武田信玄のあらすじ第37話「駿河攻め」。いよいよ4年に一度のスポーツの祭典が始まった(1988年ソウルオリンピック)。これから繰り広げられる数々の名勝負。その中でもとりわけ世界の注目を集めている熱き戦いがある。カール・ルイス27歳。4年前のロサンゼルスオリンピック。彼は4つの金メダルを獲得し、その時点で彼は世界一速い男だった。カナダ代表ベン・ジョンゾンはその時100㍍3位。この男が3年後(第2回世界陸上)に驚異的なスピードでルイスを破るとは誰も予想だにしていなかった。

圧倒的実力者の前に現れるニューヒーロー。信玄の前にも一人の武将が大きく立ちはだかった。永禄11年、信長は上洛し天下獲りレースの先頭に躍り出た。思えば、桶狭間で今川義元を討ってからわずか8年で信玄に対抗しうる力を備えた事になる。それは、あたかも神業の如き早さであった。信長という新たな好敵手を得て、信玄は西への出口「駿河攻略」への決意をした。往年の大国駿河今川家も信玄の前ではもはや風前の灯火であった。

武田信玄第37話上巻~駿河攻め前夜~

永禄11年(1568年)。晴信は駿河侵攻の準備を開始しております。既に我が甲斐の軍勢の準備は万端の様子でございます。

→武田信玄(大河ドラマ)の感想第37話「駿河攻め」

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孫子は好まない

躑躅ヶ埼館


「馬場、山県、真田等出陣の用意整い、何時でも立つ事できるとの事」

「うむ」



信廉は軍勢の準備が整っている事を晴信に報告します。いよいよ、駿河攻めにございますがここ躑躅ヶ崎には珍しい客人が訪れようとしています。




館内、出陣に先立ち風林火山の旗指物の手入れが行われております。そこへ、晴信の次男竜宝と一人の僧が連れだってやって来ます。



「竜宝様参られました!」

「おお!通せ!!」

「父上!おひさしゅうございます」



晴信は竜宝の来訪を喜び、駿河侵攻前に武運長久を祈ってくれと頼みます。そして、竜宝が伴っているもう一人の僧について尋ねます。



「そのお方は?」



その僧は唐(中国)より比叡山へとやってきた雲嶺(うんれい)という。今しばらくは甲斐に留まる予定であると言います。




晴信は雲嶺に話しかけますが、雲嶺は日本語を解しませんでした。竜宝が通訳となります。



「それを中国語で読んで欲しいのじゃが」





以前から唐の国ではどのように発音されるのか気になっていたと言います。雲嶺は唐の国の言葉で読み上げます。



「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆」

「なんと豊な響きじゃ(感嘆)」



晴信は唐の国三千年の響きと大いに感じ入ります。そして、もう一度、声高くゆっくり読んで欲しいと頼みます。



「故其疾如風」

「其徐如林」

「侵掠如火」

「難知如陰」

「不動如山」

「動如雷霆」



何度聞いても美しい響きと感じ入ります。そして、孫子は唐の国では自分たちの考えるものとは別の人なのかもしれないと独り言ちます。



「孫子をどのように考えているか尋ねてくれぬか?」



竜宝がその意を雲嶺に伝えます。
そして、



「雲嶺殿はこう申されております」



雲嶺は人の心を操る孫子をあまり好まないと答えるのでありました。

風雲急を告げる駿府城

駿府城


「申し上げます!武田勢我が国境へ向かっております!」

「その数は!」

「先頭は馬場、そして真田等信濃衆、武田信玄本体加われば・・・」



その数はおよそ一万数千にはなる。現状、今川の軍単体で百戦錬磨の武田勢を迎え撃つは不利。



「北条殿の軍勢は!?」



寿桂尼殿が庵原忠胤に尋ねます。



「既に出陣を願っておりますが・・・」



庵原忠胤殿は、武田勢を北条家と共同で迎え撃つには駿河国内に北条勢を入れなければならない事を懸念します。



「何を申すか!北条殿の力借りねば、武田信玄追い払う事出来ぬ!」



寿桂尼殿は直ちに甲州往還口へ北条殿を入れるように命じます。その時さらに悪い報告がやって来ます。



「三河徳川家康!遠江国境に姿現しました!」

「おのれ!信長の差し金か!」



寿桂尼殿は庵原忠胤殿以下、諸将に此度の戦は正念場であると訓示ます。ただ、氏真殿は何処か虚空を見つめておられるようでございます。その様子に気が付いた寿桂尼殿はかける言葉がなかったようでございます。

敵に塩を送る

春日山城


「この際、今川の願い聞き入れ甲斐信濃への塩を止めては?」



越後では上杉輝虎殿の元へ今川殿より「塩止め」を願う使者が矢の催促でございます。



「越中一向宗、領内の謀反全て武田信玄の差し金にてどうにかせねばなりません!」



重臣の直江兼続殿としてはこの事態を放っておいてよいはずもなく、なんとかしたいと輝虎殿を説得しますが上杉輝虎殿から色よい返事は返ってきません。



「越後が塩を止めても越中方面から入るであろう」

「それでもやらないよりマシにございます!」



直江殿はもしこのまま手をこまねいていれば、武田信玄が駿河を手に入れ、その駿河の金山の金をバラマキ今まで以上に調略を行うこと、また都への道が開かれ天下を獲るやもしれぬと警戒しています。



「今、我が軍勢を動かす事は出来ません!塩を止めを!」



晴信の調略で本庄繁長殿が越後国内で謀反を起こしており、上杉殿は軍勢を甲斐・信濃へと向ける事が出来ません。



「塩が止まりて困るは家臣領民」

「家臣領民困らすは正義の戦に非ず」

「塩は止めぬ」



直江兼続殿としてはこれ以上どうしようもございませんでした。




輝虎殿のこのご決断は後の世に「敵に塩を送る」という言葉を残したのでございます。

武田信玄第37話中巻~駿河攻め~

武田本陣


「敵はこの薩埵峠に陣を張っております」

「総大将氏真殿は清見寺に本陣を置き、数は凡そ二万」



薩埵峠を前に武田勢本陣では軍議が開かれておりました。そこで、晴信は家臣達が思いもよらない言葉を発します。



「この戦の真の目的は駿河に非ず」

「その後ろにいる尾張織田信長じゃ」



※関連記事:→薩埵峠の戦い!実際は薄氷だった武田の勝利


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気賀の戦い

徳川本陣


その頃、晴信と機を同じくして遠江へと攻め込んだ徳川家康殿。しかし、浜名湖東岸で思わぬ苦戦を強いられております。



「申し上げます!荷駄隊が襲われております!」

「申し上げます!近藤殿、菅沼殿の隊、気賀にて苦戦しております!」



しかし、徳川殿の軍勢を苦しめる敵兵は旗指物もない軍勢にて今川殿の誰か、いやそもそも本当に今川勢なのかもわかりませぬ。



※関連記事:→堀川城の戦いについて


「旗指物を付けぬとはおかしな敵じゃ」

「何故、旗指物を付けぬのでしょうか?」

「旗印を付けたくないのであろう・・・」



家康殿にはなんとなく、今自分達が戦っている相手で見えてきているようでございます。

薩埵峠の戦い

今川本陣


清見寺では今川氏真殿が落ち着かない様子で本陣をウロウロしております。重臣、庵原忠胤殿が武田勢の情勢を報告します。



「我が軍勢、現在薩埵峠に集結しております」

「武田勢はおよそ一万二、三千。動くとすれば明朝」



氏真殿は2万と数で勝る今川勢が薩埵峠に着陣し武田勢を待っているのが気に入りません。



「何故攻めぬ?」

「峠を上がってくる敵を迎え撃つのは兵法の定石」

「総大将は儂じゃ!もしや甲州金でも掴まされたか!?」

「そのような事は決して・・・!」



氏真殿は納得しません。総大将は自分であり、明朝全軍を持って峠を下り武田勢を攻めるよう命じます。




明朝。




庵原忠胤殿は自陣の諸将を集めると訓示します。



「峠を下り武田勢と戦うは死の覚悟が必要じゃ」

「しかし、恐れる事はない!今こそ今川武士の意地見せよ!」



別れの盃を交わそうとしたその時。




その時。



「申し上げます!」



庵原忠胤殿以外で今川勢の中核を成している、瀬名信輝殿、朝比奈政貞殿、葛山元氏殿、三浦与一殿の軍勢が退き始めたと伝令が入ります。




庵原忠胤殿は清見寺にある氏真殿本陣へと向かい、直ぐに駿府へと戻るように言上します。



「な、何故その方此処におる?!武田勢と戦うのでは!?」

「瀬名信輝以下、駿府へと引きかえしました!此処には我が軍勢しかおりませぬ!」

「た、武田猿に甲州金掴まされたのじゃ」



結局、氏真殿も駿府へと引き上げます。我が子晴信は今川殿と戦うことなく薩埵峠を超え駿府へと近づいたのでございます。

武田信玄第37話下巻~駿河滅亡~

駿府城


駿府では庵原忠胤殿が勝手に軍勢を引き上げた四名を問い詰めます。



「誰の命に従い軍勢を退き上げたのじゃ!?」

「誰の命でもございませぬ!我ら四人談合して決めました!」

「軍勢を動かすはお館様の命がなければならぬ!」



今川殿は末期的な様相を呈しております。

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今川家瓦解

「恥を知れ!!!!!!」

「恥を知るのじゃ!」

「裏切り者は首を刎ねよ!」



そこへ、於津禰(おつね)に手を引かれ病の寿桂尼殿が「裏切り者がいると」叫びながらやって参ります。しかし、少々様子がおかしいようです。



「誰じゃ?我が子義元を裏切りしは?誰じゃ?」

「信長めに通じていたのは誰じゃ?」

「朝比奈?三浦??そち達か?」

「庵原!裏切者の首を刎ね、その首に問うのじゃ!」

「腹黒い胴体から首離れれば、本当の事申すであろ?」

「裏切り者は誰じゃ!氏真!裏切者の首を!!」



寿桂尼殿は倒れてしまいます。氏真殿は寿桂尼様をお連れするように命じます。




そして、また悪い報告がまたもたらされます。



「申し上げます!!武田勢破竹の勢いにてもう止められませぬ」



庵原忠胤殿は、もはや過去の事を争っている場合ではないと悟ります。籠城するか打って出るか。



「お館様!御下知を!」

「掛川城へと向かう」

「なんと!?」



庵原殿は総大将の氏真殿が駿府を棄てれば、今川勢は総崩れとなると言います。



「総大将は儂じゃ!掛川へ来ない者は裏切者として首刎ねる!」



こうして、氏真殿は掛川城へと向かいます。



「もはや今川家はお終いじゃ・・・滅びる・・・」

「何もかも、滅びる(茫然)」



寿桂尼殿は駿府に残るのでございました。

寿桂尼と信玄

程なくして、武田勢は駿府城下へと入城したのでございます。そこには、元今川家重臣、瀬名信輝殿、朝比奈政貞殿、葛山元氏殿、三浦与一殿の四人もまた、武田家の新たな家臣として晴信の入城を迎えたのでございます。



※関連記事:→寿桂尼殿の実像でドラマとは異なる部分


晴信が駿府城主殿に入ると、病身の寿桂尼殿と於津禰(おつね)がやって来ます。



「武田殿、この寿桂尼死ぬ前に其方に会いたかった」

「其方に聞きたい事がある。答えられよ」



寿桂尼殿は此度の戦では甲州金を使い、重臣達を調略したのかと問います。そして、そうであれば卑劣極まると言います。戦いて死ぬのが武士の本懐。甲州金をばら撒くのはこの世に悪しき心をばら撒いているのと同義。




しかし、晴信は答えます。



「卑劣極まるは人殺し合う事」



死ぬよりも、甲州金を選ぶのは悪しき心ではないと言います。生きるための甲州金を拒み、命を奪い合う事の方が悪しき心に通じると。



「ただ、此度は甲州金に非ず」



今川家の重臣達が戦いて死ぬことを避け、甲斐と共に生きる道を自ら選んだのだと言います。



「氏真殿は儂には勝てぬ」

「其方の不遜は身を滅ぼしますぞ」



寿桂尼殿はさらに問います。



「かつて、我が子義元は信長めに首討たれた」



あの時も今川家の重臣を裏切らせて首を討たせたかと問います。死ぬ前に今川家が何故滅びるのかを知りたいと重ねて尋ねます。この事は同席している信廉も知らぬ、晴信と今は亡き山本勘助殿だけが知る事でございます。



「義元殿の最期が如何なるものであったか儂は何も知らぬ」



寿桂尼殿はこの後暫くして亡くなります。駿河今川家はこのときを持って滅びたのかもしれませぬ。




その頃、遠江の家康殿本陣には新たな知らせが。



「秋山信友、兵二千で天竜川沿い攻めております!」

「武田勢がこの遠江へ攻め上がって来るとは!お館様これは裏切り!!」



酒井忠次殿は大井川を境に遠江は徳川、駿河は武田と約束していると言います。



「信玄に焦り見える」



家康殿はこの行動は上洛を果たした信長殿に鏑矢を放つも同じ事とであり、いよいよ晴信との戦になると言います。



「出来れば、戦いたくはありませぬな」

「駿河当たり留まってくれればよいのですが・・・」



しかし、家康殿は晴信の狙いが京であると喝破します。



「相模北条殿へ使者を。挟み撃ちじゃ」



我が子晴信はついに海へとたどり着いたのでございます。動かぬ山に比べれば、変幻自在の海は晴信を京の都へ誘っているようでございます。




では、今宵は此処までに致します。

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→武田信玄(大河ドラマ)のあらすじ第38話「小田原攻め」

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