大河ドラマ女城主直虎の感想第11話「さらば愛しき人」でございます。父親を超えよう、父と同じにはなるまい・・・。まるで運命は鶴と亀を嘲笑うかのようでございます。また、寿桂尼様、そして瀬名様の運命を考えるとなんとも・・・。

小野政直・政次父子

政次殿の御心境如何ばかりか・・・。いや、父政直殿よりも置かれた立場は厳しものがあると思いまする。「目付」という役回りのなんとも辛い事。

→【公式動画】直虎と政次の物語を動画で再び!

父より辛い

かつて、政次殿の父、政直殿(吹越満)は「お前はいずれわしと同じになる」と申しておりました。それは取りも直さず「目付」という仕事を完遂するためにはそうならざる得ないという事なのだと思います。



※関連記事:小野政直殿という男
→直虎感想第5話「亀之丞帰る」より



いや、「新野左馬助のようになれば良いではないか!」とお考えの方もいらっしゃると思います。そうです。左馬助殿は次郎殿の母千賀(財前直見)殿の兄であり、既に目付けという立場を離れて、井伊家のために尽くすその姿に、井伊谷にすっかり溶け込んでおります。溶け込んでいる・・・?そう、「名目・肩書」はもしかすると「目付」なのかもしれません。




しかし、左馬助殿は今川から見ればもはや「目付」ではございません。だからこそ、かつては小野政直殿が目付に任命されたのではないでしょうか?




では、それは井伊家にとってよい事なのか?目付が使えなくなれば、新たな目付を送り込むだけ。かつて、直平殿(ジジ様)は小野政直殿の暗殺に手をかそうとされておりましたが、そのような事は意味がございません。



※関連記事:それでも父親。直盛、政直を救う。
→直虎あらすじ第4話「女子にこそあれ次郎法師」より。



「目付」が使えなくなれば、新たな目付を送り込むだけにございます。



しかし、此度の政次殿のお立場は・・・。内面的なお立場ははっきり申して父政直殿よりも遥かに辛い。政直殿の時代、「獅子身中の虫」として忌み嫌われた小野政直殿には情報は入ってきません。しかし、此度は松平との密会に「加担」してしまっております。政直殿であれば、今回の事実はイキナリ知らされたでございましょうが、



「どちらを選ぶ?」



この言葉に寿桂尼殿の迫力を感じました。選べる訳がない・・・。この時政次殿は御覚悟をお決めに、「目付」として生きる御覚悟をお決めになったと存じます。

目付けとは公式二重諜報員

政直殿、政次殿を見るにつけ「目付」とは二重スパイのようなものと存じまする。かつて、冷戦たけなわの時代、米帝とソ連は互いにスパイ合戦を繰り広げるておりました。その中でいわゆる「二重諜報員」も登場しています。後にお話しを窺うと・・・。



「どっちのために働いているか時々分からなくなった」



と、申されておりました。
スパイというのは敵国に赴いて諜報活動をされますが、生活は敵国で行うので、段々馴染んできてしまうと。そういえば・・・、2000年代までの外務省の中華スクールは、日本の正確な情報を如何に中共に伝えるかが仕事となっており、果たしてどちらの外務省か分からないといったような事があったとか・・・。そのような事を思い出しました。

あるべき目付の姿

私思うのです。政次殿の父小野政直殿は明確に「ある目標」に向かって走っていたのではと。そして、桶狭間にて亡くなった直盛殿も政直殿程明確ではないにせよ、同じところをご覧になっていたのではと?左馬助殿のように「井伊に完全に溶けて」は駄目なのです。




むしろ、今川から「目付は必要ない」と思われる程にならなければならない。井伊谷が心から今川に服すようにならなければならない。結果それが井伊谷の生き残りの道であると。




政直殿はきっとそこを目指されていたのでしょう。そして、此度、政次殿は「父の真の姿」を垣間見たのではないかと存じます。しかし、「今川最強時代」ではない今の方が「目付」の仕事は大変にございます。父のように生きる事では「共倒れ」になりかねません。果たして、どのような選択をされるのが気になる所でございます。

寿桂尼殿、鬼になる。

お優しいい、大らかな寿桂尼殿が「鬼」になっておりました。才覚があっても、ご本人がそれを望まれるか否かはまた別の問題。

スポンサードリンク



氏真、お前が滅ぼすんだね

義元殿がお亡くなりとなった後、今川殿は厳しい状況にございます。三河すでに松平殿がほぼ制圧。他の国衆の動揺もまた激しく疑心暗鬼を生ずの御状況。



※関連記事:→寿桂尼殿の実像は?



「どうすれば良いのじゃ!」



ただただ、嘆くだけの氏真殿(多分22、23歳)。寿桂尼殿は今川を護るために御覚悟をお決めになりました。



「謀反の芽は早めに摘む」


あの、次郎法師殿のご様子を見れば、「松平との内通」を疑われてしかり。そして、間者を使い直親殿を罠にかけまして候。寿桂尼殿は子供時代の鶴亀、そしておとわの関係まではご存知はないでしょう。なので、政次が「裏切っている」という確信はなかったと思います。いや、確信などなくても良いですし、もし裏切っていたならより好都合。



「どちらを選ぶ?」



裏切っていようが、そうではなかろうが、お前に選べる道はないと思うが如何に?まるでそう申されているようでございます。



「選ぶまでもございません。」


そして、ここに、今川にとって「使える目付け」が誕生したのでございます。

お優しい寿桂尼殿が・・・

寿桂尼殿はお優しい方です。前週も触れましたが瀬名殿の事も可愛いと思っておいででいたでしょう。また、幼き頃を知っている次郎殿の利発さと積極性も愛していたと思います。義元殿さえ生きておられたら・・・。



「昔はおおらかであったが、今は余裕がない。」


次郎殿の言葉の通りにございます。そして、余裕のない寿桂尼殿はこれからの次郎殿人生に重なるのではないかと思います。「敵」でありながらも、唯一の先輩。これから次郎殿と寿桂尼殿の丁々発止のやりとりは見所かと思いまする。

瀬名と佐名

今宵、瀬名殿は助かり、佐名殿は亡くなりました。「今川の姫など棄ておけ」あまりのいい草に、三河武士のご了見の狭さ情けのうございまする・・・。

佐名の旦那様

何度か触れております通り、佐名殿(史実では名称不詳)の旦那様は「関口親永」殿にございます。そして、これからご登場(既にちょっと出演していますが)して次郎殿と浅からぬ縁があるお方も同じく「関口氏」です。。




そのお方のお名前は「関口氏経(矢島健一演)」殿。厳密には瀬名殿の旦那様は瀬名氏で関口氏へ養子へ行かれたと言われているのですが、恐らくは混乱・混同を避けるために敢えて名前を伏せられたかなと思いまする。


※関連記事:佐名様の旦那さん一家の系図とか
→佐名とその夫について

今川を手に入れて・・・

佐名殿の願いは結果的に叶いまする。
しかし、佐名殿が望まれたのは「娘と孫たちの幸せ」にございまする。その事を考えると・・・ツライでございます。




そして、瀬名殿を演じる菜々緒殿の演技に拍車がかかっております。「ファーストクラス」で本当に御性格の悪い役を演じられて以降、注目しているのですが、此度この強さ、しかも本当は強がっている、のが垣間見えてとってもよろしいかと。。



「井伊谷へ人質に・・・!」


一度は、次郎殿の想いに応えようとしますが、それでは母の願いが叶わないので断る・・・。命がけで救ってくれた(次郎が粘らなかったら人質交換できなかった)友の願いを聞けない決意をするところとか、あわれと存じまする。




勿論、実態としてはもし人質となっても松平殿は動かない判断もあったと思います。散々苦しめた佐名殿の娘瀬名殿を井伊谷の人々は殺さないから。しかし、そんな理よりも、「母の願いを叶えたい」という気持ちを正直に申し上げる瀬名殿に、人の心の機微を感じるのでございます。




今宵は此処までに致しとうございまする。

→【公式動画】直虎と政次の物語を動画で再び!

→大河ドラマおんな城主直虎の感想第12話「おんな城主直虎」