武田信玄のあらすじ第47話「三方ヶ原の戦い」。京の都を目指す信玄の当面の敵は徳川家康であった。家康の居城浜松城を目指すには3つのルート(駿河方面・遠江方面・三河方面)が考えられるが、信玄は遠江から攻め入る事を選んだ。甲府を出発した信玄の軍勢は諏訪湖を回り、高遠から伊那へと入った。天竜川沿いのこの道は山岳地帯を走破しなければならない険しい道だが以前から武田家の支配下にあった。

そのため城(高遠城・春日城・飯田城等)がいくつもあり、付近の農村から馬の飼葉、兵糧等の調達も容易であった。つまり、信玄にとって最も安全な道だったのである。飯田から青崩れ峠を越え遠江に入った信玄は二股城を囲んだ。その間に一番西よりのルートを下った山縣の軍勢は井平城を落し家康に圧力を加えた。二股城を落した信玄は二万七千の軍勢を率いて三方ヶ原へと向かった。一方家康も一万一千の軍勢を率いて浜松城を出て対峙した。やがて家康はこの戦いで大きな教訓を得る事になる。

武田信玄第47話上巻~山が動く~




元亀3年(1572年)10月3日。我が子晴信は52歳にして上洛の徒に付きました。この期に及んで我が子の旅立ちを悲しんだりは致しませぬが・・・。せめて病でなければと思うのでございます。




これもまた、運命(さだめ)というものでございましょうか。

→武田信玄(大河ドラマ)の感想第47話「三方ヶ原の戦い」

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桶狭間を忘れたか

晴信が二万七千の軍勢をもって出陣をしたことは浜松城の徳川家康殿、そして岐阜の織田信長殿の元にも知らされます。




家康殿の軍勢だけでは我が武田の軍勢の相手には些か力不足。勿論、その事家康殿も承知の上。すぐに盟友織田信長殿に使者を送り援軍を要請するのでございます。



清州城


「信玄め!病などと称しておった癖に動きだしたか!」



信長殿は晴信を警戒しておりますが織田家重臣の方々はそうではないようです。



「お館様!武田信玄動いたといっても軍勢、鉄砲、国の豊さ」

「既に、我が織田が上回っております!」



「私も同感にござる!既に信玄と手を組みし浅井長政に力ありませぬ」

「一向宗と併せても精々五万程度にございます!」

「それに対して我が軍勢は尾張、美濃、伊勢、近江、若狭、丹波」

「さらに徳川殿の三河遠江を加えれば八万余の大軍になります!」



信長殿は黙って重臣達の意見を聞いております。



「思い出すのじゃ!桶狭間を・・・!」

「あの時今川義元二万四千、我らは七、八百であった」

「それでも今川義元が首奪ったぞ?」



※関連記事:→武田信玄24話「義元討死」


重臣の皆は沈黙します。



「戦は数ではない」

「ましてや此度の相手は武田信玄じゃ。如何なる事になるか分からん」



信長殿としてはあと半年。あと半年あれば浅井朝倉をなぎ倒し天下は盤石だったものを苛立つのでした。

遠江へ

浜松城


「武田の先鋒凡そ三千が我が吉田城へ迫っております」



軍議を開く徳川殿の元に我が武田本体の動きが知らされます。



「武田本体は伊那谷を越えて二股城へ向かっております!」

「武田本体の先頭は犬居城主天野景貫!」



「おのれ!殿!やはり天野は武田と通じておりましたか!」



「遠江を分国としてからまだ日が浅い」



家康殿は遠江衆に気を許してはならぬと自分に言い聞かせるかのように命じます。



「信玄、このまま二俣城を超えて海まで出れば・・・」

「遠江は二分されて我が浜松城は孤立する」



「殿!その前に打って出ますか?武田信玄目の前現れてからでは遅いので・・・」



「分かっておる!!!」

「織田殿の援軍はまだか!?」



「はい。出来るだけ早くに送るとは」



家康殿は織田殿に使者を再度送ることを決意すると、



「このままでは三河は滅びるが、次は織田殿である!」



と、申し伝えるように厳命します。




晴信は犬居城へと入城します。城主天野景貫はささやかながら晴信、そして重臣達のために宴席を準備します。晴信は天野景貫殿の信義に感謝の言葉をかけます。
そして。



「馬場、その方明朝兵三千で二俣城へ向かえ」



「は!」



「我が本体はこのまま南へ向かい海近くまで出る」

「我が軍勢を見れば高天神・掛川は城に籠り兵は出さぬ」

「その後、迂回して二俣へ向かう」

「南北から二俣城を挟む」



晴信は原殿にその事を将軍家にも申し伝えるように命じます。



「三河徳川家康を年越す前になぎ倒すとな」

武田信玄第47話中巻~二俣城の戦い~

二条城


将軍足利義昭殿は晴信からの知らせを大いに喜びます。



「ついに武田信玄が動いたぞ!!!」

「あの者の軍勢の強さ知らぬ者おらぬ!」

「三河徳川滅びれば信長に味方する者も身の振り方を考えよう(笑)」



さらに、義昭殿は佐竹殿や上杉殿にも上洛要請の使者を送るように命じます。



「信長め!儂を侮り将軍家など無きが如くの振舞い後悔させてやる」

「儂が頼りじゃと言えば、日本全国から京の都に軍勢が集まるのじゃ!」

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動揺

岐阜城


「戦う前から軍勢差し向けよとはどういう了見じゃ!?」

「はは(汗)」

「家康に伝えよ!戦っているのはその方だけでない!」



信長殿は苛立ちを隠さず徳川殿の使者を罵倒します。
が。



「できる限り早く援軍は送る。それまでは持ちこたえよ」

「それと、越後上杉謙信に使者を送り信濃へ兵を出すよう頼むのじゃ!」



「っは!主君に伝え申す!ではこれにて!」



信長殿はそう言いながらも、既に晴信が用意周到に手を回しているであろうと考えていました。



「武田信玄動くとき、既に全て手を回しているはず。何処から敵が現れるか」



我が武田の軍勢は馬場の隊は真っ直ぐ二俣城へ、そして晴信の本体は信州街道を南下しながら、吉田城、井平城などを落し海近くの木原にて陣を張ったのでございます。




晴信の進撃は躑躅ヶ崎にも知らされます。裏方では里美殿、恵理殿が晴信の勝利、そして体調も大変良好なことを聞き喜びます。



「お館様様は井平城、吉田城を落し二俣城を囲みました!」



「そうか!流石我が親方様じゃ!」

「井平城、吉田城、二俣城に旗を刺すのじゃ」



三条殿の時代から武田菱を立て続けている地図に新たな旗を刺すように言います。



「あの、二俣城はまだ落ちてはおりませぬが・・・?」

「我が親方様が囲めば落ちたも同じ事(笑)」

平三と平五

武田本陣


我が子晴信は二俣城を囲みはしましたが、二俣城は要害にて一月余りも落ちなかったのでございます。




時は12月。




寒風が堪える季節でございます。



「父上、夜の寒風お身体に障ります・・・今宵は我らに任せお休みください」



「何やら病は消えてしまったようじゃ・・・心配致致すな・・・」

「それよりあの城一日も早く落とさねば時を失うばかりじゃ」



二俣城は中々によき城のようでございます。三方が絶壁、一方は空堀、そして水は天竜川から鶴瓶でくみ上げておりました。水の手を切るために何度かいかだを組んで漕ぎ出しましたが鉄砲の数が多く狙い撃ちにされ上手くは行っておりません。



「さりとて兵糧尽きるを待つは三ヶ月はかかる」

「それでは遅すぎる」



重苦しい沈黙。ここで勝頼が提案をします。



「攻めるに易きは大手門。ここを夜陰に乗じて一気に攻めてみては?」



「二俣城落とせば浜松城を孤立させる事出来るが・・・」

「先は長い。ここで兵を失う事出来ぬ」



陣中では山本勘助殿の息子勘一殿、そして平三殿と平五殿が焚火を囲んでおりました。



「京の都に上れるとは夢のようだべ!」

「おらは京で嫁っ子みつてえおっ母の腰抜かしてやるだ!」



「アホ!おっ母はもう腰抜かしているだ!忘れたか!(笑)」



二人のノリ・ツッコミに長い付き合いの高坂殿も加わります。


「遅くとも来年の夏は京の都じゃ!」



平三、平五、そして勘一殿も感慨深げです。



「山本勘助殿が生きていたらなぁ」

「はい!」



そこへ、馬場殿が高坂殿を訪ねて来ます。



「未だに水の手切れぬ。今宵は曇が厚い」

「高坂、一度仕掛けてみてくれぬか?」



「わかりました」



その夜、勘一殿、平三平五を含む高坂殿の一隊は夜襲を決行します。



「父上の仇・・・早く出てこい!!」

「勘一様、落ち着きなすって」



今回の相手は徳川殿であり、山本勘助殿のお命を奪った戦いの相手は上杉殿でございます。



「平五、最初は誰でもいきりたつもんだ・・・」

「一番槍は私・・・」



その時。



カランカラン!!!



勘一の足が引っ掛かったのだ。




思わず立ち上がってしまう勘一!



「勘一様!」



パパ―ン!!



二俣城から次々鉄砲が!



「一端退け!!」



高坂殿の命令で一隊は引き上げます!



「勘一殿!平三平五!何をしている!」



平五殿は倒れている。



「平五!おぶされ!逃げるぞ!!」

「兄やん・・・おっかぁ・・・」



どさ。



「ウスノロ!何をしている!早く・・・」

「源助!!平五が(泣)」



高坂殿が平五殿の脈をとります。



「平五!平五は・・・死んどる・・・」



平五殿の遺体にすがりつく平三殿を高坂殿は無理やり引きはがし撤退していきます。



「平五!!平五!!!」



平三殿の叫び声が辺りに響いておりました。




その頃。



「どうか!良い嫁をお迎え出来ますようにお願い申し上げます!」

「平三も平五もよき働き手でございます!」


二人の母とらは戦場で二人が命を落とすなど夢にも思わず、ただ神仏に息子達に良い嫁が来るように祈っていたのです。

武田信玄第47話下巻~三方ヶ原~

浜松城


我が武田の軍勢は一月の後二俣城を落し、浜松城へと向かったのでございます。そして、浜松城にはようやく信長殿の援軍として、佐久間信盛殿・平手汎秀殿が到着致しておりました。



「おお!よくぞ参られた!!」

「兵三千を率いての御来援、徳川家康厚く礼を申す!」



「申し上げます!武田の軍勢二俣城を発し、こちらへ向かっております!」



浜松城に危機が迫る頃、我が武田の軍勢の一隊は美濃を攻撃したのでございます。信長殿としては怒りが抑えられなかったようでございます。



「浜松城を攻略するかと思えば、美濃に攻め込み我が岩村城を奪った」

「岩村城の遠山景綱の妻は我が叔母じゃ」

「秋山信友は己の側室としたそうじゃ。許せぬ!武田信玄我が前へ近づけ・・・殺してやる」

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素通り

晴信は12月22日三方ヶ原に達しました。



「お館様!浜松城動きございませぬ」

「そうか。ならばこのまま尾張を目指す」

「浜松城は捨て置くのですか?浜松城には織田勢の援軍もあり凡そ二万の兵がおるとの事ですが」



晴信はこのまま浜松城を捨ておき家康が何もしなければそれでよし。そうすれば、三河衆は家康を見捨てる。もし、城から討って出て我が軍勢の背後を突くようであれば、その時はなぎ倒せば良いと。




浜松城は籠城に備えております。



「お館様!武田信玄この城を囲むかと存じますがその前に三河の力見せたく存ます!」

「本多、力は何時でも見せられる。まずは落ち着くのじゃ・・・」



浜松城から我が武田の軍勢を眺める徳川家中の方々は暫く後に驚くべき事を発見致します。



「おかしい・・・お館様・・・敵はこの城を囲まぬようですが・・・」

「許せぬ・・・この徳川家康を無視しておる!」



家康殿はこのまま浜松城の前を素通りさせては武門の名折れと、



「今すぐ出陣する!」

「お館様!敵は大軍!落ち着いて下さいませ!」

「黙れ!我が命に従え!!」



大久保殿の説得も空しく、徳川家康殿は浜松城から討って出る事になります。

絵師

「家康め血迷ったか・・・?山津波の如く一気に襲え!」



家康殿の軍勢は背後を突こうと夕刻に三方ヶ原へと到着するものの、我が武田の軍勢はそれを事前に察知して万全の体制で待ち構えておりました。




家康殿は僅か2時間ほどの会戦で二千を超える犠牲者を出し有力な家臣を多数討取られる事になりました。また、援軍として来援してた平手汎秀殿も討死なさっております。



「我が軍勢はいったいどこへ消えたのじゃ・・・?誰もおらぬ(震え)」



家康殿は身代りとなった多くの家臣のお陰で命からがら浜松城へと逃げ戻ったのでございます。


「平手が討死した!」



織田の援軍佐久間殿の言葉に本多殿が激怒。



「何をいうか!我がお館様のお姿がないというのに!」



その時。



「本多!」

「お、お館様!」

「本多!すぐに絵師を呼べ!!」

「は・・・?」

「絵師を呼ぶのじゃ!」



徳川家康殿は浜松城へと逃げかえるとすぐに絵師を呼びご自分の姿を描かせたそうでございます。





家康殿はこの画を生涯座右に置き、二度と愚かな事をせぬように心掛けたとの事でございます。




そして、我が武田の軍勢は何事も無かったかのように三方ヶ原を後にしたのでございます。




失いし我が兵数十、徳川勢の討死した兵は千人余りにございました。




我が子晴信にとって三方ヶ原の勝利は一時病を忘れさせるに十分な良薬にございました。




では、今宵は此処までに致しとうございます。

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※注:2022年年1月24日現在の情報です。

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→武田信玄(大河ドラマ)のあらすじ第48話「信玄倒れる」

→武田信玄(大河ドラマ)の感想第47話「三方ヶ原の戦い」