武田信玄のあらすじ第21話「景虎失踪」。上杉謙信の旗印は「毘」の一文字。「毘」は毘沙門天の毘である。謙信はなぜ毘を旗印にしたのだろうか。毘沙門天はあらゆる悪に勝つ守護神である。また北方、北の方角にある者すべての守り神でもある。謙信の眼に映る戦国の世は悪がはびこる暗黒の時代である。北の越後の主として自らを毘沙門天の生れ変りと、信じたとしても不思議はない。謙信にとって「毘」は揺るぎない正義の旗印だったのである。

武田信玄第21話上巻~準備~

あれから十有余年。御勅使川(みだいがわ)より釜無川へ至る工事を続けておりました。また、城下も整備が進み甲斐は発展をしようとしています。

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国造り

「この一番堤~五番堤まで崩れる事ございませぬ!」

「おお」

「また、流れを二分したのは田畑に水を引くためにございます!」



工事を担当している飯富殿、鎌田殿から晴信は報告を受けております。ようやく目に見える形で成果が現れ初めております。しかし、まだ釜無川の土手をさらに強化しなければならないなど道半ば。



「あと、数年はかかりましょうな」

「何年かけても必ずやり遂げるのじゃ」



晴信には洪水が無くなり稲穂が揺れる光景が目に浮かんでおりました。




また、久しぶりにあるご老人が館へと召し出されておりました。



「無礼者!このような所で人を追い抜くとは!」

「なんじゃ?だいたい其の方何者じゃ?」



屋敷の廊下では里見の祖父倉科三郎座衛門殿が新顔の真田殿と言い争いでございます。



「なんと!倉科様でござったか。ご無礼申し上た。真田幸隆と申す」

「真田?あの六文銭のか?ははは!六文銭にヒゲがお似合いじゃ!」



なんとなくこのお二人は似ているように感じまする。




さて、倉科殿を呼び出したのは晴信でございます。倉科殿は既に齢七十をとうに超えておりますがいたって御元気なご様子。可愛い孫娘の里見殿とも再会し意気軒昂でございます。



「して、子宝が恵まれるように祈祷でもせよと?」

「いやいや、そうではない(苦笑)」



晴信はここ最近は城下も発展し人も増えた。人が増えれば良からぬ人間もそこに混じってしまうのは世の常。そこで、倉科殿に「夜回り組」を組織して欲しいと頼みます。



「そのような御役目!儂にしか出来ませぬ!」



倉科殿は意気揚々と引き受けて行きました。

京の都

晴信は珍しく明るい内から裏方へとやって来ました。そして、三条殿と八重が武田の軍勢が城を取るたびに旗を刺していた地図を眺めております。ただ、その視線は旗が所せましと立てられた信濃ではなく京の都にあるようでございます。



「明るい内から御渡り頂けるとは!」

「おお。其方の妹は確か本願寺に嫁いでいたな?」



三条殿の妹君は摂津石山本願寺の法主本願寺顕如殿に嫁いでおります。晴信は三条殿の妹の嫁ぎ先であるのであれば挨拶でもしておこうと考えていたと言います。



「いつ、京の都へ上られるのですか?!」



三条殿と八重は晴信が都へ興味を示している事に喜んでおります。



「京の都は荒れ果てております。是非ご上洛を!」

「八重、其の方は随分都が恋しいようじゃな?」

「お館様。どうかこの八重の気持ちお汲み取りください」



八重は甲斐に骨を埋める覚悟で下向しており、ただただ、晴信の威光を天下に示して欲しいと願うばかりであると言います。



「天下は今、お館様を待ち望んでおります!!」

「分かった、其の方の言葉有難く受け取っておこう」



八重の迫力に晴信はそう応えると、出陣に備えて裏方を後に致します。

武田信玄第21話中巻~景虎失踪~

「戦わずして景虎の力を削ぐ」



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晴信は既に木曾福島も抑え、あとは奥信濃のみ。長尾景虎が動けないように越後国境まで兵を出すと噂を流し、未だ豪族同士の領地争い絶えぬ越後にの争いの火に油を注ぐように命じます。

晴信の魔手

「まずは越後箕冠城城主、大熊朝秀に謀反を起こさせる!」



既に山本勘助殿の調略で話はついております。
さらに。



「次は真田じゃ」

「は!大熊殿と共に雨飾城を攻めます!」



その間に信繁、原美濃殿の軍勢で伊那を制圧。これで、越後に接する一部の奥信濃を除き信濃攻めは完了となります。



「此処まで長尾景虎を追いつめれば必ず決戦となります」



陣馬奉行の原晶俊殿は大きくなった甲斐・信濃の軍勢のあり方を今一度考える必要があると提案します。晴信は頷きます。また、春日弾正殿は川中島にほど近い葛山城を調略し秋までには落すと言います。



「葛山城を落せば、もはや善光寺の境内に立つことはできるまい」

「しかし、長尾景虎殿の怒り破裂する事になります」



勘助殿は川中島は血で血を洗う戦場になると、予言をするのでした。

強さの理由

「其の方の申す通り、我が軍勢の在り方を今一度考えたい」



晴信は陣馬奉行の原晶俊殿を呼び出します。



「どうした?」

「いえ、痛風が・・・」

「ならば、足を投げ出せ。痛みがあれば考えられぬであろう」



晴信は原晶俊殿に景虎殿の強さに理由を問います。
晶俊殿は少々迷った後に。



「私利私欲がないからかもしれませぬ」



原晶俊殿は長尾景虎殿の今迄の戦を振り返ります。北条氏康殿との戦は関東管領上杉憲政殿を助けるため、そして、武田との戦は北信濃の村上義清殿を助けるため。私利私欲がない分、天は長尾景虎殿にお味方するのではと言います。



「我が軍勢に天は味方せぬか?」

「もしかすると・・・」



晴信はもし天が味方をしなくても、天が長尾景虎殿にお味方するとしても必ず勝利すると言います。そして、最期その所業を天が判断するであろうとも。

毘沙門天




長尾景虎殿は常日頃から毘沙門堂に籠っております。



「武神毘沙門天、この長尾景虎に強い力与えたまえ」



景虎殿には毘沙門天のお姿が間近に感じられたようにございます。景虎殿は毘沙門天の御意向を私利私欲に走る家臣達にも見せて欲しいと願ったのでございます。この世から悪しき者を一掃する。景虎殿はただただ、一心に願っておりました。




その頃春日山城の表では直江兼続殿が大熊朝秀殿、本庄実仍殿を呼びつけると叱責をしております。



「お館様の前で誓ったのではないか!」



上野家成殿とと下平修理亮殿の領地争いは益々大きくなっておりました。また、大熊殿、本庄殿もそれに加担をしているのではと。



「直江様、御言葉ではございますが!」



大熊殿は直江殿に反論します。そもそも、今回の領地争いの発端は前年に長尾景虎殿が上洛するにあたり、臨時の増税があったため。



「それは越後の名誉のためではないか?」



直江殿はそう言って二人を叱責します。景虎殿は決して私利私欲のために都に上ったのではない事は二人も良く分かっています。



「お館様を置いて、この越後を導く事が出来るお方はおらぬ!」



直江殿は大熊殿に厳しく言い含めるのでございます。

比叡山へ

「お館様のお姿何処にもございませぬ!」



直江殿は毘沙門堂に籠っていたはずの景虎殿の姿消えていると近習から報告を受けます。



「屋敷を探せ!ただし、お館様が消えた事悟られてはならぬ」

「申し上げます!先ほど僧が一人で屋敷を出ていったと!」



直江殿はすぐにそれが景虎殿であり、向かった先は比叡山に間違いないと判断します。




近習達には景虎殿が消えた事を家臣領民には気づかれてはならぬときつく厳命すると、近習の一人菊丸を伴い、景虎殿を追跡します。

月夜の晩

景虎殿は比叡山へと至る道すがら、小さなお堂で毘沙門天に祈りを捧げていました。そこへ夜盗とも野武士とも見える一団がやって来ます。



「おい!貴様!表で顔を見せろ!」



景虎殿失踪の噂が届いていたのでしょうか?月明かりに野武士の一人はこの方が長尾景虎殿であると見抜きます。



「儂は確かに三日前までは長尾景虎だったが今は僧である」

「け!何を言ってやがる!どんな奴かと思えばただの若造か!」



景虎は身動ぎもしません。
その泰然とした様子に苛立ったのか頭目と思しき一人が刀を抜きます。



「その態度、腕を斬られても続けられるか!?」



景虎殿はただ祈っております。




その時!



「ぐわ!」



追跡してきた直江殿と菊丸が野武士の集団に斬り込んできます。
しかし、景虎殿は祈ったまま動きません。



「お館様!太刀を抜いて下さい!」

「なぜ、放っておいてくれぬのじゃ!何故人を斬らせる!」



結局野武士の一団は全て斬り伏せられました。




景虎殿は家臣達が私利私欲に走り争いが絶えぬ事に嫌気が差しもはや越後を見捨てたのでございます。



「金、金、金、皆猿のようじゃ」



金を出されれば誰の金でも受け取る者達を猿であると言い、そして、その猿に征服され、猿の国になれば良いと言います。景虎殿の悩みは深こうございます。



「お館様!国主が国投げ出しては美しき流れ作れませぬ!」



また、金に眼が眩むのは一部の者であり、多くの良民はただ懸命に生きており、それを護る事が出来るのは景虎殿を置いて他にはいないと。

武田信玄第21話下巻~毘沙門天~

我が子晴信と長尾景虎殿は水と油程の違いがございますが、国主として生き抜かねばならぬ事に違いはございませぬ。景虎殿は生き抜くためにこの世の美しき流れを取り戻そうとし、我が子晴信は父親を乗り越え、国を乗り越えようとしたのかもしれませぬ。もしかすると、この頃から既に、京へ上る事を考えていたのかもしれませぬ。あれ程までに止めたのでございますが。

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大熊朝秀出奔

この年、弘治2年(1556年)の夏、我が子晴信は伊那を攻め雨飾城を攻め落としたのでございます。



「汚き奴め!汚き奴め!!!何故金など掴ませるのじゃ!」



長尾景虎殿は晴信の調略に武士なら武士らしく戦えと怒りを現にします。



「武田晴信め!人の心腐らせる奴め!!必ずや正義の鉄槌を下す!!」



晴信の調略に乗った大熊朝秀殿は晴信と会っておりました。



「謀反は起こせても、長尾殿から越後奪う事出来ませぬ」



大熊朝秀殿は長尾景虎殿は毘沙門天の生れ変りだと言います。そして、「毘」の旗の元に集う軍勢はまさに毘沙門天の軍勢であると。



「味方の時は気が付かなかったのですが・・・」






大熊朝秀殿は敵となってみて改めて長尾景虎殿の神憑り、その恐ろしさを新たに感じておりました。



「出来れば戦いたくはありませぬ」

「そうか・・・」



晴信は謀反を起こした大熊殿を気遣います。



「もはや越後へは戻れまい。ここ甲斐も良き国ぞ」



大熊殿は晴信の家臣として仕える事になります。

般若が消えた

満月の晩には必ず現れる妖怪か鬼か夜叉か。



「待たれよ。ここから先は行けぬ」



一人の武士が般若の前に立ちふさがります。その武士は飯富虎昌度の弟、飯富三郎兵衛と名乗ります。



「兄はもう会わぬ」

「!」

「次に現れたら、斬る」

「・・・」



鬼は踵を帰して去って行ったのでございます。

次郎

この年、次郎は長善寺を旅立ち、比叡山へと修業に行く事になります。幼き次郎ではございますが、誰の生涯にも旅立つ時はございます。




我が子晴信としては静かに見送る事しか出来なかったのでございます。



「儂は世俗を生きねばならぬが、そちは美しきものを目指せ」

「はい」

「親が思うほど子は弱くありません。ご心配めさるな」



岐秀殿は晴信にそう伝えます。




因みにここ長善寺には油川信友の娘恵理がおりました。




恵理は後に晴信の側室となります。




さて、今宵は此処までに致します。

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