大河ドラマおんな城主直虎の第2話「崖っぷちの姫」感想です。今宵も井伊家がてんでんばらばらなご様子がこれでもかと描かれました。

弱小国の悲哀惜しみなく

井伊家は今川に従っていますが、真田丸風に申しあれば「国衆」なのでしょうね。軍師官兵衛の「黒田家」や毛利元就家督相続後の毛利家にも近いと思いまする。国衆(後、戦国大名化も含む)は度々大河ドラマにもなっておりまする。

大河ドラマで放送された国衆たちと比較

弱小国が生き残る道というのは本当に大変なのですが、例えば「真田丸」の真田家は真田家が生き残るために一致団結。関ヶ原で結果的に東西に分かれた時でさえ「真田が生き残るには」という部分においては目標を共有。これはとても大きいと思いまする。




また、「軍師官兵衛」殿の黒田家。黒田殿も生き残るために「御着城の殿」に従っておりました。後に、毛利に付くか、織田に付くかという展開になるものの、その時も「黒田家」としては一致団結。勿論、織田について生き残ったのは結果論ではございまするが、(御着の殿小寺政職には振り回されるも)黒田家は一致団結。そして、それはまた毛利家もまた同様にございました。




一方で井伊殿。私は少々評判の悪い小野和泉守政直殿の行動がなければ井伊は滅びていたかもしれませぬと思います。政直殿の行動は井伊ご家中では批判にさらされているものの生き残るための方法としては間違いではない。勿論、今川に知らせるのではなく直盛殿に知らせるという手もあったはずではありますが、既に、井伊一族は「今川憎し」で固まっておりまする。もし、直盛殿が「今川への謀反」を知ればあの直満殿を果たして止められるか・・・・?そのように考えれば直政殿の行動でさえ「井伊を想って」とも考えられまする。



→今川からの書状を読み上げる小野和泉守政直

→小野和泉守政直に斬りかかる直平。


一族郎党がバラバラな方向を見ているのが天文13年(1544年)の井伊一族なのだと思いまする。




論理よりも感情が優先なのは世の常

時代は移り変わりましたが、いつの時代も人というものは「感情」が優先にございまする。当時の世の情勢を鑑みまするに・・・井伊殿が結ぶべきは残念ながら今川殿しかおりませぬ。幸い、織田殿ばまだ発展途上、その勢いは遠江までは来てはおりませぬし、武田はまだ信濃攻略中、そして直満殿が結ぼうとした相模の北条殿は流石に遠い。




井伊殿の状況はそれ程難しいものではない。




従二位まで昇り、都にも進出した超大国山口館の大内家、六分の一殿(日本の1/6を名目上領有した)と言われた月山戸田城の尼子殿。西国2強に挟まれた毛利殿等と比すれば随分と選択はカンタン・・・・




しかし、どうやら今川殿憎しは井伊の伝統となってしまっているようでございます。その辺りの御事情は後に描かれるようでございまするが・・・一族では直盛殿のみが、「今川に逆らっては生き残れない」事を理解しているご様子。この苦悩は如何ばかりかとお察し申し上げまする・・・

純粋だからこ人を傷つける

此度もまたお子達のご活躍が光りました。おとわもそうですが、今宵は鶴丸の気持ちを想うとなかなかあわれにございました。おとわに想いを寄せるがために、父の計らい(おとわを嫁にする)という事が逆に苦しい。鶴丸は辞退しようとしますが、そこでおとわの台詞。



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「鶴は悪くない」







「亀を待たねばならない」



その時に鶴丸の表情はとても憐れにございました。本来であれば自分を恨んでもおかしくない状況にも関わらず、おとわは全く、本心から鶴丸の事を悪く思っていない。その純粋さはまるで太陽のようにございました。しかし、その太陽が照らすのは残念ながら鶴丸ではない。そう、亀の事を一途に(子供心なれど)思っている。涙を誘うシーンにございました。

似た者親子

此度は親子の形にも注目をさせて頂きました。鶴丸と政直殿。




政直殿の描かれ方は「井伊家中で唯一の今川びいき」で、井伊家の「今川憎し」の気持ちを全く斟酌しない冷酷な人間。しかし、政直殿はそれだけのお方とは思えませぬ。



「何処が良いか分からんが(好いておろ?)」


と、息子の気持ちにはとっくに気がついている。言い方は少々あれではございますが、井伊家、そして結果的には自身の栄達、さらには息子の幸せを考えての策ではなかったかと。
しかし、政直殿は不器用にございます。きっと露悪的にしかお気落ちを現す事が出来ないのでございましょう。そんな父のようにはならない。鶴丸は今はそのように考えているかと存じますが、後に、父の想いを知るような気がしておりまする。




因みに。私は吹越満殿は好きな役者にございまする。足利義昭殿はなかなかお似合いにございました・・・




今宵は此処までに致しとうございまする。