女城主直虎第13話のネタバレとあらすじです。前話でついに「おんな城主直虎」が誕生。しかし、幼馴染で初恋の人でもあった直親は誅殺されて、同じく幼馴染の政次は裏切り、今川の目付として井伊谷へ復帰します。直虎第13話では桶狭間以降荒れる井伊谷の復活をかける、直虎の戦いが始まるようです。

直虎第13話上巻~女城主直虎船出~

南渓が次郎を還俗させた上で「直虎」として、城主を任せる(虎松の後見とする)事に一同は衝撃を受ける。

直虎と政次

その衝撃は好意的なものではない。今川から目付を命じられている政次ら3人はもとより、井伊家譜代の一族である中野直之らも直虎が、いや女子が城主等受け入れ難いようだ。それも当然である。今でさえ「ガラスの天井」と言われているのだ。当時は鉄、いや、鋼の天井である。



「女子に井伊を任せるなど正気の沙汰とは思えませぬ」



直之は怒鳴り声が広間に響く。直之はさらにこの人事への不満を続ける。そもそも、直虎(次郎)は幼い頃に出家をして龍潭寺に入り家にさえいなかった。そのような女子に国の政(まつりごと)は務まるものではいと言う。




直之の発言はもっともな部分もあるが、苛立を隠せない直虎が何事かを発言しようとする。しかし、それを南渓が制する。



「成程、駿府からは但馬を後見にと命じられているが、その方が良いと?」



南渓にそう問われると言葉が続かない。直之は政次を一瞥すると気まずそうに黙り込んでしまう。政次は顔色一つ変えずに平然としている。南渓は続けて政次にも尋ねる。



「但馬殿はどう思われるか?」



政次は直虎の城主(後見)就任についての賛否の代わりに、一国を治めるのは、簡単な事ではないが、その覚悟を直虎が持っているのかが心配だと言う。



「われは、わが父や先代の遺志をしっかりと継ぎ、井伊の国を守っていくつもりである!」



直虎は冷静に分析をする政次を睨みつつ宣言する。



「亀の魂を宿し生きる。」



直虎の覚悟はとうに固まっている。決して揺らぐことない決断をしてこの場にいるのだ。



「であれば、何も申し上げる事はございません。」



政次は家老として誠心誠意直虎に仕える事を誓って見せると、不気味なほど深々と直虎に頭を下げるのであった。

今川仮名目録

晴れて虎松の後見となり「おんな城主」となった直虎ではあるが、先の評定で中野直之が指摘した事もまた事実である。



「政務についての経験は勿論、知識もない」



井伊谷を良くしたいという意欲だけは充分ある自信はあったが、正直政務に関しては全く自信がなかった。南渓はそんな直虎の心中を察して一冊の書物を直虎へ渡す。



「今川仮名目録?」



今川氏親(寿桂子尼の夫、義元父)が制定した33条からなる家法である。当時、病床にあった氏親の奥方である寿桂尼の影響も大きいと言われており、同盟国である甲斐の武田氏の甲州法度も参考にしたと伝わっている。



「今川の先々々代の氏親殿が子に代を譲る際、無駄な混乱がおこらないように国を治めるために作った掟で・・・」



兎に角まず読んでみる事を南渓に勧められる。直虎は早速南渓に渡された今川仮名目録を読んでみる。そこには、家臣団の統制、相続、争いがあった場合の成敗、さらには銭や米の貸し借りに至るまで、事細かく記載がされていた。




相続や争いがあった場合の成敗等、直虎にもなんとなく分かりそうなものもあるが、銭の貸し借り、米の貸し借りといった話は理解するのは難しそうだった。寺社は基本的には寄進で成り立っている。銭や米の貸し借りとは無縁だった寺暮らしの直虎には縁遠い話だった。




しかし、これらを理解しなければ政務を行う事は出来ない。改めて気合いを入れると、「今川仮名目録」を読み始めるのだった。




翌日。




夜中まで「今川仮名目録」と格闘した直虎の元に政次がやってきた。



「安堵状、検地控え、証文類です。まずはご覧いただいた方がいいかと思いまして。」



そこには書類の束が・・・。今川仮名目録1冊でさえ悪戦苦闘しているのだ。さらに、これだけの書類に目を通す・・・。直虎は、流石に気がめいりそうになるのであった。

直虎第13話中巻~その名は瀬戸方久~

直虎らが新たな城主(虎松後見)となった話は井伊谷に広がる。新しい城主に挨拶をしたいと、村々の代表たちが井伊家の館へ続々とやってくる。そして、多くの村人が窮状を訴える。ある村の百姓は新しい領主に是非村の窮状を見て欲しいという。

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瀬戸村

統治の難しさは、すぐに現実問題として直虎の表情を曇らせる。村人に請われてやってきた瀬戸村は傍目からも荒地が目立った。かつては、農作物が収穫できた田畑であったのだろうが、桶狭間以降、激しさを増す各地の戦で兵を取られ、耕す者がいなくなったのであろう事は容易に想像が出来た。



「このような状態でも年貢は納めなければならないから、銭や米を銭主に借りるしかありません。」



村の年長者と思われる老農夫は苦し気に語る。ただでさえ耕作地が減り(耕す事が出来ず)収入が減少している中、年貢を収めようとすれば、自分達の食べていく分が残らない。そのため、銭主に銭を借りてとうざを凌ぐ事になる。しかし借銭は借銭。返さねばならない。結果、村人は「年貢」と「返済」の二重の支払いに苦しんでいた。そして、その甚兵衛と名乗る百姓は突然土下座をする。



「ご領主様、『徳政令』をお願いいたします!」



「徳政令。」



鎌倉時代以降、時の朝廷や幕府、守護により度々発布された借金を白紙に戻す法令のことだ。甚兵衛は徳政令が発布され村の借金が棒引きとなれば、再び瀬戸村を再建できるという。



「よし、分かった。すぐに準備をしよう」



それが何を意味するのか本当に分かっているだろうか。直虎はその場で即断してしまう。



「そんな大切なことを簡単に了承してしまってはなりません!」



同行していた直之は驚き慌てて、止めるのだが、直虎は領主は自分だと聞き入れない。村人を助けてやった事に満足げな直虎。そして、このような大事なことをあっさりと決めてしまった事に怒る直之。屋敷に戻ると、そこに六左衛門が驚愕の事実を伝える。



「このままでは井伊は潰れてしまいます!」



そう。借金まみれは瀬戸村だけではない。既に、井伊も多額の借金をしていた。



「銭20貫文、銭15貫文、銭30貫文・・・」



借金の証文の束を見せられると直虎はうなる。ただ、その証文の束を見てある事に気が付く。



「瀬戸方久」



そう。
先程尋ねた瀬戸村を苦しめている銭主の名前も同じく瀬戸方久だった。井伊も瀬戸村も同じ人間から借金をしているということになる。そこへ客人がやってきたとい知らせが。



「瀬戸の方久様と言うお方です。」



3人は借金の証文の主が訪ねてきた事に驚き、先ほどの言い争いも忘れ顔を見合わせたのだった。

再会

いったいどんな男なのだろうか。直虎はまずはその「瀬戸方久」のあいさつを受ける事にする。



「ご領主様の代替わりを伺い、お祝いに参りました。瀬戸村の方久と申します。」



直虎は領主たるもの舐められてはならないと気丈に振る舞おうとする。



「うむ。面をあげよ。」



その男の顔を見て、何かが引っかかる。いや、この男にはどこかであっている?



「何処かで会った事はないか?」



「ございますよ。」



男は不敵にそういうと、袂から藁の束を取り出し、叫ぶ。



「変わり者どうし、仲よくやりましょう。」



※戦国家出少女
→直虎第2話「崖っぷちの姫」より



藁の匂い、男の声・・・!
幼い頃、亀之丞を追って家を飛び出し、彷徨っていたおとわを親切に一宿一飯を振舞ってくれた。にも拘わらず、おとわを売った(という表現が正しいかは分からないが)男。



「お主は、あのときの!われを泊めてくれた。なのに、われを売った!」



直虎は懐かしさも手伝い興奮気味に語る。その男、方久はおとわを売った褒美を貰って以降の人生を語った。まず、もらった銭を使い最初の商売を始めたという。それは、浜名湖畔で余った魚を安く買い、干物にして売くことだったという。




ここで当たった銭を元に、次は茶屋を始める。安い茶を出すと評判にとなりこれも儲けが出る。そこが流行り、人の出入りが多くなると自然と戦の情報を得るようになる。今度は、その情報を元に「戦」で商売を始める。




戦中は薬や食べ物を仕入れて売り、戦が終わると合戦跡に鎧や槍、刀を拾い集め、次の戦場で売る。直虎はこの男は盗人のようなやり方ではあるものの、銭を動かす才覚に秀でていると直感する。



「私は銭の犬。ワンではなく、貫(カン)と泣きます」



「ウ~!カンカンカン!」



直虎は方久の鳴きまねを見て笑うと身を乗り出すと、相談を持ち掛ける。



「瀬戸村の借金をなかったことにしてはくれないか。」



大胆な申出に思わずのけ反る方久。直虎は瀬戸村での一部始終を話して聞かせる。方久は笑い出すと、直虎は面白いお方だと1人納得をして快諾する。しかし。



「井伊に貸している銭を、今すぐここで全額揃えて返してくれるなら。」



流石にそれは出来ない。無い袖は振れないのだ。なんとか、返済期間を延ばしてもらうことは納得させる。

直虎第13話下巻~ばらばらな井伊谷~

方久が訪ねて来た日の夜。直虎、そして直之と六左衛門は改めて井伊家の借財や年貢の見直し、資産価値の見直しを行う。改めて厳しい現実を突き付けられる結果となる。

二兎は追えない

先ほど笑顔で立ち去っていった方久への支払いだけでもざっと30年。徳政令を出せばこちらの支払いをもしなければならない。直虎は幾分「徳政令」を約束したことを後悔していた。そんな、直虎の気持ちを知ってか知らずが直之はやけくそ気味に発言する。



「 結局、徳政令を出さなければ済む話だろう。」



直虎はそれでも百姓たちとは約束をしてしまっていると弱々しく反論する。直之は、そんなものは知らぬ顔で放っておけばそのうち諦めるという。直虎も直之の言い分が分からないでもなかった。こちらも火の車なのだ。



「取り消すしかないのか・・・」



直虎は一人苦悩するのであった。



翌日。瀬戸村徳政令の話を聴い祝田村の住人が押し寄せてきた。昨日瀬戸村で新しい城主が徳政令を約束してくれたという噂が広まったのだ。



「ぜひ我らの方にも出してください。お願いします!」



集まった村人の表情は期待にあふれていた。それだけに直虎は辛いところだが苦渋の決断をする。



「その話だが・・・徳政令は出せない。今それを出してしまったら井伊家も潰れてしまう。」



一瞬。
静まり返る村人達。彼らは何が起きたのか分からない。次の瞬間。先ほどの期待とはうってかわって怒りの怒号が飛ぶ。直虎は兎に角、徳政令は出せないと言い捨てると、屋敷へ逃げ帰るように去って行った。村人の怒りは暫くやむ事はなかった。




直虎はその一件の後、正体を隠しながら村々を見て回る。田植えの次期が近づき百姓たちが必死に田植えをしている。しかし、何処も働き盛りの男は少ないようだった。直虎はなんとか百姓たちを助けてやりたいと考えた。徳政令を出さずに、村人を救う方法。そんな都合の良い話があるのだろうか。

妙案か?

銭。そう村人もそして、井伊も銭がない。銭の犬。



「ウ~!カンカンカン!」


銭の事を考えていると「銭の犬」方久の事を思い出す。そうだ!方久を家臣に向かい入れて瀬戸と祝田の領主とする。年貢は方久に入るようする事でこちらの支払いは待ってもらうう。




そして、村人は年貢のみを納める形とする。村に余裕が出てきたら方久の指導で村人を銭を稼げるようにしてもらう。そうすれば、村人は潤い、年貢を受け取る方久も儲かる。いずれ、借金も返済が出来るようになる!銭の犬に村の面倒を見させてやればよい!




龍潭寺の南渓に相談をするとよい考えと好意的な反応を得る。当の方久を訪ね話を持ち掛けたところ引き受けても良いと色よい返事を得る。早速評定を開き直虎の考えや、方久を新たに家臣に加えた事を伝える



「由緒ある井伊家に、どこの馬の骨ともわからないような商人を加えるなど、亡き父上たちに顔向けできません!」



直之は激怒していた。そして、六左衛門も怒りに震えながら続ける。



「そもそも瀬戸村は新野の娘たちのご所領です。また、祝田はわが妹・しのの所領です。妹と直親様の思い出の詰まった土地でもあります!」



話しにならないとばかりに井伊家譜代の家臣たちの猛反発に合う。二人はこんな家には仕えていられないとばかりに直虎へ文句を言うと評定の部屋を後にする。その様子を黙って見ていた政次は二人が出ていくと、



「私もこれで失礼します。」



嘲笑うかのように冷笑を浮かべ部屋を後にした。不愉快な思いをさせてしまったと方久に詫びる直虎。



「慣れていますから」



特に気にもしていない様子で答える方久。さらに、村が豊になれば彼らは手のひらを返し、直虎の決断が村を救ったと、褒め称えるでしょうと続ける。ようやく、直虎の顔にも笑顔が戻ったその時。



「瀬戸村と祝田村の百姓らが、徳政令を出すよう、今川に直訴したようです!」



直虎の笑顔は凍り付いた。

→大河ドラマおんな城主直虎のあらすじ第14話「徳政令の行方」へ