大河ドラマ女城主直虎の第1話「井伊谷の少女」のあらすじです。今回の大河では子供時代が4回放送されるのも話題となっていますね。少々遅れ気味のスタートですが1年感物語れますように頑張りますので何卒お付き合いのほどお願い申し上げまする。

直虎第1話上巻~井伊谷の少年少女たち~

とわは岩陰に隠れて息を潜めていた。井伊谷を風が過ぎると、静寂が戻ってきた。機会が来た。おとわは立ち上がった瞬間!



「おとわ覚悟!!!!」


「!」


動揺しつつも声の方向を見るとそこには鶴丸の姿が。そして振返った刹那!



「鶴!こっちだ!こっちにもおるぞ!」



亀之丞が声を上げる!年齢も近い3人は井伊谷の野山で鬼ごっこに夢中になっていた。声を上げた亀之丞はおとわが見つかった事を知り鬼の鶴丸の気を引くために敢えて声を上げたのである。




鶴丸は亀と比べるとても元気だ。草むらをかき分け、一直線にとわへ向かって迫ってくる。ついに、とわは崖っぷちへ追い込まれてしまった。数日続いた雨のせいで崖下を流れる川の流れは早い・・・




しかし!



負けん気だけは人一倍、いや、人二倍にとわは、崖下の川へその身を躍らせたのである。鬼の鶴丸は勿論、亀之丞も驚いたとわの行動。二人の叫ぶ声をとわは遠くに感じていた。




時は天文十三年(1544年)。浜名湖の北の山あいに広がる遠江国井伊谷。遥か500年の昔からこの地を守ってきたのが井伊一族。しかし、、、ここ数年は足利将軍家の一族でもある名門中の名門、今川氏の圧力に屈し、今川家の統治下にはいる事でなんとか、命脈を保っている状況であった。




先々代の当主である井伊直平以は心ならずも娘を人質差出すと嫡男直宗に家督を譲っていた。しかし、嫡男直宗は今川氏の戦に従軍中に命を落としていた。そして、現当主でもあり、おとわの父でもあるのは直平から見れば孫にあたる直盛であった。




今川傘下にある直盛は、今川家の家臣でもある目付役の新野左馬助の妹・千賀を正室に迎えることを余儀なくされた。しかし二人は周囲が羨むほど仲睦まじくほどなくして姫を授かった。それが、とわである。また、千賀の兄である新野左馬助は、この婚礼以降、今川家から派遣された「目付」というよりも、既に「井伊側の家臣」として己を認識するようになり、また、井伊谷の人々もまた新野を「身内」として信頼し受け入れていた。ただ、裏を返せば既に左馬助は今川からは「役に立たない目付」となる。




跡取りとなる男児は授からなかったが、直盛はおとわを溺愛すると同時に男の子のように育てた。むしろ、それを喜んだおとわは乗馬の腕も中々達者となり同年代の鶴丸、亀之丞とも日々遊びまわっていた。元々の性格もあったかもしれないが、直盛の気持ちを汲んだおとわは、益々、男勝りで勝気な少女へと成長していた。




濁流に飲まれたおとわだが、なんんとか岸へ辿り着く。おとわは何かの「力」に護られたように感じた。その頃、おとわの父、直盛は評定を開いていた。

直虎第1話中巻~一族、親族、家臣、それぞれの思惑~

井伊の館の一室には井伊家の一族、重臣達が顔をそろえていた。千賀の兄である左馬助はじめ奥山朝利や中野直由、鶴丸の父でもある筆頭家老の小野和泉守政直と直盛の叔父でもあり亀之丞の父でもある井伊直満。そして、一同が見守る中この二人は激しく言い争いをしていた。この二人の犬猿の仲は井伊谷では知らぬ人間はいない。

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井伊家の評定は踊る

「井伊の家督は井伊の男子が継ぐ!それの何が不服と申すか!?」


「武家の婚姻とは調略の場」


「武家の婚姻とは訓略の場。今川の家臣から養子をお迎えすれば、
太守様の心象も良くなり、井伊家も安泰だと申しているのでございます」



太守様とは時の駿河守護職今川義元である。井伊家では「今川寄り」と思われている小野政直は、直満だけではなく家中ではあまり評判が良くなかった。本来であれば「今川からの目付」であるはずの左馬助が、井伊に馴染んでいるのとは好対照であった。




事の発端は井伊家の跡取り。現当主である直盛には男子がいない。後継者を決めておかなければ、下手をすれば家が断絶する。直満は自らの息子である亀之丞とおとわの縁組を進言したのだ。



「今川の御機嫌取りはもう十分であろう!」


直満は政直を恫喝するようにすごんで見せた。家中の意見も概ねは一族の直満に賛成である。そこへ、川へ飛び込みずぶ濡れとなったおとわが・・・

父と娘

「その恰好は・・・?」


目を丸くする父直盛の気に留める様子もないおとわ。



「父上!お先に参ります!」


おとわと馬をはしらせ、井伊谷が一望できる丘へ辿り着くと直盛はつい本音を言う。



「お前が男であったら、このような面倒な事は起らずにすんだろうに」


「めんどうなこととは??」


澄んだ瞳で怪訝そうな顔で父直盛に問うおとわ。暫し、沈黙する直盛。そして。



「いっそ、おとわが継ぐか!?」


やや冗談のような感じで、しかし少し寂しそうに語る直盛。



「言われなくても私はそのつもりでおりますが?」


「よし!ではそうするか!そろそろ戻ろう!」


幼いおとわには父直盛の苦悩の中身までは、理解する事は出来なかったかもしれない。しかし、父の複雑な胸中をその幼い心で感じるのであった。

直虎第1話下巻~新たな悲劇の始まり~

井伊館の裏手には直盛の叔父にあたる南渓が住職を務める龍潭寺(りょうたんじ)がある。武芸全般に通じる傑山と、学問に強い昊天を若手の双璧とするこの寺で、とわ、そして鶴丸と亀之丞も文武を学んでいた。とわたちが手習いを終えて、寺の井戸へ向かうと先客の南渓がいた。



井戸端会議

「ご初代、共保公のことをおぬしらはなんと聞いておる?」


南渓が問うと鶴丸が答える。



「ある日、ここの井戸に捨てられた赤子を拾い上げた近くの八幡宮の神主が、『これはただならぬ子』といい、育てた子がのちに、井伊谷の井伊家を開いたと伝わる(鶴丸)」


南渓はそれに続けて、



「井戸の中に放り込まれてもなお、初代様は生きておられた。不思議なことだ」


亀之丞が井戸へ小石を落すと乾いた音がした。そう。この井戸は既に枯井戸であった。亀之丞はその音を聴くと。



「乾いた音・・・もしや、赤子が生きていたのは、枯れ井戸だったからじゃないか?」


と、気付いたことを言う。さらに、続いて鶴丸。



「井戸端に捨てられていたとなれば、ありがたみがないゆえ、井戸の中ということにしたのかもしれない」


井戸端会議に花を咲かせていると突然、亀之丞がうずくまる。そう、亀之丞は身体が丈夫ではなかった。鶴丸は亀之丞をおぶると三人で亀之丞家へ運ぶ。



おとわは暫く亀之丞へ付き添っていた。そこへ上機嫌で亀之丞の父直満が帰ってくる。おとわがいる事をしると、さらに目を細めて上機嫌である。



「そなたたち二人は夫婦約束をする事に決まった!」


「亀之丞は姫(おとわ)の婿として井伊の当主となり、共に井伊家を盛り上げていくのだ!」


やや、面食らっている息子、亀之丞の様子など構うことなく、豪快に笑うのであった・・・しかし、おとわには到底承服できないことが。

夫婦約束

家へ戻ったおとわは父直盛に敢然と詰め寄る!



「あの丘で、わしの跡を継ぐか?と、父上は仰られたではないですか・・・!」


「ま、まあ、あれは勢いというか・・・」


幼い娘の剣幕に圧倒されまくりの父直盛を見かねて、母、千賀が二人の間に割ってはいる。


「そもそも、おなごが一人で家を継げるわけがないでしょう」


不服顔で反論しようとするおとわ。



「しかし!」


しかし、も案山子もない。



「もし、仮に、あなたがご領主様になったとしても、跡継ぎをもうけるために誰かと夫婦になることは変わりはないはず。」


そこまで言われておとわはハタと思い出す。亀之丞の優しい笑顔を。亀と夫婦になる。



「確かに・・・仰せのとおりかも」


直盛はこれ幸いと畳みかける!


「では承服してくれるのじゃな!?」


おとわは満面の笑みで答えた!



「同に二言はございません!」

竜宮小僧

龍潭寺では亀之丞と鶴丸が傑山に稽古をつけてもらっていた。夫婦の一件以来、なんとなくか亀之丞と顔を合わせるのが照れくさく、物陰で様子を見ていたおとわに南渓が声をかけた




「亀は力が入りすぎておるの」


「張り切りすぎて身体を悪くしなければ良いが・・・」


「ほう!もう亭主の心配か?」


からかうようにおとわに問いかけた。焦るおとわ。おとわはこの機会に南渓に聞いてみたい事があった。



「最近、身の回りで不思議なことが起こっていて・・・この間、川に飛び込み濁流にのみ込まれそうになった時、どこからか導く声が聞こえた気がした。覚えのない馬の飼い葉が置かれていたこともあった。」


「ほう!それはな、竜宮小僧じゃ」


竜宮小僧はとはいつの間にか手助けをしてくれるという伝説の小僧だという。その時、鍛錬を終えた亀と目が合いお互いはにかむ。その様子を少し寂しそうに鶴丸が見ていた。



直満駿府城に散る

「何故だ!?わしがなぜ駿府へ出向く必要がある!?」


とわと直満の息子亀之丞との婚礼が決まった。その事は当然、主家である今川家太守、義元公に伝えなければならない。目付である左馬助(おとわの母、千賀の兄)が駿府へ出向いたが、父、直満が直々に出向くように下知があったという。




直満の余りの取り乱しに、おとわの父直盛を始め、居並ぶ重臣達は戸惑い顔を見合わせる。そんなに怒る必要が何処に・・・?



「亀之丞様の御父上として、と思いますが・・・」

使者に赴いた佐馬助が皆の代弁をするように語る。



「なんだ・・・そういう事が」


直満は平静を装うが、その動揺は明で隠せるものではなかった。直盛はそんな叔父に一抹の不安を感じる。




その頃、おとわ達は竜宮小僧を探していた。しかし、中々いない。身体の丈夫ではないか亀は実は二人についていくのがやっとだ・・・見かねて鶴丸はおとわを諭す。



「亀はお前が大丈夫と言えば、しんどいとは言えない」


鶴丸は回りが良く見えていた。休みながら3人は竜宮小僧を探す。亀が笛を吹いた


「~♪」


美しい音色だった。そう。鶴は身体は丈夫ではないかもしれないが、笛の才能は大してものだった。井伊谷の風まで亀の笛を喜んでいるようだった。




休息の後3人はついに、竜宮小僧の住処!?らしい洞窟に辿り着く。その奥には・・・竜宮小僧ではなく1人の山伏風の男の亡骸が横たわっていた。3人はすぐに南渓と直盛を呼んだ。



その時。亀之丞は気が付いた。



「この男は先日うちにいた・・・?」


嫌な予感が直盛、そして南渓によぎる。ほどなく。直満が駿府から戻った。しかし、戻ったのはその首だけであった。駿府へ登城した直満は太守、今川義元公に「謀反の証拠」北条氏との密約の書状を突き付けられてその場で首を刎ねられていた・・・




首にすがり泣き崩れる亀之丞。
そして、どうすることもきないおとわ。
亀之丞は気がついていた。
先日発見した山伏風の男の亡骸。
金目のものは何も取られていない。
その男と父とのやりとり。




この事実は井伊谷に衝撃を与える。左馬助の話によれば直満は間違いなく謀反を画策していた。ただ・・・この謀反は直満の独断たったようだ。しかし、例え謀叛とは言え息子を殺された直平は黙っていなかった。



「小野か!直満を売ったのは小野か!」


「ジジ様、今は時間がございません!」


左馬助は太守、今川義元からの命令を伝える。謀叛を企んだ直満の息子も死罪と。




父を殺されたふさぎ込む亀之丞。おとわは井戸端に座り込む亀之丞を見つけるが・・・亀は高熱を発していた。



「どうせ、長くは生きられない身だ。放っておいてくれ!鶴のように賢いわけではなく、おとわのように体が動くわけでもない。俺なんて、ただ、井伊の血を引いているだけの・・・ただの出来損ないではないか!」


とわは叫んでいた。



「私の夫は出来損ないではない! 誰よりも笛がうまく、人を惹きつける笑顔を持つ優しい人。でも、本当は人一倍負けず嫌いで、つらいときも決してつらいと言わない。よい男だ!」


2人の目からは涙があふれだしていた。

「もし、このまま体が強くならなければ、私が亀の手足となり、亀の代わりに馬に乗り、村を駆ける。いざとなれば太刀を佩き、戦にも行ってやる!」


「おとわは、俺の竜宮小僧になってくれるのか」


次の瞬間!おとわの身体は謎の太い腕に捕まれ意識を失った・・・



「!?」


おとわが気が付くとそこは我が家。母、千賀はおとわにきかせた。



「亀は父上が逃がしました。」


傑山に命じて亀を今川の眼が届かない場所まで逃がしたこと、もし、亀を庇いだてしたことが明らかになれば井伊は滅んでしまうこと、もう亀の事は忘れるようにと・・・
とわは龍潭寺で祈った。



「ご初代様、お守りください。亀の無事を、井伊の無事を・・・どうか・・」


そこで、亀の笛を見つけるおとわ。いてもたってもいられなくなったおとわは走り出していた。

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