西郷どんの感想第28話「勝と龍馬」。勝海舟と坂本龍馬の登場。西郷どんと勝海舟の運命的な出会いなんですが、今夜は出会いよりも「慶喜との決別」の回だったかな。少々分かりに難かった慶喜の言う「西郷どんの裏切り」についても解説!大河ドラマ西郷どんの感想第28話始めます!

西郷どんの感想第28話~裏切る理由~

禁門の変で焼けた寺院は250余り、また被災した家は27,500。京の町は文字通り焼け野原に。そりゃ、御所に向けて「砲撃」した長州が一番悪いと思います。そこで「長州征伐」。しかし、300年の太平でどうも雲行きが・・・。慶喜が語った「西郷の裏切り」とは!?



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戦は嫌でございます

繰り返しますが長州は「御所に向けて砲撃」した訳です。まあ、長州には長州の言い分があって、繰り返しになりますが、



「形は足利尊氏でも心は大楠公(キリッ!)」



と、いう論理があってんですけど、その「今楠公」と呼ばれた真木先生も天王山で自刃。普通に考えれば「朝敵」として征伐されるのは致し方ない・・・。
しかし。



「戦は嫌でございます」



これは別に西郷だけではないんですね。実際、太平の世を謳歌してきた江戸幕府とその旗本たちは戦などした事はないし、したくもない訳です。




勿論その理由は西郷どんのように「民草のため」ではありません。
(まあ、大きな括りではそうかもしんないけど・・・)




戦となればつまり「カネ」がかかる訳です。このご時世、薩摩のような金満体質な藩は殆どなく何処も台所事情は苦しい訳です。



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また、相手は「御所に向けて砲撃」するもはや理解不能な長州。額面上の戦力は優勢であっても戦いとなれば命を落とすやも。




結果。


「体調が優れないので隠居」
(因みに、跡取りは幼子なため出陣できまへん><)



という御旗本が続出したとか。




なので、口では威勢がいい事、長州討つべし!と言いつつ、討つのは人にお任せというなんとも日本文化らしい状況であった訳ですね。

慶喜の本意

慶喜の本意は「戦いそのもの」にあったのだと思います。皮肉な事に同じ事を後に薩長がやる訳ですけど。幕府の権威は「桜田門外の変」を境に落ちる一方です。




和宮降嫁にしても久光自身荷は必ずしもそのつもりはなかったとは言え文久の改革でさえ幕府の権威を貶めるものでした。



「幕府は何故朝廷から統治を委任されていたか?」



基本に立ち返ればそれは「武力」な訳です。ここで「朝敵長州」を武力で叩きのめす事が出来れば、やはり、



「幕府の武力に叶う戦力は少なくとも国内にはない」



と、言うことになり幕府の権威も持ち直す。
西郷と慶喜の会話。



「お前は戦には反対だと思っていたが?」



ここで西郷は分かっていたと思うんですよね。
慶喜の本意を。




そして、それを受け入れる「フリ」をしたという事なんだと思います。




言葉になっていなかった台詞を書き起こせば、



「幕府を中心に日の本が一つにまとまるには長州という生贄が必要」

「分かっておりもす、長州征伐は徹底的に長州を叩きのめす事が肝要」



上記のような阿吽の呼吸があった(と慶喜は信じたし、西郷もまた「信じさせた」)んだと思います。

西郷のテスト

それでも西郷は慶喜への「想い」はあったと思います。そして、その最期の「テスト」が今回の最後の話合いだったんじゃないかしら。



「裏切りやがったな!」



この言葉に「」となった方も多かった(まあ、当然と言えば当然・・・)と思いますが、それに対して西郷は驚きも言い訳もしていない。




つまり、慶喜の本意を分かった上で、平和裏に長州征伐を完了し、その事実をもって慶喜にもう一度翻意を促す。




まあ、その「翻意」したらどうするのかまでは、西郷の中には無かったようですが。




ただ、幸か不幸か慶喜の事は見限りました。




これからは正々堂々「敵同士」として相対する事になるのでしょうね。




大河ドラマ西郷どんの感想第28話「勝と龍馬」はまだまだ続きます。

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西郷どんの感想第28話~勝海舟と西郷~

勝と龍馬というお題目ではありましたが、龍馬は殆ど出番はなし。主に勝海舟と西郷の出会いでしたね。

勝海舟の先見性

西郷どんでは、



「西郷と慶喜の関係」



が、特別なので、「倒幕(幕府を見限る)」について勝海舟の言葉では決断出来ていませんでしたね。




翔ぶが如くでは、勝海舟との会談で、



「幕府を倒す」



という選択肢を教えれられて「目から鱗」が落ちると言か、眠りから覚めるというか、つまりは西郷にとっては、



「斉彬との出会い」



に匹敵する変化を西郷自身にもたします。




人間というのは時代からは自由になれないと思うんですよね。




B29の爆撃を目の当たりした人々は米帝の圧倒的な物量と無慈悲な所業を忘れないし、冷戦たけなわの時代に「ジャーナリスト」なんて仕事をしていると、世界中の不幸は「米帝の所為」だと思ってしまうのも無理からぬ事だと思いますし、中共の天安門事件やその後反日デモが激しかった時代を知る人は中共怖ろしと思うでしょう。




でも、一方で日ソ中立条約を破られた事シベリア抑留北海道のスクランブルがメッチャ多かった事ベレンコフ中尉亡命事件で「赤軍が取り返しに攻め込んで来る!」とか緊張した事とかキューバ危機を、歴史の教科書のナナメ読みでしか知らなければ、



「プーチン好きだわww」



とか、呑気に言える訳でだったりします。



つまり、人間は産まれた時代から自由にはなれない。




あの時代は腐っても幕府は幕府なんです。
あって当たり前。




その幕府を「無くしても良い」という発想を幕臣である勝海舟がすると言うのはスゴイ事だと思うんですよね。斉彬だって「幕政改革」であって幕府を無くそうなんて発想はなかった。




この辺りの「衝撃」はもちっと描いて欲しかったかな・・・。




まあ、前述の通り、



「慶喜が幕府(徳川)第一から翻意すれば・・・」



西郷は慶喜を支えるつもりだったんですから致し方ないんですけどね。

民の痛みを知る西郷が江戸で・・・?

勝海舟は踏んだり蹴ったりの長州を攻めるなんてのは、武士のやる事ではないといった事を西郷に語っていました。




後に江戸開城では西郷がその言葉を勝海舟から問われるワケですが。




でもやっぱり・・・。




この分だと「赤報隊」や「江戸でのテロ行為」は描かれないのかな?実際は「戦争」をするために幕府を江戸で挑発するんですけどね。西郷の命令で。




まあ、今回の西郷は「革命家」なんで、それくらいは描いて欲しいかな。そして、勝海舟と体面する時に西郷自身が言行不一致の自分を責めるみたいな・・・。




ちょっと期待しています。




大河ドラマ西郷どんの感想第28話「勝と龍馬」もいよいよ最後の段。川路と半次郎は何かある。

西郷どんの感想第28話~半次郎と川路~

中村半次郎と川路利良が仲良さげ。これは悲しい結末への布石とみた。

郷士出身

先々「西南戦争」のきっかけになるのは鹿児島へ内偵に入った密偵が私学党に捕らえらて西郷暗殺を告白する事に始まります。川路がその内偵捜査の中心となる訳なんですけど、中村半次郎はその時桐野利秋と名前を変えて西郷軍の中心的な人物になっているんですよね。



西郷と大久保の友情と別れ。



同じく、



川路利良と桐野利秋(中村半次郎)の友情と別れ。



その布石を今打っているのかな・・・?




以上、大河ドラマ西郷どんの感想第28話「勝と龍馬」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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