おんな城主直虎第の感想第15話「おんな城主対おんな大名」でございます。最大の危機を井伊谷一丸となってくぐり抜けました。初めて「井伊谷が1つになった」のではと思います。そして、うかがい知る事が出来なかった政次殿の心境が・・・。もう隠せてはおりませぬ・・・。しかし、それも含めて「全員野球」という感想を持ちました。

井伊谷が(ほぼ)初めて一つになった

第1話の「井伊谷の少女」から私の感想をご覧になって頂いているお方には、お分かり頂けるかと存じますが、井伊谷は「常にバラバラ」でございました・・・。もう第1話から悲劇的、いやもはや喜劇的に「バラバラ」。それが今宵初めてチームワークを・・・!

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中野直之という漢

今回のエースは中野直之でしょう。初登場から直虎とは犬猿の仲・・・。



「女の癖に!云々・・・」



というのが口癖で顔を突き合せれば言い合いばかり・・・。ただ・・・確かに口は悪いのと、その風貌から漂うガキ大将感が手伝い、あまり賢そうには見えませんでしたが、よくよく考えてみると、やや頭は固いかもしれませんが「正論」を述べておりました。



「(徳政令)そういう事は皆と諮って決める!」



「(今川へ行くのは)家臣も道ずれするおつもりか!?」



正直な感想を言えば直虎より説得力がある。井伊谷では「腕はあるけど・・・」という感じでしたが、決して「頭が悪い」訳でなかった。
そして、今宵・・・。



「女子の殿様を守れなかったら男が廃る!」



っていう事で単独で獅子奮迅の大活躍!弓の腕も中々でございました。




そして、圧巻だったのは直虎との入れ替わり!これはつまり、直虎がただ一人、直之だけに事の次第を伝え入替った訳ですね。直之はよくも悪くも「一本気」な漢です。信じられたら「粋」に感じて動いてくれる漢。




この一時で直虎の城主としての「器」を感じました。そう、大将は細かいことは要らないのです。器さえ大きければ良いのです。

相変わらず知恵が回る南渓和尚

六左衛門が必死に直之殿を説得するものの・・・。あの御性格では中々折れません。そう、直之は典型的な「振り上げた拳を素直に下せない」タイプなのです。




そこで、南渓和尚。
直之を即席の寺子屋へ連れて行くと農民達に「字を教える」と言います。前回、第14話「徳政令の行方」で「字を教えてくれ」と言っていましたからね。そこで、間違いなく「直虎殿は?」という話題が出ます。直之の性格なので正直に言いますね。



「今川へ向かった・・・」



女子の殿様を放ってはおけねぇ!



「お前達が行っても足手まとい!!」



そう、でも、もし直之が行けば?「足手まとい」にしかならない農民が助けにいくと言っているのに。戦える自分がここにいて良いのか!?




そして、「直虎を助けたい!」と考えている農民達には、農民達だからこそ出来る「連判状」というやり方で直虎を援護する。今回、素晴らしいアシストを決めてくれました・・・!




そして、その「連判状」を届けるのが六左衛門。なんだかもう、「チーム井伊谷全員野球」で大勝利でした。

おんな城主対おんな大名

前回、第14話「徳政令の行方」でも申し上げました出て来た「今川仮名目録」。やはり「守護不入」は義元公時代に修正されていました。




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※関連記事:守護不入とは現代ので言えば・・・
→おんな城主直虎の感想第14話「徳政令の行方」より



寿桂尼と直虎

お二人の丁々発止のやり取りは見応えがありました。「守護不入」に関してはどうやら既に改定されている事は知っていたようですね。恐らくは、政次も知っていて「時間稼ぎ」に利用していた感があります。



ただ、



「守護不入は改定されたから、徳政令を出しなさい」



「大方様(寿桂尼)が私に「徳政令」を命じるのは私を領主と認めているから」



には、やられました。
寿桂尼様も「一本取られた・・・!」という表情でございました。政次は虎松のご生母しのから取付た書状を出して抵抗しますが、前述の通り甚平たちの「連判状」が届き、領主と認められます。



※寿桂尼殿の実像はそれ程出しゃばりではなかった?
→寿桂尼殿の実像はドラマとは異なる?



最後に「どのように民を潤す?」と問われた表情は、直虎を自分と同じ目線で話が出来る「一人前の女城主」と認めたような感想を持ちました。

寿桂尼様、来週・・・

史実での寿桂尼様は今川家が滅びる前に亡くなっています。ただ、大河ドラマ武田信玄では少々設定が異なり、武田勢により今川家が滅ぼされた後に、信玄と寿桂尼(岸田今日子さん)は面会をしています。




おそらく、今回は史実通りに行かれると思うのですが・・・。と、いう事は来週寿桂尼様がお亡くなりになり、再来週は、今川家がお滅びに・・・??




ああ、もう少し寿桂尼様と直虎を見ていたいと思いまする・・・!

政次よ・・・もうよい・・・。

前回まではどうにか「本心を隠してきた」政次。今回、視聴者は知ってしまいました・・・。まだ、好きな事を。

想いがダダ漏れの政次

今回冒頭から漏れてしまっておりました。寿桂尼様に井伊谷の件をご報告をしたところ、その寿桂尼様から申し開きをしに駿府へ来るように指示が。




その時明らかに顔色が変りました。井伊谷の出身なら直満、そして直親と親子続いての悲劇。出家上がりの女子をこれ以上相手にするのは今川の名折れなので、自分に任せて欲しいと食い下がるものの・・・。



「何を言っている?私はただ、申し開きに来いと言っているだけじゃが?」



先週までは我々視聴者にも「隠して」きたのですが今週は想いがダダ漏れでした・・・。



  • 駿府への道中で蛇に驚き悲鳴を上げる直虎を心配して部屋へ駆け込もうとする政次。
  • (傑山に止められるけど・・・)

  • 駿府へ行けばどうなるか・・・?等と脅しておいて結局自分の同行する政次。
  • (いざとなったら自分(政次)を人質に使ってもらおう)

  • 謎の力で大木が倒れて来ると思わず庇ってしまう政次。
  • (後、必死で直虎を追いかける表情が泣きそう・・・)



もはや隠せていませんね・・・。しかし、「隠せてはいないものの」直虎はそれには全く気付かないからこそ結果的に「政次への寿桂尼殿からの信頼」を傷付ける事なく事は運んだとも言えるのですが。最後、結果的には「城主」であることを寿桂尼様認められ、その顛末を氏真さんとお話ししている時・・・



「同士と思われたのかもしれませんぬ」



その子供の成長を見守るような表情。いや、もう残念ながら政次の気持ちに気が付いているのは我々視聴者だけではありません。

なつと南渓和尚

なつは今は亡き政次の弟である小野玄蕃の妻です。
今回説明がございました。



「政次殿には子がおりません。井伊を乗っ取っても後が続かない」



なつは政次が「井伊を守る楯」になろうとしているのではと問います。



「政次は否定するじゃろうな。もし、内心が露見すれば楯にはなれないからの」



南渓和尚はそのように喝破します。
正直私もきっとそうだと思います。




ただ・・・。
私の個人的な感想と致しましては、此処まで直接的は説明は蛇足であったかなと思う部分もございます。




政次の父政直の本心は結局明確には語られる事はありませんでした。私の政直殿の評は以前記載させて頂きました。



※関連記事:小野政直という漢。
→おんな城主直虎第5話「亀之丞帰る」より



政次の心境も最期まで触れなくても、あのダダ漏れの様子をただただ眺めるだけで、それはそれでまた味わい深かった気も致します。

直情的で鈍感な直虎は布石か!?

少々気になっていたのですが、直虎は「器は大きい」のですが、ちょいちょいと詰めが甘く、また若干「鈍感」な部分がありました。



※関連記事:感情派なのに相手の感情には鈍感!?
→おんな城主直虎第13話「城主はつらいよ」より


なつや南渓和尚が気が付いているのですから、母千賀や六左衛門辺りは政次の気持ちに気が付きそうです。しかし、直虎は気が付かない。ただ、「鈍感」な部分がある直虎だからこそそれは納得感があるのではないかと思いました次第です。




さて、今宵はこの辺りに致しとうございます。

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→大河ドラマおんな城主直虎の感想第16話「綿毛の案」