歌橋は大奥の裏ボス!?西郷どんのキャスト紹介「歌橋」について。西郷どんの第12話で家定生母の本寿院と同時に登場。キャストは猫背椿さん。歌橋は家定の乳母を務めておりますが、大奥では本寿院以上の権勢を誇ったとも・・・。大奥の裏ボス歌橋とその権勢の理由について。

歌橋はただの乳母ではない

徳川将軍家においては一部の例外を除いて「世継」は乳母が世継ぎを養育するのが一般的です。大奥の礎を築いた春日局以来の伝統ですね。歌橋もまた、その系譜に連なる乳母であり、当時は生母本寿院を凌ぐ権勢を誇ったとも言われます。

幕末の春日局!?

巷間よく知られているように13代将軍家定は生来の病弱な体質でした。個人的には家定は「知能」の面では歴代将軍と比較して格別に劣っている訳ではないと思いますが、身体は弱かったのは間違いないところではないかと思います。
※勝海舟によれば「将軍は愚かな人間に務まる役目ではない」とのこと。また、歴代将軍が皆家定よりは賢かったかと言うとねぇ・・・?




歌橋は身体の弱かった家定の乳母として仕える事になります。




家定は「生来の病弱」な体質ですから、幼い頃は特に歌橋も気を遣ったと思います。また、いかに「天下人の世継」であるとは言え当時はまだ江戸時代です。病で苦しんだ事も一度や二度ではなかったと思います。




そういった幼年時代を通して歌橋と家定の間には「固い絆」が築かれていきます。家定は歌橋以外には中々心を開かず、また病がちの人によくあるようにあまり表には出たがらなかったと言われます。




乳母と生母の関係においては時折、



「海の母 VS 育ての母」



のような対立も見聞きしますが、父である第12代将軍家慶、そして生母本寿院もまた歌橋を信頼していたようですね。家定が第13代将軍に就任の後もその信頼関係は壊れる事なく、本寿院と歌橋はお互い「家定大事」という認識で対立どころか協力をし合っています。

母二人

大河ドラマ等では「公方様には子は出来ぬ」「公方様はは夫婦の契りも難しい」と描かれています。ただ、周りや本人は「その事を重々承知」していても・・・。「母親」はそれでも望は捨てられなかったようです。




家定は公家から正室を二人迎えていますが、程なく二人とも病没しています。



「子が授からないのは御台所が病弱だから」



一縷の望みを託したのが薩摩藩出身で「丈夫」な篤姫でした。外様大名から将軍御台所を迎えるというのは異例ではあったのですが、同じ薩摩藩から家斉(家定の祖父)の御台所として広大院の例が卑近にあったことも幸いしたと思います。
(広大院は家定が成人するまで存命であり、後の篤姫の輿入れに多少成りとも影響を与えたのではとも思います)




この時は「表」では反対意見(水戸斉昭・井伊直弼など)もあったのですが、本寿院と歌橋は大奥の意向として篤姫の輿入れを支持しました。




しかし、ご存知の通り篤姫は密命を帯びています。



「次期将軍は一橋慶喜を・・・!」



将を射んとする者はまず馬を射よですね。




程なく「篤姫の輿入れ」の真の目的が露見します。何故露見したのか?そんなに難しい事ではありません。




薩摩藩が公然と将軍継嗣に「一橋慶喜」を推したのですから。

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歌橋の全盛期

怒れる母ほど恐ろしいものはありません。裏切りに気付いた歌橋や本寿院の怒りは想像に難くない。




篤姫は大奥では孤立してしまいます。




因みに、ドラマでは「将軍継嗣は一橋慶喜」との意向を井伊大老が握りつぶしたとも言われていますが証拠はありません。実際は慶喜というよりもその父であり大奥の綱紀粛正を主張した「水戸斉昭」を嫌った、生母本寿院や育ての母である歌橋からの説得に応えたというのが妥当だと思われます。




また、現代では「一橋慶喜」もありのような(事実、一橋派は想像以上に善戦はしましたが)感じもありますが、当時の幕府の常識では一橋慶喜を将軍継嗣とするのは先例を考えれば「かなり難しい」ものであり、慶福を後継とした事を一概に責める事は出来ないと思います。




さて、こと此処に至り「南紀派」となった歌橋が中心となって「ある秘策」を断行します。




それは、大奥に家定の従兄弟でもある紀州慶福を度々招くという事です。実はこの歌橋は元々は「紀州の出」であったと言われています。
(大河ドラマ翔ぶが如くなど)



※関連記事:→南紀派の最大の武器!?紀州慶福!

我が物顔で慶福を大奥で連れ回し、大奥の女たちを一致団結させるのに一役買ったという事ですね。
(基本的大奥は子のいない女子の集まりなので幼い子の魅力には弱い)




こうして「挙大奥一致」を図った歌橋の権勢は本寿院を凌ぐとまで言われたと言います。

歌橋を演じるのは

大奥のキーマンである歌橋を演じるのは猫背椿さん。1972年生まれで現在は「大人計画」に所属しています。大河ドラマの出演歴は・・・!?

三女優鼎立

西郷どんでの初登場は大奥で生島が初めて本寿院と謁見する場面でしたね。



  • 本寿院
  • (泉ピン子)

  • 幾島
  • (南野陽子)

  • 歌橋
  • (猫背椿)



いやぁ・・・。




中々ド迫力な並びでございました・・・!




ただ、可憐な篤姫様がこの中に入っていくことを想像すると・・・。



「二人の母」からのイビリが心配でなりませぬ・・・。
(別の言い方をすれば楽しみで仕方がありませぬ・・・!)



ちょっと意外ですが猫背椿さんは大河ドラマへの出演はこの「西郷どん」が初めてですね。バイプレーヤーとして各方面で活躍をされているので、今後も大河ドラマへの出演が期待できる気がします・・・!




以上、西郷どんのキャスト歌橋について!大奥裏ボス!?でございます。




今宵は此処までに致します。

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