉之助を呼び戻す事も理由の一つです。ただ、吉之助が島へ送られてから3年。それでも大久保だけではなく、有馬新七や糸といった過激な精忠組のメンバーも吉之助を慕い続ける。



「吉之助が戻ってくればその人徳で薩摩は一つになる」



大久保は同じ精忠組であっても「袂を分かつ」感じとなってしまっている有馬新七とも、吉之助が戻ってくれば全て丸く治まるはずと信じていたような気がします。




信吾は吉之助の帰国命令が叶い、大久保の元へ御礼に来ていますからね・・・。

翔ぶが如くの感想15話「糸の性格」

糸は女子でありながら「過激な攘夷思想」を持っているという設定です。信吾や弥助とつるんで大久保を詰っています。




ただ、その様子が大変コミカルです・・・。女だからと言って何故精忠組に入れないのだという糸さん。



「付いてるもんが付いてないから仕方ない・・・」



西郷兄弟の祖母であるキミさんの無常な一言。後に寺田屋騒動で薩摩藩士同士での斬り合いが発生しますが、この頃はまだ、駄々をこねる子供と大人のような感じですね。




だからこそ、その凄惨さが際立つという演出なのかもしれません。




それにしても・・・。




大河ドラマ西郷どんの糸とは全くキャラクターが異なっているにも関わらず、意外と「顔が似ている」ように感じるのは気のせいでしょうか???




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第15話「南国の女」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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