女城主直虎第12話のあらすじです。悲劇の連鎖は断ち切れない。18年前の直満を見ているような展開。そして次郎はどのような決断をするのか?

直虎第12話上巻~悲劇の連鎖~

永禄5年(1563年)12月14日。直親は家臣18人を連れ井伊谷を出発、一路駿府城を目指す。この年の12月は太平洋に面した東海地方には珍しく寒い日で、小雪もチラついていたという。

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掛川

井伊谷の誰もが18年前に直親の父、直満が駿府に立った日の事を思い出さずにはいられなかった。多くの者が駿府へ向かう一行を不安気な眼差しで見送っていた。しかし、そこに次郎法師の姿はなかった。



「ご初代様!どうか!お助け下さい!直親を!井伊を!」



極寒の12月。次郎は一人龍潭寺の井戸の側で何度も何度も水をかぶっては直親の無事を祈っていた。18年前の悲劇を繰り返したくはない。水が湧き出た井戸でご初代様へ祈りをささげ続けた。ある瞬間から次郎の感覚は麻痺して意識が遠のいていく・・・



「直親?」



気が付くとそこには直親が。乾いた手ぬぐいを優しい笑顔でおとわに手渡す。安堵した次郎は膝から崩れ落ちると今度こそ意識を失った。



そして、同じ頃。



直親もまた次郎の幻を見ていた。



「おとわ・・・」



「井伊谷はどっちだ・・・」



風雪の中おとわに手を伸ばしながら前のめりに倒れると、もはや、身体は動かなかった。辺りの雪は流れた血で真っ赤に染まっていた。




直親達一行は駿府へ入る事はなかった。その手前、掛川の辺りで今川の武将朝比奈泰朝らの手勢に囲まれると、一人残らず討ち果たされてしまっていた。誰もが直親の父直満の悲劇を思い出す。




いや、直満は駿府まで出向き自ら腹を切り、共の者は生きて帰る事が出来た。しかし、直親は弁明の機会も腹を切る機会も与えられず、護衛の共の者諸共斬り殺された。



「これではなぶり殺しではないか!」



直平は怒りの咆哮をあげた。嫡男直宗(次郎の祖父)、そして孫の直盛を戦で失い、息子直満は今川に誅殺され、娘の佐名も元康謀叛の責任をとらされ自刃、そして今度はまた孫の直親が息子と同じ、いや、息子以上に無残に殺害された事になる。

帰還

次郎は朦朧とした意識の中で母、祐椿尼(千賀)の温もりを感じた気がした。



「直親!とわを連れて行ってはいけない!」



母の、そんな声を聴いたような気がした。目を覚ました次郎はここ数日の間の事を聞かされる。寺の井戸端で意識を失うと、数日にわたり生死の境を彷徨っていたと。



「殿のお帰りだ!」



龍潭寺の兄弟子昊天の声が響き渡る。覚束ない足取りで声の方へ歩く次郎。



境内には目を閉じ横たわる孫一郎(直親妻しのの兄)や藤一郎達がいた。そしてその中に。



「亀、直親・・・?」



青白い顔は既に黒く乾いた血で汚れていた。思わず手を伸ばし触れようとすると。



「触るな!」



目を充血させ般若の形相で睨み付ける直親の妻しのの姿があった。しのは行き場のない怒りを全力て次郎にぶつけてきた。



「お前が殺したようなものだ」



妹のなつが姉を制すると必死で謝罪をする。



「姉は正体を失っております!どうかお許しを!」



次郎は虚な表情で、



「しの様のおっしゃる通りじゃ・・・」



と、つぶやくと夢遊病のようにフラフラとその場を後にした。どれくらいの時が流れたのだろう。次郎はそれから数日の記憶がなかった。ふと気が付いたのは葬儀の読経を聴いた時。



「おとわ、あの経を聴かせてくれないか?」



直親の言葉を思い出す次郎。しかし、次郎は言葉を発する事が出来なかった。

直虎第12話中巻~誰もいなくなった~

しかし、三河を松平に奪われるなど、昔日の勢いはないが遠江、井伊谷は今川支配下にあった。いや、むしろ勢いが衰えたからこそ、疑いの目を向けられればそれは苛烈な処分をうむ。

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生き残りの道

松平元康との内通の疑いを持った今川氏真の追求と圧力は直親の死だけでは納得をしなかった。その忘れ形見である虎松の命も要求してきたのだ。



「私が駿府へ参ります。」



そう言ったのは今や名ばかりの目付となった新野左馬助だった、左馬助は自らの命を差し出す覚悟で駿府へと向かう。




駿府で今川氏真に謁見した左馬助は、なんとか、虎松の命だけは取らないで済むように説得する事に成功する。しかし、それには条件があった。それは、虎松の命と引き換えだけあり、過酷な条件だった。



「おジジ様が戦に出る事が決まった。」



次郎は己の耳を疑った。おジジ様(直平)は既に齢70を優に超えていた。いったいなぜ・・・?



次郎はいてもたってもいられず井伊館へ向かう。そこにはおジジ様直平だけではなく、中野直由、左馬助が酒を飲んでいた。



「虎松を助ける条件だったのだ」



今川は劣勢に立たされ苦しい。その苦しい今川のために戦に出陣する事が虎松を助ける条件だと言う。



「井伊には戦の差配が出来る男は私達以外におりません。」



桶狭間、そしてそれに続く掛川の悲劇で多くの男を失った井伊家は、戦が出来る男をことごとく失っていた。次郎はここで一つの疑問が浮かぶ。



「お三方がいなくなったら井伊はどうなるのですか?」



直平が答える。



「我々は必ず戻って来る」



力強く宣言はするが・・・



もし、戻る事が出来なかったら、それは「宿命」であるという。直平は全てを受け入れ悟りを開いたかのように笑っていた。しかし、その表情に次郎は胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。




次郎には祈る事しか出来ない。




その年、あれほど憎んでいた今川家のために出陣した直平は没した。身内内での毒殺とも噂をされる不審死であったという。そして、中野直由、左馬助もその翌年、今川の戦に参戦中に命を落とした。井伊家に戦が出来る男はいなくなった。平安の昔から500有余年続いた井伊家は正に存亡の危機を迎えていた。

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直虎第12話下巻~その名は直虎~

井伊を束ねる男たちは皆いなくなった。しかし、井伊谷は未だその地に存在し続け、その地で暮らすものもまた消えてなくなった訳ではない。新たな支配者が必要である。

再会

翌永禄八年、春。懐かしい顔が井伊谷へ現れた。駿府へ出向いたきり消息を絶っていた小野但馬守政次。井伊谷では直親暗殺に一枚?んでいたのはないかとも噂をされていた。




政次は今川の新し目付け3人を引き連れて堂々と現れたのだ。立て続けに当主、大御所、城代と主だったものを失って、主のいない井伊家を訪れると、自分が虎松の後見となった旨を、祐椿尼に告げる。



「家督は虎松様です。わたしは、ただの後見です。これは命令でございます。」



もはや、最後の相談相手となった龍潭寺の南渓を探した。



「生きていたのか政次」



次郎は井戸端で目にした政次に驚きを隠せずにいた。あの日、幼き頃の3人に戻ったと喜んだあの日以来の井戸端だ。そして、もう直親はいない。




政次は直親の裏切りが露見し、暫くの間今川に捕らえれれていたという。しかし、井伊を束ねる人間が誰もいなくなったので、戻された。政次の瞳の奥の昏い炎を見た次郎は政次が裏切ったことを直感する。



「裏切るつもりで裏切ったのか、それとも、そうせざるを得なかったのか・・・」



政次は恨むなら直親を恨めという。直親が失策を重ねた結果井伊は自らの手で自らを滅ぼしたのだと言い放つ。冷笑しながらそう告げると政次は立ち去った。

直虎爆誕

「直親を恨め」



この一言は次郎の怒りに火を付けた。傑山自慢の槍を手に取ると政次を追跡しようとする。



「鶴でも狩りにいくのか~?」



ふらりと現れたのは南渓であった。我に返って次郎は槍を地面に突き刺すと思いっきり泣いた。



「われのせいで直親は死んだ!」



直親だけではない。井伊を守る男たち、孫一郎、藤一郎、佐馬助、直由、そしておジジ様。皆死んだのは自分のせいだと嘆く次郎に南渓は冷静に告げる。



「己を責めても死んだ者は帰らない」



地面に突き刺した槍を抜くとさらに続ける。



「死んだものを己の中で活かす事は出来る」



南渓は亡くなった人を想うこと、亡くなった人の行動を真似る事、さらには、あえて真似ない事で活かす事が出来るという。まるで、禅問答である。戸惑う次郎だが・・・



「亀のために生きる。亀の魂を宿し生きる。」



決意を南渓に告げる。



「それが、お主の出した答えなんだな。」



井伊の館では政次、そして新たに目付けとしてやってきた、近藤康用・鈴木重時・菅沼忠久、そして奥山家と継いだ六左衛門、中野家を継いだ直之が集まっていた。




一同を前に南渓は「井伊家に名を連ねる者」として、家督を相続する幼い虎松の後見人を推挙するという。いったい誰が・・・?一同は固唾を呑んで見守る中、ある名前を宣言する。



「その者の名は、井伊直虎と申す」



直虎?今川からやってきた3人の新し目付けは勿論、政次も、六左衛門も直之もその名に心当たりはなかった。戸惑いざわつく一同の前に。



「われが、井伊直虎である!」



そこには華やかな装いの次郎があった。政次の射るような視線を跳ね返すと高らかに宣言する。



「これより井伊は、われが治めるところとなる!」



井伊直虎爆誕である。

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